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■夏の日の想い出・秘密の呪文(17)

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(C) Eriko Kawaguchi 2021-04-04
 
チョコのCM曲を歌ったYe-Yo(甲斐絵代子)のCDが思いがけずヒットしてしまった件に付いて、コスモス社長が
 
「信濃町ガールズの子は様々なCMに出ている」
と発言したのに関して
 
「過去のそういうCMが見たい!」
という声が多数寄せられた。
 
それで、コスモスは川崎ゆりこ副社長、および古くから信濃町ガールズの状況を見て来ている、花ちゃん(最初期メンバー:オリジナル10 *1)、花咲ロンド(同左)、川井唯(エレメントガード *2)、海浜ひまわり(女子寮雑用係! *2)を集めて話しあった。
 
(*1)信濃町ガールズ発足時のメンバーを“オリジナル10”という。
 
花ちゃん、花咲ロンド、仲原恵海(透明姉妹)、月嶋優羽(三つ葉)、米本愛心(ColdFly5)、佐藤ゆか・南田容子(リセエンヌ・ドオ)、今井葉月、溝口ルカ(ブンブン)、白鳥リズム
 
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全員何らかの形でデビューしており、引退した子が現時点ではひとりも居ない。
 
(*2)肩書きは現在のもの。
 
川井唯は、警備員→エレメントガードだが、警備員の肩書きは現在でも有効でライブでアクアを守る特命を帯びている他、しばしば事務所のお留守番役をしている。髪も短いし体格が良いので、よく男性と誤認される。
 
海浜ひまわりは、事務所のタレント→女子寮不法滞在者→女子寮雑用係、と変遷。雑用係にはなったが、部屋はもらえず寮の倉庫で暮らしている。
 
月嶋優羽(つじま・ことり)は、§§プロを退所してオーディションを受け(事実上)合格。“三つ葉”を結成した。
 
米本愛心は優羽(ことり)の成功を見て自分も退所してオーディションを受けたが、書類だけで面接も無しにColdFly20に合格を告げられリーダーに指名された。そして行ってみて、自分以外は歌は音痴でダンスもできない子ばかりであることを知り愕然とする。初期のColdFly20は、歌もコーラスも全て愛心のみで音源制作していた。昨年ColdFly20が解散。助っ人やテコ入れで来ていたメンバーと一緒に新たにColdFly5を結成した。
 
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「CMはどのくらいあると思う?」
「おそらく200-300本」
「ひゃー」
「度胸付けのために積極的に出演させたからね」
 
「確保できる限りビデオを集めない?それでネット公開」
「ここに出てます、とか矢印で示すといいね」
「チラッと映っているだけのも多いし」
 
「それネットで公開するにもボリュームがありすぎる。あけぼのテレビで番組作っちゃおうよ」
「ああ。それでもいいかも」
「各々のビデオはどこかに保存されているかなあ」
「各CMの提供元が持っている可能性もある」
「番組のCMとかだと、番組録画していた人がついでに録っている可能性もある」
「募集してみると色々出てくるかも」
 
「番組の司会は誰がする?」
「ここにいる内の誰かだな」
「じゃ、まつりちゃん(花咲ロンド)」
「え〜、私が!?」
「だって古くからいるしね」
「何か変なこと言ったら叱られそう。花ちゃん、一緒にやってくれません?」
「花ちゃんは忙しすぎるし」
「じゃ夏津美ちゃん(海浜ひまわり)一緒にやってあげなよ」
「ああ。遠慮無く好きなこと言えるのは夏津美ちゃんくらいかも」
「不法滞在者からタレントにカムバックかな」
 
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結局この番組『CM信濃町記念館』はアクアやひろかたち、デビュー組のCMも扱うことになり、出演しているのが誰か当てる、クイズ形式のバラエティとなる。レギュラー解答者が“豪華”で、松浦紗雪!、松梨詩恩、田船智史(バインディング・スクリュー)、楊健民(音楽プロデューサー:台湾からリモート出演)。それにゲスト回答者として、毎回信濃町ガールズの誰かが席に座る。初回出演したのは信濃町ミューズのリーダー・桜井真理子であった。
 
「みんな内輪の人間ばかりじゃん」
と私はレギュラー回答者のラインナップを見て呆れたように言った。
 
「いや、内輪の人間でないと、信濃町の子たちの顔が分かりません」
と事実上のプロデューサー・海浜ひまわりは言う。
 
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「そりゃそうだろうけどね」
 
完璧に楽屋ネタ番組で、いいのか?とは思ったが、この番組は週1回放送となり、アクアやありさ・ひろかの古い映像も見られるとあって人気番組となったのである。
 

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ローズ+リリーは12月23日にアルバム『ホームワーク』を出したばかりなのだが、1月6日(水)には『Rose+Lily CD File 01』というアルバムを出した。これは、(ダウンロード以外では)入手困難になっている、初期のシングル収録曲の音源が欲しい人のためのものである。
 
実を言うと、一部オンラインストアにも登録していない曲があった。それは当時須藤さんが元の作者に無断で収録していたもので、今回、★★レコードが各々の元の作者に連絡を取り謝罪の上改めて許可を取って収録することができた。
 

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『Rose+Lily CD File 01』収録曲
(『明るい水』2008.8.11収録分)
『明るい水』(宮崎和子・鍋島康平)
『ふたりの愛ランド』(チャゲ・松井五郎)
『七色テントウ虫』(吉住尚人)
『恋のコンチェルト』(クリスティアン・ペツォールト/須藤美智子)
『甘い視線』(ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/須藤美智子)
 
『ふたりの愛ランド』はオリジナル歌唱者:石川優子とチャゲ、『七色テントウ虫』はリリーフラワーズのカバー、『恋のコンチェルト』は通称“バッハのメヌエット”、『甘い視線』は“エリーゼのために”。
 
(『その時』2008.9.27収録分)
『その時』(上島雷太)
『遙かな夢』(マリ&ケイ)
『恋に落ちて』(湯川れい子/小林明子)
『渚にまつわるエトセトラ』(井上陽水・奥田民生)
『A.S.A.P.』(秋元康/後藤次利)
 
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『恋に落ちて』はオリジナル歌唱者:小林明子、『渚にまつわるエトセトラ』はPuffy、『A.S.A.P.』はLittle Kiss。
 
(甘い蜜』2009.1.23収録分)
『甘い蜜』(上島雷太)
『涙の影』(マリ&ケイ)
『終わり無き恋』(ライオネル・リッチー作詞作曲マリ訳詞)
『せつなくて』(マリ&ケイ)
 
『終わり無き恋』はオリジナル歌唱者:ライオネル・リッチーとダイアナ・ロス("Endless Love")。
 

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ところで、ニューイヤーライブで美しい舞を披露してくれた、常滑舞音だが、ライブを観ていた風帆伯母が私に訊いてきた。
 
「あの子の舞は藤中流みたいだったけど、もう名前は取ってるの?」
「あの子自身はお稽古に通ったことないらしいです。お母さんが藤中流の名取りの資格を得ていたらしいんですけど、名取り披露の費用が無くて名前は取らなかったらしいんですよ。そのお母さんの舞を小さい頃から見ていたので彼女もある程度舞えるらしいです」
 
「ライブを観た感じでは、既に名取りレベルだと思った。良かったら私が名前をあげようか?」
「でも名取り披露の費用を持ってないと思いますよ」
「それ、あんたが出してやんなさいよ」
「風おばちゃんが出すんじゃないんだ!」
「冬ちゃん、お金持ちでしよ?」
「はいはい」
 
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それで舞音(まね)に尋ねてみたら、お金が掛からないなら名前は取ってもいいというので、風帆伯母に出て来て頂くことになった(要するに東京に来たかったんだと思う)。
 
ドライバーの佐良さんに名古屋まで迎えに行ってもらい、風帆伯母を連れてくる。東京在住の藤中流の高弟さん(風帆伯母の師匠)にも来て頂いて、舞音には振袖を着せて、足立区の研修所のスタジオで舞を見てもらった。
 
風帆伯母(藤中明風 70)も高弟さん(74 実は引退した先代家元の妹:現・家元の叔母に当たる)も舞音の舞を見ながら頷いている。それで名取り審査合格となり、常滑舞音は“藤中明音”の名前を頂いたのである。
 
「名取り披露は、あんたんとこの、あけがたテレビだっけ?」
「あけぼのテレビかな」
「そうそう。そこでライブしてやんなさいよ」
「まあいいけど」
と私は答えたのだが、話を聞いた常滑舞音は
 
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「え〜〜〜!?テレビで中継するんですか?素人なのに」
と戸惑う。
 
「家元の高弟さんがプロと認めたんだから大丈夫」
 
常滑舞音がひとりでは恥ずかしいと言うので、私の従姪の七美花(既に名前も持っているし、中学時代に名取り披露も終えている。現在準師範として認定されており、多分数年内には師範代の資格を取るだろう)にも舞わせることにした。
 
ついでにもうひとり誰かに舞わせようと思った時、私はライブでもうひとり舞を舞った羽鳥セシルのことを思い出した。東京に出て来ているついでに彼女の舞を風帆伯母にビデオで見せると
 
「自己流だけど筋はいい。1年くらいお稽古させたら名取りレベルになるかも」
というので、お稽古に通わないかと打診してみることにした。
 
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「じゃテレビで映すのは無理か。もう一人くらい欲しいんだけどなあ」
「じゃ東京の中高生で藤中流の名取りさんを誰か出させるよ」
「そう?だったらお願い」
 

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それで一週間後に風帆伯母から連絡があった。
 
「男の子でもいい?」
「うーん。男の子はテレビ映えがしないけど、まあいいですよ」
「それが振袖の似合う男の子なのよ」
「は?男の子なのに振袖を着るんですか?」
「あまりにも似合うから、小さい頃から着せていたらしい」
「じゃ振袖で舞うんですか?何歳です?」
「今高校3年生。3月に卒業する。以前教室に通っていて、あんたはもう名前あげてもいいレベルだと言ってたけど、本人がお金が無いですーといって、保留になっていた。最近は忙しいみたいでなかなか教室に顔出してないけど」
 
高校3年なら受験も大変だろうしと私は思った。私は確認する。
 
「女舞で名取りレベルなんですね?」
「そうそう。男舞をさせるにはパワー不足なのよ。女舞は優雅なんだけど」
「へー。でも高校生なら振袖着せてもまだ行けるかな。写真とかあります?」
「確認して連絡させる」
 
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それで彼のお師匠さんから直接こちらにFAXがあった。発表会か何かの写真のようだ。振袖で舞っている写真である。確かに可愛い。でも写真を見て私は溜息をついた。そして風帆伯母に電話した。
 
「この子、木下宏紀君(*3)ですよね?」
「あら、知ってるの?」
「うちの研修生です。タレントの卵ですよ」
「もしかして女の子タレントになるの?」
「男の子タレントだと思いますが」
「もったいない。手術代出して性転換手術受けさせて、女の子タレントとしてデビューさせてあげなよ。アクアちゃんみたいに」
 
「アクアは別に性転換とかしてないんですけどね」
と答えつつ、木下君は怪しいよなと私は思った。
 
(*3)木下宏紀は芸名を付ける前に本名でかなりのファンが付いてしまったことから、コスモスと本人との話し合いにより、本名で活動することになった(実は“羽柴みのり”という名前がクレジットされたことが数回あるが、この名前はかなり熱心なファンしか知らない)。§§ミュージックおよび§§プロで、本名で活動するのは、大宮どれみ(*4)以来になる。
 
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(*4)「本名が芸名みたいだから、そのままでいいじゃん」と新宿信濃子さんが言った。しばしば「おジャ魔女どれみ」から採ったんですか?と訊かれるが、1983年生まれなので、おジャ魔女どれみの放送(1999-2003)よりずっと前である。お母さん(1958生)はジュリー・アンドリュースのファンで、彼女のヒット曲『ドレミの歌』から名前を取ったもの。お姉さんは“大宮さくら”で姉妹揃って芸名みたいな名前である。“さくら”は同じくジュリー・アンドリュースのヒット曲『チムチム・チェリー』(with ディック・ヴァン・ダイク) から採ったものだが、厳密に言うとこの曲のタイトルは Chim Chim Cheree (Chimney:“煙突”の言葉遊び) であり桜(cherry) とはスペルが少し違う。
 
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「まあ“大宮すーぱーかりふらじりすてぃっくえくすぴありどーしゃす”にならなくて良かったね」
「そんな寿限無みたいな名前、きっと市役所のシステムに登録できない」
「パスポートは3〜4段書きかな」
 

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でもそういう訳で、木下宏紀君にも名取りをさせて(彼自身のお師匠さん及び先日の高弟さんに見てもらう。費用は舞音同様、私が個人的に出す!)、その上で、あけぼのテレビでの名取り披露は、木下宏紀→常滑舞音→今田七美花、という順序でおこなうことになった。
 
木下君は、私が費用出すから名前を取りなよというのには同意したものの、
「ボクが振袖でテレビに出るんですか〜?」
と恥ずかしがっていた。
 
「今更だと思うけど。君も『ボクは女の子になりました』と記者会見でもする?」
「すみません。ボクは一応男の子なので。でも振袖はカメラの前で着てもいいですよ」
「そう?でも睾丸はもう取ったんでしょ?」
と私はハッタリを掛けてみる。
 
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「それよく誤解されるけど、睾丸を取ったりはしませんから」
「別に去勢したり性転換しても退団とかにはしないからね」
「なんでボクいつも誤解されるんだろう」
 
ということで、彼の去勢疑惑(高校卒業するというのに声変わりしてないのは去勢している以外に説明不能だと思うのだが)は保留のままである。
 

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夏の日の想い出・秘密の呪文(17)

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