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■少女たちのBA(18)

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第4幕第1場
 
語り手(穂花):ドロシーたちは門番(留実子)に、西の魔女を倒してきたことを告げました。門番は驚いて、一行をオズの宮殿に案内します。緑の服の少女(美那)が4人と1匹を案内しました。それで玉座の間に案内します。
 
オズは姿を見せませんでしたが声が聞こえてきます。
 
「私が強烈恐怖の魔法使いオズである。私に何用かね?」
 
「どこにいるの?」
「私はどこにでもいる。全ての場所にあまねく存在しているんだ」
 
「西の魔女を倒してきたの。だから私をカンザスに帰して」
「僕に脳味噌をちょうだい」
「俺に心臓をくれ」
「ぼくに勇気を下さい」
 
オズはしばらく沈黙していました。しかしやがて言いました。
「では明日の9時に来るがよい」
 
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それでドロシーたちはその日は宮殿内に泊まり、翌日朝9時に再度緑の少女の案内で玉座に行きました。ところがオズはまた明日来いと言います。
 
「だって昨日は今日来なさいと言ったじゃん」
とドロシーは怒りました。
 
ライオンがうなり声をあげますが、その前にトトかカーテンに飛び付きました。(トトの見せ場)
 
カーテンが落ちます。
 
するとカーテンの向こうには、年老いた男(中山)が焦ったような顔で立っていました。
 
「誰?」
とみんな異口同音に言います。
 
「あ、えっと。私が強烈恐怖の魔法使いオズである」
 
「オズの魔法使いって、大きな顔かと思った」
「オズの魔法使いって、可愛い女の子かと思った」
「オズの魔法使いって、凄い猛獣かと思った」
「オズの魔法使いって、火の玉かと思った」
 
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「すまん。私が全部映像で見せていただけなんだよ。実は私はただの人間で、ここに嵐で飛ばされてきたんだ。少し手品とかができるもんだから、魔法使いだと言われて祭り上げられてしまって」
 

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「じゃ魔力とか無いの〜?」
「ごめん」
 
「せっかく西の魔女を倒してきたのに」
「本当に申し訳ない」
 
「だったら私はカンザスに帰れないの?」
といってドロシーは泣きます。
「僕は脳味噌をもらえないの?」
「俺は心臓をもらえないのか?」
「ぼくは勇気をもらえないの?」
 
と言ってみんな悲しみます。
 

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「でもかかし君、君たちの話を聞くと、君は色々作戦を考えたりして充分知恵がある。脳味噌なんてなくても大丈夫だよ」
「でも脳味噌が欲しいよお」
「分かった。だったら明日もう一度来なさい。君に脳味噌をあげるから」
「ありがとうございます」
 
「木こり君も、これまでの話を聞くと、仲間を助けて頑張っている。君には充分、心がある」
「でも心臓が欲しいよお」
「分かった。だったら明日もう一度来なさい。君に心臓をあげるから」
「ありがとうございます」
 
「ライオン君も、これまての話を聞くと、みんなを守って戦ったりしていて、君には充分勇気がある」
「でもちゃんと勇気が欲しいよぉ」
「分かった。だったら明日もう一度来なさい。君に勇気をあげるから」
「ありがとうございます」
 
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「私は?」
とドロシーが訊きます。
 
「それも明日までに準備する。君をカンザスに送り届けてあげるよ」
「やったぁ!ありがとうございます」
 

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第4幕第2場
 
語り手(穂花):4人はその日も宮殿に泊まり、翌朝、またオズの所に来ました。
 
最初にかかし(田代)が呼ばれます。
 
「かかし君にはこれをあげよう」
と言って、オズはかかしの頭の中に、ボルトやナットの詰まった袋を入れてあげました(実際は田代君がかぶっている帽子の中に入れた)。
 
「これが君の脳味噌だよ」
「ありがとうございます。ずっしり重量感があって、素敵です。今までは藁だけだったから、僕の頭は軽かったもん」
「良かったね」
 
次に呼ばれて入ったのは木こり(高山)です。
 
「木こり君にはこれをあげよう」
と言って、オズは木こりの胴体の左胸の所に穴を開けると、そこに赤い布で作った心臓を納めます。中には電池が入っていてドクドクと鼓動を打っています(田代君の工作)。
 
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(木こりの衣裳はアルミ箔を貼ったボール紙をセロテープで繋いでできているが、そのボール紙に元々穴をあけてアルミ箔だけになっていた部分を粘土工作用の木べらで破り穴を開けている。高山君は胸の所にヘアバンドを付けていて、そこに“心臓”は納めた。ブラジャーするといいよと言われたが「やだー!」と言ってヘアバンドで勘弁してもらった。でも後から「ブラジャーちょっと着けてみたかったな」と言っていた!)
 
「これが君の心臓だよ」
「ありがとうございます。ちゃんと鼓動をしている。凄いです」
「良かったね」
 
その後、ライオンが呼ばれました。オズの魔法使いはジュースをライオンに渡します。
 
「これは勇気の出る飲み物だよ」
「ありがとうございます」
と言ってライオンはジュースを飲みました(実際はオレンジジュース)。
 
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「なんか物凄く勇気が湧いて来ました」
「良かったね。頑張ってね」
 

最後にドロシーが呼ばれます。オズはドロシーとトトを中庭に案内しました。
 
「実は私も故郷のネブラスカに帰りたくて数年前からこれを作っていたのだよ」
と言って、オズが見せてくれたのは気球です。
 
「すごーい」
「これで君をカンザスまで送っていくよ。それからネブラスカに帰ることにする。一緒に来る?」
「はい」
 
それでドロシーが気球に乗り、いよいよ出発という時、トトが気球から飛び出してしまいました。
 
「トト!」
と言ってドロシーも飛び出してトトを追いかけます。それで気球はオズだけを乗せて飛んで行ってしまいました。
 
(気球は1cm角の木の棒で作った骨組みにブルーシートを掛けてかごを作り、大きな風船を付けたもの。気球の移動は載せている台車を舞台端から引いている)
 
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「えーん。私たち帰れなくなっちゃったよぉ」
とドロシーが泣いていると、かかしが言います。
 
「羽猿の力ではカンザスに行けないのだろうか」
「あ、そうか」
 
それでドロシーは羽猿を呼んだのですが、羽猿の王(恵香)は言いました。
 
「申し訳ありません。私たちが自由に行動できるのはオズの国の中だけなんです。オズの国とアメリカの間にある砂漠を私たちは越えることが許されてないんです」
「ああ、なんてこと」
 
「でもカンザスへの帰り方は南の魔女グリンダ様が知っているかも知れません。そこへお連れします」
「ほんと?お願い」
 

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第4幕第3場
 
語り手(穂花):それで、ドロシーとトト、かかし、木こり、ライオンは羽猿たちに連れられて、南の魔女グリンダの所に行ったのです。
 
(ここで中幕が下ろされ、エメラルド・シティのセットが隠れる)
 
白いドレスを着た、南の魔女グリンダ(佐奈恵)が出て来ます。
 
「君たちは何だね?」
「こんにちは、ドロシーと申します。グリンダ様ですか?かくかくしかじかなのですが(←というセリフ)、何とかカンザスに帰る方法はないでしょうか?」
 
「帰れますよ」
「ほんとうですか?」
 
「ドロシー、あなたが履いている銀の靴、その靴の力で故郷に戻れますよ」
「そうだったんですか!?」
 
「銀の靴のかかとを3回合わせてから行きたい場所を唱えたら、そこに行けるのです」
「嬉しい!これで帰れる」
 
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「でもみんなお別れね」
と言って、ドロシーはみんなと握手をしました(原作ではキスするがさすがに小学生の劇ではそこまでしない)。
 
南の魔女は言いました。
「オズが居なくなってしまったから、かかしさん、あなたが新しいエメラルド・シティの王になりなさい。ライオンさんは森の王になりなさい。木こりさんは西の国の王になりなさい」
 
それでみんな各々の場所に行くことにします。ドロシーは羽猿を呼ぶ帽子を木こりに渡しました。みんなそれで各々の場所に行けます。
 
ドロシーはみんなに再度手を振り、銀の靴でかかとを3回合わせると
「エムおばさんの所に連れてって」
と唱えました。
 

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第4幕第4場
 
(緞帳が下りる。緞帳の前にはドロシーとトトだけが残る)
 
舞台上手からエムおばさん(玖美子)が現れ、ドロシーを見つけて駆け寄ります。そして
 
「ドロシードロシー」
と言ってドロシー(優美絵)を抱きしめて泣きます。
 
「エムおばさん、ただいま」
とドロシーは言いました。
 
「よく戻って来たね。どこまで行ってたの?」
「ちょっとお散歩かな。虹の向こうまで」
と言ってドロシーは遠い所を見るような目をしました。そして歌います。
 
「虹の向こうのどこか、遠い空、幼い頃に聞いた国があるのよ・・・」
 
("Over the Rainbow" words by Yip Harburg/ Music by Harold Arlen, 訳詞は我妻先生!ステージ下で美那が緑の少女の衣裳のままピアノ伴奏している)
 
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ドロシー(優美絵)の歌にエム(玖美子)が唱和し、緞帳の後から、かかし(田代)・木こり(高山)・ライオン(佐藤)・北の魔女(千里)が出て来て一緒に歌う。そして歌い終わると、一緒に会場に向かって挨拶し、下手に退場した。
 

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