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■春歩(1)

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(C) Eriko Kawaguchi 2022-11-23
 
千里4が姫路市の自宅で、播磨工務店の青池と話していたら、いつも青葉の後ろに居候している《姫様》が姿を現した。
 
「ちょっと頼みがあるのだが」
「何でしょう?」
「青葉に頼むつもりが、スペインに行ってしまうし、千里1はアメリカ、2Aは妊娠中、2Bはフランス、3は東京で合宿してるし」
 
「でもよくここが分かりましたね!」
「和修吉(九重=播磨工務店の徳部)を酔い潰して聞き出した。あいつは責めないでくれ」
「姫様なら別に問題ないですよ」
「九重なら、誰と飲んだかも覚えてないな」
 
「買って欲しい土地がある」
と姫様は言った。
 
「はい?」
「何番の千里か分からないが、以前青葉と一緒に乙和御前を助けたろ?」
「私は関わってないですが、話は聞いてますよ」
「乙和御前邸の土地に、病院ができるのだよ」
「ああ、それは難儀ですね」
 
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「普通の人間にはそこに館があるのが見えないからなぁ」
「元々無断使用だし」
「それもあって、岩手から北陸まで800年の間に移動してきたらしい」
「たいへんですね」
 
「それでどこか安住の場所を見付けてくれないかと頼まれた」
「そのくらい構いませんよ」
「お金は私が払うから」
「姫様が払ってくださるんですか?」
「乙和御前はリアルのお金を持っていないからな」
 
「それでどこの土地を買うんです?」
「諸事情で高速道路の近くがよいらしいのだ」
「エネルギーが高いからかな」
「一応目星は付けたのだが、ちょっと、お主見てくれないか」
 

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それで、瞬間的に、千里と青池は、高速道路の高架近くに居た。
 
「わっ」
と物事に動じない青池が驚いている。
 
「高速道路のすぐ下はネスコだかクスクスだかが(←多分瞬間的に忘却した)押さえているから買えない。それで高速道路に、できるだけ近いここはどうかと思うのだが。この付近周囲はたんぼばかりだし」
 
広い駐車場があり、閉鎖され、看板も外された店舗のようなものがある。
 
「ここは・・・・レストランか何かの跡ですか?」
「COVID-19の影響で1年ほど前に倒産した」
「それはお気の毒に」
 
「広さは40m×80mくらいで1000坪ほどある。居抜きでコンビニとかしてもいいし、体育館を建ててもいいぞ」
「そんなもの建ててうるさくないですか?」
「体育館とか、ライブホール、飲食店とかは構わないらしい。でもパチンコ屋、競馬場、病院とかは困るということだ」
 
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「ネガティブな気が集まりやすい所は困るのかな」
 
「その体育館使う人を“屋敷に招待”したりしませんよね?」
「次やったら、お主に消滅させられそうだから絶対しないと誓った」
「邸宅の分・・・1階を空けておいて2階に体育館を作ればいいですか?」
「邸宅は地下が良いそうだ」
「分かりました」
「基本は亡霊だからな」
 

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「40m×80mの土地なら、40m×40mの体育館を作って、バスケットコートが2つ取れるだろ?」
「私はバスケットには興味ありません」
「でもバスケットコートを作れば、青葉は1〜3番の誰かが作ったと思う」
「まあいいですよ。試合場の上に、タラフレックスでも敷きましょう」
「ああ、それでいいな」
 
「青池さん、この土地何かあると思う?」
「レストランが建つ前は墓地だった気がするけど」
「でも浄化されてるよね?」
「うん。浄化済み」
 
「幽霊が住むのだから、墓地だった場所は最高のロケーション」
などと《姫様》は言っていた。
 
それで千里4はその日の内にその土地を800万円で購入したのであった(古い建物が建ってる分安い)。姫様は「土地代と建築費」と言って、千里に20kgの金の延べ棒(1.5億円くらい)を渡した。
 
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「こんなに掛からないと思います」
「そうか?余ったら手数料で」
「分かりました。頂きます」
と言って千里は受け取った。
 

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「設計は青池さんに任せた」
「じゃ九重にやらせよう」
「色々遊びそうだなあ」
 
千里は、乙和御前の館のための空間の上に、判官絵巻・蝋人形館でも出来ないか、少し心配した。
 
ちなみに九重は4月前半に夏樹と優子の家を建てた後、後半には火牛スタジアムの野村貞子・施設長の家を建てた。そして5月中は、火牛・北体育館(後述)を建てていた。それで千里は6月に入ったら、こちらを建てさせることにした。なお、乙和御前の現在の邸のほうは7月から、病院の工事が始まるらしい。だから6月中に建てればいいことになるが、九重の仕事なら6月上旬で建つだろうなと千里は思った。
 
「出来上がったら、地下室の鍵は、森元蓮に渡してやってくれ」
「分かりました」
「かなり美人になってるぞ」
「その人の話も聞いてますけど、結局女になっちゃったんですか?」
「赤ちゃん産んで結婚もしたから、性別も変更したぞ」
「順序が・・・」
「ちんちん無くなっちゃったのはショックだけど、赤ちゃん可愛いからママを頑張ると言っていた」
「順応性ありますね〜」
 
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森元蓮(当時高校生)は、乙和御前から「私の娘に似てる。私の娘になってくれ」と言われて毎週“注射”を打たれて、身体が女性化しつつあった。ペニスが少しずつ小さくなり、胸は膨らみ、“やおい穴”が出来て少しずつ深くなっていった。
 
青葉が本物の娘を発見し連れてきてあげたので、蓮は解放されたはずだった。しかし蓮はその後も自主的に乙和御前の所に通い、完全に女性に性転換してしまった模様である。彼女(でいいだろう)が産んだ子供は、乙和御前の孫のようなものである。
 

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ところで、真珠や明恵の大学であるが(彼女たちは大学4年生である)、前年度までは、出席番号の偶数と奇数で分けて、リモート授業とリアル授業を週交替で実施していたのだが、今年度は、コロナが少しは落ち着き始めたことから、全部リアル授業に移行した。
 
ただし、学内での密を回避するため、学科単位で、早出組と遅出組に分け、時間差を付けて登校し(大学は丘の上にあるが、麓とのシャトルバスの混雑も避ける)、また学食の利用時間も両組でずらすことになった。
 
前年度まではそれで明恵と真珠が奇数番号。初海が偶数番号だったのだが、今年度の組み分けでは、真珠は早出、明恵と初美は遅出の組になった。
 
早出組 1限 9:10-10:40
遅出組 1限 9:40-11:10
 
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「これまでより辛くなったぁ」
と真珠はこぼしていた。
 
「でも、まこ、毎日、明恵ちゃんをモーニングコールで起こしてあげてたんだろ?偉いよ」
「あの子はほんっとに朝が弱いからね〜」
 
真珠は親がほとんど当てにならないので、子供の頃からしっかり朝起きて、ごはんを作り、兄や姉にごはんを食べさせてから学校に出掛けていたらしい。ただ、お兄さんの金剛(たかし(*1))は、3年前のある日を境に自分でしっかり起きれるようになった(後述)。それで真珠が独立して以来、伊勢家でみんなを起こすのは金剛の仕事になっている!
 

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「むしゃくしゃするから、今夜は、くーにんに生で入れちゃおう」
「ちょっと待て」
「ぼくはまだ来月までは妊娠できないから、代わりに、くーにん妊娠してね」
「やめて〜!」
 
(レイプだと思う)
 
邦生は真珠に“生”(*2)で入れられながら、俺ほんとに妊娠しないよね?と不安を覚えた。
 
(*1)この姉兄妹の名前は結構?難読である。
 
瑠璃(あおい)
金剛(たかし)
真珠(まこと)
 
金剛の場合、ダイヤモンドは硬いということで“かたし”と読ませるつもりだったが、それでは“難し”に聞こえると言われて“か”と“た”を交換。“たかし”になった。
 
瑠璃(るり:ラピスラズリ)は青い!(一度説明された人はすぐ覚えてくれる)。
 
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真珠も瑠璃も“読めないことはない”名前で、実は金剛を“たかし”と読むのがいちばん難しい。
 
(*2)全くどうでもいいことだが、真珠が愛用している“おちんちん”は包皮付きの精巧なものなので、生で入れてもお互い痛くないはず。Aに生で入れるとその後の洗浄が大変だが、どこかの姫様の気まぐれで邦生にはVができてしまったので(おかげで邦生はパンティライナーが必要になった)、Vなら洗浄までしなくても軽く拭く程度で問題無い。邦生のVの先に子宮や卵巣は(今のところ)存在しないので、生でやっても多分妊娠しない(不確か)。
 
邦生が万一妊娠した場合、産休を申請したら、たぶん上司は何の疑問も持たずに認めてくれる。そしてきっと「産休はあげるから辞めないでよね」と言われる。
 
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2022年4月23日(土).
 
川口遙佳・歩夢の姉妹?と祖母の渡辺薫の3人は、この日の朝から、薫が運転するミラージュに乗って金沢に向かった。
 
出掛けに、いつもの群発地震で少し揺れたが、物が落ちたりもしなかったので
「ほんとに多いね〜」
と言って出掛けた。
 
ビスクドール展が明日24日までなので、今日明日はその閉幕に立ち会うのである。最初は薫と遙佳の2人で行くつもりだったが、歩夢が自分も行きたいと言うので一緒に行くことにした。遙佳は自分が通う高校の制服を着ているが、歩夢は、遙佳が中学時代に着ていたセーラー服を着ている。このセーラー服は、遙佳が歩夢にあげたようなもので、しばしばこれで外出している。
 
「あんたも人形に興味がある?やはり“女の子”だね〜」
などと、祖母の薫は言っていた。
 
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遙佳♀2004.10.03 0:01
祷里♀2007.03.03 5:28
歩夢?2009.03.03 5:04
広詩♂2011.08.18 7:45
 
遙佳(はるか)と歩夢(あゆむ)はどちらも月が牡牛で、気質的に近いものがあるせいか、小さい頃から仲が良かったし、ふたりとも芸術的な才能に恵まれている。遙佳が絵が得意なのに対して、歩夢は音楽が得意で、特にフルートは大好きである。中学の吹奏学部でもフルートを吹いている。
 
祷里(女の子)は実際には死産であったが、名前を付けてお葬式もしている。この子が生きて生まれていたら、女2男2の姉弟になっていたかも??歩夢はその死んで生まれた姉と同じ日の似たような時刻に生まれた。出生時刻が近くなりそうだったので、両親はこの子も死んで生まれてこないだろうかと物凄く不安だったらしい。でも元気に生まれてきたので涙を流して喜んだ。この子は亡くなった姉の生まれ変わりのような気がして、両親はこの子に女の子の服を着せて育てた。
 
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「あんたのその性格はそのせいかねぇ」
と母は嘆いていたが
「関係無いと思うよ。私は元々女の子なのだと思う」
と歩夢は言っていた。
 
でも、歩夢はおかげで女の子の服には困っていなかったし、下着は男の子下着を着けた記憶が全く無い。またアウターも、姉・遙佳のお下がりを着ていたから、歩夢がスカートを穿いているのは、友人たちも普通に受け入れていたし、半分女の子として扱ってくれていた。歩夢が新しいスカート欲しいと言うと、両親は特に変にも思わず買ってあげていた。
 
それで弟の広詩(ひろし)は、すぐ上に兄?がいるにも変わらず、いつも新品の服を買ってもらっていた!
 
珠望の妹の振絵(遙佳たちの叔母)は珠望に
「姉ちゃん、女の子、男の娘、男の子を産み分けるって芸術的すぎる」
と言っていた。
 
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振絵の所は男の子4人である。
 
「女の子が欲しかったけど、4人男が続いた所で諦めた」
と言っていた。いちばん下の子に女の子の服を着せて育ててみたものの、本人が女の子の服を嫌がり、幼稚園に入る段階で、性転換?して男の子になった。
 
それで振絵は
「やはり男の娘になる子は生まれつきなんだよ」
 
と言い、それを聞いて珠望も納得していた。
 

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遙佳も歩夢も小さい頃からピアノを習っていたが、発表会では姉妹?ともドレスを着て、よく連弾で演奏していた。このドレスも歩夢は遙佳のお下がりのドレスを着ていて「衣装代が助かる」などと母は言っていた。広詩にもピアノは習わせたが、彼は小学2年生で挫折した。でも昨年ギターが欲しいと言い出したので買ってあげたら練習しているようだ。音楽的才能自体はあるようである。
 
遙佳と歩夢は現在でもピアノを続けている。自宅のピアノは騒音問題もあるので、クラビノーバだが、ふたりともレストランに置いている白いグランドピアノも、よく弾いている。
 
歩夢は小学4年生の時にピアノの他にフルートも習いたいと言い出し、最初の内はS市内の元音楽の先生という人に手ほどきを受けていたが、現在は金沢在住の先生にオンラインで毎週1回レッスンを受けている。
 
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  森田薫=渡辺高
川口 ┏━┻━┓
昇太=珠望 振絵
┏━┻┳━┳━━┓
遙佳 祷里 歩夢 広詩

 
薫(出生名・森田薫:かおる)は
 
「私、苗字も名前もありふれてるから、珍しい苗字の人と結婚したい」
 
と言っていたが、渡辺さんと結婚した!渡辺高(こう)は音楽大学の時の同期である。薫はヴァイオニストだが、高はピアニストで、大学時代にしばしば伴奏を頼んでいた(元々は薫の友人の高校の時の同級生)。薫のドイツ留学中は縁が切れていたが、帰国後に金沢で偶然遭遇したのをきっかけに交際するようになり、やがて結婚した。
 
2人の娘、珠望・振絵の名前は、フレンチドールの2大メーカー、ジュモー(Jumeau) とブリュ(Bru) から採られたものである。
 
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渡辺高が開いたレストラン(初期は高のピアノと薫のヴァイオリンのセッションで、音楽愛好家の人気を集めていた)に務めていた川口昇太が、お店を手伝っていた娘の珠望と仲良くなり結婚して、結果的にお店を継いだ。昇太は若い頃イラストレーターをしていた。フォトショとイラレの達人である。現在のお店の看板も昇太が描いたし、店内には昇太が描いたイラストが多数展示されている。遙佳の絵の腕前は父親譲りのようである。(歩夢の音楽の才能は、きっと祖父母譲り)
 

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珠望の妹の振絵(1980生)は高校を出た後、高岡短大(現・富山大学芸術文化学部)のデザイン系の課程に進学し、そのまま高岡に居座って、富山市出身の男性と結婚。現在は富山市内に住んでいる。物凄く絵が上手い。実は川口昇太(1978)は彼女が務めていたデザイン事務所の先輩であった。しかし料理の腕もあったのて、自分のレストランを持ちたいと思っていた、どこかで実務を経験したいと思っていた時に、振絵から「うちの父ちゃんの店でも良かったら、少しやってみます?」と言われてS市に来て、結局そこを継ぐことになった。
 
珠望自身は音楽も絵も絶望的に苦手である。小さい頃ピアノ教室に通わされていたが、バイエルを卒業できなかった!オタマジャクシを見ると頭が痛くなるらしい。勉強は数学だけは100点だけど他の科目は悲惨な点数という不思議な性格(完璧な左脳人間)で、「数学ができるからG大やH大なら通るよ」とは言われたが、大学は受験しなかった。それで金沢の専門学校を出てから、2年間プログラマーをした。しかし体力が持たずに退職。S市に戻り、身体と心を休めながら父のレストランを手伝っている時に昇太と仲良くなった。
 
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高は腰痛を抱えていることもあり、今は引退して悠々自適の生活だ(ひたすらネット碁をしている)が、土日には手が足りなくなるので、しばしば動員されている。実際厨房に入るのが楽しいようで、活き活きとしている。ピアノ演奏も披露する(歩夢のフルートとのセッションもする)。高が入っている時だけ提供される限定裏メニュー“ミュンヘン風ハンバーグ”と“仔牛のドレスデン風”は常連客に人気である。
 
(“ミュンヘン”や“ドレスデン”はイメージです(*_*)\バキッ)
 

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