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■夏の日の想い出・秘密の呪文(10)

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小浜でのニューイヤーライブが終わった翌日の2021年1月2日、私たちは今年の震災復興支援イベントの実施要項を発表した。
 
日時:2021年3月6-7日(土日)
会場:仙台市若林公園
主催:08年組
協賛:ラトコーラ、★★レコード、TKR、サマーガールズ出版、§§ミュージック、フェニックストライン、ムーラン
協力:みちのく放送、FM東北、スピカ仙台、各アーティスト事務所
 
形式:ネットライブ・あけぼのテレビ方式
(画像参加1000+音声参加5000+書き割り参加1万人を抽選)
 
寄付:(観覧料-1000円)×販売チケット数、を岩手・宮城・福島の3県に寄付。(ネットライブは高額の中継費用が掛かるので1000円だけ引かせてもらう。但しЮЮラジオは-500円)
 
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放映サイト:あけぼのテレビ・★★チャンネル・ЮЮネット(ラジオを含む)。
パンフレット・グッズなどは特設サイトで当日から約1ヶ月間通販する。なお、みちのく放送・FM東北では放送しない(課金放送ができないので)。
 
出演者 08年組&フレンズ、§§ミュージック・オールスター
チケットとタイムスケジュール(予定)↓
 
チケットA
3/6 10:00 リセエンヌ・ドオ
10:30 大崎志乃舞(17)
11:00 原町カペラ(18)
11:30 石川ポルカ(17)
12:00 花咲ロンド(21)
12:30 今井葉月(18)
13:00 七尾ロマン(15)
13:30 恋珠ルビー(14)
↑ここまで各30分↓この後各60分
14:00 姫路スピカ(20)
15:00 白鳥リズム(16)
16:00 西宮ネオン(21)
17:00 高崎ひろか(21)
18:00 品川ありさ(21)
 
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チケットB
3/6 19:00(120分) アクア(19)
 
チケットC
3/7 10:00(120分) ラピスラズリ(15)
 
チケットD
3/7
12:00 AYA(29)
13:00 KARION(29)
14:00 山下ルンバ(22)
15:00 桜野レイア(24)
16:00 川崎ゆりこ(28)
17:00 Flower Four(28-33)
18:00 Golden Six(30)
19:00(120分) Rose+Lily(29)
 

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ここしばらくアクアは2回公演というのが定着していたのだが、今回はネットライブで多くの人が同時に見ることができるので1回しか歌わない。代わりにアクアに次ぐ柱として急成長したラピスラズリも単独チケットにすることにした(でないと回線がパンクする)。
 
アクア、ラピスラズリ、そしてローズ+リリーだけが2時間歌う。ローズ+リリーが2時間歌うことになったので、KARIONの出演を早い時間にしてもらった。でないと1時間歌った後、1時間休憩して更に2時間歌うというのは現在の私の体力では無理である。
 
Olive Lemon は4人のメンバーの内2人(フェイ・丸山アイ)が妊娠中なのでお休みである。XANFUSもボーカル2人が揃って妊娠中なのでお休みである。しかし今回はAYAが独立したことから参加可能になった。
 
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今回、画像参加・音声参加は各アーティストとごとに募集することにした。出演者が23組なので、画像1000×23=23000人、音声5000×23=115.000人が参加することになる。チケットの購入者はのべ1000万人を越えることが予想されるので当選確率は100倍くらいである。第3希望まで書いて申し込んでもらう。当然、アクアやラピスラズリはかなり厳しい競争率になる。
 
各アーティストの応募者が6000人に満たなかった場合は(1)画像音声の双方をつなげる人はつないでもらう。(2)それでも足りない場合はデュプリケイトする。つまりひとりの観客が数ヶ所のモニターに表示される!“売れてないシスターズ”はこれになる可能性がある(実際にはアクアやラピスラズリの抽選に漏れた人がなだれこんで、全アーティスト6000人以上になった)。
 
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当選した人は、ウェブカメラを持っている人には接続ガイドをメールし、持っていない人にはウェブカメラを送付する(返却不要)。今年はこれを見込んでメーカーに事前に頼んで大増産してもらっている。実際にはメーカーからの直送になる。
 
ただここ1年のリモート授業・リモート出勤で、装備している人の率は相当上がっているのではないかとは思う。
 

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昨年が仙台ハイパーアリーナ、その前の2019年が福島ムーランパークだったので、今年は順番から行くと岩手県なのだが、感染対策や中継の装備などの問題で、それが整備されている若林公園を使用することにした。それに交通の便もある。若林公園は仙台空港から車でわずか15-20分で行けるのである。
 

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震災イベントは、私とマリが“ごく個人的に”震災の直後からしていたゲリラライブを発展解消する形で、2013年から毎年3月上旬におこなっているものである。
 
2013年は東北各地の住人さんを当日!1000人集めて福島で開催した。これはローズ+リリー単独開催である。
 
2014年は東京で開催して入場料の粗利を寄付する方式。この時KARIONとXANFUSが相乗りして初めて“08年組”によるイベントとなる。08年組は2013年に結成?されたものである。
 
2015年は宮城県で5万人ライブで、ここから§§プロ(当時)も参加し、入場料は全額寄付方式にした。以降この形式で下記の場所で開催している。
 
2016年3月(4日間開催)福島みどり体育館・球場 合計6万人
2017年3月(2日間に戻す)宮城ハイパーアリーナ 2.5万人
2018年3月 岩手県滝沢市アポロ 3万人
2019年3月 福島ムーランパーク 4万人
2020年3月 宮城ハイパーアリーナ(無観客ネット中継)
 
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昨年は普通にチケットを売っていたのを中止・払い戻し対応としたのだが、実際には払い戻しの希望はほとんど無く、ほぼ全部寄付させてもらった。
 

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2014年のイベントは東京で開催したので、今回は東北での開催じゃないし、ということで、私とマリはイベントの前に東北に行ってくることにした。
 
それで私たちは『愛のデュエット』のマリ&ケイ版の撮影を終えた後、ふらりと一緒に東北新幹線に乗ったのであった。
 
2014.02.12(水) 愛のデュエット(ヒロシ&フェイ版)の撮影:よみうりランド
2014.02.13(木) 愛のデュエット(マリ&ケイ版)撮影:西武園ゆうえんち
 
『愛のデュエット』のPVは、当時ほとんど無名だったヒロシとフェイは本当に各々の楽器を演奏しているのだが、私とマリのはフェイクで、演奏しているふりをしているだけである。
 
「でも昨日のヒロシちゃんとフェイちゃんは凄かったね」
「うん。どんな楽器でもこなしちゃうって凄いよ」
「そうじゃなくてさ、ふたりとも男の子役も女の子役もできるのが凄い」
「まあ可愛かったね」
 
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撮影が終わった後、私とマリはゲリラライブをやっていた頃と同様、ギターとフルートだけを持ち、東北新幹線に乗った。
 
西武遊園地駅(現多摩湖駅)→国分寺→西国分寺→南浦和→大宮→仙台
 
当時、私たちは初めてのオリジナル・アルバム『Flower Garden』を発表してから半年ほどの時期で、次のアルバムの構想を練っていた時期である。
 
和実はまだ仙台には移動していない。エヴォン新宿店のチーフをしていた時期である。またこの時期、若葉はエヴォン本店のチーフをしていた。また若葉は今ほどの資産は持っていない。当時は“数億円しか”持っていなかった時期である。彼女が現在の資産の元となる資産を形成したのは2016年春から2017年末までの期間である。
 
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新幹線に乗っている間は雪が降っていたのだが、仙台に着くとやんでいた。
 
私たちは人が多そうな中央通りは避けて、南側の青葉通りを歩いて西に向かう。
 
「もう3年も経っちゃったんだね」
「あれは個人的にパラダイムシフトが起きた」
「パラダイスソフトって天国みたいなソフトクリーム?」
「うーん。まあいいや」
 
「じゃパラダイスでなくてもいいかもアイス買ってよ」
「この季節にアイス食べるの?」
「じゃラーメンでもいいや」
 
「あ、そこにラーメン屋さんがある」
「じゃ入ってみるかね」
 
それで私たちは青葉通りからちょっと入り込む道にあったラーメン屋さんに入ったのだが、ここのラーメンが物凄く美味しかった。むろん政子のご機嫌もとてもよくなった。(実は後にクレール青葉通り店になる場所である)
 
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腹ごしらえもしたしラーメンで身体が温かくなったので、私たちは近くの街頭でゲリラライブを始める。
 
演奏のスタイルとしては、私のギターに合わせて2人で歌い、前奏や間奏・コーダにマリがフルートを入れる形である。
 
まずはブリーフ&トランクスの『青のり』から始める。歌詞の面白さに耳を留めて足を停めてくれる人たちが出る。そこで森高千里の『Hey!犬』に行く。これはマリがメインボーカルを取り、私は「ワンワン」というバックコーラス(?)を入れる。更にグループ魂『君にジュースを買ってあげる』を歌っている辺りで、私たちの“正体”に気付いた人たちがある。
 
「マリちゃん、『キュピパラ・ペポリカ』歌ってよ」
 
リクエストがあったら応えねばならない。私はたちはこの“訳の分からない歌詞”の歌を歌った。すると何語か分からない歌唱にまた興味を持って足を停める人たちがある。続いて『疾走』のリクエストがあるので歌う。『言葉は要らない』のリクエストが来る。歌う。
 
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人だかりが多くなってくる。
 
そろそろやばいかなと思う。
 
歌っている内に、人混みの中に警官の姿を見る。
 
私たちは「では最後の歌」と言って『花は咲く』を歌った。
 
見ていた警官が涙を流している!
 
それで結局、警官はこの歌が終わるまで、私たちを制止しなかったのである。
 
私たちはたくさんの拍手の中、お辞儀をすると、ギターをケースに仕舞い、その場を立ち去った。
 

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「どこまで行く?」
「行ける所まで」
「ここをひたすら行くと、東北大学のキャンパスを突っ切って、蔵王を越えて山形市かな」
「さすがにそこまで歩くのはしんどいね」
「たぶん蔵王で凍死する」
「まだ死ぬ訳にはいかないなあ」
 
そんなことを言いながら一番町まで来てしまう。
 
「まだ先に行く?」
「この先は?」
「東北大学とか」
「大学に行っても仕方ないし。どこか別の通りを通って帰ろう」
 
「右手に行けば商店街の中央通り、左手に行けば南町通り」
「南町通りには確か中華料理屋さんあったよね?」
「泰陽楼ね」
「じゃそこ行く」
「はいはい」
 
それで私たちは南町通りの方を戻ったのである。
 

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ところが、私たちが中華料理店を目指して?歩いていたら、車のクラクションがする。
 
「雨宮先生!?」
 
雨宮先生はハザードを焚いて車から降りてきた。
 
「ちょうど良かった。ケイ、この車を運転して」
と雨宮先生はいきなり言った。
 
「へ?何でですか?」
「だってドライバーがいないからよ」
「ケイちゃん、ごめーん」
 
と言っているのは、先生に続けて降りてきた女の子で、見るとプリマヴェーラの夢路カエルである。雨宮先生は彼女がまだ高校生の頃から彼女を口説き落として恋人のひとりにしてしまった。そのカエルちゃんももう20歳を過ぎて、自分の行動に自分で責任を持つ年齢になっている。彼女は雨宮先生に伴侶がいること、結婚はできないことを理解した上で“おとな”の交際をしているので、敢えて私が何か言うべきものでもない。
 
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なお“夢路カエル”の由来はフォスター作曲『夢路より帰りて』(Beautiful Dreamer) である(でもデビュー当初、しばしば蛙の着ぐるみを着せられていた)。相棒の諏訪ハルカは、同じくフォスター作曲『故郷の人々』(Old Folks at Home) の歌詞「遙かなるスワニー河」である。
 
「私は免許持ってないし、雨宮先生はお酒飲んでるから誰も運転できなくて」
とカエルちゃん。
 
「ちょっと待って。ここまでこの車を運転したきたのは?」
「きっと幽霊ね」
 
「運転代わります!」
 

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夏の日の想い出・秘密の呪文(10)

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