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■夏の日の想い出・アルバムの続き(20)

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洋介氏(東堂千一夜)と洋造氏(木下春治)、四山デパートの社長(神崎寛士)が、千代田区采女町(*63)の明智探偵事務所を訪れた。
 
「大変申し訳ありません。明智は現在アメリカに出張中でして、1月21日か22日にも戻る予定なのですが」
と小林少年(アクア)は申し訳無さそうに言う。
 
「展示会は22日までなんですよ」
「ああ」
 
「明智さんの不在時期を狙ったんだろうな」
と洋造氏が言う。
 
少年探偵団の主席・井上一郎(鈴本信彦)が上等の紅茶とケーキを出してくれる。
 
「すみません。男のかたに」
「いえ。うちは男女平等ですから。いつも事務所に3〜4人の団員が詰めてるから性別関係無く完全ローテーションです」
「ああ、今の時代はそうですよね」
と3人は理解を示した。
 
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現在の警備体制について社長が説明する。小林少年はそれをタブレットでメモする。
 
「四山デパートの威信に賭けても絶対にこそ泥などに仕事はさせないと思っています。警備員も今まで5人立ってたのを10人に増やしました。会場のある7階に通じる3つの階段は6階より上は一般客使用禁止にして、エレベータでのみ7階に入れるようにしました。階段の所には正社員を交替で座らせています。そして入場する客には運転免許証・パスポート・マイナカードなど写真付き身分証明書の提示を求めています。基本的に荷物持ち込み禁止です」
 
「なるほど」
 
「しかしそれでも警備会社が『二十面相は我々の手には余る』と言うので、明智探偵事務所さんにも警備をお願いしたいと思いまして」
と社長さんは言っている。
 
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どうもこの社長さんは、こんな小さな探偵事務所に何が出来る?くらいの感覚のようだが、恐らく細川家側からも強く言われ、警備会社にも言われたから、仕方無く依頼しに来たという感じのようである。更に明智不在と聞いてかなりがっかりした雰囲気である。
 

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「予告状からは何か分かりました?」
「分かりません。コクヨのA4 PPC用紙にキャノンのプリンタで印刷したものです。指紋は紙を拾い上げた子と細川さんの指紋しか付いていませんでした。紙を発射したのはパーティーで万国旗とか紙吹雪とかを発射したりする道具で指紋はありませんでした。リモコンで発射したようなので犯人が近くに居た可能性がありますが、あやしい人は見当たりませんでした」
 
「まあその辺は抜かりないでしょうね」
「予告状が現れてすぐライブ会場を閉鎖して。会場に居た人に全員に再度身元確認をお願いしたのですが、全員確かな身元の人でした」
 
確かな身元の人に変装していた可能性が高いなと小林は思った。身分証明書の偽造くらい簡単にするだろう。
 
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「会場自体は警備会社の人がしっかりガードしてるでしょうし、私たちは会場の周辺に何か怪しいものが無いか調べましょうか」
「お願いします」
 
それで事務所の大人の助手・葛西と森田、それに小林少年を含む数名の少年探偵団団員に店内や会場に入れるidカードを発行してもらうことにしたのである。
 
またidカードを持たない団員は、少年探偵団の制服で行動し、スマホに認証アプリをインストールさせていると伝え、男女制服の写真を渡した。
 
「それわりと安心かも。二十面相は少年少女には変装できないかも」
と社長さんは言っている。
 
「確かにやりにくいでしょうね」
 

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ここでデパートの社長は少し落ち着いたようで初めて出された紅茶を飲んだ。そして驚く。
 
「これ凄く美味しい」
「社長さんなら産地が分かりますかな」
と洋介氏が尋ねる。仕事柄色々な所のお茶・コーヒーを飲んでいる筈である。
 
「セイロン?」
と恐る恐る訊く。
 
「残念。セイロン島のウバに近いですが、これは南インドのニルギリです、よね?」
と洋介は最後、小林に訊く。
 
「はい、南インド・ケララ州の、ある農園から特等品のニルギリ茶葉を定期的に送っていただいております。以前、明智がそこの農園主さんが抱えていた問題を解決したので」
 
「へー!」
 
これで明智探偵って国際的に活躍してるのかと思い、社長の明智への信頼度が大いに上昇したのである。
 
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(*63) 明智小五郎の事務所は最初は、御茶ノ水の“開化アパート”にあった。明智を主人公とする江戸川乱歩の一連の作品では明智はここに住んでいることになっていた。この時代の警視庁の協力者は波越警部である。
 
しかしその後の小林少年を主人公とする『少年探偵』シリーズでは、小林の後見人である明智の事務所は千代田区采女町(架空の地名)にあることになっていた。ちなみに麹町区と神田区が1947年に合併して千代田区になった。そのため一部の作品では“麹町の事務所”という表現も見られる。皇居や警視庁のある桜田門も麹町区である。この時代の警視庁の協力者は中村善四郎係長である。
 
警視庁の担当部署は、しばしば捜査一課とされていることがあるが、捜査一課は“強力犯”(強盗や殺人など)の担当であり、二十面相は“窃盗犯”で強盗は基本的に、しないから実際には捜査第三課の担当のはずである。
 
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一課:強力犯
二課:知能犯(選挙違反・詐欺・贈収賄・企業犯罪など)
三課:窃盗犯
四課:暴力団など
 
警視庁の刑事部は、捜査1〜4課と鑑識・科捜研・機動捜査隊などから成る。各々の課長の下に数名の管理官(課長代理)がいて、この管理官が概ね事件捜査の指揮を執る。その下に数名の係長がいる。しかし二十面相案件は三課内に特捜部が作られているかも?
 

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多数の少年探偵団員が会場周辺で見回っている。怪しげな放置段ボールとかが無いかチェックし、あればお店の人に言って片付けてもらったりしている。
 
胸に"BD"の刺繍があるパブリックスクール制服風の少年探偵団の女子制服を着た山本五月団員(演:田代晴美)がお店の人にお願いして非常口前の段ボールを片付けてもらっているところ、同じく少年探偵団の女子!制服姿の城山春樹団員(演:浦野俊徳)(*64) がお願いして階段に積み上げられた段ボールをお店の人に片付けてもらっているところ。
 
(*64) 浦野俊徳本人は「この服着て」と言われて「はーい」と言って着た。何の疑問も感じていない。浦野のファンたちは「いつもながら俊ちゃんは可愛い」なとと言って彼が女子制服を着ていることには何も問題を感じていない。大半の視聴者は普通に女優さんと思った。少年探偵団にはこの手の“無意味な女装”が多い!元々無意味な女装が多い原作のテイストを活かしてる?
 
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「俊ちゃんの役名は今年までは“城山春樹”だけど来期は“城山春希”に変わるという噂あるね」
「女子団員役になるのかな」
「それでもいい気がする」
「本人も女子高生になったりして」
「睾丸は取ってるよね。中学3年で声変わりしてないってそれしか考えられない」
「俊ちゃんならタマタマくらい取ってもいいと思うなあ」
 

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一人の制服姿の女子店員(立花紀子)と北里ナナ(アクア)が遭遇する。
 
「あっ」
「あっ」
 
隅の方に座って話をする。
 
「可愛いじゃん。似合ってるよ。探偵事務所辞めたらデパートガールになる?もう女の子になる手術は終わってるんでしょ?」
「それより何でナナちゃんがこんな所うろついてんのさ」
 
(手術が終わってるか?というのには答えていない)(*65)
 
「聖知ちゃんに個人的に頼まれたのよ。フルートを守ってって」
と北里ナナ。
「まあ君がいろいろ役に立っていることは認める」
 
と答える、女子店員の制服を着ているのは小林少年の変装である(*66).
 
「少年探偵団の邪魔はしないからさ」
「まあいいけど、怪我しないようにね」
「OKOK」
 
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「しかし二十面相の予告があったってんで、至宝展は凄い人出らしいよ」
とナナは言う。
 
「へー」
「二十面相が狙うようなお宝をぜひ見ねばというので北海道や九州からまで人が押し寄せるから入場は予約式にしたら、あっという間に最終日まで予約はいっぱい。急遽枠を1日1000枚ずつ増やしたらしい」
「それもすぐ一杯だろうね」
「うん。きっとデパートは警備費が倍掛かっても入場料で元が取れる」
「それ入場料以上でしょ」
「そそ。せっかく四山デパートに来たら色々お買い物するもん」
「だよねー」
 
しかしこの手の情報源としてナナは便利だなと小林は思った。デパートや警備会社などからは伝わってきにくい情報だ。向こうから教えてくれるのは風船が飛んできたとか使用者不明の車があったとかいう類いのものである。二十面相に関連があるかどうかは不明である。
 
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「これ羨ましがってニセの二十面相予告出すところがあったりして」
「あはは」
 

(*65) この「手術は終わってるんでしょ?」というセリフは北里ナナ(アクアF)のアドリブ。あとでMが怒っていた。立花紀子は「ああアクア姉弟の戯れだな」と思ったので黙殺して普通にセリフを続けた。美高さんは面白いからこのアドリブを活かした。
 
(*66) このドラマで小林少年が女の子に変装しているシーンがとても多いのは小林がよく女装するという原作のコンセプト?を活かしたのと、こういう2人のアクアが並ぶシーンでの二度撮り・編集の手間を省くこと、そして多忙なアクアの負担をできるだけ軽減する目的がある。多くのシーンを代理の女優さんで撮影し、その映像をそのまま生かせる(声だけアクアがアフレコ)。
 
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むろん男性に変装したっていいはずだが、誰もそんな無意味?なことは考えない。小林が変装する時は女性に変装するというのが基本的なお約束。
 
なおアクアは小林少年は男声で演技し、北里ナナは女声で演技している。このシーンはアクアの男声と女声での対話である。
 

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1月12日(木).
 
四山デパートのtwitterアカウントに"10"というDMがあった。それを見た担当社員が首をひねり
「何か書きかけでうっかり送信ボタン押したのかなあ」
などと言っていたのだが、お客様係の係長が青くなった。
 
「これはきっと二十面相の予告だ」
「え〜〜!?」
 
警察が調べたところ、カタールから発信されていることが分かったが、現地のアカウント所持者は自分は長いことツイッターなど使ってない、最近はテレグラムばかりだと述べたという。本人同意のもとツイッター・アカウントは閉鎖された。(ここまで半月掛かる!でもこの人きっとテレグラムのアカウントも乗っ取られてる)
 

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1月13日(金).
 
四山デパート宛てに「9」と書かれた葉書が届いた。警察が郵便局に照会したところ大阪市中央郵便局で収集されたものであることが分かっただけである。指紋は受け取ったデパートの社員のもの以外検出されなかった。
 

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1月14日(土).
 
この日は2度目のミニライブが行われ、聖知・ナナなどによる、ロマノフの小枝・火の鳥の共演が行われた。このライブの始まる前に一騒動あった。ライブのお祝いにお花などが届けられたのだが、その中のひとつひときわ目立つお花に。大きな字で「8」と書かれた色紙が付いていたのである。
 
「これは一体何だ!?」
と現場に居た店長(横田直樹)が激怒する。出入りの花屋さん(中村桂助)は恐縮して
「あのぉ、何か問題がありましたでしょうか」
と恐る恐る尋ねる。
 
事情を訊くと
「木曜日にお店にご来店くださいまして依頼がありました。ひときわ立派なお花を贈ってほしいとのことで、なんとかの8周年だからといってあの色紙を渡されたんです。代金はその場で現金で頂きました」
とのことである。
 
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さっそく警視庁で依頼主の似顔絵作成が行われたが、そこに浮かび上がったのは細川洋介氏(東堂千一夜)の顔であった。二十面相が変装していたものと思われる。
 

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なお二十面相から贈られたお花については店長は
「捨ててしまえ」
と言ったものの聖知が
「おら、お花には罪は無いもん。飾っておきましょうよ」
と言うのでそのまま飾った。
 
会場では
「あの送り主の名前の入ってない大きなお花は二十面相が贈ったものらしい」
という噂でわざわざその写真を撮る人が続出した!当然翌日の各新聞の1面を飾った。
 
なおライブの際は、展示ケースの警備員が警戒する中、展示ケースの警報装置を止め、聖知とナナがフルートを取り出す。そのままステージまで警備員が同行する。ライブが終わった後は控室でフルートをクリーニングする。この時は女性の警備員(新田青依)が付いている。そしてそのまま展示ケースに行き、2人の手でフルートはケースに納められ、警報装置が再投入される。
 
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夏の日の想い出・アルバムの続き(20)

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