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■春進(9)

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(おことわり)
この物語では2024年2月におこなわれた世界水泳は無かったことにしています。そんな大会があると話が複雑になりすぎです!
 
だいたい五輪の年に世界水泳までやるとか無茶苦茶。
 

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礼音は“今日も”午前中の授業の間の休み時間に御飯を食べていた。
「レッシーいつも早弁してる」
「早朝ジョギングして、シャワー浴びて仮眠した後、御飯食べて学校に出てくることになってるんだけど、起きられなくていつも寝てる所をそのまま車に乗せられて学校に連れて来られる」
「起きられなくて当然という気がする」
「忙しすぎだよね」
 
寮から学校に向かう車の中で篠田さんたちの知り合いの女の子2人が礼音の着替えをさせてくれる。
 

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オーリンは桃香の所に出てくると言った。
「桃香ぁ、どこかに可愛い男の娘は落ちてない?」
「金沢に住んでる私の娘の芳恵が男の子になってみたいと言っていたが」
「男の子になりたい女の子には興味無いや。桃香、そろそろ、ちんちん取って女の子に変えてあげようか?」
「いやだ。毎日ちんここすりするのが生き甲斐なんだから。子供作りすぎたから、これ以上女の子の中で射精するの禁止って千里に言われたけど、右手を恋人に頑張る」
「その内右手が妊娠したりしてね」
 
もっとも桃香は千里と季里子に合計20回以上ペニスを切り落とされている。
 

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H南高校女子バスケット部は新1年生がはいってきて人数が増えたので、新しいユニフォームを作ることにした。
 
以前から使用:白と濃緑(各20)
2022年製作:レモンイエローと赤(各30)
今回製作:薄い水色と紺(各50)
 
試合用のユニフォームはホーム用の淡色とアウェイ用の濃色の2種類が必要である。またひとつのチーム内で異なる色合いのものが混じってはならないので、必ず一度に作る必要があり、追加製作は不可能である(同じ色を指定しても微妙な差違が生じる。また経年による色あせも起きる)。
 
また新しいものを作る時、既存のものと似た色で作ると間違って混ぜてしまう危険があるので全く別の色で作るのである。4月初めに頼めば、5月のインターハイ予選から使えるだろう。
 
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春貴は1年生の優樹から訊かれた。
「美奈子先輩ってスリーを百発百中させますよね。どうやったらあんなに入るんでしょうかね。やはり腕立て伏せ頑張らないといけませんかね」
 
春貴は答えた。
「スリーはボールを7mの距離に到達させる筋力も必要だけど、センスの部分も大きいんだよね。腕力なら美奈子ちゃんよりキャフテンの方がよほど強いけど、河世はスリーをいれきれない。シューターの人たちって“シューターは精密機械”って言うね。だから、心の安定・身体の安定が大事。何かあってもくよくよしない。そして発射台となる下半身を安定させるためにジョギングをする」
「へー」
 
それで、優樹は、琴実・瞳美を誘って練習前に10kmのジョギングをするようになった。琴実は長身で将来のセンター候補である。瞳美は未経験者で中学時代は陸上部だったが、100m走るのに18秒も掛かっていたので大会とかにも出してもらったことが無いと言っていた。大会ではいつもチアをしていたらしい。運動能力は低いが頑張る子のようである。
 
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煌は連休の前半は九州に遠征したし、後半はネットライブの後音源製作、ドラマの撮影などで忙殺された。連休明けにはまた幾つかCMを撮った。
 
アイスクリーム、紅茶系缶飲料、カップ麺、スナック菓子、味付け海苔。
 
あと、化粧用コットンとか、ティッシュペーパー、シャンプーのCMもあった。
 
単発ドラマでは、男子高校生の役というので安心していたら、その男子高校生が文化祭の劇で女装してモルジアナを演じるという台本を見て思わず「騙された!」と言った。
「何で男子がモルジアナを演じるんです?女子にさせればいいじゃないですか」
「有力な女子2人のどちらにするか揉めて、他の女子も恨まれたくないから、尻込みして、男子にやってもらおうということになったんだよ。盗賊の首領を刺し殺すなんてのも女子にはなかなかうまく演技できないし」
 
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それで、きららちゃん演じるモルジアナが登場したのである。凄い視聴率だったらしい。きららは舞姫風のビキニみたいな衣裳で熱演した。(煌は男の子という建前だから、こういう露出の多い衣裳でも倫理的には問題無い。但しコスモスはこの手の衣裳はやめてくれと申し入れた)
 

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5月18日(土)、富山県のバスケット、インターハイ予選が始まった。春貴は今回、次のように選手登録した。
 
4 原田河世(3) 166 C(キュー)
5 綾野美奈子(3) 158 SG(ビナ)
6 鶴野五月(3) 152 PG(メイ)
7 津田秋奈(3) 162 PF(タム)
8 水森彩(2) 162 SG(アヤ)
9 間鳥雅(2) 165 SF(マド)
10.金子百合(2) 170 PF(リリー)
11 中沢優(2) 162 PG(ナカ)
12.琵琶恵美(2) 167 PF(エミ)
13 島田琴実(1) 168 PF コト
14 金井翔絵(1) 167 PF フライ
15 丸山志乃(1) 166 PF シノ
16 加藤夢見(1) 159 PG ユメ
17 愛宕優樹(1) 164 SG ユキ
18 橋本和世(1) 163 SF カズ
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-- 高田晃(3) 167 PF(ルミ)assistant coach
-- 藤永弘絵(3) 154 SF(イド)manager
-- 竹下叶(2) 153 SF(カナ)trainer
 
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客席から観戦
19 深田浩美(1) 162 ヒロ
20 平野窓香(1) 161 ラー
21 北川文美(1) 160 フミ
22 花田瞳美(1) 165 ハナ
-- 村上美鈴(1) 158 (スズ)sub-manager
 
選手選考は1年生たちにシュート(ランニングシュートでもミドルシュートでも可)を10本撃たせて多く入れた子から6人を選んだ。客席から応援になった子たちにはチアの衣裳を渡した。弘絵の指導でボンボンも作ったようである。
 

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例によってH南高校はシードされているので、最初の週は試合が無い。25日の3回戦は3年生を抜いたチームで出て行ったが、20点差で快勝できた。準々決勝からは3年生も入れたが、準々決勝は40点差で勝った。
 
6月1日の準決勝は富山市のS高校とであったが、30点差で勝った。そして6月2日(日)の決勝は黒部市の高校とだったが、20点差で勝ち優勝。2年連続のインターハイ出場を決めた。
 

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今回、3回戦の後はミスドを食べた。準々決勝の後はロッテリア、準決勝の後はケンタッキーを食べた。そして決勝戦の後はいつもの通り焼肉であった。
「へー、決勝の後は焼肉なんですか」
と1年生たちが感心している。
「勝ったらね」
「勝てばいいものが食べられるから頑張ろう」
「はい」
 
これ、ほんと自分が転任とかした後の先生は大変だぞ、と春貴は思った。
 

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この結果は月曜日の全体集会で報告されたが、寄付を募ってもらえることになった。また今回も応援団が派遣されることになった。
 
氷見市役所およぴ、JR氷見駅、ウィングライナーH南高校前駅に
「祝・H南高校女子バスケット部インターハイ出場」という横断幕も張られた。
 

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インターハイのバスケット競技がおこなわれる福岡には千里さんがプール付き体育館を持っており、付属の宿舎もあるということだったので、そこを借りることにした。調理・洗濯係で、1年生部員のお母さんやお姉さんたちが10人くらい行ってくれる。
 
つまり遠征規模はこうなる。
 
部員:23人
教員:顧問と教頭、計2人
保護者:12人前後(部長と副部長の母も行く)
応援団:12人前後
合計50人程度
 
宿舎は4階建てで定員は70室80人らしい(ツインが10室ある)。
 
世界水泳の時に津幡組が使ったところである。その時は宿舎はツインをシングルユースした:元々は他の女と結婚した貴司をいぢめるために千里が作ったもの!貴司は新婚旅行中、阿倍子をホテルに放置して毎日“逆トライアスロン”をやらされていた:
 
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ここは普段はオーリンとお友達の水遊びの場になっている。倉庫に魚釣りゲーム用のお魚さんが大量にはいっている。空気を入れて膨らませるワニさんとかカメさんのボートもある/体育館では毬撞きや鬼ごっこをしている:捕まった男の子はちんちん取られて女の子に変えられるらしい!
 

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青葉・多江・リルが渡欧した後、津幡で留守番をしていた月見里公子(月見里姉)は訊いた。
「インターハイに出る子は居ないんだっけ?」
 
田村真美
「ジュニア・パンパシフィックと日程ぶつかってるから無理です」
 
井上道代
「同じく。それに私は転校生だから出場資格が無いです」
 
有力選手の“引き抜き”防止のため転校後1年以内はインターハイなどの学校対抗大会には出られない。井上はそれを承知で広島から移動してきた。しかしそれでジュニア・パンパシフィックの日本代表になることができた。インターハイより大きな勲章だ。次の目標は来年の世界水泳である。
 
ハネ
「私はもう高校卒業しました」
 
ハネは高校は卒業したが、早生まれなのでジュニア・パンパシフィックの出場資格がある。ハネは卒業後ムーランに採用されたが、ジュニア・パンパシフィックまで作業免除中なので全くお仕事はしていない。何も仕事してないのに給料だけもらっている素敵な身分である。健康保険証ももらった!
 
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椎羅
「ぼく出たくなーい」
 
「女子の部に出るの恥ずかしがってるの?」
「去年も女子の部に出たじゃん」
「ぼくの水連会員証、性別が女になってたし」
 
「聞かなかったことにしよう」
 
「そもそも男子水着なんて持ってなかったくせに」
「持ってたとしても男子水着なんて着けられなかったよね」
 
「男子に出ようとしても出してもらえなかったろうね」
 

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6月3日(月)は全国的に衣替えである。
 
北陸の椎羅も東京の樹音も礼音も、セレン・クロム、さくらも女子制服の夏服で登校した。三国舜は男子夏服で登校した。長崎の康太は学ランを脱いでワイシャツで登校した。
 
「ひとみちゃん、女子制服の夏服は持ってないの?」
「持ってるけど」
「持ってるなら著てみよう」
「もう!」
 
それで着てみたが、好評であった。
「スカートはちゃんと夏用穿いてるね」
「冬用じゃ暑いよ」
 

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6月6日(木)、礼音は16歳の誕生日を迎えた。礼音は16歳になったら原付免許を取得するよう、ゆりこ副社長から言われていたので、この日学校を休んで運転免許試験場に行き、学科試験を受けて合格。講習も受けて緑色の帯の運転免許証を獲得した。礼音は普段通り女子標準服を着て試験を受けに行ったので、免許証の写真も女子標準服で写っている。(受験するのに使った身分証明の生徒手帳が女子標準服で写っているから仕方無い)
 
ゆりこ副社長からは夏休みになったら自動二輪免許も取りに行くよう言われている。それまで、週1回(原則土曜日)花咲ロンドさんからスクーターの乗り方を習うことになっている。
 
(ゆりこは「同性から習ったほうがいいだろうから」と言っていた!)
 
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学校の出席に代えるためのレポートは翌日の金曜日に提出した。
 

金沢市内に邦生と真珠の家が建てられたので、ふたりはマンションから引っ越した。マンションに頻繁に出入りしていた邦生の同僚女子行員たちが、お祝い?にたくさんやってきた。
「おっ。ちゃんと“ご接待”用の外から直接はいれる仏間があるね」
 
それが北陸の家の特徴である。お祭りの時にそこから人を呼び入れて接待する。招き入れるのは知り合いや親戚もだが、割りと通りがかりの人!北陸のお祭りというのは、切子(きりこ)とか神輿(みこし)の運行もあるが、こういう家々の御接待というのも祭りの重要な要素である。
 
「週末はここでパーティーしよう」
 
もう好きにして。
 
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実際早速ビールやチューハイを開けて焼肉をしている。お肉は冷蔵庫から勝手に持って来た!ビールはさくらの差し入れ、チューハイは里菜が持って来た。
 
「普通の家なら“仏間”だけど、ぼくたち信心無いから“応接間”ということで」
「ああ、まだ仏さん居ないのね」
「くにちゃんが過労死すれば最初の仏さんになるね」
「くにちゃん、死んだら御香典は奮発して500円くらいあげるね」
 
未来も大人気だった。真珠が抱いてみます?と言ったがみんな
「こんな小さな子供を抱くのは怖い」
と言って遠慮していた。
 

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長崎に住んでいる桃香の息子?“ひとみ”君(康太)だが、その後、急病で休んだ子の代理で、野球部の“女子マネ”をする羽目になった。普通の女子には野球のルールがよく分からない子が多いが、彼は小学生の時はスポーツ少年団で野球をしていたのでひととおり分かる。
 
それでセーラー服を着てベンチに座り、スコアブックを付けていた。大会前のマネージャー会議にも出席した。
 
「松山さん、充分女子に見えるよ」
「ついデート申し込みたくなる感じだ」
「俺はキスしたい気分になる」
「デートとかキスとか勘弁してください」
 
しかしこの年はチームは勝ち進み、県ベスト4まで行ったので
「松山さんは勝利の女神かも」
と言われた。
 
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「秋の大会でもお願いしようかな」
「誰か1年の女子にでもルール勉強してもらって」
 

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