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■春足(9)

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(C) Eriko Kawaguchi 2021-10-22
 
その日、桃香は勤務している学習塾から「定期健康診断に行ってきて」と言われ、職場から近い、船橋市内の病院に行った。受付で会社から渡された書類を出すと、カルテを渡され、おしっこを取ってから数字の順番に回って下さいと言われる。
 
それで紙コップをもらい、まずはトイレ(女子トイレ)に入り、おしっこを取った。それを検査室に提出する。その検査室で、体重・身長・腹囲・血圧を測り、採血される。眼科に行って視力、耳鼻科に行って聴力を測定された。眼科で待っている間に問診票に記入し、提出した。
 
その後、胸部X線検査に行く。
「たかぞの・とうこうさん、1番の部屋へ」
と言われて、1番に入る。直前に撮影した男性が服を着ているか気にしない。桃香(ももか)は着ていたトレーナー、ポロシャツをゆっくりと脱ぎ、男性が出ていったところで、その下のTシャツも脱いでブラジャーを外した。
 
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カーテンの中に入る。アルコール消毒の臭いがする。1人ずつ機械を消毒しているようである。
 
検査技師が「あれ?」という表情で
「たかぞの・とうこうさんですか?」
と尋ねるので
「はい。そうです」
と答える。
 
すると技師は平静を装い、機械に抱きつくよう桃香に指示し、撮影室に入った。
「息を吸って、止めて」
「はい、OKです」
 
それで桃香はカーテンの外に出て服を着たが、次のクライエントは桃香が服を着て退出した後で!呼ばれた。
 

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その後、心電図検査に行く。また例によって
「たかぞの・とうこうさん、1番の部屋へ」
と呼ばれるので、中に入る。ここもアルコールの臭いが凄い。
 
靴下と、上半身の服を脱いだら呼ぶように言われる。今日はこのためにストッキングではなくソックスを履いてきている。
 
それで上半身裸になってから技師を呼ぶと、男性の技士がギョッとしている。
 
「たかぞの・とうこうさんですか?」
「はい。そうです」
というやりとりの上
「私が検査してもよいですか?女性の技士の部屋に行きます?」
と技師さんは確認する。
 
「あなたでいいですよ」
と桃香が言うので、技師さんは桃香のバストにクリップをつける。足にも付ける。それで心電図検査をした。
 
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最後に胃癌検診に行く。バリウムを飲む!
 
「睾丸を放射線から守るため」
と言われて鉛のエプロンを渡されるので着ける。
 
私には睾丸は無いはずだけど、まいっかと思う。
 
検査台に寝てあれこれ言われた通りに動く。
 
「お疲れ様でした。終了です」
 
ということで下剤をもらうが、便秘ぎみなのでと言って通常の倍の量をもらった。以前検査を受けた時に出て来なくて死ぬ目にあったので、本当はこの検査は受けたくない気分だったのだが。
 

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それで終わりなので、受付に行き、書類をもらって学習塾に帰還した。
 
桃香(ももか)はカルテに「高園桃香 たかぞの・とうこう 男」と記載されているのには気付いていたものの、気にしないことにしていた!
 

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青葉は9月いっぱいでタロットの制作が一段落した後、§§ミュージック、TKR, ★★レコード、結実(松本花子プロジェクト)東京支所(大田区)などに顔を出して色々意見交換をした。
 
「え!?2A17さん、本当の女性になっちゃったんですか?」
と青葉はこの時初めてそれを知って驚いた。
 
「まだ知らなかったの?」
と青葉の親友・空帆が言う。
 
「知らなかった。いつ?」
「3月末で長年勤めていた私立高校を退職したから、この機会に性転換手術を受けて女性になってから、学習塾に女性講師として再就職したんだよ」
 
「へー!それはおめでとうございます」
「イリヤさんの奴隷らしいけどね」
「はい、私は人権を放棄した奴隷です」
などと本人は言っている。
 
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「人権を放棄したから、もう人間では無いんだって」
「はぁ!?」
「イリヤさんからお金を借りて株の投資をして失敗したから、奴隷になったらしい。それでイリヤさんの命令には従うし、身体のどこを切り刻まれても構いません、という誓約書を提出したらしいよ」
 
「それは民法第90条により公序良俗違反の契約で無効だと思う」
「おお!条文の番号が出てくるのはさすが法学部出身」
「でもイリヤさんの命令で、性転換手術、豊胸手術、全身のレーザー脱毛、喉仏の切削、肩の骨の切削、と受けたから、本人は満足している」
 
「それだけ手術したら痛かったでしょ?」
「痛いけど私は奴隷だから我慢します」
 
「まあ本人がいいなら、それでいいか」
「そうそう」
 
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「でも女性講師として再就職したというのはおめでとうございます」
「ありがとうございます」
「戸籍も女性に変更したんですか?」
「結婚維持優先で、法的な性別は変更しません」
「じゃ奥さんも性転換を認めてくれたんだ?」
 
「イリヤさんのお兄さんたちもアレだしねぇ」
と大谷日香理が言っている。
 
「お兄さんたちって、何かあったんだっけ?」
「上のお兄さんはゲイだし、2番目のお兄さんは性転換して女性になっちゃったし」
「知らなかった!」
「あれ、私の遺伝かも。申し訳無い」
と2A17は言っている。
「だからイリヤさんのお母さんは、イリヤさんが子供を産んでくれたのが物凄く嬉しかったらしいですよ」
「私も嬉しい」
と2A17.
 
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青葉は言った。
「ゲイもMTFもひとつの個性だと思いますよ。他人に迷惑かける訳でもないし、構わないのでは」
 
「そう言ってもらうと心が軽くなる」
 

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それで10月4日(月)、高岡に戻ろうかと思っていたら、桃香から電話があった。
 
「青葉、いつ高岡に帰るの?」
「今日帰るけど」
「車か何か?」
「ビジネスジェットだけど」
「私も同乗させてくれない?母ちゃんから呼ばれてるんだよ」
「桃姉ならいいよ。じゃ浦和に寄ってから熊谷に行くよ」
 
それで青葉は千里姉の専任ドライバーの1人、津島さんの車で浦和の自宅に戻ると、お留守番している千里1に声を掛けてから、桃香と一緒に熊谷の郷愁飛行場に行った。
 
搭乗手続きをしてから、Honda-JetBlueに乗り、能登空港まで飛んだ。そこに母が迎えに来てくれていたので、母の運転する“アクアのアクア(レオ)”で高岡に戻った。
 
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「青葉も戻ってきたのならちょうどいい。面倒な話があってさ」
と言って、母がした話は、今住んでいる地域が区画整理に掛かったということだった。
 
「引っ越さないといけないの?」
「基本的には換地が指定されて、そこに引っ越すことになる。来年中に引き渡して欲しいと市は言っている。換地に建てる家の建設中は仮住まいも用意してくれる」
 
「新しい家を建てるの?」
 
「基本的には解体移築」
「この家を解体したら再度建てるのは不可能だと思う」
「かなり痛んでるもんねー」
「痛んでる材木は新しいのと交換するんだけど、この家だと全交換かも」
「この家、この居間以外は安物のベイマツでできてるし」
と桃香が言っている。
「私は木材の種類は分からないけど、居間以外は凄く柱が細いよね」
と母。
 
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この家の居間は明治40年(1907)頃に建てられたもの(つまり100年以上経っている)だが、その後、昭和34年(1959)に居間以外の部分を全改築(改築という名目にするため居間を残した)、台所は昭和45年(1970)、お風呂は昭和52年(1977)に改築したもの。但しこのお風呂があまりに古すぎたので、2003年に古いタイルの浴槽と外釜(リモコン無し!)を撤去し、内釜式のホーロー製シャワー付きバスを導入している。
 
「それに換地は今の土地より確実に狭くなる(*6)。でもこの家は敷地のギリギリに建ってるから、建蔽率の問題が出てくる」
「今の家の半分程度の面積しか建坪として取れないだろうね」
「じゃ移築そのものが不可能だ」
 
(*6)区画整理では移動先の土地は必ず狭くなる。これは大きな道路や避難用に公園を確保するためにどうしても全員の宅地が削られるのだが、区画整理後は路線価が高くなるから、整理前の土地の価値と整理後の土地の価値は等しいと説明される。しかし実際には近年は元々路線価の低い地域で行われるケースが増えていることもあり、区画整理してもそんなに路線価があがらないことが多く、この“区画整理の原理”に対しては批判の声も多い。
 
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現在、15-16坪の敷地に14坪程度の建物が建っている。仮に20%減歩された場合、13坪程度になり、建蔽率60%を適用すると8坪程度で家を建てなければならないことになる。およそ人が住めるとは思えない(用賀のヴィラは7坪の2DKだが、間取りが芸術的である)
 
「だいたいここは深刻な再建築不可能物件だったからなあ」
と桃香は言う。
 
道路に接しておらず、路地を数十メートル入る(接道義務違反)。そして敷地ギリギリに建てられている(建蔽率違反)。建築基準法が定められた1950年より前に建てられた家にはこういう家が多い。
 
「そういう地区だから、区画整理になったんだと思うよ」
「確かにこの付近は火事が発生したら悲惨だろうから」
 
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青葉は言った。
「仮住まいに移って、また引っ越しては大変だし、桃姉が言うとおり、この家を解体して換地で再建築しようとしても建坪が半分程度になったら、住むこと自体が不可能になると思う。いっそどこかに引っ越そうよ。土地の購入代・新築費は私が出すからさ」
 
「賛成。青葉はお金持ちだからここは甘えよう」
と桃香が言う。
 
「やはりその手かねぇ」
と朋子も言い、引っ越す方向で考えることにする。こういう狭小の土地の場合は“換地を定めない”で、清算金(せいぜい数百万という気がする)を受け取って土地は放棄することができるので、その方式で行くことにする。
 

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「じゃ、お母ちゃん、お母ちゃんの好みでどこか土地を探してよ。少しくらい高くてもいいから」
と青葉は言う。
 
「土地の吉凶は青葉に見てもらって」
と桃香。
「うん。私が東京に行ってる間なら地図を送って。よくない土地は地図だけでたいてい分かるし」
と青葉。
 
「青葉、いつまでこちらに居るの?」
「10月16-17日に短水路選手権があるから、10月14日頃に向こうに行くつもり」
 
「じゃその間に引越先を決めよう。私もその時、一緒に浦和に戻るよ」
「早月ちゃんたちは大丈夫?千里ちゃん1人で子供4人たいへんでしょ?」
「早月と由美は季里子の所に置いて来たから大丈夫」
「ああ、季里子ちゃんのお母さんが大変そう」
 

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「でも新しい土地ってどのくらいの面積が必要なんだろう」
 
「それはどのくらいの家を建てるか次第だと思う」
 
「桃姉がもし高岡に戻ってきた場合、桃姉の子供たちを収容できる広さが必要だと思う」
 
「こちらに帰るつもりはないのだけど」
「でも子供連れて帰省することはあるでしょ?」
「それはあるかも知れないなあ」
「桃姉の子供って何人居るんだっけ?」
「個人的に把握しているのは早月、由美、来紗、伊鈴、小空、小歌の6人だ」
 
「小空・小歌のことは話だけは聞いてたけど」
と母。
 
「その2人は気にしなくていいと思うよ。桃姉の遺伝子を引き継いでいるだけで、実質早紀ちゃんの子供なんだから」
「うん。あの子からはそう言われている」
「一応私の孫なの?」
「遺伝子的にはね。でも実質的に、卵子を貸しただけだから」
「ああ。そういうこと?」
 
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「珠那ちゃんと美甘ちゃんは?」
と青葉が言うと、桃香は咳き込む。
 
「なんでそんな名前知ってるの〜?」
「桃姉のお友達はみんな知ってる」
「うーん・・・・」
「その子たちは?」
と朋子が尋ねる。
 
「各々の母親は私のタネでできた子供だと主張している。でも私は精子無いと思うんだけどなあ」
 
「いや、それは怪しい」
と朋子も青葉も言った。
 
実際には千里からお金を借りて(返せないと思う)毎月双方に10万ずつ送金しているらしい。朋子はその送金は続けた方がいいと言った。
 

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「まあ連れてくるとして浦和の4人と来紗ちゃん・伊鈴ちゃんで最大6人かなあ」
と青葉が言う。
 
「だったら、お母ちゃんの部屋、桃姉の部屋、ちー姉の部屋、私の部屋、それに子供部屋が2つくらいあれば何とかなるんじゃない?」
 
「それで何DKになるんだっけ?」
「6LDK」
「そんなに大きくなるか?」
「いや。一戸建ての6DKはそんなに大きな家ではないと思う。たぶん建坪20坪、延べ床面積40坪くらいで行ける」
と青葉は大雑把な暗算をして言う。ところが桃香は言った。
 
「平屋建てにしよう」
「え〜〜〜!?」
 

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翌日、青葉が〒〒テレビに顔を出したら、早速幸花からお呼びがかかる。
 
“妖怪足つかみ”の件で打ち合わせることになった。8-9月の間に番組に寄せられたメッセージを元に、明恵と真珠が手分けして似たような経験をしたという人に取材していた。青葉はその記録を見て、約半数を「これは無関係」といって選別した。
 
「本物と無関係なものってどうやったら分かるの?」
「勘」
「なるほどねー」
 
「東京でもう1件教えてもらって話を聞いてきた。高崎ひろかちゃんの妹の水森ビーナちゃんも、8月に、やはり足首をいきなり掴まれた気がして転んでいるらしい」
 
「おお!」
 
「彼女は物凄く忙しいからあらためての取材は勘弁して。一応取材の録画はこれ」
と言ってUSBメモリを渡すので
 
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「これは貴重なものを」
と言って、幸花は受け取った。
 

「水森ビーナちゃん、人気急上昇中だよね」
と、その取材ビデオを見ながら言う。ビーナは高校の(女子)制服姿である。
 
「うん。『シンドルバッド』でかなり注目されたし、今度は10月23日放送の長時間ドラマ『青い鳥』にもミチル役で出る」
 
「詩恩ちゃんとよく似てるから、並んでると双子みたいだよね」
「そうそう。しかし高崎ひろか・松梨詩恩・水森ビーナと3姉妹で全員売れているというのが凄いよ」
 
「女の子ばかり3人なのね」
「お父さんは1人くらい男の子が欲しかったらしいけど、まあ仕方ないよね。性転換しちゃう訳にもいかないし」
 
(青葉のこの付近の情報は、“ビーナが女の子であることを確認した”舞音と水谷姉妹経由のものが多い。青葉はビーナが男の子である可能性を全く考えもしなかった。ビーナの波動は葉月などと似ていて、性別微妙なので注意しないと男の子であることには気付かない:撮影していて気付いた美高さんが凄い)
 
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春足(9)

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