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■春動(5)

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(C) Eriko Kawaguchi 2022-09-24
 
ところで千里や桃香の子供たちは、11月13日(土)に青葉の新居が出来た時に、引越作業のため、千里・桃香・彪志が高岡に行った(Honda-Jet使用)ので、その時、一緒に4人とも連れていった(子供たちを浦和に残すと、残された貴司だけではとてもお世話できない)。
 
引越作業はその日の内に終わり、新居で引越祝いの焼肉パーティーをしたらしい。日曜日は子供たちを海王丸パークに連れて行き、夕方、千里・彪志・京平の3人だけがHonda-Jetで浦和に戻り、桃香および早月・由美・緩菜は高岡に残した。
 
これは、青葉が10月29日に熊谷に来て以来、高岡の家が朋子1人になっていたので、不慣れな新しい家で不安だろうということで、桃香を残すことにしたからである。子供たちはついでである(朋子は桃香はどうでもいいが孫たちと触れ合えて嬉しい)。
 
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それに桃香は、料理や掃除洗濯・子供の世話ではあまり当てにならないが、工作ごとは得意なので様々な配線をしたり、新居に微妙な工作が必要な所が見付かった場合は頼りになる。(実際テレビが映らなかったのを解決した)
 
京平だけ浦和に連れ帰ったのは幼稚園があるからである。
 

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12月25日(土)の朝、季里子は自分のアクセラに桃香(桃香A)来紗・伊鈴を乗せると、浦和に向かった。そしてここで千里(千里3)から京平を預かり、千里のセレナを借りて、そのセレナに、桃香A・来紗・伊鈴・京平の4人を乗せて高岡まで走った。
 
セレナを使うのは、アクセラではチャイルドシートの関係で運転手以外には3人しか乗れないからである。
 
同日夕方、千里1は桃香をヴィッツに乗せて高岡の新居から連れ出すと、11月13日に退去して空き家になっている旧宅に連れて行った。電気もガスも来ていないが、寝具だけは“2人分”眷属に持ち込ませていたし、上下水道は実は1月まで使えるようにしていた。それでこちらの桃香(桃香B)は千里と2人で年末年始を過ごすことになったのである。
 
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電気が来てないので、夜明けとともに(千里が)起きて、日暮れとともに(千里が)寝る生活である。なおスマホの充電は千里が持って来てくれるモバイルバッテリーでしていたし、食事はカセットコンロで作っていた。食卓には電池式のランタンを置いた(充電池を入れている)。
 
「学生時代に電気もガスも停められてこういう生活してたこともあったなあ」
などと桃香は言っていた。
 

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12月26日に季里子たちは高岡に到着し、6つの子供部屋が全て使われることになる。家が広いので、子供たちは家の中を走り回って、楽しそうに遊んでいたが、朋子はこれ自分1人ではとても手に余ると思った。桃香は役に立たないが、季里子が居てくれるおかげで何とかなる感じだった。
 
「だけど、こっちが男の子で、向こうが女の子なんだね。男女を分けたの?」
と来紗は言った。
 
この家の部屋の配置は各々の本命卦の問題でこのようになっている。
 
東側:桃香・京平・来紗・青葉
西側:千里・緩菜・由美・早月・伊鈴・朋子
 
来紗が言うのは、西側に入った、緩菜・由美・早月・伊鈴が女の子で、東側に入った京平と来紗が男の子だということである。
 
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「え?来紗ちゃん、男の子なの?」
と驚いて、朋子が訊く。
 
(実は朋子は緩菜の性別のこともまだよく分かっていない)
 
来紗は答えた。
「私、長女だから長男を兼ねるんだって。マルカおばさんが言ってたよ」
 
朋子は意味が分からず困惑した!
 
マルカというのは、季里子の姉だが、元は兄(長男)で性転換して女性になり、男性と結婚している(一応男女婚)。次兄のルオは元女性の男性カズシと結婚している(実質男性同性婚だが、法的には男女として婚姻している)。
 
それで来紗の目には、季里子のきょうだいが、“長女”のマルカと、“長男”のルオに見えたのだが、ルオは「自分は次男」と言う。それで来紗は混乱して、「長男は誰?」と訊いた。するとマルカが
 
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「私は長女だけど、最初に生まれた子が女の子だった場合は、長女ではあるけど、長男も同時に名乗れるんだよ。だから私は長男兼長女」
と言った。それで来紗も
 
「私は最初に生まれた長女だから長男も兼ねることにしよう」
と言って、長男を名乗っているらしい。
 
そういう説明を「お恥ずかしながら」といって季里子から聞いた朋子は、
 
『うちは家庭環境が複雑で教育に悪いかもと思ってたけど、季里子ちゃんちも、似たようなものかも』
と思ったのであった。
 

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来紗・伊鈴の“父親”は桃香であるが、遺伝子上の父は古庄夏樹である。“彼女”は、男性時代に季里子と契約結婚し、セックスはしないまま(お互いの裸も見ていない)、人工授精で来紗・伊鈴を作った。もっとも夏樹はその時点で既に去勢済みだったので、去勢前に念のためと思って冷凍保存していた精液を季里子に提供しただけである。
 
2人の子供ができて義理を果たした夏樹は円満に季里子と離婚し、そのあと(誰かさんのせいで)性転換して法的にも女性になってしまった。そして、今度は自身の兄・春道に頼まれ、代理母となった。
 
これは春道と妻の柚希が、どちらも生殖能力に問題があって子供が作れないため、柚希の妹(元弟)麻夜の精子と、春道の妹(元弟)夏樹の卵子を受精させて夏樹が代理母として子供を産むという、物凄いプロジェクトだった。
 
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夏樹はそれで妊娠し、2021年6月10日、自身の遺伝子を引き継ぐ子供としては3人目の子供となった女の子・美奈を出産した。赤ちゃんは、情が移らないよう出産後即別室に入れられたので、夏樹はその子の顔も見ていない。
 
夏樹は出産後、出産の傷が酷く痛む中、マタニティブルーに加えて、産んだ我が子と触れ合うこともできないことで、代理母をしたことを物凄く後悔した。
 
結局、夏樹は、来紗・伊鈴・美奈という遺伝子上の子供が3人いるにも関わらずその誰の親も名乗れないのである。そして落ち込んでいる時、府中優子とその娘・奏音に出会ったのであった(2021.10.17)。
 

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12月30日の仕事納めが終わった後、夏樹は代理母の報酬としてもらったお金の一部で買った Mazda MX-30 (季里子の店で買った!)に乗ると、
 
東関東道−京葉道路−外環道−関越道−上信越道−北陸道
 
と走った。高岡砺波スマートICで降りてから、戸出駅近くにある、府中優子の家に向かう。優子の家に到着したのは、31日の朝10時頃である。呉羽PAで朝食を取りトイレにも寄っている。
 
「古庄さん、いらっしゃい」
と、優子の両親は夏樹を大歓迎した。
 
「これお土産です」
と言って、夏樹が“筑紫餅”を渡すので、お父さんは困惑した。
 
「博多からいらしたんでしたっけ?」
「いやあ、実は29日まで博多に出張していたんですよ。私、物凄く出張が多いから」
「海外にもよく行ってるみたい」
と優子が言う。
 
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「ロシアとか中国とかインドとか行きました。その度にコロナ検査で2週間待機とか1週間待機とかで、現地で仕事始める前に疲れ切る感じでしたね。自由も利かないし」
 
「それは大変ですね!」
「国内出張は、まだ良い方ですよ」
と夏樹は言っていた。
 

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今回の夏樹の訪問は、夏樹と優子が“結婚を前提とした交際をしている”ということで、夏樹が優子の家に挨拶に来たものである。
 
夏樹はもちろん女装している。彼女は戸籍の上でも女性になっている。しかし優子は元々レスビアンなので、優子が女性と結婚すると言っても、優子の両親は全く驚かない。奏音の父親も女装者だったし!!
 
(信次は普通のゲイなので本当は女装趣味は無かったのだが、ゲイというのが理解されにくいので、優子の両親に結婚を諦めさせるためわざわざここに来る時は女装していた。ゲイの信次とビアンの優子が交際できたのは、優子はビアンの男役で、信次はゲイの女役なので、奇跡的に?セックス可能だったことによる。だから2人は恋人というよりセフレに近かった)
 
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それで夏樹は31日から1月6日まで府中家に滞在(出張の代休使用)、優子の両親と和気藹々と過ごし、優子とラブラブな夜を送り、奏音(年少さん)と仲良くして「お父ちゃん」と呼ばれていた。
 
信次のことを奏音は「パパ」と呼んでいたので、夏樹のことは「お父ちゃん」と呼ぼうと、優子が決めた!のである(桃香の家で子供たちが「パパ」「ママ」と「お父ちゃん」「お母ちゃん」を使い分けているのを参考にした)。
 
夏樹と優子の結婚生活であるが、夏樹が仕事上、千葉を離れられないし、優子は両親のそばを離れられない(というより優子の両親が奏音を手放したくない)ので優子が住民票だけ千葉に移し、夏樹とパートナーシップ宣言をした上で、奏音を夏樹の養女にしようという案が有力になっている(だから奏音は古庄奏音になる)。
 
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それで夏樹と優子・奏音は実質別居生活になるものの、休みが取れた時は夏樹も高岡に来るし、優子・奏音もしばしば千葉に行くという形で夫婦関係(婦婦関係)を維持していく。
 
しかし優子と夏樹が結婚することにより、府中家の経済問題(2023年に父が定年退職した後の生活設計が立たない)が解決すると共に、3人の子供を作ったのに、その中の誰ひとりにも親を名乗れないでいた夏樹が、やっと自分の子供として触れ合える娘(奏音)を得られたのである。
 

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12月29日、千里(千里2)が黒いインプレッサを運転して高岡の青葉家にやってきた。そして朋子・季里子に挨拶して、1泊する。
 
ここで千里は西側の自分の部屋に寝て、季里子は東側の桃香の部屋に桃香と一緒に寝ている(妻妾同居!)。
 
↓再掲

 
30日に千里はローズ+リリーのライブにゲスト出演することになっている早月をセレナに乗せて青葉家を出る。そして国道8号(津幡北バイパス)と石川県道59号(河北縦断道路)を走って宇ノ気(うのけ)まで行き、落合翠(落合茜=町田朱美の姉)を拾う。そしてふたりを乗せて、河北縦断道路→津幡バイパス→北陸自動車道→舞鶴若狭自動車道と小浜まで走って、小浜のミューズパークまで連れていった。
 
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一方、東京に居た北陸組(吉田邦生・日高久美子・田中世梨奈)は12月30日にSCCのドライバーの車で熊谷の郷愁飛行場に移動し、他の出演者と一緒にA318に乗って小浜のミューズ飛行場に移動した。
 
青葉は12月の下旬は浦和の家の地下プールで泳ぐ傍ら、コスモスから頼まれる作曲や編曲の作業をしていた。12月30日には、RC大賞の授賞式に今年は羽鳥セシルの付き添いで、白河夜船社長と一緒に出た(桜蘭有好名義)。この授賞式に千里(千里3)は山森水絵の付き添いで出ている(鴨乃清見名義)。
 
31日は、千里はバスケットの練習?で夕方まで外出していたが、青葉は日中ずっと地下プールで泳いでいた。夕方、千里・青葉・彪志・貴司の4人で年越し蕎麦を食べる。そしてその夜は彪志と2人で甘い夜を過ごした。この時、浦和で年越し蕎麦を食べた千里は千里2(小浜から転送してきた)で、そのまま貴司と一緒に夜を過ごしている。
 
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千里1も高岡の旧宅で、桃香(桃香B)と大晦日から元旦までをひとつの布団で過ごした。
 

金沢では、藤尾歩は12月31日、寒鰤を1匹持って青山広紀の実家を訪れた(鰤は重いので、広紀の兄たちが車から家の中に搬入してくれた)。早速広紀がお魚をさばいてお刺し身を作り、みんなで頂く。夕方には、一緒に年越し蕎麦を食べ、歩は広紀の父や兄と23時頃まて一緒に飲んでいた。
 
そして0時になる前に“歯磨きしてから”広紀の部屋に来て、一緒に熱い年越しをした。
 
夫になる予定の人が奧さんになる予定の人の実家を訪れて一緒に年越しした形である。双方の両親は、この組み合わせでも子供ができる気がするものの、歩と広紀のどちらが産むのか、いまいちよく分からない状態にある。
 
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