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■少女たちのBA(5)

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(C) Eriko Kawaguchi 2021-11-21
 
「この子、結構汗掻いてるよね」
と詩子が言う。
 
「すみませーん。このスコアが完成したらお風呂入れます」
と照絵。
 
「ああ、いいよいいよ。私が入れてあげるよ」
「じゃお風呂沸かしますね」
 
それで照絵はお風呂に水を溜めた。タイマーが鳴った所で(詩子に言われて)水を止め、風呂釜のスイッチを入れようとしたが、スイッチが入らなかった。ブレーカーも確認するが落ちてはいない。そもそも風呂場の照明はちゃんと点く。
 
「故障かなぁ、困ったな」
 
不動産屋さんに電話すると、1時間ほどでスーツを着た不動産会社のスタッフと作業服を着た技術者さんが来てくれた。
 
「これは釜自体がいかれてますね。かなり古いタイプだし交換した方がいいですよ」
と技術者さん。
 
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「じゃ交換しましょう。どのくらい時間かかります?」
と不動産屋さん。
 
「すぐオーダー入れますから、明日にも来ると思います。奥さん、明日はご在宅ですか?」
「はい。午前になります?午後になります?」
「午後の方が安全かな」
「じゃ午後は在宅しておくようにします」
「では明日午後の工事で」
 
それで明日にも風呂釜を交換してもらえることになったが、今日は風呂が使えないことになった。
 

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修学旅行の千里たちは、時計台を出てから300mほど歩き、札幌市テレビ塔にやってきた。
 
エントランスで“テレビ父さん”(*2)と“タワッキー”に迎えられる。修学旅行生を迎えるために1階まで降りてきてくれたようである。女子たちがキャッキャッ言ってキャラクター、特に“テレビ父さん”の回りに群がり、たくさんデジカメで記念写真を撮った。(タワッキーは不人気!)
 
(*2) テレビ父さん(テレビ“父さん”)はテレビ塔さん(“テレビ塔”さん)のもじり。リニューアル後の5月に登場した、目新しいキャラである。実はテレビ塔の公式キャラはテレビ父さんの2-3ヶ月前に登場したタワッキーで、テレビ父さんは“非公式キャラ”なのだが、タワッキーより可愛いし、人気も高い。
 
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エントランスからまずはスカイラウンジにエレベータで上がり、そのまま展望台行きのエレベータで高さ90mの展望台まであがった。塔自体の高さは147mである。
 
※他の塔との比較
 
さっぽろテレビ塔(1957) 147m
名古屋テレビ塔(1954) 180m
大阪・通天閣(1956) 108m
京都タワー(1964) 131m
福岡タワー(1989) 234m
東京タワー(1958) 333m
 

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展望台は見晴らしがいいので、多くの子が見とれているが、売店でおやつを買っている子も結構居た。みんなかなりお腹が空いている。
 
ここを20分くらい見てからスカイラウンジまで降りる。ここのレストランでやっと昼食となった。実は先に展望台に行ったのはレストランのピークを外す目的もあった。
 
たっぷり歩いた後だし、朝早くに家を出て、朝食を食べていなかった子もあったので、みんな勢いよく食べていた。予約して用意されていたランチを食べたのだが、それでは足りないと言って、自主的にオーダーして焼きそば、スパゲティ、ハンバーグなどを食べている子もいた。
 
13時半頃テレビ塔を出る。
 
「さあ、大通公園を歩くよ」
と桜井先生が元気に声を掛ける。
 
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「結構長くないですか〜?」
「若いもんが文句言わない」
 
結構文句も出ていたが、お昼御飯を食べた後なのでみんな頑張って歩く。
 
大通公園には多数の彫像が並んでいる。
 
希望(飛んで行く感じ)、開拓母の像、愛(美那がシーソーみたいと言った)、石川啄木像(並んで記念写真撮る子が多数)。
 
牧童は、馬と少年の像だが、恵香が「成長したらナポレオンかな?」と言っていた。
 

 
馬と少年のBefore/After??
 
更に、潮風(セクシーという意見多数)、泉の像(同じポーズをしてみる女子多数)、奉仕の道、漁民之像(真似する男子多数)、黒田清隆、ホーレス・ケプロン、若い女の像(記念写真を撮る子が多数)。
 
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その他、2ヶ所にある噴水、日時計(むしろ花時計という感じ)、などでも記念写真を撮っている子が多かった。
 
むろん千里は自分では写真を撮らない。それどころか誰も千里にはカメラに触らせない。千里が“電気の固まり”であることは、クラスメイトはみんな知っている(田代君が理科の時間に“測定”して「村山は400Vだ」と言っていた)。
 
小町と小春は積極的にみんなの写真を撮ってまわっており、特に小町は
「今回私は写真係」
などと言っていた(カメラの使い方は一週間前から小春にだいぶ指導されたらしい)。
 

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小町たちが写真を撮って回っている時に、蓮菜は千里を端の方に引っ張っていき尋ねた。
 
「今回の旅行で小町ちゃんたちの費用はどうなってるんだっけ」
と小声で訊く。
 
「私がちゃんと払っておいたよ。だから深草小春・幡多小町で旅行会社の名簿にはちゃんと入っているはず」
 
「だったら良かった」
「そうそう。バスの座席取ってくれてありがとう」
「それはちゃんとしたよ」
 
小町と小春は並べて、蓮菜・千里、恵香・美那の席の間に入れている。ふたりが(千里の髪留めに擬態して)不在の時は、蓮菜と千里が荷物を置いている。ただし2人はできるだけ同時には姿を消さないようにしている。
 

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千里たちは1.5kmほどの大通公園を40分ほど掛けてゆっくりと歩いたが、千里はほんとに、しっかりした靴を履いてきてよかったと思った。
 
かなり疲れている子もいた。
 
「駕籠(かご)に乗りたい」
などと言っている子もある。
「駕籠(かご)って凄まじくハードな乗り物だったらしいよ。だって男2人で担いで走るんだから、揺れがハンパじゃないよ」
「言われてみたらそうかも」
 
優美絵は少し遅れながらも頑張って歩いていた。それでも
「足は痛くないけど胸が痛い」
などと言って
「やはりブラ着けないとダメだよ」
と、ずっと付いていた佐奈恵が言っていた。
 

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14:10に千里たちは大通公園の端で待っていたバスに乗り込んだ。優美絵は14:18頃にバスの所に到着したが、もっと遅い子もいた:焼きとうきび、ジャガバター、イカ焼き、とか売っているのを食べていて遅くなったようだ。ごはん食べたばっかりなのに!
 
遅れていた子を待って、14:23頃にバスは出発した。
 
20分ほど走り、石屋製菓の本社工場に行く。
 
実を言うと、昨年までは雪印の工場見学をしていたのだが、今年1月に傘下の雪印食品(ハム・ソーセージ等の製造会社)で牛肉偽装事件(輸入牛肉を国産と偽り、BSE対策補助金を不正に受給していた)が発覚。雪印食品自体の会社清算に至る大騒動となった。雪印乳業は2年前には大規模な食中毒事件を起こしており、この後、結果的に雪印という企業グループ自体の解体に至ることになる。(アイスクリームはロッテに移管、冷凍食品はマルハ・ニチロに移管、牛乳事業は全酪連と共同でメグミルク設立など)
 
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そういう騒動の最中だったので雪印は避けることにし、代わって石屋製菓を見学先として再選定したのである。
 

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ここは「白い恋人パーク」と命名されており、小型のテーマパークのようになっている。コンサドーレ札幌のグラウンドも併設されており、誰か選手と遭遇しないかなあ、などと男子たちは言っていたが、残念ながら誰にも会えなかったようである。
 
見学の方は、N小の子たちはお菓子が機械でどんどん製造されている様子をガラス越しに見学した上で試食品のお菓子をもらって歓声をあげた。
 
チョコを手作りするコーナーがあり、女子のほとんどと数人の男子が申し込んでいて、1組と2組で交替で手作りをした。千里は無論参加。留実子はむろん不参加!男子では鞠古君や高山君が参加した。参加しない子は、その間、記念写真コーナーで写真を撮ったり、ラウンジでのんびりとスイーツを食べたりしていた。
 
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1組がこれをやっている間、2組はチョコレートの歴史がミニシアターで上映されるのを見ていた。お互い終わってから交替した。
 
ここはとても内容が充実していて、2時間ほどの見学時間があっという間に過ぎた。
 

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白い恋人パークを16時半に出て、バスで1時間ほど走り、定山渓(じょうざんけい)温泉に入った。今日はここで宿泊する。
 
かっぱ大王の像の前でバスを降り、各自その前で写真を撮ったりしてから、旅館まで移動した(この日の日没は19:10)。
 
この日7/18の行程
6:30 学校集合
7:00 出発
8:30 茶志内PAで休憩
9:45-11:10 道庁(赤煉瓦)
11:15-12:00 時計台
12:10-13:30 テレビ塔
13:30-14:20 大通公園
14:40-16:30 白い恋人パーク
17:30 定山渓温泉
 
到着すると、まずは各々指定された部屋に入り、荷物を置いた。貴重品は金庫に入れて鍵を掛け、班長が鍵を持つ。
 
部屋は全部で19個取られている。なかよし・すずらんの女子(+元原先生・手島先生)、同男子(+金津先生)は4階。他の児童は男子が5階、女子が6階とフロアが分けられている。
 
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むろん6階は男子禁制!である。元々ここはレディスフロアなので、エレベータのそばに仲居さん(深夜は警備員)が“6階フロント”として常駐しており、男が入ってこないように目を光らせている。
 
先生たちは次のような部屋割だった。
 
505:教頭、伊藤、神沢
604:我妻、横田
402:祐川、桜井
 
402は“救急室・相談室”となっており、男子でも女子でも来られるように4階に入れた。
 
5階は501-504が1組、506-509が2組で、先生の部屋が真ん中に入っている。
6階も601-603が1組、605-607が2組で、先生の部屋が真ん中に入っている。
 
1組の女子15人は、このように分けた(先頭は班長)。
 
601 恵香 蓮菜 留実子 千里 小町 602 玖美子 佳美 美那 穂花 小春 603 佐奈恵 優美絵 初枝 杏子 絵梨
 
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部屋割を決めたのはクラス委員の蓮菜である。蓮菜は男子クラス委員の中山君と話し合い、千里も留実子も女子部屋に入れることを決めた。
 
601には千里と留実子のことを“よくよく”知っている自分と恵香を入れる。小春は美那や穂花にはおなじみなので、彼女たちの部屋に入れ、新顔の小町は自分たちの部屋に入れている。
 
601の班長は蓮菜がしても良さそうなものだが、クラス委員は“班長から報告を受ける”ので、自分以外にやってもらうことにした。自分以外というとこのメンツでは恵香以外あり得ない。千里と留実子は性別が怪しいし、小町は“人間生活”の経験が浅く色々常識を知らない。
 

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千里たちがエレベータで6階まで上がると、6階フロント(おやつなども売っている)の仲居さんが
「すみません、この階は女性専用なので」
と留実子を見て言うので
 
「この子、よく間違えられるけど女の子なんです」
と千里が言ってあげる。
 
「あら、あなた赤いワッペン付けてるね。ごめんねー」
と仲居さんは言っていた。
 

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荷物を部屋に置いて、ウェルカムスイーツ(白い恋人だ!)を食べ、お茶を飲んで一息つく。
 
「貴重品持ってる人は金庫に入れて。鍵掛けるから」
と恵香が声を掛けるが、そんな高価なものを持っている子はいない。
「デジカメは?」
「食堂まで持っていって、料理とかみんなの様子とかも写す」
「なるほどー。私もそうしよう」
 
デジカメは恵香・蓮菜・小町が持っていたが、全員食堂に持っていくことにした。それで、結局金庫には何も入れずに、大広間に行き、夕食を取る。
 
ここでは、一応各々の前に銘々膳でおかずが並べられており、みんなが席に付くと、仲居さんたちかご飯とお味噌汁を配ってまわったが、御飯と味噌汁と唐揚げ!は自由にお代わりして下さいねということだった。それでみんな唐揚げをどんどんお代わりしていたし、留実子はごはんを5杯くらいお代わりして食べていた。
 
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少女たちのBA(5)

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