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■夏の日の想い出・アルバムの続き(24)

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この曲の背景には、前回も前々回もそうだったが、3人の女の子が手をつないで踊っている可愛いアニメが流れていた。このミニライブのためにデパート側がアニメ制作家に依頼して制作したスペシャルビデオである。
 
曲の進行とともに,アニメの絵も色々な形の踊りに変化して行く。その変化を目で楽しむのもよい。そして楽曲が終わりに近づくと、これまでは3人の女の子は輪を崩して横一列にならびこちらに手を振る。それで観客も曲の終わりを感じる。
 
3つのフルートが停止する。
 
ここで普通なら観客が盛大な拍手をくれる。
 
ところが観客はみな固まってしまった。
 
何かあった?と3人の演奏者は観客が見ている先、後方を見る。するとそこには怪人二十面相と思わしき怪盗マスクの人物が指を1本立ててこちらに笑顔で立っている写真が映っていたのである。
 
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「山科、プロジェクターを消せ!」
という店長の声があり、山科と呼ばれた社員が飛んでいく。
 
(こういう時は「誰か消せ」と言っても誰も動かない。誰でもいいから誰かを指名すればその人が動く。この店長はさすが人の動かし方を知っている。交通事故などの時も「誰か救急車呼んで」と言っても誰も動かない。誰でもいいから指差して「あなた救急車を呼んで」と言えば.その人が呼んでくれる)
 
映像を制御するパソコンを操作していた女子社員(桜井真理子)は真っ青である。そしてプロジェクターのスイッチが消えてからやっと、
 
観客から「きゃー!」という悲鳴があがる。観客が一斉に立ち上がろうとするのをナナが「動かないで!一斉に動いたら将棋倒しとか起きて危険です。二十面相は別にここには居ません」と大きな声で制した。それでパニックはギリギリ防げた。
 
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入退場口はすぐ閉鎖され、まずはライブ会場の客をひとりずつ身元確認して出す。それから一般の観客もひとりずつ身分証明書を確認して退出させた。展示会は今日はもうこれで終わりとさせてもらった。警察の捜査がどのくらいかかるか見当が付かないからである。
 
今日の午後の14時以降のチケットを持っていた人は、明日の同じ時間にも使用できるし明日無理なら払い戻しに応じると説明した。ほとんどの人は明日への振替を希望した。
 

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ナナたちは女性警備員(新田青依)と一緒に控室に移動。3人ともフルートのクリーニングをする。10分ほどでクリーニングできるので、聖知とナナは女性警備員と一緒に展示ケースに向かい、ケースの中にロマノフの小枝と火の鳥を納める。それでケースは閉じられ、警報装置が掛けられた。
 
「聖知ちゃんもナナちゃんも顔色が悪い。私が送っていくよ」
と小梢が言うので、細川氏も
「ああ、それがいい。誰か付いていってあげて」
と言う。すると少年探偵団の井上一郎(演:鈴本信彦/ラルフローレンのスーツ姿)が、少年探偵団の認証アプリとデパートからもらっているidカードを見せ
 
「私(わたくし)は少年探偵団の井上です。私が送って行きます。運転歴は4年です」
と言うので彼に頼むことにした(*70).
 
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それで、井上一郎、細川聖知、北里ナナ、花田小梢の4人が“退場ゲートを通らずに”会場を出て、地下駐車場に移動。井上が運転する小梢のタントでデパートを出たのである。
 
(*70) 鈴本信彦は実際、仕事で必要になると思うのでと言って高校3年の在学中に免許を取得した.愛車はゴルフ・カブリオレである(最初の1年は中古のカローラに乗っていた)。だから本当に4年乗っている。
 

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ナナたちがデパートを出たのと同じ頃、森田助手(木取道雄)は探偵事務所の灰色のプリウスを出し、成田に向けて出発した。
 
視聴者の声↓
「これ絶対拉致されるよね」
「そりゃ木取君がまともに仕事できる訳無い」
 

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ライブ会場でのビデオへの二十面相出演事件は、警察が調べたところ、画像制御用のパソコンで『パッヘルベルのカノン』用のアニメビデオに手が加えてあり、ビデオの最後に二十面相の自画像?が加えられていたことが分かった。ファイルのタイムスタンプ自体はこの展示会が始まる前、昨年(2022)12月であった。オリジナルのタイムスタンプと1日しか違わない。
 
ただ何らかの方法でオリジナルに二十面相が上書きしておいたようである。その作業日は前回のライブから今回のライブまでの1週間で、パソコンはデパートの事務室に置かれており、事務室には多数の業者が出入りしているので誰が触っても気付かなかったと思うと、担当社員は答えた。
 
二十面相の犯行というのはこのようにとても用意周到で、それ自体がまるで芸術作品であるかのように、緻密に行われているのである。
 
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ライブステージの上から「1」と書いた紙を落とす作戦が失敗したので、予め準備だけはしておいた、こちらの作戦に切り替えたのだろう。
 
(実は昨日溝口と警備会社の課長に捕まりそうになって逃げた部下が、溝口たちが去った後この操作をした)
 

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警察の捜査を見ていた細川洋介(東堂千一夜)は夕方、男装に戻っている小林少年(アクア)を
「ちょっと」
と呼んだ。
 
2F紳士服売場の喫茶室で洋介・洋造の兄弟と話す。洋介たちは婦人服フロアの喫茶室などには入りづらいだろう。ウェイトレス衣裳の清川なぎさ団員(演:中川友見 22)がコーヒーを3つ持ってくる。彼女は少年探偵団別働隊“黒豹(Panther)”のメンバーである。実は情報収集のため黒豹メンバー(全員20代以上)の女性(女性に見える人を含む)をこのお店の喫茶室全てに潜入させてもらっている。
 
このことは小林・花崎マユミと店長しか知らない。黒豹は基本的に他の団員たちとは別行動である。なお小林は「一部女性に見える男性もいますが、いいですかね?」と確認し店長は「よけい頼りがいがあります」と答えた。なぎさなどは体格がいいので店長は「この人は男の娘かな」と思ったようである!(むろん天然女子)
 
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「二十面相の性格からして盗むのは多分22日になってすぐですよね」
と洋造氏は言った。
 
「過去のケースからすると一番その可能性が高いです。彼は昼間大勢客が居る中にピストルぶっ放して押し入って、ケースを破壊して盗んでいく、みたいな荒っぽい犯行はしませんよ」
と小林は答える。
 
「気付いたら無かったみたいなスマートな犯行ですよね」
「そうです。彼にとっては盗み自体が芸術なんですよ」
 
「だったら我々で今夜不寝番(ねずのばん)をしません?」
「やる価値はありますね」
 
この話がもし洋介氏の周辺の誰かから出ていた場合、その人物がいつの間にか二十面相本人か仲間に入れ替わっている可能性があると小林は思った。しかしその場合、その話に乗ってやることで相手の犯行を阻止できる。
 
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展示会は結局18時に再開された。通常は19時で閉めるのだが、今日は午後の展示を臨時休止したため、再開を知った人の代替入場があり、19時半まで入場を受け付けた。客がはけたのはお店自体の閉店時刻20時である。
 
ここで18時から19時半まで展示会の受付をしたのはデパートの女子店員の服を着た、少年探偵団の西山ラン団員(演:山鹿クロム)と北山レイ団員(演:三陸セレン)である。実はあの騒ぎの後なので女子店員たちが怖がってやりたがらなかったこと、店長としても絶対信用できる人にここを受け持ってもらいたかったので、西山たちが名乗り出たのを“渡りに船”と、お願いした。
 
昼間の警備員から夜間の警備員に交替する。フルートの展示ケースの周囲に畳が敷かれる。ここに、聖知の両親である細川洋高夫妻(城村滝雄・しまうらら夫妻:友情出演)、葛西助手(森原准太)、高石主任(店長の息子:佐渡金銀)の4人が陣取る。
 
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不寝番の小林たちがフル徹夜すると体力がもたず、眠たくなってきた明け方を狙われやすいということから、小林たちは現在10階のVIPルームで仮眠中。23時に交替することにしている。店長もこの不寝番に付き合うので、それまでのつなぎのグループに自分の息子を呼んだ。彼は新宿店に勤務している。
 
実は社長が自分がやろうか?と言ったものの「社長がいると他の人が緊張してよくないから若い人に任せましょう」と専務が言ったので店長と息子に任せた。でもこの日店長には20時で上がらせ、お店を閉める作業は社長が代行した。
 

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20:30.
 
明智事務所。
 
花崎マユミのスマホが鳴っているがマユミはデスクに打っ伏したまま眠っている。奥の部屋からセーラー服姿の中居美奈(演:佐川治美)が出て来て代わりに取る。
 
「お待たせしました、明智先生。少年探偵団、中居美奈です」
「ああ、中居さん、今成田に着陸したから」
「お疲れ様です。森田さんが空港ビル内か駐車場で待機している筈です。本人を呼び出して合流してください」
「分かった.ありがとう」
「必要な所へはこちらから連絡しておきます」
「よろしく」
 
中居美奈はそのままマユミのスマホに暗証番号を打ち込んでアンロックし!そのスマホから、葛西助手、小林、少年探偵団のメンバーたち、また細川洋介(多分仮眠中)・店長(仮眠中?)にメールし、また警備会社にも電話連絡しておいた。
 
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花崎マユミはまだ寝ている。
 
「よほど疲れているのね」
と呟くとマユミに毛布を掛けてあげた。そして奥の部屋に戻って寝た。
 
(君、おうちには帰らなくていいの?いくら土曜の夜でも)
 

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フルートの展示ケース前で“つなぎの番”をしていた葛西(森原准太)はマユミからのメールを受けると
「明智が今成田に到着したそうです」
とその場で伝えた。思わず
「これで安心だ」
と声があがっていた。
 

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22:10.
 
フルートケースの横の椅子に座り警戒していた2人の警備員・国崎と松本の内、若い方の人、松本が
「ちょっとトイレに行って来ます」
と相方に声を掛け、部屋を出て行った。
 
二十面相が来た場合に逃走しにくいよう、会場の出口は閉鎖しているので(昨夜ここから二十面相の仲間が逃走したので鍵を交換した)、展示室を通過して、入口の所の警備員にも声を掛けてからデパートのトイレに行く。用を済ませてから戻ろうとした時
 
「松本さん」
と小声で声を掛けられたので彼は驚いて振り向いた。
 

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22:50.
 
VIPルームで仮眠していた細川洋介・洋造、小林少年がやってくる。少し遅れて店長もやってくる。2人の警備員・国崎と松本が見ている中“番”を交替する。
 
「皆様お疲れ様です」
と言って店長自身がコーヒーを8人に注いでまわる。警備員にも渡そうとしたが
「自分達は警備中は持参の物以外の飲食を禁じられているので」
と言って受け取らなかった。
 
またこれから仮眠に入る葛西助手は受け取ったが小林助手は警備員たちと同じ理由で断った。彼はここに入る前に、今回はバックアップ要員として走り回ってくれている藤本友也団員(演:福山長洋/少年探偵団の女子?制服姿)(*71) からコーヒーの水筒を受け取っている。なお藤本は小林の指示でタクシーで帰宅した。
 
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店長はコーヒーポットをお代わりしてきてから畳のそばに置き、自分も“番”に入った。細川洋高夫妻・葛西助手・高石主任はVIPルームに行って仮眠する。
 
(*71) 「なんで女子制服着る必要があるんですか〜?」と抵抗したが「こういう服は着れる内に着とこう」などと言われて着せられた。ファンからは「可愛〜い。あと2〜3年は女子高生でも通るよね」などという声。でも大半の視聴者は普通に女優さんと思ったと思う。
 
「キュロットスカートとか恥ずかしー」
「次はぜひ普通のスカートで」
「やだ」
 

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23:10.
 
守衛から店長に電話が掛かってくる。店長は
 
「明智先生がいらしたようです。お迎えに行ってきます」
と言って展示室を出て行く。
 
店長の靴の音が響く。やがてバックヤードにある業務用のエレベータが動いている音がする。しばらく静寂。そしてまたエレベータの音がして、今度は2つの靴の音がする。どちらも男性の靴音である。そして入口のところで何かやりとりしているよう。そして2つの靴音は一般展示室を通って・・・・フルート展示室に現れた。
 
店長と明智小五郎(本騨真樹)である。
 
「明智先生、お帰りなさい」
と笑顔で細川洋介・洋造が言う。
「みなさん、遅くなって申し訳ない。二十面相は今回いろいろ派手なことをしているようですね」
と明智は笑顔で言う。
 
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「まだ今の所はフルートは無事です。こちらです」
と言って洋介氏が明智をフルートケースに案内する。2人の警備員は無言・無表情である。
 
「これがロマノフの小枝と火の鳥ですか。美しいですね」
と明智。
 
「まあそういう訳でここで我々が陣取っていれば二十面相も盗って行きようがないでしょう」
と洋介氏は言う。
 
(この人2年前の事件でも似たようなこと言ってなかったか?)
 
4人が座る位置をずらして、小林と店長の間に明智は座った。
 
 
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