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■春春(20)

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新入生を迎えてのミーティングが終わった後、春貴は新入生4人をバスケットボール協会に登録しようとした。
 
が・・・
 
操作がよく分からない!
 
横田先生に尋ねると
「ああ、僕がやっておくよ」
「すみませーん!」
「そうだ。奥村先生も登録しなきゃ」
「あ、顧問も登録するんですか?」
「もちろん、もちろん。登録しておかないと監督ができない」
「きゃー。漏れる所でした」
「じゃ先生の分もやっておきますから、生年月日を教えてください」
 
それで春貴は自分の名前・ふりがなと生年月日を、新入生を含む女子部員(*37)8人の名前・ふりがな・生年月日を書いた紙の欄外に記入し、横田先生に渡した。
 
「奥村先生、バスケットのコーチ・ライセンスは持ってませんよね?」
「今イー・ラーニングで受講中なんですよ。23日には間に合いません」
「じゃ受講中と設定しておきますね」
「すみません」
 
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(*37) ここで“女子部員”とは“女子部・員”であって“女子・部員”ではない!男子バスケ部の女子マネは、女子の男子部・員である。晃は男子の女子部・員である。
 

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4月11日(月).
 
邦生は豊畑さんを連れて火牛アリーナに向かった。一応千里さんとアポイントを取っては、いるのだが、本当に居るかは微妙だなと思っていた。千里さんは物忘れの天才である!
 
火牛アリーナに行くと、森本メイさんが窓口に座っていた。
 
「〒〒テレビの森本アナウンサーさん?」
「3月で辞めて、〒〒スイミングクラブに再就職したんですよ。アナウンサーが体力もたなくて休みがちだったんですけど、ここは人が少ないから更に忙しいみたいで」
などと言っていた。
 
彼女と名刺交換した上で、火牛アリーナの白石館長とも(豊畑が)名刺交換する。
 

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そして社長室に通されたが、千里さんともう1人女性が居る。
 
まずは邦生が豊畑さんを2人に紹介したが、邦生も豊畑さんも千里と一緒にいる女性を知っていた。
 
(豊畑さんは自分の名刺を2人に渡し、邦生も自分の名刺をその女性に渡した、また千里が豊畑さんに“フェニックス・トライン代表取締役”の名刺を渡した)
 
「前村貞子選手ですよね?東京オリンピックは大活躍でしたね」
「ありがとう。まあ何とかメダル取れたから、それを花道に引退しちゃったけどね」
と前村さんは言っている。
 
「彼女は、中学の陸上部で、ケイやムーラン社長の山吹若葉さんと一緒だったんだよ」
「すごーい!」
 
「当時の若葉って陸上部と水泳部とテニス部を兼部してて全部の大会に出てた」
「当時から、お忙しかったんですね!」
「あの子は“まぐろ病”だな。停まったら死んでしまう」
「ああ」
 
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「前村さんは、オリンピック直後の10月に、やはりその時の陸上部のチームメイトだった野村治孝さんとご結婚なさって、現在赤ちゃん製造中」
 
「おめでとうございます」
 
「東京にいるとテレビ局とかがよく来るから、どこか逃げたいとケイに言ったらここの施設長やってと言われたから、引っ越して来ることにした」
と前村さん。
 
「ま、それで、これから建設する火牛スタジアムの施設長をお願いした」
と千里さんは言っている。
 
「陸上かサッカーの関係者にお願いしたかったからね」
と千里さんは追加説明をする。
 
火牛スタジアムにケイは関わっていないが、千里は知り合いに適当な人がいないか照会しており、それでケイが彼女を紹介した。千里は金沢市か津幡町に彼女のために家を建てて提供する予定で、播磨工務店に、夏樹の家の件が終わったら、そちらに掛かってもらうことにしている。それまでは火牛ホテルに泊めている。
 
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「実際にスタジアムができあがるまで1年半くらい掛かりそうだから、その間に1人か2人子供産めるかも知れないし」
と前村さんは言っている。
 
「2人産んじゃうんですか!?」
「やってみないと分からない」
「まあ出産の前後に代理を立てれば、別に仕事しながら出産してもいいんじゃないの?」
と千里さん。
「千里さんは出産の一週間後に国際試合に出ている(*38)」
「うっそー!?」
「さすがにあんな真似はできないけどね」
 
「あれは子宮をクロークに預けてたから」
「預かってくれるんですか!?」
 
邦生は、それって千里さんが3人居るから、出産した千里さんと試合に出た千里さんは別の千里さんなんだろうなと思った。
 
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(*38) 2015.7.5の試合(ユニバーシアード)で京平を産んだ直後。3人が分解する前だったので、千里は鍼(はり)を打ってもらって傷みを抑えた状態で練習に出ていたし、試合場まで行ってベンチにも座っている。しかしさすがにその状態でゲームに出す訳には行かないので、実際にコートに出たのは6番。6番がドーピング検査も受けている。あの状態の“統合体”なら多分ドーピング検査に引っかかったと思う。
 

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「あれ?でも名刺は“前村”の苗字ですね」
「うん。私生活では野村貞子だけど、仕事をする時は前村貞子で」
「素敵です!」
と豊畑さんは彼女を憧れの目で見ていた。
 
「ハズバンドもご一緒に引っ越しなさるんですか?」
 
この人の前では“御主人”という言葉を使ってはいけない、と邦生は判断した。
 
「金沢支店に転勤させてもらったんですよ」
「だったらいいですね!」
「私は単身赴任でも良かったんだけどね。夫の世話までする必要無いし」
「なるほどー!」
 
20代の男性スタッフが上等のミルフィーユと、美味しい紅茶(アッサム?)を持って来てくれて、4人は換気が物凄く良い社長室で1時間ほど話した。その話し合いの途中でスタッフさんが名刺入れを持って来た、今印刷ができあがったらしい。
 
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前村さんは邦生、豊畑さんにその名刺を渡した上で、千里さんにも渡していた!
 
名刺は陸上競技の400mトラックの形をしていて、名刺の周囲にはトラックのレーンがグレイ印刷されており、陸上関係者というのが、とっても分かりやすい名刺であった。
 

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その日の夕方、邦生は銀行が終わると、再び火牛アリーナに向かった。
 
火牛ホテルの指定されていた部屋の前で千里の携帯を鳴らす。ドアが開くので入る。千里は笑顔で
 
「どうしたの?可愛い花嫁さんになる予定のくにちゃん?」
と訊いた。
 
「私が花嫁なんですか〜?」
「ウェディングドレス着るんでしょ?」
「それ回避できませんかね?」
「着たくないの?」
「親戚に何と説明すればいいのか」
「女の子になったと言えばいいじゃん。最近多いし」
「でも胸も無いし」
「じゃ、結婚式の前に、おっぱい大きくしてあげるよ」
「ちょっと待って下さい」
 
邦生は少し考えていた。
 
「実は3月中旬に夢を見たんです」
「うん」
「真珠と2人で洞窟の中を歩いていたら、突然怪獣が襲ってきたんです」
「怪獣?」
「ゴジラとかレッドキングとか、そういう系統の」
「ああ、何となく想像が付く」
「それで真珠の背中を押して『逃げろ』と言って逃がして、僕はその怪獣と向き合ったんです」
「偉いじゃん」
「相手は恐そうだけど、身長150cmくらいで、このサイズの怪獣なら或いは対抗できるかもと思ったんですよ」
「でも負けた?」
 
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「そうなんです。簡単に組み敷かれちゃって」
「まあゴジラには勝てない」
「そしたら突然場面が変わって。黒い覆面した人たちに囲まれてて『我々はゲルショッカーだ。お前を改造人間にする』と言われて」
 
千里は内心笑いをこらえているが、顔には出さずに話を聞く。
 

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『ペンギン女か、ブチハイエナ女か選べ』
『どっちにしろ女なの〜?女にされたくないんだけど』
『・・・あんた女だよな?』
『僕は男ですぅー』
『嘘!?』
 
覆面の人物たちは確認している。
 
『おい、こいつ、ちんちん付いてる』
『嘘だろ?女だと思って拉致したのに』
『間違いだったら解放して下さい』
『この際、お前でもいい。ペンギン女か、ブチハイエナ女か選べ』
『結局その二択なの〜?』
『女はいいぞ。可愛い服着れるし』
『ちんちん無くしたくないです!』
 
『ペンギンはオスにもメスにもペニスが無い。ブチハイエナはオスにもメスにもペニスがある』
 
『だからペンギンはレスビアンで、ブチハイエナはゲイだな』
『ペンギンは貝合せしてセックスする』
 
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『ブティハイエナは、メスにもペニスがあったら、どうやってセックスするんですか?』
 
『気に入ったオスを見付けたら腹筋でぐいっとペニスを引っ込める。すると凸が凹に変化して、相手のペニスを受け入れられるようになるから、それでセックスする』
『マジですか?』
 
『男感覚も女感覚も体験できて便利だぞ』
『ちんちん使ってオナニーできるのに、男とセックスもできる』
『お前。ペニス無くしたくないのなら、ブチハイエナ女に改造してやろう』
『やめて〜!』
 

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「それで改造されちゃったの?」
「そうなんです。それで困ってるんです」
 
千里は邦生の手を握り、彼の身体をスクリーニングした。
 
「大丈夫だよ。君は純粋な人間だよ。ブチハイエナの遺伝子もペンギンの遺伝子も混じってない」
 
「良かった」
 
「でも不思議なものがあるね」
「分かります?」
「まこちゃんは何か言った?」
「僕にヴァギナができてると言って喜んで『これでちゃんとぼくのお嫁さんになれるね』と言われて、毎日のように入れられています」
 
「これまでと何も変わらない気がするけど」
「後ろが痛い思いしなくて済むようにはなりましたけど。でも不安なんです。僕、子宮とかはあります?結構おりものがあるし。でも病院とか行ったら大騒ぎになりそうで」
 
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「気付かなかったけど再確認するね」
「はい」
 
それで千里はまた邦生の手を握り、下腹部付近を念入りに再スキャンした。
 
「卵巣も子宮も無いよ。あるのはヴァギナだけだよ。おりものはヴァギナがある以上、仕方ないよ。ヴァギナって湿潤させておく必要があるから」
 
2月の段階で小さな卵巣が出来ていた付近は特に念入りにスキャンしたが、卵巣らしきものは見当たらない。実際彼の女性ホルモンはそれほど高くない(思春期前の少女程度な)ので卵巣があるとは思えない。
 

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「安心しました。でも今後、子宮ができちゃったりする可能性はありませんかね」
「君の性別軸を確認したけど、2月に修正した時以降、ずれてない。だから君がこれ以上女性化することはない」
「良かった。ではこのヴァギナは?」
 
「誰かの悪戯だろうね」
 
犯人の心当たりは多すぎて分からないと千里は思う。“ある方向”に意識をやると、千里7が、ぶるぶると首を振っていた。“別の方向”に意識をやると、勾陳が『俺はやってない』と答えた。更に“別の方向”に意識をやると、貴人が『私は本人の同意を取ってから性転換させるよー』などと言っている。(嘘つけ!)千里1は、こちらの視線に気付かないふりをしているが、1番なら多分完全な女の子に変えてしまう。この4人以外か?
 
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「しかしそもそもブチハイエナ(spotted hyena)は、ペニスが凸凹反転してヴァギナになるのに、これはペニスとヴァギナが並立している」
 
「あ、それは思いました」
「だからこれは、ただの“やおい穴”」
「やはりそれですかー!」
 
↓やおい穴想像図(筆者も不確か)

 
↑複雑になるので、輸精管などは省略している。精液の経路と尿の経路は前立腺内で合流するので、尿道口を女性位置に変更すると精液も新尿道口から出るようになり、膣内射精は不可能になる(生殖は“貝合せ”するか人工授精で)。
 
邦生の尿道口は(今の所は?)ペニスの先にある。
 
※この物語はフィクションです。念のため。
 
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「卵巣や子宮を伴ってないから、いわゆる“ふたなり”hermaphrodites でもない。だから、くにちゃんは完全な男性だから安心して“お嫁さん”になるといいよ」
 
「あのぉ、この穴を消すこととかは、できません?」
「消すことはできるけど、不都合が無いのなら、このままでいいじゃん。Aに入れられるよりVに入れられる方が、痛くないし、気持ちいいはず」
「そんなぁ!?」
 
でも確かに痛くなくて気持ちいい、と邦生も思った。
 
「君はちゃんと男性機能も男性生殖能力もあるし。君がそのヴァギナを使ったセックスで妊娠することは無いし。何も心配しなくていいよ」
 
「そぉかなぁ」
 
ということで、身体を直してはもらえなかったものの、妊娠する心配は無いというのと、変な動物とのキメラになっていたりはしていない、ということで、邦生はホッとした。
 
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「それと、大をしたあと、後ろから前に拭かないようにね。ヴァギナに便が付着して炎症起こすから」
「それは真珠にも言われて気を付けてます。でも力の入れ方が難しいです」
「長い間の習慣だからね。どうしても前から後ろに拭けなかったら横に拭く方法もある」
 
「それやってみます!」
 
それで邦生は安心してお嫁さんに行ける?ことになったのであった!
 
 
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春春(20)

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