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■春春(2)

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邦生の妹・瑞穂は4月1日付けでH銀行に入社予定であるが、配属先は小立野(こだつの)支店の窓口係と決まった。伊川峰代が3月中旬から窓口係の主任として赴任している支店で、瑞穂はその部下になることになる。現在の邦生のマンションから徒歩で30分程度(出勤時30分、退勤時20分)で行ける場所なので、瑞穂は邦生のマンションから通勤することにした。
 
「スクーターか電動アシスト自転車でも買おうかなあ」
などと瑞穂は言っていた。
 
瑞穂は二輪免許を持っていないので、バイク通勤ができない。
 
「スクーターはもちろんヘルメット必要だけど、普通の自転車でもアシスト付き自転車にしても、ヘルメット着けろよ」
「うん。それはちゃんとする」
 
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「でもあの坂を普通の自転車で登るのは私には無理」
「押して歩くしかないよね」
「それだとまだ普通に歩いたほうが楽な気がする」
 
「でも冬に雪が降ると自転車は電動アシスト付きでも使えないよ」
と真珠が指摘する。
「うっ・・・」
「雨の日も結構辛いよね」
「要するに11月から3月くらいは、二輪車は厳しい」
 
雪の上での自転車走行はほぼ不可能である(でも根性で乗ってるおじさんたちは居る)。また北陸では、だいたい11月頃から3月頃までは、毎日のように雨か雪が降り、1日中降水が無いという日はほとんど無い(この高湿度の気候が加賀友禅を生み出す)。
 
ということで、その後も色々議論したが、やはり二輪車での通勤は厳しいということになり、結局瑞穂は徒歩で通勤することにした。(四輪だと渋滞に掛かって歩くより遅いし、バスもバス停まで行くのに半分の行程を使う!)
 
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瑞穂の引越は、3月19日(土)の午後に行った。ビスクドール展が始まった当日だが、午後は真珠もマンションに戻っていた。
 
Timeline
3.07 峰代・さくらの送別会
3.08 真珠がスペーシアを買う
3.14 深夜まで邦生と真珠がビデオ編集
3.15 瑞穂卒業式
3.18 真珠たち、人形の移動S市→金沢
3.19 ビスクドール展はじまる
3.19 PM 瑞穂の引越
3.22-23 明恵たちが再度S市取材。桜坂に会う。
3.30 夏樹が転勤を指示される
4.01 瑞穂入社式(7日まで研修)
3.30-4.2 白虎の件の処理
4.02 青葉が関東某所に移動
4.8 瑞穂、支店で勤務開始
 
瑞穂はこれまで金沢市内の大学寮に住んでいた(実は20日が寮の退去期限だったので、わりとギリギリ!)。
 
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寮なのでこれまでは冷蔵庫やテレビも部屋に備え付けのものを使用していた。しかし邦生のマンションには400L冷蔵庫2台、50inchの液晶テレビ、7kgの縦型洗濯機+乾燥機、オーブンレンジ、ホットプレート3枚!、ルンバ!などが揃っている(*9)ので、ほとんど買い足す必要はなかった。単純に寮の中の荷物を父のノアに乗せて1度で運ぶことで引越は完了した。但し、荷物の整理に引越前1週間かかっている:最後は音を上げて母に手伝ってもらった。
 
マンションの部屋レイアウトは↓
 

__ _北NE東SE南SW西NW
邦生 震O▽OOO△XXX
真珠 乾▽○X△XXOOO
瑞穂 艮XO▽XX△OOO
__ _風_玄D_主妹_

 
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(↑の表で見る限り、この戸はほぼ真珠のための戸である!邦生は自分の部屋に居るよりダイニングに居たほうが快適??:実際その時間の方が長いと思う)
 
3つの部屋の内、いちばん手前の部屋を邦生と真珠が使っているので、瑞穂にはいちばん奥の部屋を割り当てた。ひとつ部屋を挟むので、お互い気兼ねが無い。真珠たちは瑞穂を気にせずセックスできるし、瑞穂も新婚夫婦の営みの音を聞かなくて済む。
 
でも瑞穂はダイニングで2人がセックスしているのを黙殺して冷蔵庫から、おやつやチューハイを持って行ったりする:気にしてたら生活できない!だいたい自分たちの部屋ではなくダイニングでしている方が悪い。
 
しかし瑞穂が目撃したセックスでは、いつも邦生が下で真珠が腰を動かしていたので、やはり“お姉ちゃん”がネコなのね、と瑞穂は思った。
 
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なお、峰代が真珠に返却した鍵が、瑞穂に渡された。それで6つの鍵の所持者はこのようになった:真珠・邦生・瑞穂・邦生の母・真珠の母・投資課の三村小梢。
 
(真珠が事実上ここに住んでいるので、邦生は不動産屋さんに頼んであと1個鍵を作ってもらい、真珠の母に渡した。また渉外課の南田里菜が預かっていた鍵が投資課の三村小梢にリレーされた)。
 

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3つの部屋はクローゼットで区切られているが、女子行員たちが集まるような場合、クローゼットの引き戸を全開放すると全部屋見通せるようになっていた。ただし感染拡大防止のため、千里の(友人の)手で透明アクリル板が設置されているので、空気の流通は小さい。ここは元々ファミリー用の物件なのでトイレが2つ、洗面台も2つあり、多人数が泊まるのにも楽だが。3人で暮らしてもあまり競合しないと思われる。
 
瑞穂の入居に伴い、ここに女子たちが宿泊する場合、最大5人にすることが、真珠と峰代の話し合いで決まった!
 
空いている真ん中の部屋に2人、ダイニング(8畳サイズ)に3人である!
 
これで邦生と真珠は自分たちの部屋は明け渡さなくて済むことになった。
 
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但し、明恵限定で、場合によっては真珠と邦生の部屋に同泊させる。この時、邦生−真珠−明恵の順に布団を並べる。布団は重なり合うが、いいことにする。真ん中の真珠は逆向きに寝る。
 
また、瑞穂自身の親友に限り、1名限定、瑞穂の部屋に泊める場合もあるが、これらはあくまで例外とする。
 

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(*9) 12月に引っ越してから真珠が買ったものである。ほとんど結婚に伴う引越に近い。
 
「あんた、もしかしてこれ、お嫁入り道具?」
などと買物に付き合った母が訊いていた。
 
真珠は10月以降、青葉の専任ドライバーとして月20万の報酬をもらっている。実際には、10月29日以降、青葉は、ほぼ関東方面に滞在しているので、仕事はほとんどしてない。青葉に「報酬は返上します」と言ったが「時間拘束している以上、ちゃんと報酬は払う」と言うので、ありがたく頂いている。それで、大型家電を買うお金があったのである。
 
洗濯機をドラム式ではなく縦型+乾燥機にしたのは多数の女子が泊まった時に大量の服を洗濯する必要があるからである!(過去には手分けしてコインランドリーに運んだこともある)ドラム式だと洗濯と乾燥が同時進行できない。
 
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冷蔵庫は真珠が買ったのは1台だが「宿泊所としては足りないよ」と言って、千里さんがもう一台買ってくれたので400Lの冷蔵庫が2台(どちらも日立製)並んでいる。これは長期保存用と短期用で使い分けており、グリーンの冷蔵庫(冷凍室の容量が大きい)は原則として長期ストック品、ホワイトが日常用である。
 
前のアパートのテレビ・洗濯機・冷蔵庫はかなり傷んでいたので廃棄しようか・・・と言っていたら、銀行の同僚女子が欲しいと言うのであげた。別々の3人の女子の所にもらわれて行った(真珠が男の娘?の友人を連れてきて、軽トラを借りて来て運んだ)。電子レンジは怪しい音を立てていたので廃棄した。布団は多数の来客が寝てもう6年使っているので廃棄した。代わりの布団は千里さんが買ってくれた(古い布団は製紙材料にするといって千里さんがどこかに持って行った)。
 
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前のアパートから持って来たのは、招き猫(黒と白のペア)とブタさんの貯金箱、本棚・スティールラックなどの収納関係、衣裳ケース、大量の書籍・CD,DVD, 調理器具、オーブントースター、配線具、ルーター、邦生の着替え?と食器関係、女子行員たちや明恵・真珠・美由紀なとが置いていたお酒類(邦生はお酒は飲まない)などである。
 
なお楽器類は小浜から楽器専門の運送業者さんの手で運ばれてきた。東京で使っていた着替えや雑貨は東京から宅配便で送った。いづれも宛先のアパートが無かったので、真珠に連絡が来て、新しいマンションに運び込まれた。
 
書籍とCDは↑のトイレ横のクローゼット(1畳サイズ)に移動式本棚を買ってきて置き、そこにかなり収納した。整理している時間が無く、適当に放り込んだので、『刑法コンメンタール』の隣に『恥丘の果ての性服娘』が並んでいたりする!
 
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(ちなみに後者は美由紀が置いていった本である!)
 

「お義姉さん、入社式と新人研修に行くのに、スペーシア貸してくれません?」
と瑞穂が言うので
 
「いいよ、持ってって」
と真珠は答えておいた。
 
今年のH銀行の入社式と研修は、津幡の火牛ホテルで行われることになった。全員車で集まり、駐車場の専用区画に入った所で簡易検査キットによる感染チェックが行われる。入社式は各自の車の中で無線LANを通して行われる。そして入社式の間に全ての検体がチェックされて、感染している人(数人居た)は結果通知して、入社式の後はそのままお帰り頂く(念のため5月の連休明けまで自宅待機:休職扱いだが、給料は全額出る:研修は送付するビデオを見てもらう)。
 
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陰性だった人だけ、火牛ホテルに入り、1週間の研修を受ける。
 
瑞穂は陰性だったので、ホテルに入り、研修に参加した。火牛ホテルは部分的に改装され、研修用の会議室がいくつも作られている。宿泊は1人1部屋である。相部屋ではないのが、とても好評だった。講義を聴くだけのものは、会議室には行かず、各自の部屋で受講できる。このあたりは、みんな学校のリモート授業を経験しているので、慣れたものであった。
 
瑞穂はシングルの部屋のベッドに寝転がり、こんな快適な部屋に泊まれるってすごーいと思った。なお、食事は全て自動配膳システムによるデリバリーである。研修中の外食、飲酒、4人以上集まっての会食は禁止されている。欲しいものは各部屋に置かれている注文パネルで頼めば、配膳システムを通して届けてくれるし、メニューに無いものはフロント宛てにメッセージを送れば常識的な範囲で調達してきてくれる。ホテル長さんは
 
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「違法な物でない限り、お金を払って頂けたらボーイング787でも買ってきます」
と言って、笑いを取っていた。
 
(若葉なら本当にB787を買って来かねない。価格は1ドル120円として270億円くらいである。若葉にとっては一般庶民の30万円くらいの感覚)
 
メニューには様々なものが並んでいた。ジャンル分けされているが、五十音順索引と検索機能もあるので結構見つけ出せる。
 
文具:ボールペン、シャープペンシル、替え芯など
電器:乾電池、懐中電灯、USBケーブルなど
衛生:化粧水、髪ゴム、マスク、ティッシュ、絆創膏、ナプキン各種、避妊具?、テンガ!、妊娠検査キット!?、など
衣料:靴下、ストッキング・タイツ、ショーツ・トランクス、ブランケット、サンダルなど
食料:チョコやクッキーなどのスナック類、各種飲料、おにぎり、ハンバーガー、サンドイッチ、菓子パン、また、やきそば、ラーメン、ピザ、などの類い(基本的にムーランのメニューは全て頼める
 
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富士通・NEC・デル・アップルのノートパソコン(新品・特選中古!)、マウス・ペンタブレット、USBケーブル、USBメモリ、更には郵便切手やスマホのデータチャージカードまで登録されている。
 
(お薬は法的な問題があるので個別メッセージ対応。「緊急避妊薬渡せますから、やばいと思ったら連絡して」と女医さんが言っていた。また(飲む)アルコール類は銀行側の要請で外している。メッセージでも受け付けない)
 
テンガを頼んだのはほとんど女子だったらしい!
 
(むろん誰が何を買ったかは個人情報なので、銀行には決して開示しない。今後の参考にするため、統計情報だけムーランと銀行で共有した)
 
研修中にパソコンが壊れて1台(4万円の特選中古)買った人が居たらしい!寝相が悪くてベッドから転落したら、寝ながら使っていたパソコンの上に身体が落ちたとか。
 
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また1人は暇つぶしに持って来ていたヴァイオリンの弦が切れてしまったのを、恐る恐る頼んでみたら、すぐ買ってきてくれたので感動したらしい。
 
今回実はホテルスタッフは、郷愁リゾートと藍小浜からの派遣が大半なのでそつが無い。一部ムーラン津幡のスタッフも動員している。注文システムは郷愁リゾートのホテル昭和・富士で動いているシステムを持ち込んだ。
 

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