広告:ここはグリーン・ウッド (第5巻) (白泉社文庫)
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■女子中学生・冬の旅(7)

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男子の団体戦は8校の参加だったので、1回戦→準決勝→決勝となった。S中のオーダーはこうなっている。
 
先鋒:潮尾由紀(2級)
次鋒:佐藤学(2級)
中堅:吉原翔太(1級)
副将:竹田治昭(初段)
大将:工藤公世(初段)
 
この時点での在籍者
2年:竹田治昭、工藤公世、佐藤学
1年:吉原翔太、潮尾由紀、樋口芳夫、坂本太陽
 
(普段の練習では公世は女子の方に行っているので、竹田−吉原、佐藤−潮尾、樋口−坂本で練習している)
 
ちなみに潮尾(うしお)君の名前“由紀”は「よしのり」と読むのだが、たいてい「ゆき」と誤読されて、女子だと思われる。本人も女装させたら女の子で通りそうな雰囲気である。声変わりもまだしてないので、声を聞いただけでも女の子と思われる。
 
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ついでに彼の苗字も“潮”だけで“うしお”と読めるから“尾”が余計だとよく言われる。
 
「尾を取っちゃうといいね」
「ついでに身体の尾も取っちゃうといいね」
などと言われて、ドキドキした顔をしている。かなり“怪しい”感じである。
 
彼は白い道着を使用しているが
「買いに行ったらお店の人にこれ渡されたんです」
と言っていた!
 
(なんかこの剣道部、こういう子が多くないか?)
 

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男子団体戦はまずは
「そちらの先鋒と大将は女子じゃないんですか?」
と言われ、潮尾君も公世も剣道連盟の登録証に加えて生徒手帳まで見せて男子と確認してもらってから始まる。
 
初戦は、その潮尾君が相手先鋒・次鋒を倒すが中堅に敗れる。こちらの佐藤も倒れるが、吉原君が残り3人を倒して勝ち上がる。
 
準決勝は潮君が先鋒は倒したが次鋒に敗れる。佐藤君も敗れたが中堅・吉原君は相手の次鋒・中堅・副将まで倒した。でも向こうの大将に敗れる。こちらの副将・竹田君が出て行く。相手大将と接戦になったが、時間ギリギリに1本取って勝った。これで男子は2002年夏以来2年半ぶりの決勝進出となった。
 
相手はR中だった。つまり今回の新人戦は男女ともに(事実上の)決勝がR中対S中となった。
 
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R中のオーダーは、先鋒:芳岡、次鋒:佐々木、中堅:広丘、副将:見沼、大将:所沢となっている。
 
向こうの先鋒・芳岡とこちらの潮尾君の戦いは激戦だったが、時間切れぎりぎりに潮尾君が小手で1本取り勝った。でも相手の次鋒・佐々木君に敗れる、佐藤君も負ける。こちらの中堅・吉原君が相手の佐々木・広丘を倒したが、副将・見沼に敗れる。こちらの副将・竹田君が出ていき、見沼を倒したが、相手大将・所沢に敗れる。でも公世が出ていき、所沢君を瞬殺してS中が優勝した。圧倒的な強さだった。
 
公世は準決勝まで座り大将で、団体戦はこの1試合だけだった。
 

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午後は個人戦となる。
 
団体戦は男女とも幌延町総合体育館で行われたのだが、個人戦は男子はこのまま総合体育館、女子は幌延中学に舞台を移す。それで千里たちS中女子は700mほどの距離をジョギングで移動した(セナや真由奈がへばっていた)。
 
女子個人戦の参加者は48名だった、1回戦→2回戦→3回戦→準々決勝→準決勝→決勝という流れになる。1回戦から参加するのが32人で、2回戦からが16人である。
 
セナと真由奈はいつものように1回戦で負けた。好花・真南は2回戦に進出したが、そこで負けた。千里・玖美子・沙苗・如月・聖乃の5人は2回戦に勝ち3回戦に進出した(BEST16).
 
3回戦で聖乃が敗れ、残り4人は準々決勝に進出する。準々決勝は次の組み合わせで行われた。
 
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村山S○−×吉田M
前田R○−×羽内S
沢田S○−×桜井F
木里R○−×原田S
 
そして準決勝は、村山−前田、木里−沢田となったが、むろん村山・木里が勝つ。
 
3位決定戦の前田−沢田はまた延長戦にもつれる激戦だったが、今度は前田が勝った。そして千里と清香の決勝戦となる。
 
本割では1本ずつ取って、これも延長戦になる。激しい攻防が繰り広げられ、時間切れ寸前に双方面打ちに行く。
 
「面あり!」
の声があるが・・・また旗が割れた!!
 
千里が2本、清香が1本である。それで千里の勝ちになったが、何かスッキリしないなあと思った。
 
そういう訳で、女子個人戦では、1位千里、2位清香、3位柔良、4位玖美子となった
 
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男子では公世が圧倒的な強さで優勝した。2位はR中の所沢君、3位はH中の権藤君で、4位にS中の竹田君が入った。吉原君がベスト8,潮尾君がベスト16に入る好成績を収めた。
 
しかしそういう訳で、男子は団体・個人ともS中が勝った。
 
「潮尾君、頑張ったね」
と岩永先生が褒めた。
 
「ぼく、個人戦では毎回『そちら女子じゃないの?』と言われて剣道連盟の登録証と生徒手帳を確認されたんですよ。それでも相手は、ぼくの性別を疑っている感じで。女だと思って手加減しちゃったんじゃないでしょうか」
 
「ああ。それはよくある話だ」
「特にうちの剣道部ではよくある話だ」
 
「潮尾君、道着も白だしね」
「姉が使っていた道着をもらったんですよー。実は防具も姉が使っていたものなんですよね。竹刀は女子の竹刀では男子の試合に出られないから新しいの買ってもらいましたけど」
 
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潮尾君のお姉さんは4つ上で、現在は高校2年生である。でも彼(彼女だったりして?)は先日は買いに行ったけどお店の人が白を渡したと言ってたけど?
 

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「いや、潮尾君は掛け値無しで僕より強いです。春の大会では彼を次鋒にしましょう」
と佐藤君が言う。顧問の岩永先生も頷いている。
 
でも竹田君は
 
「潮尾“さん”が、春まで男子のままだったら、それで行こうか」
などと言っていた!
 
「それが危ないな」
と吉原君。
 
潮尾君、いや潮尾さんは、恥ずかしそうに俯いていた。やはりかなり怪しい!?
 

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大会終了後、沙苗がキョロキョロしている。
「どうしたの?」
と玖美子が訊く。
 
「千里ちゃん見なかった?」
「うーん・・・」
と少し悩んでから
「コリンちゃん居る?」
と声を出す。
 
コリンが出てくる。
「千里は帰っちゃったみたいです。代わりに私を乗せて下さい」
「OKOK」
 
「帰ったって、どうやって?」
と沙苗。
「きっと今日は疲れたからもう寝てますよ」
とコリンが言う。
 
「まあ千里のことは心配する必要ないよ」
と玖美子。
 
それで千里が放置していった荷物をコリンが持ち、沙苗の母の車で一緒に留萌に帰還した。おかげでコリンは今日はバスで道具を持ち帰らずに済んだ。
 

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ところでバスケットの試合であるが、新人戦の参加校は3校!で総当たり戦による試合となった。参加表明したのが留萌市内の3校だったので、女子の大会はC中の体育館を使って行われた。
 
第1試合のS中vsC中では、こちらが5人、向こうは7人という少人数対決となった。数子は体力の無い雪子に「あんたは立ってるだけでいい」と言って、実質残りの4人だけで戦ったが、何とか10点差で勝利した。数子は1年生たちが本当に実力を付けてきているのを感じた。
 
2試合目はC中vsR中となった。これはトリプルスコアでR中が勝った。R中は、ちゃんと部員が15人出て来ているから凄い。
 
そして3試合目R中vsS中。事実上の決勝戦となる。向こうは2試合連続だが、こちらは5人ぎりぎりというので、条件はイーブンかなと思った。
 
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向こうはこちらに留実子も千里も居ないので、首を傾げていたが、手加減などせずに全力で対戦してくる。さすがに全くかなわないが、それでも1年生たちが食らいついていく。
 
最終的に80-65で敗れた。しかしいくら雪子を温存していたとはいえ、千里・留実子抜きで15点差というのは、数子は充分な成果だと思った。実際向こうの新キャプテン・平山さんにも、監督さんにも笑顔が無かった。
 
試合終了後、ロビーでその・平山さんが数子に声を掛けてきた。
 
「なんでそちら村山さんも花和さんも来てなかったの?風邪でも引いた?」
 
「2人とも兼部してる他の競技の試合に行ってて」
「ああ」
 

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剣道大会新人戦の翌日、剣道の級位段位審査が行われた。今回受験した主な人は下記である。
 
村山千里:二段合格
原田沙苗:二段合格
羽内如月:初段合格
 
木里清香:二段合格
大島晴枝:1級合格
 
月野聖乃と田詩歌は初段を受けだが落とされた。でもどちらも「惜しい。あと少し」と言われたので、夏に再挑戦である。
 
玖美子・柔良、M中の吉田さん、F中の桜井さんなどは7月に初段になったばかりでまだ次の審査は受けられない。
 
男子では、佐藤学と潮尾由紀が1級合格した。樋口芳夫は2級を取った。潮尾は・・・女子として1級合格した疑いがあるが、特に誰も突っ込まなかった。
 
性別というものは、疑いがあれば確認されるが、疑いが無いとわざわざ確認しない!
 
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新垣結衣や大谷翔平に「あなたの性別は?」と訊く人は居ない。
(神取忍にも性別を訊く人は居なかったりして・・・)
 
吉原君は初段の実力があると思うが、夏に1級になったばかりなので、まだ初段を受けられない。竹田君も7月に初段になったばかりでまだ次の審査は受けられない。公世も8月に特別昇段で初段認定されたばかりなのでまだ二段は受けられない。
 
他校ではR中の所沢君と見沼君、H中の権藤君などが二段に認定された。
 

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