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■夏の日の想い出・止まれ進め(22)

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そんな話をしていた時
「すーずちゃん!」
と言って、友人の日都美が後ろから首に抱き付いた。
 
「ちょっとちょっと」
と言って振り解く。
 
鈴世は女の子に抱き付かれて今更恥ずかしがる子ではない。
 
「一体どうしたのよ?」
「すずちゃん、うちのバンド手伝って」
「何の楽器?」
「ドラムス」
「無理〜!私のリズム感悪いの知ってるくせに」
「ドラムス担当の彰奈ちゃんがバーベルスクワットやってて腕の筋肉傷めたのよ」
「バーベルスクワット!?よくそんなのやるなあ」
「男の子に頼もうかと思ったけど、ガールズバンドというスタイルを崩したくないのよね」
「私も男の子だけど」
「またご冗談を。すずちゃんにちんちんが無いことは多くの証言がある。それにすずちゃん、女子制服も持ってるよね?」
「私の性別は置いといてほんとに私リズム感悪いから」
「クリック音聞きながらでも無理?」
「ああ」
 
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それで昼休みに彼女たちの練習室に行き、クリック音を聞きながらドラムスを打ってみたら、何とかなった。
 
「これ練習すれば行けそう」
と他のメンバーも言う。
「本番は明後日だからさ、もう他に頼みようが無いのよ。すずちゃんが女子制服で通学したいと申告したら、すずちゃんは間違いなく女の子ですと証言してあげるからさ」
 
「取り敢えず女子制服に着替えてみてよ。持ってるんでしょ」
「持ってるけど。どこで着替えようかな」
「ここで着替えればいいよ。みんな女の子だから」
「まあいいか」
 
それで鈴世はギターの日都美、ベースの真衣奈、キーボードの百合恵の前で、スポーツバッグから女子制服の学校指定ブラウスを取り出し、男子用のワイシャツを脱いで女子制服を着た。もちろん下にはブラジャーとショーツを着けている。ショーツに変な膨らみは無い。そしてスカートを穿く。
 
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「じゃこれで練習しよっ」
「放課後もここに集まってまた練習」
「OKOK」
 

「すずちゃんは午後の授業はその制服で受けるといいね」
「え〜〜!?」
「ばれない、ばれないって」
「そうかなあ」
 
「人は不自然なものを見るとそこを注視する。でもすずちゃんの女子制服姿には何も違和感が無いから、見ても何も疑問を感じない」
 
それはあるかもしれない気がした。
「トイレは一緒に行ってあげるから」
「それはお願い。みんなが私の女装を認めてくれている訳じゃないし」
「ああ、敵対感持ってる子もいるよね」
「そういう子にもすずちゃんが実際に女の子だということを見せてあげたほうがいいと思うなあ」
「今度の水泳の授業は女子水着で受けなよ」
「叱られるよぉ!」
「女の子の身体であれば女子水着を着けるのは当然」
 
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「とりあえず今日は女子制服で下校して、金曜も土曜も日曜も女子制服で登校ね」
「え〜〜〜!?(←嬉しがってる)」
 

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薩摩川内市の松崎家。
 
サッカー部の練習を終えた弟の春世(はるとし)が19時過ぎに帰宅。それで父を待たずに母と真和・春世の3人で夕食を取る。
 
今日の御飯はカレイの煮付けだが、
「焼き魚か唐揚げが良かったなあ」
などと春世(はるとし)は文句を言っていた。うちの御飯は、典佳がいた頃は毎日1升炊いていたが、出て行ってからは7合にした。むろん4合くらいを春世が食べる。真和や母が食べるのはごく少量である。
 
春世はごはんを7-8杯食べた後
「お腹空いた」
と言って!?カップ麺のビッグサイズを食べていた。よく入るもんだと真和は呆れて見ていた。
 
その後で春世は自分の部屋に入ってしまう。きっとゲームでもするのだろう。全然勉強しているようには見えない。
 
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真和は御飯を食べている間にお米を、うるち米2合半+餅米半合研いで浸透させておいた。これをルクルーゼを使って焚き上げる。
 
「あんたよく鍋で御飯を炊けるね」
と母が感心して言う。
「炊飯器より簡単だよ」
「そう?私はお米は炊飯器でないと炊けない。あんたいいお嫁さんになるかもね」
「うん。お嫁さんになるつもり」
と真和が言うと、母は微笑んでいた。
 
焚き上げたあと1時間冷ました。その間に油抜きした油揚げをだし汁に浸しておく。そして御飯を詰めていった。お稲荷さんは24個できた。
 
「じゃお夜食にもらいまーす」
と言って皿に載せた稲荷寿司を自分の部屋に持っていった。
 

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なおこの家は元々5DKだったのを部屋の内3つを各々2つに仕切って6個の子供部屋(2.25畳)を作っていた。それを5人の子供が使っていた。あとひとり出来ても収納できたが、春世が(多分)最後の子供になった。母はまだ閉経してないようだが、父がパイプカットしたらしいので、何かの間違いがない限り、これ以上子供はできないはずである。
 
余った子供部屋は防音工事をしてクラビノーバを置き、ピアノ練習室にしている。兄弟の中で子供の頃からピアノを弾いていたのは真和だけなので、その隣を真和の部屋にしていた。
 

 
ピアノについて典佳は1ヶ月で挫折した(←挫折が早すぎ)。ピアノ室の隣は最初典香の部屋だったが真和と交換した。今では典香もピアノを弾くが、真和のほうが上手い。典香は横笛にハマり、小学1−2年生の頃から篠笛やファイフを吹いていた。小学5年生で吹奏楽部に入る時にフルートを買ってもらった。最初は安い白銅製だったが、熱心に吹いているので中学に入る時に洋銀のを買ってもらった。
 
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典香は歌は上手いので、よく真和が伴奏して典香が歌ったりフルートを吹いたりしていた。ピアノの発表会で、真和のピアノと典香のフルートで出たこともある。もちろんふたりともドレスを着た。
 
(「フルート吹いてるのマナちゃんのお兄さん?」「女の子の服着るの好きなのね」「男の子がスカート穿いてもいいよね」などと言われた!)
 
部屋は交換後は、元紀/典香/春世/真和だったが、春世が
「両側からフルートとピアノの攻撃は辛い」
と言って、典香と春世が部屋を交換した。でも春世がオナニーするようになると
「オナニーの音がうるさい」
と典香が文句言って、オナニーなど(めったに)しない元紀と代わってもらい、結局、春世/元紀/典香/真和、の順序になった。
 
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結局前2つが男の子、後ろ3つが女の子?になった。今は春世は両隣が空きで思いっきりオナニーしまくってることだろう。
 

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たくさんあるお稲荷さんを見てイオリさんは喜んでいたが
「さすがにたくさん食べ過ぎた。後にしよう」
と言っていた。
 
真和は
「お腹空いたら勝手に食べててね」
といって布団に入って仮眠した。
 
しかし眠りに落ちて行きながら思った。ヤコちゃんの悩みは自分の現実でもあるぞと。もし女子制服で月曜から出ていって自分も女の子になったと主張した場合、内科検診とかはどうしよう?その時点で実はまだ男の身体であったことがバレたら、犯罪者として少年院送りになるかも。
 
少年院に送られたら、きっと私男の子部屋に入れられて、男の子たちから陵辱されまくったりして・・・・(妄想しながら夢の中へ)
 

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そして夜中の12時過ぎ
 
「12時すぎの女・魔女っ子千里ちゃん見参(けんざん)」
と言って、“魔女っ子千里ちゃん”が現れる。
 
「おはよう」
と真和は目を覚まして挨拶した。
 
「それでどうする?たまたまは当然取るとしてついでにちんちんも取っちゃう?割れ目ちゃんも作っちゃう?おっぱいも大きくしてあげようか」
 
「それなんだけど、少し話聞いてくれる?」
と言って、弥日古のことも含めて自分の状況について語った。
 
魔女っ子千里ちゃん(←もう少し短くならんのか?)は言った。
 
「だったらマナちゃんもヤコちゃんも2人とも完全な女の子に変えちゃえばノープロブレムじゃない?」
 

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「やはりそういうことになるのかなあ」
「ヤコちゃんの住んでる所分かる?」
「うん」
「だったら彼女の所にこれ送ってあげて。それを下腹部に描き写してもらったらそれを目印に彼女の所にも行ってあげる」
「うん」
 
それで呪符をもらったが、私がもらったのとは違う呪符だぁと思った。ひとりひとり違うのかな?(実は適当である)
 
「それでマナちゃんは完全な女の子にしていい?」
「それってどうやるの?」
 
「男の子を女の子にするにはね」
「うん」
「まずはこのナタでちんちんとたまたまを切り落とす」
と言って魔女っ子ちゃんは鉈(なた)を取り出す。
 
ひぇー?そんなので切るの?痛そう。
 
「そしてこの電動ドリルでヴァギナがあるべき所に穴を開ける」
と言って電動ドリルを取り出す。
 
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「ちょっと待って。少し考える」
 
しかし鉈(なた)とか電動ドリルとかどこから取り出したんだ?と思う。
 

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「ま、それは冗談だけどね」
 
冗談がきついよー。
 
「本当は性別軸を回転させる」
「軸?」
「人間の身体は大部分が11次元の世界の中にある。この世界に見えているのはほんの一部。その身体を性別軸に沿って回転させれば、性別は変化する」
 
なんか怪しげな話だなと思った。
 
「取り敢えず100年くらいお試しで女の子にしてあげようか?100年後に来て気に入ったらそのまま。やはり男の子のほうがいいなら元に戻す」
 
「100年は長すぎるので1ヶ月くらいでお願いします」
「いいよ。じゃお試しで女の子にしてあげるから、月末に、お姉さんの睾丸を取ってあげることにしたから、それを取った後、ここにきて、男に戻すか、女の子のままがいいかマナちゃんに尋ねることにする」
 
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「うん。それでいい。でも1ヶ月後なら、また東京に出てるかも」
「ああ、じゃその時に男に戻してあげようか」
「うんそれでいい」
 

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でも、元紀姉ちゃん、睾丸を取ってもらうのか。まあいつまでも付けておく気は無かったろうけど。
 
「じゃ女の子に変えるね。寝てる間に変えるから、目が覚めた時はもう女の子だよ」
 
「ちょっと待って。その前にこの呪符をヤコちゃんに送らなきゃ。イオリちゃん」
と呼ぶと押し入れの中から、イオリが出てくる。
 
「ハロー、オーリン」
「あれ〜イオリさんだ」
 
あ、知り合いなのか。
 
「私がその呪符、弥日古ちゃんの所に届けてあげるね」
「よろしく〜」
 
それで真和は弥日古への手紙を書き、封筒に彼女の住所・氏名を書いた。そしてお稲荷さんの残っている分をフードパックに詰めてあげた。
 
「じゃ行ってくる」
「うん」
 
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それでイオリは飛び出して行った。
 

真和は布団の中に入る。
 
「怖がらなくていいからね。少し苦しいかもしれないけど、痛みは無いし、数時間で収まるから」
「うん。メスで切ったりはしないのね?」
「しないよ。鉈(なた)も電動ドリルも包丁や鋸(のこぎり)も使わないよ。でもちんちんには2度と会えないかもしれないから、オナニーとかするなら今だよ。待っててあげるよ」
「しない」
「じゃ女の子に変えちゃうよ」
「うん」
「多分2週間後くらいに生理くると思うから、ちゃんとナプキン用意しててね」
「分かった!」
 
それで真和は目を瞑った。魔女っ子千里ちゃん(オーリン?)は真和の手を握った。真和は眠くなって睡眠の中に落ちて行った。
 
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真和は夢を見ていた。夢の中では、魔女っ子千里ちゃんが鉈(なた)でちんちんとたまたまを切断し、包丁でお股に切れ目を入れて割れ目ちゃんを作り、その奥に電動ドリルで穴を受けてヴァギナを作ってくれた。真和は「ひぇー!」と思いながらもされるに任せていた。そして粘土細工でおっぱいを作ってくれた。なんか私、改造されているお人形さんみたいと思った。
 
でも最後に魔女っ子千里ちゃんは、新しいヴァギナの奥に何かを埋め込んだ。
 
「これは女の子の種だよ。これが育って卵巣ができて、マナちゃんの身体は女性ホルモンに支配されるようになるよ。2週間後には生理が来るからね」
と魔女っ子千里ちゃんは言った。
 

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夏の日の想い出・止まれ進め(22)

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