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■夏の日の想い出・アルバムの続き(22)

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とうとう展示会場入口まで賊が来たことから、デパートは店舗を閉鎖している夜間の警備をこれまでの2人(入口と展示ケース横)から4人(入口と展示ケースに2人ずつ)に増やした。
 
1月20日(金).
 
この日の日本時間の朝10時(アメリカ東部時間 1/19 thu 20時)頃、明智探偵事務所でお留守番していた花崎マユミ(元原マミ)のところに明智探偵から電話が掛かって来た。
 
「こちらの事件、やっと片付いたよ。明日昼の便に乗るから」
「え、えっと日本に到着なさるのはいつですか?」
 
時差の計算は頭の中では難しい。
 
「今こちらは1/19 木曜日の夜20時。明日の昼 1/20 11:30の便を予約した。これは日本時間では 1/21 午前1:30に相当する。成田到着は同日 1/21 16:00. 14時間半のフライト」
 
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「えっと・・・それはアメリカ時間で?日本時間で?」
花崎マユミはかなり混乱している。
 
「成田は日本時間だよ」
「あ、そうですよね!」
 

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マユミは現在の事件の状況を報告した。
「小林君が居る限りはそうそう好きなようにはさせないだろうけど、入国したらすぐに日本橋に駆け付けるよ」
「森田助手に迎えに行かせます」
「頼む」
 
明智が土曜日16時に成田に着陸したとしてコロナはSOSアプリを持っていれば、ほとんどノーチェックで入国できるはずだ。明智はワクチンを最新のオミクロン対応型まで4回打っている。17時に空港を出られたとして、成田空港から日本橋までは夕方の混雑に引っかかっても2時間で着く。すると19時頃までには現場に到着出来るはずである。展示会は19時で終了する。最終日前日・土曜日の閉場間際。でも二十面相の性格からして、盗むのは絶対最終日22日になってからだ。
 
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間に合う!
 
と花崎マユミは計算した。
 
マユミから小林に連絡があり、また細川氏・デパートの社長にも連絡した。細川さんは明智が予告日前日の夜には戻ってこられそうというのでホッとしたようである。
 

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そして金曜日のお昼頃。(この日の午前中にマユミは明智の電話を受けた)
 
フルート展示室に唐突に動物?のマーチングバンドのおもちゃが入ってきた。警備員には、ねこ、黄色の鬼、白い鬼、四角い顔の男、に見えた。そのバンドが何か音楽を演奏するが、警備員たちには何の音楽か分からなかった。しかし入場客の中にいた小学生が
「あ、ようかい体操第2だ」
と言ったので、警備員たちもこの唐突なマーチングバンド来訪の意味が分かった。
 
ということで、このおもちゃのバンドが演奏したのは、アニメ妖怪ウォッチから『ようかい体操第二』だった。バンドに参加していたのはジバニャン(猫)、コマさんとコマじろう(狛犬)、ブリー隊長(軍人?)であった。ちなみに『ゲラゲラポーのうた』『祭り囃子でゲラゲラポー』『初恋峠でゲラゲラポー』 『ようかい体操第一』『ダン・ダン ドゥビ・ズバー!』も演奏できるようになっていたが『ようかい体操第二』が選択されていた。
 
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このおもちゃはミニライブの会場(フルート展示室の隣)に段差を付けるために床上げした部分の隙間から出現した。警察が調査したところ、タイマーが仕掛けられていてタイマーは最大12時間掛けられるようになっていた。つまり何者かがここにこの日の0-12時の間に仕掛けたものと推定された。
 
しかし夜間の警備員は何も怪しい人物は来なかったし、そのような所で作業していた人は居ないと報告した。監視カメラの映像を確認したが、怪しい痕跡は見当たらなかった。デパートはすぐにこの段差部分に板を打ち付けて出入りできないようにした。
 

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北里ナナ(アクア)
「絶対これ遊んでるよね」
 
小林少年(立花紀子)
「あいつは基本が愉快犯なんだよ。こういう予告やってるのが一番楽しくて、女の子が『キャー』とか言って騒がれるのが嬉しくてたまらないんだよ。盗むのは予告状出してしまった以上仕方無くやってる、ただのついで。本当は盗みなんてどうでもいいんだ」
 
画面隅のワイプで“怪盗衣裳”の二十面相(大林亮平)が、いじけた顔で
「違わい、違わい。盗みが目的だよー」
と言っている。
 
実際問題として原作の少年探偵シリーズでは二十面相の目的が全く不明で、人を驚かして楽しんでいるだけとしか思えない事件がとても多い。もっともそれは小林も同様で、全く無意味な女装が多い。単に女の子の服を着て出歩きたいだけとしか思えない。
 
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きっと江戸川乱歩は締め切りに追われて、子供たちが興味を惹くようなエピソードを多数書いたものの、結局、事件としてまとめきれなかったものと想像される。
 

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この日の深夜。
 
警備員の服を着た男(高橋元輔)が脚立に登って何かを天井にセットしているようだった。彼は脚立から降りてきてギョッとする。
 
目の前に少年探偵団の溝口洋平(演:松田理史)と警備会社の課長(広沢涼太)が立っていたのである。
「夜中に色々大変だね」
「いえ、お疲れ様です、課長」
と警備員は答える。
 
その時トイレに行っていたもうひとりの警備員(黒沢政俊)が戻って来たがライブステージに課長が居るのでびっくりする。
 
「課長、何かあったんですか?」
「黒沢君、君はこのあと絶対に持ち場を離れるな」
「了解です!」
と言って彼はケースの横に立った。
 

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しかし課長と黒沢が会話したその隙に突然、高橋警備員は走り出した。
「あっ」
と言って、課長と溝口団員が追いかける。高橋は“閉まっていたはず”の会場出口を開けて外に走り出す。そしてデパートのバックヤードに飛び込んだ。課長と溝口が追いかける。
 
高橋はバックヤードの窓を開けると外に飛び出した。
「え〜〜!?」
 
ここは7階である。
 
2人が窓のところに駆け付けると、小型のパラシュートが下に降りて行くのを見た。
 
「何て奴だ!」
 
パラシュートはすぐに地面に到着。その下から一台のバイクが走り出して行くのを溝口と課長は見た。
 
「逃走経路はしっかり用意してるんだな」
と呆れたように課長が言った。
「すみません。下にも団員を見張らせておくべきでした」
「いや、それはこちらこそ配置させておくべきだったよ」
 
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実は会場入口にゴーギャンの絵ハガキが落ちてきたのに、監視カメラに何も映っていなかった問題で小林は2つのことを想像した。
 
・監視カメラの映像は改変されている。
・警備員の中に二十面相の協力者がいる。
 
それで小林は独自の隠しカメラを設置した。すると高橋警備員が相棒の警備員がトイレに行っている隙に、おもちゃのバンドを仕掛けているところが映っていた。小林はその映像を警備会社に持ち込み、課長さんに見てもらった。
 
「何と・・・」
「この人を雇い入れた時期は」
「1年前です。良い仕事をしてくれていたのに。泥棒を捕まえてくれたこともあるんですよ」
「だとすると“本物の”高橋さんは休んでいるのかも」
「え〜〜!?」
 
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それで“この高橋”が本物かどうかは後で確認することにして、取り敢えず今晩の監視をしてみることにした。課長さんと小林で20時から監視していたが、24時で小林は休み、溝口に交替していた。すると1時過ぎ、“高橋”はもうひとりの警備員がトイレで中座した隙にステージに何かを仕掛けた。
 
あとで課長が調べて見ると「1」と書かれた紙が接着されていた。課長は別の警備員を呼び出して高橋の代わりに黒沢警備員と一緒に朝まで警備をしてもらった。
 
またデパートではバックヤードの全ての窓にロックを導入して午前中に全ての窓に取り付けた。ロックが掛かっていても開けられるが時間が掛かるのでかなりの抑止力になる。
 

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ところで溝口団員と警備会社の課長は二十面相またはその仲間が7階の窓から1階までパラシュートで降下したと思い込んだのだが実際には物陰に隠れてパラシュートだけを降下させた。そして下に最初から居た別の仲間が単純にバイクで走り去ったのである!本人は警備会社の課長たちが去った後、別の仲間に窓を開けてもらい、デパートの中に舞い戻った。そして朝まで隠れていてから出入り業者を装って本当に逃走した。
 
なお後で警備会社が慎重に調査したところ“本物の”高崎警備員は今月初めから“会社が不景気なので”しばらく自宅待機しててくれと言われていたらしい。もちろんすぐ復職したが、念のため今回の案件には入れなかった。
 

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1月21日(土).
 
花崎マユミがこの日の朝起きてからスマホをチェックすると明智からメールが入っていた。成田行きの飛行機がいったん引き返して!再度出発したので本来の予定から4時間遅れ、JFKを15:30頃再離陸したという。
 
何だかよく分からないが、機内で何かを大声で主張して乗務員の制止に従わなかった客がおり、機内乗務員が取り押さえて一度ニューヨークに引き返し、警察に引き渡したらしい。そのあと既に飛行機は出発したようだ。4時間遅れになるから成田到着は日本時間で本日20時の予定。
 
マユミは再度、小林たち、デパート、細川さんに連絡した。しかし細川さんは
「遅れても最終日になる時刻前後には来てもらえるようで心強い」
と言っておられた。
 
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(明智の動き)

 

さて、この日は3度目、そして最後のミニライブが行われる。
 
この機会を逃せばロマノフの小枝と火の鳥の共演は二度と見られないかもしれないというので細川氏の所にも四山デパートの社長のところにも多数のライブ観覧のお願いがあり、両者で話しあって結局本来は観客席50のところを消防署の許可が取れるギリギリの70まで拡大した。他の人は店内5ヶ所に設けたパブリック・ビューイングで見てもらう。それぞれのプロジェクターの前にも多数の客が詰め掛けた。
 

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13:00 今日最初ステージに出てきたのは、黒いエレキギターを持った黒いレーシングスーツの女性(三田雪代)と白いベースを持った白いレーシングスーツの女性(斎藤恵梨香)である。
 
(このあと約30分間この劇中ライブを完全に流す)
 
三田と斎藤は『スカーバラ・フェア』を演奏し始める。ここでギターはレスポワールで三田の私物、ベースはサンダーバードで太田芳絵の私物を借りた。どちらもギブソンの製品である。
 
そこにお揃いのディープ・グリーンのドレスを着た三つ子歌手?“ドリーム・トライン”(姫路スピカ・南田容子・竹中花絵:友情出演)が出てきて歌を歌い始める(*68).
 
(姫) Where are you going?
(竹) To Scarborough Fair.
(南) Parsley, sage, rosemary and thyme
(姫) Remember me to one who lives there
(姫) For once he was a true lover of mine.
 
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(この歌は歌詞の構造上、このように3人の歌い手が必要)
 
ノリの良い曲に観客が手拍子する。曲が1番を終え短い間奏を経て2番に入るという時、白い“ロマノフの小枝”を持った“白いドレス”の細川聖知(羽鳥セシル)、赤い“火の鳥”を持った“赤いドレス”の北里ナナ(アクア)がステージに昇って2番のフレーズをフルートで演奏し始める。
 

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物凄い拍手が起きる。
 
ドリーム・トラインは手拍子を打っている。
 
聖知とナナに少し遅れて“金色のドレス”の花田小梢(安原祥子)も入ってくる。手には金色の“金狐”を持っており、スタインウェイのベビー・グランド・ピアノの前に座ると、まずは『スカーバラ・フェア』にピアノパートを入れる。
 
ギター・ベース・ピアノの伴奏で2本のフルートが曲を奏でていく。
 
熱狂の内に『スカーバラ・フェア』は終了し、姫路スピカが
「JoHoos (*68)!」
と伴奏者を紹介し、
「And we are Dream Trines」
と自分達を自己紹介する。そして
「And, Here are Cecile Hosokawa with Romanov twig, Nana Kitasato with Firebird, and Kozue Hanada with Golden Fox」
とフルート演奏者たちを紹介した。そしてさっと退場した。
 
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(セシルという名前は Cecil と書くと男名前、Cecile と書くと女名前)
 

(*68) アクア主演番組の劇中ライブ前座に登場して歌を歌うという話に新人の子たちがビビった。度胸のありそうな川泉パフェ、広瀬みづほ、七石プリムあたりが
「さすがに勘弁してください」
と言うので、
 
「君たち根性無いなあ」
と言って、姫路スピカが
「私がやっちゃる」
と言って出てくれた。
 
でもこのシチュエーションでアクアの目の前で歌っても視聴者が納得してくれるのは、姫路スピカか白鳥リズム、あるいは坂出モナあたりしか居なかったと思う。
 
JoHoos(ヨーホーズ) は本来のベースは太田芳絵だが、二十面相が化けた女子店員役で出ていたので、本来はJoHoosのキーボード担当・斎藤恵梨香が代わった。エレクトーン弾きは普段からベースペダルを弾いているから、結構楽器のベースも弾ける。即興演奏でも弾くべき音が感覚的に判る。
 
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あの女子店員役はセリフも長く表情の作り方なども難しいので、太田芳絵のような演技力の高い人にしかできなかった。
 

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竹中花絵は今年度までは兵庫県在住だが、大学を卒業したら東京に出てくる予定である。兵庫に住んでいるし、§§ミュージックのタレントでもないのに、頻繁に仕事を頼まれている。Honda-Jetの利用率も高い。
 
「姫路スピカちゃんの妹さん?」
などとよく言われている。
 
「実は弟なんです」
「え〜〜〜〜〜!?君男の娘?」
「ジョークです。本当は女の従姉です」
「へー、いや§§ミュージックさんは可愛い男の娘が多いから一瞬信じそうになった」
 
彼女は本当は同じ学年の従姉。母同士が双子の姉妹なので、このふたりは従姉妹といっても遺伝子的には同母異父姉妹と同等。ついでに一緒に引っ張り出される南田容子は他人の空似。コスモスは
「あんたたち三つ子歌手としてデビューする?」
などと言っている。
 
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「実際には三つ子でもないのに!」
「だって阿佐ヶ谷姉妹も叶姉妹も他人だし」
「確かに!」
 
でも“ドリーム・トライン(Δ△)”は、この3人のユニット名。この名前で結構あちこちに出ている。略称の最初の三角形はギリシャ文字のデルタ(U+0394), 2つ目の三角形は上向き三角形(U+25B3).
 

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夏の日の想い出・アルバムの続き(22)

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