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■夏の日の想い出・アルバムの続き(16)

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とうとう大晦日(おおみそか)。おじいさんは言いました。
 
「今日はわりと天気が良いみたいだ。町まで行って笠を売ってくるよ」
「でも夜には雪が降るかも知れませんよ」
「暗くなる前に帰るさ」
 
おじいさんは笠を5つずつ山にまとめると、10山ほどの笠をしょい(*47), 自身もいつも使っている少し破れた菅笠をかぶり、町に出ました。
 
(*47) 笠の重さはサイズにもよるが200-250g程度と思われる。5つまとめて1-1.25kg, 10山で10-13kg程度。若い頃農作業で鍛えていた老人男性が持って遠くの町まで行く場合、そのくらいが適当だろう。
 
藤原さんはこの13kgほどの笠の荷物を持ったものの
「これは50m歩くのが限界」
と言った。それで50m歩いてもらって!それを撮影した!
 
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「年寄りをこき使う番組だなあ」
と笑っていたが、スタッフへの信頼感あっての軽口である。
 
でも荷物をしょって歩いているおじいさんが時折疲れた表情を見せて休んだりするのが、またいい絵になっていた。
 

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年の瀬の市(いち)では色々な人が色々なものを売っていました。おじいさんも市の参加料を払って笠を売り始めます。
 
挿入歌:常滑舞音『菅原の市(鳥追版)』イギリス古謡・未来居住超訳・若山鶴風編曲(*49)
 
「ええ、笠〜笠はいらんかね?」
 
カメラは市の中の様子を映す。お正月なので餅を売る人、大根や菜っ葉など色々な野菜を売る人、魚を売る人、注連飾りの類いを売る人、クリスマスケーキほ売る人?ガンプラを売る人!?など様々です。(*48)
 
お正月なので笠を新調しようという人もわりと居て笠は結構売れました。1山、2山、と売れていき、夕方近く残り1山になります。
 
市の管理人:山本コリン(2005)
笠を買った人:本田覚(1980), 山本明(1978). 月城たみよ(2008)
市に居る人:解決ゾローズ
 
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「あと1山だ。あと少し頑張ろう」
とおじいさんは思いました。おばあさんには暗くなる前に帰ると言ったもののどうせなら全部完売したい気分です。
 

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(*48) この市のセットを作るのに1日掛けている。主演が大物だけに予算も豊富。
 
(*49) 若山鶴風先生に和楽器に編曲してもらった。舞音も民謡っぽく唄っている。民謡っぽく唄うとまるで別の歌。『スカーバラ・フェア』であることに気付かない人も最初大勢居た。「なんかいい歌ね〜愛知民謡だっけ?」などと言われていた。(舞音は一部尾張方言(*50)を混ぜている)
 
ちなみに“鳥追い”というのは、鳥追笠とよばれる半分折った傘をかぶり、正月に三味線と胡弓で町を流していた女芸人である。富山八尾(やつお)の風の盆の踊り手たちがこれに近いタイプの笠をかぶっている。
 
伴奏は川泉パフェの三味線、篠崎希の胡弓、花ちゃんの和太鼓、月城たみよの篠笛でしている。若山鶴風はわざわざ東京に出て来てこの子たちの指導をしてくれた。小牧から東京ヘリポートへエキュレイユ2で運んだ。←きっと東京に来たかった。
 
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(性別の怪しい人が多い気がするのはきっと気のせい)
 
鶴風先生は希を一目見て「あんた琵琶が弾ける顔をしてる」と言うので(顔で弾くのか?)弾いてみせると物凄く上手い!
 
「あんた名前をあげるよ」
「すみません。もう持ってます」
「そっかー!」
と悔しがっていた。
 
(*50) 舞音の出身地・知多半島の言葉と名古屋言葉は親和性があり、まとめて尾張方言と呼ばれる(ただし知多弁では名古屋弁に特徴的なæの音を使用しない)。大きく見ると岐阜愛知方言の一部。それで実はケイ(江南市出身)と舞音は方言で話が通じる!
 

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おじいさんが持って来た笠は結構売れたのですが、最後の1山がどうしても売れませんでした。
 
「仕方無い。帰るか」
 
市(いち)も閉まるのでおじいさんは売れ残りの笠1山(5枚)を持ち、自分の笠をかぶって町を出ました。でも9山(45個)売れて180文の売上です。市の出店料を引いても164文(約4100円)の儲け。おじいさんはこれで春までに食べ物や燃料が足りなくなっても何とかしのげるかなと思いました。
 
おじいさんが帰る内に雪が降ってきます。
 
「ああ、とうとう雪になったか」
などと呟きながらも歩いて行きますが、雪はかなり本降りになって来ます。
 
「こらあかん。早く帰らねば。おばあさんも心配しているだろうし」
 
もちろん昔は携帯電話も無いので連絡などできません!
 
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おじいさんは真っ暗な中、星明かりと雪明かりだけを頼りに歩いて行きます。
 
(昔は太陰太陽暦なので元旦が新月(朔)である。その前後は月の出ない闇夜となる)
 
やがておじいさんの行く手に何か白いものがポワッと見えてきます。
 
「何だっけ?」
と思ったらそれは村境のところにあるお地蔵様でした。6体並んでいます(*51).雪をかぶって白く見えていたようです。
 
おじいさんはお地蔵様の前で手を合わせました。
 
「今年も神様仏様のお陰で何とか生き延びられました。来年もよろしくお願いします」
とお祈りします。
 
それで行こうとするのですが。ふと思いました。
 
「お地蔵様もこの雪の降る中、何もかぶらずに寒くないですか?」
「そうだ。売れ残りで申し訳無いですが、この笠でも」
 
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それでおじいさんはまず最初のお地蔵さんに積もっている雪を手ぬぐいを使ってはたいてあげました。そしてお地蔵さんに売れ残りの笠を1つ掛けてあげました。その瞬間、お地蔵さんが、石の無表情な地蔵の顔から、常滑舞音の顔に変わります。
 

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「なんかムカツク気がするが、お地蔵さんはみんなありがたいもの」
 
挿入歌:常滑舞音『お地蔵さんに笠をあげましょう』
 
それで、おじいさんは2番目のお地蔵さんも、雪を払ってあげてから笠をかぶせました。三陸セレンの顔に変わります。
 
こうしておじいさんは六体のお地蔵さんの雪を払うと笠をかぶせてあげました。でも最後のお地蔵さんはもう売り物の笠が無くなってしまったので
 
「使い古しで申し訳無いが、少し破れた爺の笠でもよければ」
と言って自分の笠をかぶせました。
 
それで笠をかぶせられた地蔵は次の人の顔に変わりました。
 
常滑舞音、三陸セレン、山鹿クロム、水谷康恵、水谷雪花、大内小猫!
 
おじいさんは笠が無くなってしまったので手ぬぐいを頭に掛け、お地蔵さんたちに「よいお年を」と言って村への道を急ぎました。
 
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(*51) 一般にお地蔵さんは6体並べて作られることが多い。六道(りくどう)の衆生(しゅうじょう)を救済するからだと言われる。
 
「笠地蔵」の話は全国に類話があり、地蔵の数も5〜8体と色々ある。しかし6体地蔵で売れ残りの5枚の笠+自分の笠をあげたというパターンが主流と思われる。
 

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おじいさんが
「ただいま」
と言って帰って来ると、お婆さんは
「お帰りなさい。寒かったでしょう。囲炉裏(いろり)にあたって」
と言います。
 
「ただいま。ごめんね、遅くなって」
「でも笠は全部売れたんですね。あら?おじいさんの笠は?」
「いやそれがね」
と言って、おじいさんは村の境の所のお地蔵さんがいかにも寒そうだからちょうど売れ残っていた5枚の笠をあげて、のこり1体には自分の笠をあげたのだということを説明します。
 
「それはよいことをしましたね」
とおばあさんは、おじいさんの行為を褒めてくれました。
 
「いやほんとうに寒そうだっからね」
「ささ、先日もらった干し魚でも焼きましょう。お正月ですし」
「それもいいな」
と言ってお婆さんは干し魚を持ってくると、1枚囲炉裏の端(はた)に立てました。もちろん1匹を2人で分けて食べるつもりです。
 
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お婆さんは、囲炉裏に掛かっている鍋から大根の汁をお椀に盛っておじいさんに勧めます。
 
「ありがとう、ありがとう。これは身体があったまる」
と言っておじいさんは美味しそうに大根汁を食べています。
 
やがて魚が焼けるので2人で分けて食べます。
 
そしておじいさんが一息ついたところで、おばあさんは囲炉裏の燃えている薪木に灰をかぶせて種火の状態にします。それで家の中も暗くなったので、ふたりは布団の中に入ってやすみました。
 
ここに語り手の麻生ルミナが出てフリップボードを提示するとともに読み上げて説明します。
 
「昔の田舎の家には特別に照明などなかったので囲炉裏の火が唯一の明かりでした。囲炉裏の火に灰をかぶせて種火状態にすると家の中は真っ暗になります」
 
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明け方、何やら音がするのでおじいさん・おばあさんは起き上がって外に出てみました。するとそこには6人のお地蔵さんがいて、荷車を引いてきて何やら俵をたくさん家の庭に積み上げました。
 
おじいさんもおばあさんも呆気にとられてそれを見ていました。
 
挿入歌:常滑舞音feat.大内小猫『俵をよっこいしょ』
 
「じゃね、良いお年を」
と見覚えのある少し破れた笠をかぶったお地蔵さん(大内小猫)が言うと、お地蔵さんたちは空の荷車を持って帰って行きました。
 
おじいさんたちが積み上げられたものを見ると、米俵が15俵、炭俵が10俵、他に野菜や干し魚などもたくさん置いてありました。更には小判の入った箱までありました。
 
「これはどうしたことか」
「朝になったら庄屋さんに報告しよう」
 
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それでおじいさんが朝になってから庄屋さん(田船智史:友情出演)に届けます。
 
「それはまた不思議なことが」
と庄屋さんも戸惑い気味です。
 
庄屋さんはまず何人か手分けして村中の家々に米や炭、また小判などが無くなったりしてないか調べさせました。しかしどこにも盗まれた家はありませんでした。また雪の上の荷車の車輪の跡を追っていくと、村境のお地蔵さんのところまで到達しました。お地蔵さんたちはおじいさんの言うように笠をかぶっていますが、6番目のお地蔵さんは少し破れた笠をかぶっていました。
 
そして何よりもおじいさんもおばあさんも貧乏ではあっても人を騙したりしたこともなく村人から信頼されていました(これ凄く大事)。第1、こんな重い俵をおじいさんたちが運べるとも思えません。
 
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それで庄屋さんはこの米俵や炭俵は、お地蔵さんが笠のお礼に、おじいさんにくれたものであると認定してくれました。
 

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でもおじいさんは言いました。
「お地蔵さんがくれたものを私たちが独り占めしては申し訳無いです。これは村中で分けましょうよ」
「いいのか?」
 
実際おじいさんとおばあさんだけでは、米1俵(約60kg)食べるのにも1年掛かります。
 
それで庄屋さんが誰に何をいくら分けるかというのを決めて、公平に配りました。この村は今年は作物のできが悪かったので冬を越すのが厳しいぞと覚悟していた家も多数あったのですが、お地蔵さんの贈り物のお陰で、みんな助かりました。
 
主題歌:常滑舞音『幸せ運ぶ笠地蔵』
 
それで村人たちはおじいさん・おばあさんにとっても感謝し、おじいさんたちがあまり働けなくなってからも農作業の間の赤ん坊の世話を頼んだり、笠網みの手伝いなどもしてもらって食べ物をもらうような形で色々支援してくれました。それで2人は安心して老後を暮らせたのです。
 
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めでたし、めでたし。
 
また村の境のお地蔵様には毎年新しい笠がかぶせられるようになったそうです。
 

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主な出演
 
おじいさん:藤原中臣(1950)
おばあさん:入江光江(1960)
孫娘:今井葉月(2002)
カラス:常滑舞音(2005)
年貢を持って行くお侍:坂田由里(2005)
庄屋さん:田船智史(1981) 友情出演
市の管理人:山本コリン(2005)
笠を買った人:本田覚(1980), 山本明(1978). 月城たみよ(2008)
市に居る人・村人:解決ゾローズ
お地蔵さん:常滑舞音(2005)、三陸セレン(2007)、山鹿クロム(2007)、水谷康恵(2006)、水谷雪花(2007)、大内小猫(2007)
 
語り手:麻生ルミナ(2008)
歌:常滑舞音withスイスイ
 

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このドラマの主題歌は常滑舞音が歌って11月23日に発売された。
 
2022.11.23 常滑舞音18th『笠地蔵』
『七つの子』野口雨情作詞・本居長世作曲
『菅原の市(鳥追版)』イギリス古謡・未来居住超訳・若山鶴風編曲
『お地蔵さんに笠をあげましょう』未来居住作詞・福沢聖子作曲
『俵をよっこいしょ』feat.大内小猫 未来居住作詞・福沢聖子作曲
『幸せ運ぶ笠地蔵』琴沢幸穂作詞作曲
『雪の朝』大宮万葉作詞作曲(スクーターCM)
 
 
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夏の日の想い出・アルバムの続き(16)

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