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■夏の日の想い出・いろはに金平糖(18)

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そういう訳で、今回下記のアーティストを取り上げることになった。
 
長沼清恵 (2021年YS大賞)
XETIMA (2021年RC大賞)
富士川32 (2021年CD売上1位)
アクア! (2021年著作権使用料1位)
 
作曲家アルバムは元々3ヶ月だけの短期間の番組の予定だったので“大物作曲家”を訪問する番組として企画され、取材対象がリストアップされた。それで番組が延長されても、活動期間の長い人から順に取材していった。しかし歌手・バンドの数は膨大でたぶん尽きることはない。だったら、今話題を集めている人から順に取材していったほうがいい。というところから、まず最初はこのようなラインナップになったのである。
 
XETIMAと聞いて、人気男子アイドルグループだけに、町田朱美が
「きゃー!」
と言って喜んでいた。
 
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1月24日(月)は、長沼清恵さんを、都内福生市(ふっさし)の御自宅マンションに訪問した。
 
取材陣はこれまでの『作曲家アルバム』同様、ラピスラズリ、青葉、私、〒〒テレビの長江ディレクター、それに◇◇テレビのカメラマンである。今日は石坂さんという30代の女性カメラマンが同行した。
 
つまり男性は長江ディレクターのみである!
 
女性アーティストということも考慮したものと思われる。
 
なお、RC大賞のXETIMAではなく、演歌部門の賞であるYS大賞の長沼さんから始めたのは、“御自宅訪問”というのが、XETIMAではできないからである。人数が多くてリーダーの米山君のマンションを使うにしても、かなりの密が発生してしまう。それで御自宅訪問が可能な長沼さんから始めたのである。
 
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長沼さんに楽曲を提供しているのは、吉野鉄心さんで、私は個人的に繋がりがあるので、前もって電話して「よろしくお願いします」と言っておいたら鉄心さんから長沼さんにちゃんと伝わっていたようである。
 

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作曲家アルバムでは、結構自宅外観とかも放送したのだが、ミュージシャンアルバムでは、ストーカーなどに狙われると危険ということで、原則として外観は映さない方針となり、マンションのエントランスなども映さず、部屋の玄関から撮影する。
 
長沼さん自身がドアを開けて取材陣を中に入れてくれた。LDKの応接セットに案内される。
 
「まだ新しい感じですね」
「実はあの曲が売れたんで、20年ローンで買っちゃったんですよ」
「おお、凄い!」
「去年の夏までは1DKの木造アパートに住んでました」
「あ、うちの寮は1Kです」
「仲間仲間」
「でも大枚はたいて家を買っちゃったんですけどね」
「それもお仲間お仲間」
 
と、思わず朱美と長沼さんはリアル握手していた。
 
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長沼さんは独身だが、この日は付き人の女性が来ていて、私たちにお茶を入れてくれた。もう5年ほど長沼さんの付き人をしているらしい。
 
「じゃ付き合い長いんですね」
「長沼さんは優しいからやりやすいです。この業界、付き人が続かないという歌手さんも多いですけどね」
「それ歌手さんが付き人さんに当たるから続かないというケースと、歌手さんがあまりに忙しすぎて体力がもたないというケースがありますよね」
 
「ですよね。アクアちゃんの初代付き人さんは過労死したんでしょ?」
「それ付き人じゃなくてマネージャーだと思いますが、生きてますよ」
「そうだったの!?」
「自宅で倒れてるのを発見されて病院に運び込まれて、一時は危篤状態でしたけど、やはり若いからそこから回復して、今は私のマネージャーやってますよ」
「そうだったんだ!良かった」
 
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私も「松原珠妃のヴァイオリニストは死亡したらしい」と噂を立てられたからなあと昔のことを思い出した。
 

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「でも私は基本的に暇だから付き人さんが体力もたないというのは多分無い」
「でも昨年はかなりお忙しかったのでは?」
「マンスリーの全ての日付に予定が入っているっての初めて経験した」
「あれって最初は凄いと思うけど、やってると疲れて来ますよね」
「そうそう。あんたたちも空いてる日付が無いでしょ?」
 
「私たちはまだマシな方で、うちのアクアはヨーロッパの縦列駐車と同じと言ってました」
 
「何それ?」
 
「日本では縦列駐車って、空いてる所を見付けてその間に駐めますよね。ところがヨーロッパでは、前後の車にぶつけて動かして空きを作ってからそこに入れるらしいんです」
「なるほどー!」
 
「だからヨーロッパではバンパーは当てるためにあるという考え方らしいですね」
「それは吉野鉄心先生から聴いた気がする。だから日本の一部の車みたいに、バンパーがボディと一体化している車はおかしいって。でもそうか。アクアちゃんの場合は、予定というのは、無理矢理空けて入れるものなのか」
 
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「それで弾き出された予定がこちらに回ってくることもあるんですが」
「なるほどー!!」
 

まずはLDKで、長沼さんの経歴などを確認し、デビュー以来の様々なエピソードも町田朱美がたくみに聞き出す。長沼さんは元々はあまり饒舌な方ではなかったようだが、朱美は相手を乗せるのがうまい。長沼さんは気持ち良く語ってくれた。
 
リビングである程度お話を聴いてから、マンション内に作られた練習室にお邪魔する。壁と天井が穴あきボードで包まれている。床も実は穴あきボードを敷いた上にOAフロアを敷き詰めたらしい。
 
長沼さんは楽器は苦手らしく、キーボードやギターの類いは無いが、DVDカラオケのセットがあり、数百曲のカラオケが再生できるということだった。ここで、作曲家アルバムでは、ラピスラズリがその作曲家さんの書いた曲を歌っていたのだが、歌手の場合は、その方式では、下手なら失礼だし相手より上手かったらやばい!。そこでラピスが伴奏して、御本人に歌ってもらう方式になった。
 
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それで町田朱美が持参のポータブルキーボードで長沼さんのデビュー曲『赤坂25時』の伴奏をすると、長沼さんは少し懐かしいような表情でこの歌を歌唱してくれた。
 
「この曲はカラオケには無いのよ。今の伴奏の録音とかくれない?」
「じゃあらためて録音してDVDに焼いてお届けしますよ」
「ありがとう!」
 
「でも朱美ちゃん、凄く歌いやすい伴奏だったよ。あんた演歌の心が分かってる。演歌歌手に転向しない?」
 
「すみませーん。うちの社長が心臓麻痺起こしそうだからやめときます」
と朱美は言っていた。
 

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1月25日(火)はXETIMAの取材だったが、前述のように個人宅が使えないので、所属事務所が所有するスタジオを訪問した。XETIMAはここで音源制作やライブ前の練習をするらしい。
 
泊まり込みになることも多いので宿舎が付属しており、インタビュー前にそちらの内部の様子もリーダーの米山さんの案内で見せてもらった。コロナ以降、増築して部屋は固定制で運用しているらしい。米山さんの指定ルームの中を見せてもらったが
 
「すごーい、美しい」
と朱美が感心していた。
 
部屋はバストイレに3畳ほどのフローリングの部屋があり、ビジネスホテルのシングルくらいの広さである。部屋はきれいに整頓されている。ワーキングテーブル、ベッド、本棚、衣裳ケースが並ぶ。本棚にはCDや楽譜集が並んでおり、最上段にはギターケースが載っている。アームライトの付いたワークテーブルにはノートパソコンとペン立て・A4の五線紙帳が載っていて、パソコンにはマウスとMIDIキーボード、外付けディスクがつながっている。
 
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基本的に無駄な物が無い!
 
「ゴミ一つ落ちてない。凄い」
「お洋服、そのロッカーだけで足ります?」
「まあ泊まり込み期間中の着替えだけあればいいから。衣裳とかは自宅だし」
「なるほどー」
 
「ちなみにHな写真集とかも無いんですね」
「それは今朝隠した」
「あはは」
 
「でも部屋の中身を映せるメンツは少ない」
と米山さん。
「男の人の部屋なら仕方ないですよ」
とはるこ。
 
「いや女の子の部屋でもやばい子は結構いる」
と朱美が言うと、米山さんは笑っていた。
 

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インタビューでは、24名のXETIMAのメンバーが千鳥式に並べられた椅子に座り、取材陣は透明のアクリル板を介して向かい合う形で取材した。撮影は20代の男性カメラマンで彼自身XETIMAのファンで、カラオケでよく歌っているという話だった。
 
個人宅訪問とは、少し勝手が違うものの、朱美が
「XETIMAの大ファンなんです」
と言って、限定版CDも含めて多分9割くらいのCDを持っていると言うとメンバーから「じゃ***歌える?」と質問が飛んでくる。割と無名な歌である!
 
しかし朱美が自分でキーボードを弾きながら歌ってみせると
「すげー。キーまで正しい」
と言って、彼らが感心していた。
 
XETIMAの中にも、ラピスラズリが好きというメンバーが数人居て、即興でその場で2人組でラピスの曲を歌ってみせるパフォーマンスも出る。東雲はるこが「すごーい!」と言って拍手する。
 
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そのようなやりとりを経て、デビュー以来の軌跡を辿りながらインタビューは進み、話は盛り上がった。
 
「だけどWADOの性転換にはびっくりしたね〜」
「びっくりしましたね。ファンの間で阿鼻叫喚だったみたいです」
「全然そういう予兆無かったしね」
「彼らの女装は見たこと無かったし」
「きっと事務所が禁止してたんですよ」
 
「僕事務所に呼ばれて、君は性転換しないよね?と聞かれた」
と正田君が言っている。
 
「性転換するんですか?」
「しない、しない。僕は女の子が好きだよ」
「ああ、女の子になりたいんですね」
「そういう意味じゃないって」
「でもレスビアンという道もありますよ」
「あまり唆さないでよ」
と言ってるが、全然嫌がってない!
 
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こういうのを言われ慣れてる感じ。彼はテレビ番組で何度か女装させられたことがあるが、美人だった。本人も多分女装するのは、まんざらでもないのだろう。スカートくらい持ってるかも?
 
話は盛り上がり、一段落した所で、ラピスの伴奏でXETIMAに歌ってもらうコーナーとなる。朱美はこの日はスタジオに搬入していたエレクトーンを弾いて伴奏した。ノリの良い伴奏をするので、XETIMAも気持ち良く歌えたようであった。彼らの歌は生で聴いてもけっこう上手かった。
 

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この日は、もう1件、富士川32の取材もした。これは所属レコード会社のスタジオにお邪魔した。普段は土日に(中核メンバーのみ!)このスタジオに来て練習しているらしいのだが、今日は特別に平日の夕方、ほぼ全員に集まってもらった。富士川32のメンバーは現在56名だが、この日はその内49名が来ていた。
 
XETIMAは24名のメンバーが椅子に座っていたのたが、富士川32は人数が多いので、スタジオに壇も並べた上で“立ち位置”を示すマスキングテープを貼り、そこに立ってねということになっていた。千鳥状に立たせたので壇は5段あり、最後尾は1.2mほどの壇に立っているので万一転落すると怪我する可能性もありそうだ。
 
彼女たちが立っているので、こちらも立ったまま取材した。一応椅子を勧められたのだが、被取材者を立たせたまま、こちらが座る訳にはいかない。
 
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この子たちとは、私もラピスたちも接点が無く、どこから話を始めようかと悩んだのだが、富士川32のメインボーカル(最前面中央に立つ)山崎あゆみちゃんが
 
「私、東雲はるこちゃんが優勝した時の§§ミュージックのオーディションに参加した」
と言って、そこから話が動き始めた。
 
「私けっこう歌には自信があって、このオーディションの前年の優勝者(*18)よりは自分の方がうまいという自信あったし、東京都区・西部予選ではトップだったけど、東京都予選で、太田芳絵ちゃんに圧倒的大差で負けて、こんな凄い人がいるのかぁ!と思って、一応本選にも行ったけど、東雲はるこちゃん・七尾ロマンちゃん・町田朱美ちゃん・太田芳絵ちゃんの4強の歌をもう、雲を見上げる気分で見てて、結局25人中15位で、信濃町ガールズ関東には入れるという話だったけど、根本的に鍛え直そうと思って、芸能学校に入って1年鍛えてから、誘われて富士川32の結成に参加したのよね」
などと、あゆみちゃんは言う。
 
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文章の長い子だ!
 
(*18)前年2018年の優勝者は原町カペラ!
 

「あ、山崎あゆみちゃん、『青空天国』歌った子だ!」
「そうそう。よく覚えてくれてましたね!」
「いや、結構上手い子だと思いましたよ」
「でも上が凄すぎて」
 
「あの年は激戦でしたよね。私、絶対太田芳絵にも左蔵真未にも負けて5位か6位くらいかなと思ってたから3位と言われてびっくりしたんですけどね」
と朱美が言う。
 
そのあたりから始まって、色々なオーディションを受けた話があちこちから出て来た。それで話が盛り上がっていき、楽しい会話になっていった。しかしみんなたくさんオーディション受けてるんだなあ、なとど朱美は会話しながら思った。最初に受けたオーディションで合格した自分と岬(東雲はるこ)は物凄く運が良かったのだろう。
 
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最後に今日は東雲はるこがスタジオのピアノ(Yamaha C3) で伴奏して、富士川32が、先月リリースして発売即ダブルプラチナになったらしい曲を歌ったが、朱美は内心「聞いたことねー」と思っていた。今回は、長沼清恵・XETIMAを朱美が、富士川32とアクアをはるこが、伴奏することにして、伴奏譜面を2枚ずつもらったので、この曲の譜面は見ていなかったのである。
 
歌唱が終わってから笑顔で拍手したが、この歌の感想をもし聞かれたら、どこを褒めたらいいのかというのを、かなり悩んだ。
 

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取材が終わった後で、あゆみちゃんを含めて向こうの選抜ボーカル6人とサイン色紙を交換し、メンバー全員とエア握手した。
 
でも、太田芳絵ちゃんの話が出てたなあ。あの子3月で辞めるらしいけど、もったいないよなあ、才能あるのに、と朱美は考えていた。
 
“遙か上”の人たちの争いは置いといて、自分やルビー、スピカ、ビーナ、葉月、夕波もえこ、鈴原さくらあたりが第3か第4グループで争ってる感じだけど、太田芳絵もその一角を占めていると朱美は思っていた。
 

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