広告:國崎出雲の事情 1 (少年サンデーコミックス)
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■春進(12)

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ところで、夏に向けての熊本県の観光キャンペーンは結局、きららと、ももこ・くりこ(ピーチ&マロン)の3人でやることになった。くりこにもオーリンから、よへほ節の踊り方を習わせた。それで、6月21日(金)の夕方、3人は宮下マネージャーと一緒に熊谷からhonda-jetgoldで熊本空港に移動した。
 
その日は“和服の雅”に行き、エアコンの利いた室内で3人とも和服を着て写真撮影した。ここはアクアがここ数年、京都本店で振袖のCMをしているところらしい。先日阿蘇に一緒に行った麻生さんが熊本店の副店長をしている。なんかオーリンが出て来て、なついていた。オーリンは
「広海ちゃんはぼくの飼い主」
などと言っていた。少々悪戯好きのペットという気がする。
 
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麻生さんから夕食もごちそうになった。
 
熊本市内で一泊し、翌朝山鹿市の八千代座に行く。灯籠娘の浴衣を着て頭に灯籠を載せてもらい、保存会の女子中高生30人くらいと一緒によへほ節を踊った。更に煌が『あんたがたどこさ』『五木の子守歌』『この道』とかも歌った。
 
『あんたがたどこさ』では、オーリンのお友達の“たいちゃん”が毬搗きをした。ちゃんと“さ”で毬を足にくぐらせ、最後は着物の裾に入れた。
 
煌の『この道』の熱唱には、観光協会の人が「凄い」と感心していた。ももくりも「すげー。かなわん」と言っていた。
 

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八千代座のあとは、きらら・ももくり3人とも別の浴衣に着替えて、22-23日の2日間で県内各地を巡り、観光キャンペーン用の写真・動画撮影をした。
 
昨年アクア映画を撮影した双子湖と洞窟カフェとかにも行った。玉名温泉ではきららの入浴シーンまで撮った。これは湯を貸し切りにして、先にきららがひとりで中に入り、浴槽に浸かったところで撮影陣を呼んだものである。きららは念のため水着も着けている。(もちろん女の子水着!:きららちゃんが男子水着など着るわけが無い。それに男子水着では身体を隠せないし)
 
「女湯を使うんですね」
と、ももこが言う。
「きららちゃんが男湯に入ってはいけないからね」
と宮下マネージャー。
 
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「大変ですね」
「女湯なんて小さい頃お母さんに連れられて入って以来」
と礼音は言ったが、実はいつも女湯である!
 
同様にして、湯の児(ゆのこ)温泉の美女旅館では、ももくりの入浴シーンが撮影された。
 
「ここの湯にはいるとみんな美女になるらしい」
「男の子は?」
「もちろん男の子でも美女になる」
「え〜!?」
「15年前にここに入った男の子アイドルは、その後女の子アイドルとして人気になったらしい」
「ほんとですか〜?」
 
「煌ちゃんがここに入ると、女の子になってしまうから君たちがして」
「女の子になっても何も問題無い気がします」
「そもそも既に女の子だと思う」
「それは企業秘密で」
 

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学校があるので23日の夕方、ももくりは東京に返したが、煌は翌日6月24日(月)、学校を休んで熊本県に留まり、県内の遊園地に行った。ももくりと入れ替わりに東京からは写真家の小木美奈さんがやってきた。
 
それでこの日はこの遊園地を貸し切りにして“立山きらら”の写真集撮影をしたのである!
 
実は5月に小さな事件があった。海賊版のアイドルグッズを販売していたグループが摘発されたのだが、押収されたグッズの中に“立山きらら写真集”があった。立山煌の写真集はこれまで2つ出版されているが、立山きららの写真集は一度も出ていない。摘発されたグループはテレビに出たきららの写真をテレビ録画から抜き出して写真集にしあげたらしい。きらら演じるモルジアナの写真もはいっていた。これが8000円で5000部も売れたらしい。
 
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グループの摘発後この写真集はメルカリなどで数万円の高値が付いていたが、§§ミュージックは取引サイトの運営者に連絡して全て出品を禁止させた。
 
またこれを販売した人には高額の賠償金を請求すると警告した。一方では、この夏にも公式から、立山きららの写真集を販売することを予告したのである。
 
今回の写真集に何とか対処しても同様の手法でまた勝手な写真集を作る者が現れる可能性がある。海賊版を駆逐する唯一の方法は、正式な商品を充分な量供給する以外には無い。
 
それで立山きららの写真集が制作されることになってしまったのである。
 
コスモスはいい顔をしなかったのだが、ゆりこがぜひ可愛い写真集を作りましょうと言った。
 
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きららのファースト写真集だけに間に合わせみたいなものは作りたくなかった。大半の写真をどこかある程度名の通った公園や遊園地で撮影したかった。この話にここの所関係の深い熊本県が協力してくれたのである。それでも休日に遊園地を貸し切りにするのは難しいので平日の撮影になった。
 
きららの衣裳は、ゆりこ副社長が自ら選定した。高校女子制服風、上品なワンピース、お姫様風ドレス、ローブデコルテ、豪華な友禅振袖、などなど、キュートでエレガントな衣裳を50点ほど選んだ。ゆりこはビキニ水着も用意したがコスモスが禁止したのでワンピース水着で妥協した。
 
それできららちゃんの水着姿が公開されることになっちゃった!
 
ゆりこは男性のマネキン人形にワンピース水着を着けさせて、胸の所にパッドを挿入するという“メイキング画像”を公開した。
 
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「なんで人形でやる?きらら本人でやればいいじゃん」
「きららちゃんは本当に胸があるからこういう撮影は不可能だもんね」
 
また高卒以上22歳以下の地方信濃町ガールズを10人送り込んだ。
 
それで遊園地で3時間ほど撮影した後、熊本城、阿蘇などでも撮影をおこなった。更にスタジオでも2時間ほど撮影した。水着写真はスタジオで撮った。同席したのは、小木カメラマンと宮下マネージャーのみである。
 

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6月23日(日)、津幡の辺来の里神社、伏木の菓子神社に茅の輪(ちのわ)くぐりの茅の輪が設置された。真珠はバイク仲間の男の子たち(TIBのメンバー)に作業をやってもらった。つーちゃんはお礼に御守りを配っていた。
 
「お巡りさんに捕まりにくい御守りね。バイクに貼っといて」
「素晴らしい」
「でも安全運転でね」
 

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6月下旬、椎羅の高校で水泳の授業が始まった。椎羅は女子生徒なので、もちろん女子更衣室で女子用水着に着替えて授業を受けた。
 
彼がクロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライとやってみせると、
「さすが日本代表の妹」
と言われた。
「シーラちゃん、水泳部に入らない?」
「パス。ぼく男の子だったから参加資格無いし」
「ああ、今更男子には出られないしね」
「ぼく男子水着って着けたことない」
「それだけ胸があれば着けられないよね」
 
6月下旬、樹音の中学でも水泳の授業が始まった。樹音は普通に女子たちと一緒に着替え、普通に女子用スクール水着で授業を受けた。もっとも彼は5m程度しか泳げないので、初心者グループに入り、バタ足とかビート板とかでたくさん練習した。
 
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6月下旬、礼音の高校でも水泳の授業が始まった。礼音は女子たちと一緒に着替え、女子用スクール水着で授業を受けた。
「出っ張るべき部分は出っ張ってるし、平らであるべき部分はちゃんと平らだし」
「レッシー、実は本当は女の子なのでは?」
「偽装、偽装」
「偽装できるもんなの〜?」
「胸は水着用のパッド入れてるだけだし、ちんちんは隠し方があるんだよ」
「へー」
「それにしてもウェストがくびれてるし」
「たくさん運動してて贅肉が少ないから」
 
「レッシー、女湯にも入れるのでは?」
「それはさすがに無理」
「一度女湯に連行してみたいね」
「勘弁して〜」
「きっとお嫁さんにもなれる」
「いやだあ」
「でも恋愛対象は男の子だよね?」
「よく分かんない」
 
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「そもそもスネ毛とかが無いよね」
「ぼくあまり生えないんだよね」
「羨ましい」
「ヒゲ剃りとかもしないから、シェーバー持ってないし」
「やはり女性ホルモンが強いのね」
「きっと睾丸は無くて卵巣がある」
 
「根本的な問題として女の子と一緒に着替えても欲情している様子が無い」
「欲情ってなんで?」
「普通の男の子は女の子の裸とか下着姿を見れば欲情するのだが」
「そうなの?」
「レッシー、心が女の子なのでは?」
「それは中学の時も同級生女子から言われたことある」
「やはりね」
 
実際の泳ぎでは、礼音はターンができるので、軽く2往復(100m)泳いでみせ、
「山ガールは水泳も行けるのね」
と感心されていた。
 
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煌は6月上旬に原付の免許を取ったが、下旬早速それを使ったお仕事があった。スクーターのCMである。常滑真音がCMしているメーカーのスクーターに、舞音・薬王みなみ・立山きららの3人で乗り、縦に並んで走行した。3人は舞音の専用機honda-jetorangeで、沖縄まで飛び、早朝から撮影した。飛行機には千里が同乗したが、舞音もきららもひたすら寝ていた。
 
「舞音ちゃんのスケジュール帳もきららちゃんのスケジュール帳も凄まじいですよ」
と、みなみが言っていた。
「ひたすら仕事を断ってるみたいね」
と千里も言った。みなみのスケジュール帳だって結構凄いのだが。
 
なお煌は日曜に収録が行われる『青空高校の午後』からは卒業させてもらった。10代タレントの交流の場のような番組だが、土日はイベントとか登山とかをするので、撮影参加不能になった。
 
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沖縄の現地では、色違いのお揃いのバイクスーツを着て、各々スーツと同色のヘルメットをした。スーツの色とバイク本体の色も揃えている。舞音:赤、みなみ:青、きらら:黄
 
「3人娘のスクーターだな」
 
「ぼくも“娘”なんですか?」
「うん。世間ではそう思っている」
 
「そのバイクスーツ姿も女の子にしか見えないのだが」
「胸は膨らんでいるし、お股はすっきりしてるし」
「今はきららモードだから」
 

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6月27日(木)、俊美は予定日の3ヶ月前になり、産休にはいった。
 
会社には出社しないが、家の中にずっと居るのも気が滅入るので、徹やみどりと一緒に少し近所を散歩することにした。昼間は千里さんのお友達の天野さんという40代?の女性が付き合ってくれたりした。助産師の資格を持ち、これまで200人以上の赤ちゃんを取り上げていると言っていた。
 

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6月28日(金)の霊界探訪では、各地の夏祭りのスケジュール紹介、前年の祭りの映像、明恵と希望によるお寺レポート、各地の“茅の輪”、立山煌と歩いた葛城古道、定点観測、パリレポート、などをお送りした。
 
また“じゃんけん選手権”と称して、真珠が邦生に10連勝するところ、明恵が幸花に10連勝するところを見せ、千里が真珠にも明恵にも10連勝する所を見せた。しかし千里は
「ドイルもかなり強いです。でもジャンケン最強は丸山アイさんですね」
と言っていた。
 
この日の夕方、姫路に住む高校1年の双子兄弟、星弥・月弥(2008.4生)は千里の飛行機で北海道に飛び、留萌P神社に入って、曾祖父・常弥宮司のお仕事を手伝った。彼らは学校があるので日曜には姫路に帰る。
 
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6月30日(日)、姫路の和弥・まゆりは昼から千里の飛行機で北海道に渡り、留萌P神社で、常弥と一緒に大祓の神事をした。この飛行機の帰りの便には星弥・月弥が乗って来て、姫路での大祓の神事を手伝った。
 
常弥は今年96歳になる。彼は星月が大学を卒業して神職の資格を取るまで頑張るなんて言っていたが、千里は彼に言った。
「そんなこと言ってたら2人が卒業した途端死んじゃいますよ。取り敢えず2人に子供ができるまでに目標を変えましょうよ」
 
 
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