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■夏の日の想い出・アルバムの続き(21)

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1月15日(日).
 
四山デパートの代表電話に電話が掛かって来て「7」とだけ言って切れた。電話を受けた社員は首をひねったが上司に報告する。
「それは二十面相の予告だ」
と言われて彼女は悲鳴をあげた。
 

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「5階のラウンジに列が出て来てたね」
と小林少年が変装している女子店員(演:立花紀子)が言う。
 
「あまりにも観覧希望者が多いから5階のラウンジでビデオビューイングを始めたんだよ。一応予約制。これは予約金は500円しか取らないし、その500円で1ドリンク飲めるから実質無料。でも最初から無料で予約できるようにすると空予約が多発するから500円取る。予約金はクレカで払い、キャンセル不可。来なくても返金しない。ドリンクはあくまで来てくれた人へのサービス」
 
と北里ナナ(演:アクア)は説明する。
 
「賢明だね。デパートはイベントに慣れてるね」
「ライブなんかも運営しているイベント会社にそのあたりは頼んだみたい」
「ああ、餅は餅屋だ」
 
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1月16日(月).
 
この日の朝10時、社員がお店を開けようと玄関のシャッターを開けると朝から来ていた客の間でざわめきが起きる。何だろうと思って社員が外に出てみると、玄関ドアのところに「6」と書かれた紙が貼られていた。
 
つまりこの紙はシャッターの内側、玄関ドアの外に貼られていたのである。昨日夕方店を閉めた時は異常は無かったと担当社員は証言した。
 
なお紙は四山デパートの今年のカレンダーの6月の所を切り取ったものであった。
 
「二十面相ってこういうのでスリルを楽しむためにやってるとしか思えん」
と小林少年は呟いた。
 

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1月17日(火).
 
この日は朝出て来た社員が1階の正面の時計が5時で止められているのを発見した。
 
またこの日も北里ナナ(アクア)と小林少年(女子店員姿/演:立花紀子)は店内で遭遇した。
 
「入退場口の所に金属探知機ゲートが設置されたね」
「設置するのが遅いくらいだと思う」
「シャッターに操作されて、時計を止められてデパート側もやっと相手の恐ろしさが分かってきたんだよ」
「どちらかというと退場口の金属探知機が重要だよね」
「そうそう」
「まあ普通は持ち出そうとして金属探知機が鳴る前にケースの所の警備員が気付くけどね」
「でもそれを気付かないようにやるのが二十面相だろうね」
「同感。あいつは人間の心理の隙間を突くのがうまいんだよ。7時の次は8時だろうとみんなが思ってる時、あいつの時計には7.9時がある」
「・・・小林君、今の二十面相が引退したら次の二十面相になれるよ」
「勘弁して」
 
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(視聴者の声「まさかアクアは来期の二十面相役か?」「それはさすがに断るだろ」)
 

1月18日(水).
 
この日のお昼頃、エレベータを7階で降りたひとりの客がコートを着て手袋をし、帽子をかぶり、サングラスをして大きなマスクをしていた。冬だからコートを着ていたり手袋をしているのは珍しくない。コロナの折でインフルの時期でもあるからマスクはむしろみんなしている。
 
しかし客は展示会の入口まで来るといきなりコートを脱ぎすてた。すると下に着ているシャツに大きな字で「4」と書かれた文字があったのである。
 
キャー!
 
という悲鳴があがる。
 
入口のところにいる警備員(斎藤次光・香取泰裕)が男のほうに向かおうとしたが、たまたまそばにいた明智事務所の葛西助手(森原准太)が
 
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「君たちは動いてはいけない。陽動作戦かもしれない」
と言ったので
「あり得ますね!」
と言って2人の警備員はそこに留まった。
 
店員たちが怪人物を追いかけるが怪人物は逃げて行く。そして怪人物はマタニティ・ベビー用品の売場に飛び込んだ。
 
社員たちが怪人物を見失う。店長(横田直樹)は他のフロアからも社員に来てもらい、大勢で探す。この付近にはフィッティングルームも多数あるので(万一中に客がいた時のため)女性社員たちがひとつずつ開けて確認するが怪しい人物は居ない。トイレの中なども捜索するが怪しい人は居ない。
 
「どうもうまく逃げおおせたようだ」
と探していた店長(横田直樹)が悔しそうに言い、他のフロアから手伝いに来てくれた社員たちに各持ち場に帰って良いという指示が出る。
 
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その女子社員(太田芳絵)は店長の「帰って良い」という指示を聞いてマタニティ売場を離れ、奥の階段に向かった。7階の階段は現在使用禁止にしているのだが、エレベーター・エスカレーターをお客様に使って頂くため、社員たちは階段で下のフロアに戻って行く。
 
その女子社員(太田芳絵)が階段を降りようとした時、別の女子社員(立花紀子)が立ち塞がる。
 
「どいてよ」
「あなたの名前と所属・担当売場は?」
「4階の婦人肌着売場の田中だけど」
「へー。それじゃ婦人肌着売場に問い合わせてそこに田中という社員がいるか確認してみようか」
と立ち塞がる社員は言う。
 
両者はしばらく見詰め合う。
(愛の告白では無い)
 
階段を使おうとした女子社員はふっと力(ちから)が抜けたような体勢である。
 
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「きさま、小林か。ほんとによく俺の逃走路が分かるな」
「こちらの階段は少し不便な場所にあるし狭い。普通の社員は向こうの広いほうの階段を使うだろうからね」
 
「だけど、きさま、よくデパードガールのコスチュームが似合ってるぞ。俺にたくさん出し抜かれて評判が落ちて明智探偵事務所が潰れたら女の子になる手術を受けてデパートガールになるといいぞ」
 
「二十面相君も、デパートガール姿がなかなか似合ってるじゃん。これから警察呼ぶから、裁判受けて服役して、刑期を終えた後は女になる手術を受けてデパートガールになったら?」
 
小林と二十面相はしばし睨み合った。
 
(この場面、立花紀子・太田芳絵で撮影した映像に後半小林役のアクアと二十面相役の大林亮平がアフレコしている。アクアは男声で当てているがアクアの男声は充分女声にも聞こえる。アルトボイスという感じ。北里ナナの声はソプラノボイス)
 
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視聴者の声
「少年探偵・小林芳雄が手術を受けて女の子になったら、少女探偵・小林芳恵でいい気がする」
「それで明智探偵の新しい奥さんに」
「少年探偵団も全員女の子になる手術を受けて少女探偵団に」
「最初から女の奴は?」
「男になる手術を受ける」
「きっと喜ぶ奴が多い」
 
「元々男になりたいと思ってる女のほうが女になりたい男よりずっと多いと思う」
「そうそう。ただ女が『男になりたい』と言っても普通だから聞き流される。でも男の子が『女の子になりたい』と言ったら珍しいから、こいつは変な奴だと思われる」
「それ多くの人が指摘してる」
 
「怪人二十面相が手術を受けて女になったら、女怪盗20(ヴァン vingt)とか」
「まあそれでいいんじゃない?(適当)」
「原野妃登美ちゃんは大林亮平が女になっても面白がりそうな気がする」
「ああ、あの人は元々が少し壊れてるから平気っぽい」
「妃登美ちゃんが“少し壊れてる”ならマリちゃんは?」
「あれは壊れすぎて修理不能」
「確かにマリちゃんは修理不能」
 
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展示会入口のところに居た葛西助手が持っていたスマホが鳴る。葛西が取ると小林の声で「西階段」と言って切れた。
 
「どうかしました?」
と警備員が訊く。
 
「小林助手がどうも賊を捉えたようですが、彼1人では腕力でかなわないと思う。ちょっとヘルプに行きます」
 
「だったら、斎藤君一緒に行って。ここはぼくが守る」
と主任のマークを付け香取という名札の警備員が言うので、葛西助手と斎藤警備員で駆け付ける。
 
2人が西階段に駆け付けると2人の女性社員(立花紀子・太田芳絵)が取っ組み合いをしているので困惑する。
 

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葛西助手と斎藤警備員が、戸惑っているようなので
 
「両方捕まえて!」
とひとりの女子(立花紀子)が叫ぶ。
「確かにそれが確実だ」
というので、葛西と斎藤は取っ組み合っていた2人をひとりずつ拘束した。
 
「ぼくはこちら」
と言って葛西が拘束したほうの女子はフェイスマスクを外す。小林少年(アクア)の顔である。「こちらが小林君か」と言って葛西が手を緩めるので「手を緩めたらダメ。ボクのふりしてこちらが二十面相かも知れないじゃん」と言うので葛西は「あ、そうか」といって再度しっかり小林を押さえた。
 
(これから1分ほどアクアのデパートガール姿!)
 
しかし斎藤警備員のほうはどうもこちらが本物の賊っぽいと思い、しっかりと押さえる。相手が女だといっても遠慮はしない。斎藤は柔道五段の猛者で物凄い筋力なので、二十面相も柔道の心得はあるがさすがにこの相手には身動きできないようである。
 
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「このまま警察を呼んで」
「分かった」
 
葛西が自分で呼ぼうとしたが、ちょうどそこに報せを聞いた店長が駆けつけて来たので警察を呼んでもらった。やがて駆けつけて来た警察に、女子社員の制服を着ている2人が(不法侵入の現行犯で)両方拘束され!パトカーに乗せられて署に連行されていった。
 
「これで解決ですかね」
と店長さんはホッとするように言ったが葛西助手は言った。
 
「いやこれも陽動作戦かもしれない」
 

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そして、30分後、拘束した二十面相である可能性がある女性がパトカーから署内に連行しようとした時に警官を振り切って逃走したという報せが入った。どうも警官たちは相手が女と思って油断し、また女性の身体をあまりしっかり押さえてはいけないと思って押さえ方が緩かったようである。しかも女性はパトカーの車内ではとてもおとなしくしていた。
 
「これは二十面相の変装ですからと言ってたのに」
と葛西助手。
 
「手錠は掛けていたんですが」
「二十面相には手錠もロープも全く意味がありません」
 
きっと警官を油断させるためにわざとおとなしい振りをしていたのだろう。
 
これは警察署長も落ち度を認め、署長がわざわざ四山デパートまで謝罪に来た。
 
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しかし最終的に逃げられたとはいえ、小林がいったん賊を捕まえてくれたことでデパートの明智探偵事務所に対する信頼が大きく上昇したようであった。
 
小林君の方は、森田助手(木取道雄)が引き取りに行き、確かに本人と認められて釈放された。
 
木取道雄と一緒に署を出るデパートガール姿のアクア!
 
(視聴者の声「小林少年の顔でデパートガールの服着てても何も違和感無い」)
 

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1月19日(木).
 
展示会場の入口のところに並んでいる客たちが天井から何かハガキのようなものが落ちてくるのを見た。警備員も気付いて拾い上げると何か絵画の絵はがきのようである。絵には3人の女性が踊る姿が描かれていた。警備員はこの絵を知らなかったが、3人の姿を描いた絵というだけで意味は分かった。
 
その時並んでいた客が身体検査を求められたが誰も怪しいものは持っていなかった。
 
天井に粘着テープが付いていたのが発見され、二十面相はおそらく昨夜のうちに天井にこの絵はがきを貼り付けていたものと思われた。それが粘着が弱くなり落ちてきたのだろう。しかし入口付近を映している防犯カメラの映像を確認したものの、夜間にも怪しげな作業をしている人の姿は認められなかった。
 
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小林は思った。
「これは防犯カメラ自体が操作されてるぞ」
 
絵はがきは確認するとゴーギャン (Paul Gauguin)の「ブルターニュの3人の少女の輪舞 (La ronde des petites Bretonnes)」(*67)という絵の絵はがきだった。指紋は・・・たくさん付いてて訳が分からなかった!恐らくどこかの売場に長期間放置されていて多数の人が触っていたものと推定された。
 

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(*67) ブルターニュはフランス北西部に突き出る2つの半島、ノルマンディー半島・ブルターニュ半島のうち南側。第二次大戦末期、連合国側はブルターニュ半島に上陸するという噂を多数流しておいて、ノルマンディー半島のほうに上陸した(史上最大の作戦)。
 

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