広告:まりあ†ほりっく 第1巻 [DVD]
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■夏の日の想い出・星遮りし恋人(22)

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さて、その博多の従姉・明奈なのだが、私の母方の従兄姉の中で、実は最後まで未婚で残っていたのが、明奈と私だった。その明奈がついに4月3日(土・大安・みつ)に結婚することになった。これで、いとこの中で未婚は私だけになってしまった。(父方のいとこはそれ以前にみんな結婚してしまっている)
 
お相手は博多に転勤で来ていた会社員の男性で高岡さんという人らしい。その人が他の地域に転勤すると、明奈も付いていくことになるという話であった。
 
結婚式は姉・純奈が結婚式をあげたのと同じ、福津市の宮地嶽(みやじだけ)神社で行い、披露宴はリモートで行われた。
 
前日にうちのマンション宛に、お料理(冷凍)と飲み物(ワインを希望したらグラーブの上等な白ワインと素敵なクリスタルのワイングラスが送られてきた)、それに引き出物のバウムクーヘン(ユーハイム)と《ひよ子》が送られてきている。
 
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《ひよ子》は東京近辺の人には“東京のお菓子”と認識されているが、発祥は福岡県(吉野堂)で、博多では“博多のお土産”の代表格のひとつである(石村萬盛堂の《鶴乃子》と“鳥戦争”と言われた時代がある)。東京の《ひよ子》は博多の《ひよ子》から1960年代に暖簾分けしたものである。
 
「良い赤ちゃんが授かりますようにというので“ひよ子”らしい」
と、私が御礼のメールをすると明奈は言っていた。
 
「現在はたまごなのね?」
「いやぁ失敗失敗」
ということで、避妊ミスと言っていたが、“転勤族”というのに母が渋い顔をした(お母さんは地元の民謡関係の人と結婚して欲しかった)のを押し切るための、“確信犯”(誤用)のような気がする。
 
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しかし私は先週(3/28)の“千里たち”の結婚式に続き二週連続の結婚式である。披露宴のリモート参加は平服でどうぞ、とは書かれていたが、私は適当なヴァレンティーノのドレスを着て、WEBカメラ付きのパソコンの前に座った。
 
10:00 結婚式の様子がZoomで中継される。これは普通の結婚式である。ただし人数を絞り、密にならないようにする。本来は30人以上入る広い式場(純奈の時にここに入っているが学校の教室並みの広さである)を、新郎側・新婦側、各々7人までにして下さいと言われたらしい。
 
新婦側は、両親、姉・純奈(臨月!)と夫の暢彦さん、風帆伯母!、明奈の父の兄夫妻、新郎側は、両親、姉夫妻(以上は東京から)、弟(金沢在住)、母の弟夫妻(広島在住)
 
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と事前に純奈から聞いていたのだが・・・
 
中継を見ていてギョッとする。
 
それは新郎の“両親”、正確には“父”が私のよく知った人だったのである。
 

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「新郎は白河社長の息子さんだったのか」
と私は思わず声をあげた。
 
それは♪♪ハウス・白河夜船社長だったのである。
 
ということは結婚式に出席している姉夫妻というのが、♪♪ハウスの中学生タレント神田あきらの両親ということになる。だから、明奈は、この結婚で、神田あきらの叔母になることになる。
 
「なんか、また業界内で複雑な親戚関係ができるなあ」
と私は思ったが、白河社長と親族になるということは、私は龍虎(アクア)とも遠い親戚になることになる。複雑すぎて関係がよく分からないけど。
 
(明奈の結婚相手が、龍虎の三従兄弟になる)
 

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その白河社長は結婚式が終わって披露宴の準備が進んでいる時間に、私がリモート参列していることに気付き、DM(ダイレクトメッセージ)を送ってきた。
 
「ケイちゃん、もしかして新婦の関係者?」
「新婦は私の従姉です」
「おお、だったらケイちゃんと親戚になる訳か」
「またよろしくお願いします」
「うん。よろよろ」
 
新郎の高岡亀平さんは、1989年度生まれというので、明奈と同学年である。2014年春に大阪の大学の大学院修士課程(化学専攻)を出た後、大阪に本社を置く全国企業に就職した。2年間の大阪本社勤務の後、2016-2018年は北海道支店、2019年春から九州支店に勤務し、明奈と知り合ったということらしい。どうやら本格的な転勤族のようなので、明奈が福岡から離れるのは時間の問題だなと私は思った。北海道・九州と来たら、次は仙台か名古屋か北陸か?あるいは東京か。
 
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披露宴を待つ間に、お料理はチンしてテーブルの前に並べ、ワインは栓だけ開けておいた。披露宴がZoomで中継される。
 
越天楽の演奏(録音再生)に合わせて新郎新婦が入場してくる。そしてメインテーブルに就く。
 
司会者(新婦の友人で放送局の元アナウンサー)による開式の辞の後、新郎新婦の紹介が行われる。会場にリアルで出ているのは、新郎新婦・結婚式に参列した人と、この司会者のみである。会場のテーブルには30台の大型液晶モニターが並び、リモート参列者の映像が循環表示されている。わりとたくさんの人に囲まれている感じはあるらしい。
 
新郎の上司である、課長さん(リモート参加)、続いて新婦・明奈の勤務先の上司である社長さん(やはりリモート参加)が主賓挨拶をする。司会者から、「リモート参加の皆さん、お飲み物をグラスに注いで下さい」という案内があるので、私は冷蔵庫で冷やしておいたクリスタルグラスにワインを注ぐ。ここでまだワインやお酒の栓を開けてなかった人たちが結構いて、慌てて開けていたようである。
 
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そしてリモート参加者たちがだいたい飲み物をグラスに注ぎ終わったのを確認して(1人どうしてもワインを開けきれずに、別途金麦を取ってきて注いだ人がいた!)、新郎の先輩の係長さん(リモート)の音頭で乾杯が行われた。
 

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ウェディングケーキの入刀となる。
 
前日に新郎新婦が一緒に!作ったケーキらしい(その時点で既に“共同作業”が終わっている気がする)。
 
入刀と同時に、リアル参列者、リモート参加者双方から大きな拍手が起きる。
 
そして、風帆伯母が『高砂』を詠う。
 
明奈の母・里美が能管を吹き、お腹の大きな姉・純奈が鼓(つつみ)を打った。若山流の考え方に従い「翳し」をしない、本来の歌詞を使用する。
 
高砂や。この浦舟に帆を上げて。この浦舟に帆を上げて。
月もろともに出で潮の、波の淡路の島影や。遠く鳴尾の沖過ぎて、
はや住之江に着きにけり。はや住之江に着きにけり。
 
しばしば「出る」が縁起が悪いといって「月もろともに入り潮の」と詠われるのだが、若山流鶴派主宰の乙女叔母(若山鶴音)は「月が出るからめでたいのであって、月が入っちゃったら真っ暗闇じゃん」と言う。若山流の家元・若山桜盛(元アイドル歌手の西川令子)も同意見のようであるが、個々の派閥に任せている。他派では翳しする派もあるが、鶴派では翳しはしない、
 
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この後は歓談タイムになり、多くのリモート参加者からオープンメッセージでおめでとうのことばがあり、新郎新婦もオープンで「ありがとう」と返事していた。
 
余興も行われる。
 
例によって叔母たち、従兄姉たちの、民謡大会と化す!
 
「冬ちゃんも何か出し物を」
と言われたので、私は民謡ばかりではと思いポータブルキーボードYamaha PSR-E373を持ってきて『Atoll-愛の調べ』を弾き語りで歌った。
 
私の歌を聴いて、私が参加していることに新郎側の親戚や友人たちが気付き、結構な騒ぎになっていたようである。白河夜船さんが(孫の)神田あきらを電話で呼び出したようで、招待メールを送ってもらい、急遽Zoomに参加させる。歌えと言われたようで、彼女の持ち歌を歌ったが、歌い終わってみんなに拍手をもらってから、私が参加してることに気づき「きゃー、ケイ会長の前で恥ずかしい」とか言っていた。
 
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(私は♪♪ハウスの会長ではないのだが。♪♪ハウスの会長はコスモスである。もっともコスモスも事実上名前だけで、♪♪ハウスの経営にはタッチしていない)
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“リモート・キャンドルサービス”が行われる。参列者は予め、送られてきた荷物の中からキャンドルを取り出す。新郎新婦がひとりひとりの参列者と1対1の画面になりふたりで手に持つキャンドルのスイッチを押すと、その参列者のキャンドルが点灯するようになっている。
 
これをリモネート参列している60人(組)ほどの人とやるので、これだけで10 分掛かる。その間、新郎の姉・白雪りんご(神田あきらの母)がエレクトーンでヴィヴァルディ『四季』春第一楽章をずっと演奏していた。彼女は歌手志望だったらしいが、18歳で子供を産んでしまったら、それは無理というものである。彼女の音楽的な才能に惚れ込んでいた鈴木一朗社長が、ものすごくがっかりしたらしい。その母の娘にしては、神田あきらは、もう少し歌がうまくてもいいのだが!
 
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神田あきらは、2019年に中学生になると同時に別の事務所からデビューした。しかし昨年コロナの影響でそこが倒産してしまったので、白河さんが自分の事務所に引き取ったのである。あまり自分の身内を置いておきたくないので、コスモスにそちらで預かってもらえないかという話もしてきたのだが、こちらはラピスが急に売れて、とても手が回らなかった。
 
しかし千里が調べていなかったら、白河社長や神田あきらが龍虎の親戚とは全く気付かなかった。
 
雨宮先生とも話したのだが、正式に公表する前に白河社長にはこのことを言おうということになっている。雨宮先生も、ライブハウス“ムー”に出ていた頃は、高岡猛獅さんとムーのオーナーの娘婿である白河夜船(高岡亀浩)さんは、単に親しい友人だと思っていて、親戚だったとは知らなかったらしい。
 
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彼は“亀浩”→“亀さん”→“亀氏”→“きし”→“ナイト”→“ナイト・クルージング”(人名っぽくしてみたもの)→“夜船”→“白河夜船”ということで、現在のペンネームができたらしい。ムー当時(∞∞プロの凄腕マネージャーでもあった)は“ナイトちゃん”と呼ばれることが多く、当時ムーに関わっていた多数のバンドや芸人さんが彼を今でも“ナイトちゃん”と呼ぶ。
 
白河さんがワンティスを担当していたら、ワンティスの運命も変わっていたのかも知れないが、白河さんは当時売れっ子の歌手の担当だったから、おそらく手が回らなかったのだろう。それにワンティスの“無茶苦茶”な活動は、新興プロダクションだから許されたことでもある。∞∞プロのようなシステマティックなプロダクションでは、あそこまで自由はできなかったろう。
 
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キャンドルサービスの後は、祝電・祝FAX・祝メールが披露される。
 
そして最後に白河社長が音頭を取って「博多祝い歌」を、新郎新婦、里美伯母の4人だけで歌い、披露宴は終了した。
 
祝いめでたの若松様よ、若松様よ、枝も栄えりゃ葉も茂る。
エーイッショウエ、エーイッショウエ、ショウエ、ショウエ、ションガネ。アレワイサーのエッサーソエーのションガネ。
 
4人が歌い終わると、参列者から盛大な拍手が贈られた。
 
なお、コロナ下でもあり、新婦が妊娠中ということもあり、新婚旅行に代えて、新郎新婦はヒルトンホテルに1週間滞在するらしい。ハネムーンベイビーは仕込み済みだから、まあゆっくりと身体を休めるとよいであろう。
 
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新婚の内はお互いいくらでも話すことがあるものだ。
 

この日は夕方から、今度は東京で、西宮ネオンの結婚式が行われた。相手の女性が大学を卒業してから結婚するという約束だったので、3月に卒業したのを受けて、結婚式を挙げるものである。
 
この結婚式披露宴には、マリと一緒にリモート参加する。
 
お相手の女性は、大学を出ても就職せずに、ネオンの妻になることになる。(死語だがまさに“永久就職”:本当に永久かどうかは不明!?)
 
彼女は実際にはここ数ヶ月ネオンの部屋にほぼ“住んで”いて、結婚するまでは同棲しないという約束に違反していたのだが、私たちは見ぬ振りをしていた。
 
(聖子と和紗の場合は双方の親族も同意の上“結婚”したので問題無い。ふたりは自分たちだけで式も挙げたらしく記念写真をもらった。同性?なので婚姻届は提出できない!?←と言われたのだが、どうもよく分からない)
 
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ネオンのお相手の名前は常念真史(じょうねん・まふみ)さんという。
 
さて、結婚式の会場となる渋谷区のホテルには“常念真史様・穂高充乃様・結婚式”という看板が掛けられていた。
 
新婦の名前が先で、新郎の名前が後になっている。それを見て、あれ?結婚後の苗字は、新婦の苗字・常念を使うのかな?と思った。(一般に新郎側を先に書くことが多いが、新婦側の苗字を使う場合は新婦を先に書く)
 
が!
 
直前になって、ホテル側が、新郎と新婦の名前を取り違えていたことが判明する!
 
確かに“真史”(まふみ)は、つい“まさし”と読んで男性かと思うし、ネオンの名前“充乃”(みつの)は女性の名前と思われがちである。どうもふたりとも性別を取り違えられることには慣れっこのようで、本人たちは笑っていたが、ホテル側は平謝りで、すぐに看板も書き直していた(ホテル入口の“本日の行事一覧”の所のも新婦の名前を先に書いてあったのでそちらも書き直していた:どうも最初は正しく書いていたのを、これは逆でしょ?と言って書き直してしまったらしい)
 
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「みっちゃんがウェディングドレス着て、私がタキシード着ようか?」
「まーちゃんは僕のタキシード着れるかも知れないけど、僕はまーちゃんのウェディングドレスはウェストが入らないよ」
「みっちゃんのウェストが入るウェディングドレスは頼めば普通にあると思うなあ」
 
ネオンはウェストが73cmと細いので、彼をテレビ番組などが“女装させる”時も彼に合う女性用の衣装は普通に用意できる。それでしばしば女装させられている。
 
「僕、“女役はしません”という契約だったのに」
と彼は文句を言っていたが、放送局も上手で
 
「これは男性刑事が捜査のために女装する場面だから」
とか
「これは女装好きの男の子の役だから、女役ではないよ」
とか
「これはスコットランドのキルトだよ。男性用の衣装だよ」
 
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とか言って、ネオンを女装させたりスカートを穿かせたりしている。
 
女装あるいはスカート(キルト?)姿のネオンはとても可愛いので、ファンにも好評である!
 
(彼はスカートでなくても、ショートパンツを穿くことはよくあるので、足の毛はいつも剃っている)
 
マリも
「ネオンちゃんのウェディングドレス姿見たかったなあ」
などと言っていた。
 

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こちらもリアルの人数制限が掛かっていて、双方とも結婚式に参列する親族は5人までということだった。ネオンは、両親、姉2人、妹の5人、花嫁側も、両親、兄3人の5人であった。ネオンは4人きょうだいで唯一の男の子、花嫁は4人きょうだいで唯一の女の子である。ネオンの下のお姉さんも芸能人志望だった。2015年のロックギャルコンテストで、お姉さんは自分が願書を出すついでに弟の分まで願書を出して、本人は県予選で落ちたものの、弟は全国大会まで進出して、実質2位だった(実質1位は白鳥リズム)。お姉さんはその後もいくつかのオーディションに挑戦したものの、残念ながらどこにも合格しなかったらしい。最近は自主制作したビデオをyoutubeに流したりしているという。
 
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披露宴はこの結婚式に出席した人+祖父母など、双方10人くらいずつ親族がリアルに入って行われた。ただしひとつのテーブルには2人(夫婦のみ)までしか座らせない、充分なソーシャルディスタンスを取っている。更に実はネオンと花嫁には予めワクチンを接種してもらっておいた。
 
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夏の日の想い出・星遮りし恋人(22)

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