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■夏の日の想い出・Long Long Ago(9)

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(C) Eriko Kawaguchi 2022-03-11
 
地方ガールズからの臨時昇格オーディションの3人の合格者の中で、石川県の馬渡聖美は合格を告げられると
 
「このまま東京に行って、信濃町ガールズ本部生にすぐ参加したい」
と言った。
 
私たちは驚いたものの、お母さんは
「だったら私が地元に戻って転校の手続きをしてきます」
と言うので、本当にそのまま東京に連れてきた。
 
そして夕食時間帯に、各部屋に置かれているビデオシステムを通して
 
「信濃町ガールズ・新人の馬渡聖美(うまわたり・さとみ)です。みなさんよろしくお願いします」
と本人に挨拶させた。
 
ちなみにこの紹介の時は、3階の空部屋(302)を使用している。
 
この日の時点での2-4階の住人(人数/室数):(+は同室)
 
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2F(8/8) 鈴原さくら、鹿野カリナ、鈴鹿あまめ、花貝パール、夕波もえこ、薬王みなみ、宮地ライカ、知多めぐみ
3F(8/7) 大仙イリヤ、豊科リエナ、箱崎マイコ、左蔵真未、水谷康恵+水谷雪花、美崎ジョナ、山本コリン
4F(8/8) 今川容子、坂田由里、青木由衣子、太田芳絵、中村昭恵、斎藤恵梨香、長浜夢夜、直江ヒカル
 

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鈴原さくらと長浜夢夜は本来は男子寮の住人だが、ローズ+リリーの制作に協力してもらうため、9月は夢夜を、10月はさくらを、女子寮の空き部屋に泊めていた。(他に9月は鈴鹿あまめ、10月は薬王みなみにお願いしている)
 
花ちゃんは夢夜のスマホに電話した。彼女(きっと既に“彼”ではない)は、9月にはローズ+リリーの制作をしていたが、9月いっぱいで外れて男子寮に戻っている
 
「夢夜ちゃんさ、新しい子が入ってきて、緊急に部屋が必要なのよ。それで、来月、第2女子寮が完成したらまた部屋を確保するから、1ヶ月ほど夢夜ちゃんの部屋を使わせてもらえない?」
 
「ああ、全然問題ないですよ」
「じゃ荷物は取り敢えず8階の空き部屋に入れておくね」
 
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「そんな8階を使うとか恐れ多いです!地下かどこかにでも」
などと夢夜が言うので、花ちゃんは結局、2階の鈴原さくらの部屋に一緒に置かせてもらうことにした!
 
(さくらはローズ+リリーの制作中だけの臨時で泊まっているので荷物が少ない)
 
しかし花ちゃんは
「そんなに7〜8階って恐れ多いのかね〜」
などと呟いた。
 

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聖美が今日女子寮に入居するという連絡を花ちゃんが受けたのは16時くらいである。すぐに夢夜と連絡を取り、彼女(彼?)の荷物を、さくらの部屋に移動することを決める。
 
この時、偶然にも定例のレッスンを受けるために、男子寮住人の、セレンとクロム、立山きらめきが来ていた。また、たまたま、リズムに関する打合せで(1階応接室に)本田覚マネージャーが来ていたし、舞音の制作に関する打合せで、招き猫のメンバー(木下君・篠原君・谷口君・ルーシー)が来ていた。それで彼らを動員した。更に花ちゃんは在室していた直江姉(兄?)も動員した。
 
また比較的近くで短時間で来られると思われた江戸川区サテライトに置かれたシステム部に電話して腕力のある男性を3〜4名寄こして欲しいと要請した。更に花ちゃんは、いつも頼んでいる清掃・消毒業者に連絡して時間外で申し訳ないが、19時くらいに1部屋頼むと依頼した。
 
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まずは居合わせた中で、多分男性と思われる、篠原君・谷口君・立山きらめきと本田さんで夢夜の荷物をさくらの部屋に移動してもらう。篠原君は早まったことをしていなければ多分まだ睾丸があるはず。なお、さくら本人は地下のスタジオでローズ+リリーの制作作業中であり、不在だった(社外の仕事をしているので中断させることはできない)。
 
花ちゃんはシステム部や業者への連絡までした所で、2階の花貝パールの部屋204号室に行き、緊急に2階の部屋を空けなければならないので、悪いけど4階に移動してと頼んだ。
 
「今夢夜ちゃんに407号室を空けてもらっている所なのよ。本当は業者入れてクリーニングしないといけないんだけど時間が無いから、そのまま入ってもらえない?部屋が空いたらすぐルンバ掛けてアルコール噴霧するから」
 
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「ノリちゃん(夢夜)はきちんとした子だから大丈夫ですよ。でも今からなんですか!?」
「うん。今作業中だから、たぶん30分後くらいになると思う」
「下着が散乱してるのどうしよう?」
とパールは悲鳴をあげていたが、手の空いている女子たちを動員して、パールの部屋の荷物を取り敢えず箱詰めする。
 
花ちゃんは最初の30分間は男の娘たちは入れずに、宮地ライカ・知多めぐみといった女子だけで(途中で気付いた鹿野カリナも手伝ってくれた)、あまり男の子や男の娘に見られたくないもの(って何?)の箱詰めあるいは廃棄をしてもらった。
 
30分もしないうちに407の清掃が一通り終わったという連絡が本田さんから入るので、2階に降りてきてもらう。この頃、江戸川区のシステム部から若い男性が5人来てくれた。この5人には“臨時女子”のIDカードを渡した!彼らは男子禁制の女子寮に入域するというので少し緊張していた。普通は性転換でもしない限り入れない場所である(でも「女の香りが凄い」と言っていた)。
 
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セレン・クロム・直江姉・木下君という男子廃業済である疑いが濃厚である4人(+ルーシーも名乗り出たのでお願いした)を部屋の中に入れて、まずは箱詰めの終わっている荷物を部屋の外に運び出し、システム部の男性5人と本田・篠原・谷口・きらめきで4階に運ぶ(男性は洋服類の箱詰めが完了するまでは部屋に入れない)。
 
その後、男の娘5人も箱詰め作業に加わる。本とかCDなど結構重いものについては彼ら(彼女ら?)が役に立った。彼らが箱詰めしてマジックで戻すべき場所を書いたら部屋の外に出すので、男性陣がそれを台車に乗せて運んでいく。箱詰めがだいたい終わった所で、いよいよ男性を部屋の中に入れて本棚・机・冷蔵庫といった大物の運搬をする。
 
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この移動作業が行われている間に聖美が到着してしまう。
 
それで
「今部屋を空けている最中だけど、取り敢えずここで休んでて」
 
と言って3階に唯一空いている部屋302号室に入れ、寮長のロンド(*8)にお世話をしてもらう。ロンドから信濃町ガールズの教育体制、お仕事のこと、寮での生活などについて説明してもらった。ここで夕食を食べさせて、その後、全館放送で、彼女を在室している女子寮生たちに紹介した。
 
(*8)多くの人に忘れられているが、花咲ロンドは女子寮の寮長である!でもコスモス社長はロンドではなく、副寮母の花ちゃんに連絡してきた。社長も寮長が誰か忘れているのかも!?
 

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一方でパールの荷物を407に移動し終わったのが、18時半頃である。部屋の中で本棚や机などを配置するのは男性たちがやってくれている。更に本やCDなどの類いを戻す所までは男性たち・男の娘たちでやって、そこで男性たちはお疲れ様でしたということになる。1階応接室で夕食を食べて取り敢えず一休みしてもらう。
 
男の娘たちと女の子たちでそれ以降の荷解きを進める一方、204には頼んでいた業者さんを入れて清掃・消毒する(お風呂や洗濯機なども清掃消毒する:テレビや冷蔵庫はそのまま新しい部屋に移動している)。このクリーニングが1時間ほどで終了した。20時頃、1階で休んでいた男性たちにお願いして、消毒の終わった部屋に、新しい寝具・本棚・机・冷蔵庫など(これらはいつも新しいものをストックしている)を搬入してもらった。
 
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それで、聖美を204に案内した。
 
「まだ消毒のアルコール臭があるけど、換気はしてるから1時間くらいで気にならなくなるはず」
「全然問題無いです」
 
それで彼女は最初の夜から定まった部屋で寝ることができたのであった。
 
花ちゃんの決断力・行動力、そして住民の協力があってできたことである。花ちゃんは寮生全員から慕われている(恐れられている?)ので、こういう時はみんな協力してくれる。
 
なお、即時採用された残りの2人、立川心桜と榊原瑞菜は、1-2週間程度以内に東京に出てくる予定で、花ちゃんはそれまでに寮の部屋をあと2つ空ける作業をしなければならない。
 

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馬渡聖美のお母さんは日曜日の内にG450で能登空港に送り届けた。
 
オーディション参加者を集める時は、Hond-Jetが5機しかないので、最も遠くから来た子にG450を使ったが、帰りは荷物の問題があるので、馬渡さんにG450を使うことにした。でも14人乗りの飛行機に1人で乗ったお母さんは恐縮していた!
 
馬渡家では、その夜の内に主としてお母さんと小学5年生の妹・朋美さんの手で、聖美の荷物がまとめられる。机や寝具などを持って行く必要がないので、持って行ったのは、すぐ必要になる着替え、ペンギンの抱き枕!、辞書や教科書・ノート・筆記具の類い、それに愛用のフルートと電子キーボードである。お父さんとお兄さんの手でこれを車に積み込む。漫画やCD等は後で宅急便で送ることになった、
 
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月曜日の朝、連絡して車で聖美の学校に行く。妹の朋美も同乗していく。朋美は車内で待機しておき、母が職員室に行って、転校したい旨を告げる。東京の芸能事務所のオーディションに合格したのでと言うと、学校は驚いたもののすぐ手続きをしてくれた。
 
また母は担任と一緒に教室に行き「急で申し訳無いが聖美が東京の芸能プロのオーディションに合格したので、東京に転校することになった。それで同級生の皆さんに挨拶もできないままで申し訳無いが、向こうに行くので」と言った。
 
「どこのプロダクションですか?」
と生徒たちから質問がある。
 
「§§ミュージックさんです。現時点ではタレント候補生なんですけど、デビュー前でもネットテレビなどには出るかも知れないということです」
「夏にも一度そこ受けましたよね?」
「はい。その時は14位だったので勧誘されなかったんですが、デビューするタレントさんが急増して、バックとかで踊るタレント候補生が足りなくなったということで」
「聖美ちゃんなら、1年以内にデビューできるかも」
とみんなは期待の声をあげていた。
 
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お母さんは学校を出ると朋美と一緒にそのまま能登空港に向かう。待機してもらっていたG450に、荷物ごと母と朋美が乗って、昼前に東京に出て来た。朋美と荷物を女子寮に置き、母は聖美本人及び広橋窓佳マネージャーと一緒に朝の内に連絡していた中学に行き、転入手続きをする。
 
それで聖美は5時間目冒頭、担任になる先生と一緒に教室に行き新しいクラスメイトに挨拶した。つまり学校を1日も休んでいない!
 
そしてその日は挨拶だけして学校を出て、指定の洋服店に行き、採寸してもらってすぐに制服の注文をした。
 

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女子寮の方では、朋美の手で荷物を部屋に運び入れるが、ちょうど在室していた花咲ロンドと原町カペラが手伝ってくれた。
 
朋美を見たロンドは
「ね、ね、君も信濃町ガールズに入る気無い?」
 
と勧誘していた!
 
話を聞いたお母さんは
 
「せめて中学生になってから」
と言った。それに娘が2人とも突然東京に出てしまったら、親は寂しいだろう。でも信濃町ガールズ北陸に加入して月1回のレッスンを受けることになった(地方ガールズには小学生も多い)。
 
(小学生の内に信濃町ガールズの本部生になったのは、白鳥リズムが唯一の例だと思う。当時は地方ガールズの教育体制も無かったので、育成するには東京に出て来てもらうしか無かった)
 
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なお、お母さんと朋美はその日は聖美の部屋に1泊して、翌12日にHondaJetで能登空港に帰還した。結果的に妹は11-12日の2日間、学校を休んでいる。妹としては姉の引越にかこつけて東京に行って来たかったのもある(姉から頼まれた買物をした後で、渋谷に移動して109など見て感激していた!)。
 

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聖美は月曜の夕方からは信濃町ガールズたちのレッスンにも参加した。この時期、信濃町ガールズたちの定例レッスンのスケジュールはこのようになっていた。
 
(Mon) Vocal
(Tue) Piano or Electone
(Wed) Dance or Ballet
(Thu) Guitar, Bass or Violin
(Fri) 各種楽器
(Sat) 朗読or寸劇|英会話|社会常識|映画ドラマ鑑賞
(Sun) 漫才orコント|音楽理論|芸能界知識|ライブビデオ鑑賞
 
そういう訳でこの10/11(月)にはボーカルのレッスンに出た。感染拡大防止対策で全員個室で歌う。そしてZoomを使って6-10人程度の単位を電子的にまとめてグループ化している。
 
聖美は、最初なので1年目の子のクラスに入れられた。このレッスングループに居たのは、こういうメンツである。
 
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花貝パール(中3)・美崎ジョナ(中3)・薬王みなみ(中2)・立山きらめき(中1)・知多めぐみ(中1)・宮地ライカ(中1)・長浜夢夜(中1)・鈴原さくら(中1)
 
それで聖美が歌うと、ひじょうに上手いので、みんなから“厳しい視線”を向けられる。強力なライバルが入ってきたと警戒されたのである。
 
でも気のいい花貝パールが
 
「聖美ちゃん、うまいね!」
と声を掛けてきて、それで、圧倒的に歌がうまいので一段高い所から見ていた感じの薬王みなみや、最初厳しい視線を送ってしまったものの変わり身が早い!知多めぐみ、それに性別的に女性には優しくなる男の子・男の娘たちも
 
「強力な新人が入ってきたね〜」
「これは、うかうかしてると追い越される」
などと笑顔で声を掛けてくれるので、聖美は
 
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「みんないい人たちばかりだなあ」
と思い、結構ホッとしたのであった。薬王みなみなど
 
「こういう所に注意するともっとよくなる」
と言って、熱心に指導してくれた。
 

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夏の日の想い出・Long Long Ago(9)

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