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■夏の日の想い出・星遮りし恋人(14)

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信希が身体測定や心電図・内科検診などで全く特別扱いされず、普通に他の女子と一緒に測定・診察されることになったのは、誰もそのことに気付いていないが、実は大城令耶のせいである。
 
校長先生は、11月の段階で信希と面接したのを受けて「今度1年生に入る上田さんは、戸籍上も肉体的にも男子ではあるけど、心が女の子で、女子制服で通学するから配慮してあげて」と全職員に通達した。そして、身体検査は個別で、体育の着替えなどには個室を用意してあげてとも言った。
 
ところが1月になって入学願書を受け取り、面接をした生徒の中に、明らかに男にしか見えないのに、セーラー服を着ている子がいるのに、面接の担当の先生は驚く。
 
しかしすぐに校長から“身体は男だけど心は女”という生徒が入学すると言われていたことを思い出した。それで「この子か!」と思ったのである。(信希は既に面接が終わっているので1月には面接を受けていない)
 
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確かにこの子は他の女子生徒と一緒には着替えさせられないし、身体測定も別途だよなと思い、先生たちは教材準備室(という名前の倉庫)を彼女のために1つ空け、大城本人を入学式一週間前に呼び出して
「ここを使ってね」
と指示したのである。
 
トイレに関しては、1年1組のクラス委員に指名する予定だった花村翡翠に連絡し、こういう子が君のクラスに入るけど、無害な子だから、できたら女子トイレまでは容認してあげるよう君からもクラスメイトに言って欲しいと依頼。花村も「トイレはいいですけど、更衣室は分けてください」と要望した。先生の側も「更衣室は別途用意する」と答えた。
 
それで校長が信希に関して指示したはずのことが、いつの間にか、大城さんへの対応ということにすり替わってしまっていたのである。
 
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大城さんはダメ元でL高校に女子として入学申請したら、スムーズにちゃんと女子として受け入れてもらえたのて、ここは理解のある高校だなあと感激していた。
 
ということで、上田信希の方は“対応が必要”というのは、全く認識されず、普通に女子生徒として扱われているのである。
 

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そもそも信希は男子制服を着ても女子生徒が男装しているようにしか見えない(それで中学時代もしばしば“男子トイレ”や男子更衣室・男湯!に入れなくて悩んだ)ので、問題が発生するはずも無かったのである。
 
だいたい背丈も女子並み、髪も女子の長さで、声も女子の声にしか聞こえない信希を男と思えという方が無理である。このあたりはアクアとも似ているので、信希はやはりアクアさんは自分と同様、小学生の内に睾丸を取ったのだろうと確信している。
 
信希は中学の修学旅行はどっちみちコロナで中止になってしまったものの、小学校の修学旅行では、男湯に入れず困っていた所を女子の同級生に
「のぶちゃんはこっちでいいよ」
と言われて(唆されて)、女湯に入っている。
 
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「なーんだ。もうちんちん取ってるのね」
と女子のクラスメイトたちから“女の子であることを確認された”のも、アクアなどと似ている。
 
中学に進学した時に
「女の子なんだからセーラー服着ればいいのに」
と随分クラスメイトの女子から言われている。
 
結局クラスで校内合唱大会とかに出た時はセーラー服を着てソプラノの所に並んだし、体育祭ではチアガールしたし、バス遠足とかの時は、女子の並びに席を取られていたし、卒業式の写真はセーラー服で写っている。(結局、3年間ほぼ女子中学生してたような気もする)
 

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『星遮りし恋人』の撮影は続いていた。
 
第2幕第四場
 
ジュリエットと窓越しに深夜の会話をしたロミオは、修道院に行き、ローレンス修道士と会う。ロミオ(アクア)はキャプレット家の親戚であるロザリン(常滑舞音)に恋していることをローレンス(大林亮平)に打ち明けていて、揉め事になるからやめなさいと注意されていた。そのロミオが女と会ってきたような顔をして修道院に入ってきたので、とうとうロザリンとデートしたのかとローレンスは思った。
 
ところがロザリンではなくジュリエットと会って来たというのでローレンスは仰天する。そして彼女と結婚したいと言うロミオにローレンスは困惑を隠しきれない。
 
このシーンは、オープンセット内の修道院のセットを使用して撮影している。このセットの外側に並ぶお墓の部分がラストシーンの撮影に使われることになる。
 
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第2幕第四場(路上)
 
このシーンはオープンセットの外側に作られた、石畳の道路で撮影された。ハリボテの家屋(ルネッサンス様式)が立ち並んでいる。
 
ベンヴォーリオ(岩本卓也)とマーキュシオ(七浜宇菜)が猥談!している所にロミオがやってくる。(ちなみに宇菜は猥談は大好き!である。岩本君の方が恥ずかしがって数回NGを出した)
 
「おいロミオ、昨夜はどこ行ってたんだ?召使いが探してたぞ」
「すまん。大事な用事があったもんだから」
「どこかの女と寝てきたのか?」
「寝てはいないんだけどな」
 
「やはり女と会ったのか。まあ、お前は自分の棒を立てる穴を探し回ったりはしないだろうけどね」
 
この物凄いセリフ(ロミオとジュリエットの劇の中でも有名セリフのひとつである:原文 runs lolling up and down to hide his bauble in a hole)を言うのはマーキュシオ(七浜宇菜)であるが、宇菜は平気でこのセリフを発音する。
 
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「ストップ、ストップ、映倫さんから注意されるぞ」
とベンヴォーリオ(岩本卓也)。
 
「じゃ、俺のシッポが毛に絡んだまま止めろと言うのか?」
とマーキュシオ(七浜宇菜)。
 
「止めなきゃ、お前そのままシッポを大きく膨らませるだろ?」
とベンヴォーリオ(岩本卓也)。
 
「伸びきったら縮めるから心配するな。そこまで行けば用事は終わりだからな」
とマーキュシオ(七浜宇菜)。
 
「まあそこまで行けば満足だろうな」
とロミオ(アクア:内心ほんとに映倫大丈夫か?と思っている)。
 

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ちなみにこのシーンを公開後に見た宇菜のファンの女子たちは
「いやらしくて素敵!」
「ああん、宇菜様のシッポを可愛がりたい!」
などと感想を漏らしていた。
 
男子の観覧者には
「もしかして宇菜にはシッポがあるのか?」
と半信半疑になった人もあったようである。
 

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しかしここにジュリエットの侍女(坂出モナ)が登場して、猥談は終了する。
 
ロミオは、この子と内密の話があるからと言ってベンヴォーリオとマーキュシオを帰す。2人はロミオの愛人なのかなと考え、おとなしく引き上げてくれる。
 
侍女は
「個人的にはあなた様にこれを渡すのは気が進まないんですけど」
と言いながらも、ロミオにジュリエットからの手紙を渡した。ロミオはその場で返事を書いて彼女に託した。
 
それで今夜のデートの手筈ができるのである。
 

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侍女(坂出モナ)は家に戻って戸惑いながらもロミオの返事をジュリエットに渡す(第2幕第5場)。ここはジュリエット役のアクアと侍女役のモナだけでの撮影である。これもオープンセット内のジュリエットの部屋のセットを使用する。
 
そしてその日の深夜、ロミオとジュリエットは修道士の庵室で密会する(第2幕第六場)。ここは、ロミオ・ジュリエット・修道士の3人のみでの撮影である。修道士役の大林亮平は、少年探偵団の撮影でもマクラを見ているので(この3月にもそういう撮影をしている)、問題無く3人だけで撮影を行った。つまりボディダブルの葉月を使用していない。市街地から離れた場所にあるセットなので、2人のアクアを使いやすい。
 
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ジュリエット:今晩は、懺悔師さま。
ローレンス:ロミオが2人分挨拶してるよ、お嬢さん。
ジュリエット:でしたらロミオ様にも挨拶を。でないと挨拶のしすぎです。
 
ロミオ:ああ、ジュリエット。もし君の喜びの尺度が私の喜びと同じくらいまで高まったら、君の言葉でそのことを僕に教えて欲しい。君の言葉はきっと素敵な音楽のようにこの部屋の空気を甘いものに変えるだろう。さあ、僕たちの心の中にある幸福を表に出そう。
 
ジュリエット:思いは言葉より中身の方が大事なのです。自分の所持金を数えることができるのは貧乏な人だけです。私の真の愛は、そのような尺度で測ることはできないほどのものになりました。私はこの心の大きさの半分も数えることができません。
 
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ここで浮かれているロミオとあくまで冷静なジュリエットが対照的である。ジュリエットの言葉はとても13歳の言葉とは思えないほどしっかりしている。そしてアクアたちはそれをきれいに演じ分けている。河村監督はほんとにこの子たちはどちらも凄いと思った。
 
ローレンス:では君たち、こちらへ。これから小さな作業をしよう。聖なる教会が君たちをひとつにしっかり結びつけるまで、ひとりになってはいけないよ。
 
こうして2人は深夜、秘密の結婚式を挙げたのである。
 

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結婚式のシーンは原作には無いのだが、映画では一般的な結婚式を再現した。
 
白い純白のドレスを着たジュリエットと、短いスカートとブリーチ(ガーターストッキング)の重ね穿きに、マントまで着けたロミオが、ローレンス修道士の前に並ぶ。
 
「ロミオよ。汝はこの女性・ジュリエットをこの日より先、妻として娶り、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、死が2人を分かつまで、愛し慈しむことを誓うか?」
 
「誓います」
 
「ジュリエットよ。汝はこの男性・ロミオをこの日より先、夫として嫁ぎ、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、死が2人を分かつまで、愛し慈しむことを誓うか?」
 
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「誓います」
 
「神の恩みが汝らにあるように」
 
それでふたりは誓いのキスをして結婚式は終了した。
 
なお、ジュリエットが“苗字を捨てたい”と言っていたので、ローレンスは各々の個人名のみを呼び、苗字を呼ばなかった。
 

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「マクラとキスしたら変な気分になった」
と撮影終了後、アクアは言った。
 
「何ならこのまま初夜までして、そこも撮影してもらう?ほんとにセックスしてもいいよ。私が上でも下でもいいし」
と“ロミオを演じていた”マクラ(アクアF)が言う。
 
マクラが大胆なことを言うので大林亮平が困惑している。
 
「それやるとこの映画 R18 になっちゃうからやめようよ」
と“ジュリエットを演じていた”アクア(アクアM)は言った。
 
映画では、結婚式のシーンの後、聖堂の隣の部屋にある空のベッドを映すだけでこのシーンを終わっている。
 

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例によって、映画公開後、このキスシーンが問題になる。
 
「これ絶対本当にキスしてると思う」
「寸止めには見えない」
という意見が圧倒的である。
 
アクア本人は
「これ実際にはガラス板にキスしてるんですよ。それを左右から撮って合成したんですよ」
と説明したが、ファンたちは半信半疑だったようである。
 
でも「そのアクア様がキスしたガラス板が欲しい」という意見も多数あった。
 

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第3幕第1場(路上)
 
ベンヴォーリオ(岩本卓也)とマーキュシオ(七浜宇菜)が話している所にロミオ(アクア)が登場する。3人で会話していた所にキャプレット家のティバルト(松田理史)が来る。
 
マーキュシオ(七浜宇菜)とティバルト(松田理史)が言い争いになり、ふたりとも激高して剣を抜いてしまう。ロミオは2人の間に割って入り
 
「やめろ、ふたりとも剣を納めろ」
と言って、止めるのだが、ティバルト(松田理史)はロミオの腕の下をかいくぐってマーキュシオ(七浜宇菜)を刺してしまった。
 
この傷によりマーキュシオは死んでしまう。
 
人を殺して精神的に興奮してしまったティバルトは更にロミオも刺そうとする。やむを得ずロミオも剣を抜き、ティバルトを刺す。
 
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このシーンは実は3回もNGを出した。NGを出したのはティバルト役の松田君である。彼はアクアに刺されて倒れる時に、あまりに“嬉しそうな顔”をして倒れるので、NGになるのである。
 
ティバルトの衣装は刺されると血糊が広がる仕様である。つまり再利用できない。予備は用意していたのだが、3回もNGを出して残り1着になってしまった。それで監督の指名により宇菜が残り1着となったティバルトの衣装を付けて、代わりにアクアに刺される所を演じた。
 
つまりこの日、宇菜は2度も刺殺される演技をしたのであった!
 
アクアが松田君に
「そんな演技してたら彼女に嫌われるぞ」
と言うと、松田君は情けなさそうな顔をしていた!
 
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しかしこの日の撮影で、岩本卓也と七浜宇菜にも、松田君とマクラの関係がバレバレとなる。
 

場面は続く。
 
市民(演:本騨真樹−たまたま見学に来ていたのを徴用した *1)の通報により、エスカラス公(藤原中臣)がやってくる。
 
(*1)撮影している川崎市郊外のオープンセットは、あけぼのテレビ(大田区)から30分ほどで行けるので、そちらから誰か呼び出すつもりだった。
 
全てを見ていたベンヴォーリオ(岩本卓也)、また通報した男と、2人の証言により、ロミオはティバルトに刺されそうになったのでそれに対抗しただけであり、正当防衛であったというのが認められた。ティバルトがロミオを刺そうとする前にマーキュシオまで殺しているというのもあり、ロミオはヴェローナからの市外追放という軽い処分で済む。
 
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エスカラス公としては、正当防衛なら無罪でもよいのだが、無罪にしてしまうと、キャプレット家の手の者にロミオは殺され、更に血が流れることになるのが確実なので、彼を守るためにも市外退去を命じたというのもあった。
 
実際ティバルトの伯母であるキャプレット夫人は極めて不満な様子で、この人殺しを処刑しろなどと、わめきちらしていた。
 

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夏の日の想い出・星遮りし恋人(14)

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