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■女子中学生・冬の旅(5)

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(C) Eriko Kawaguchi 2023-01-07
 
セーラー服の行方。
 
千里の周囲で男の娘たちが着ているセーラー服はこのようになっていた。
 
鞠古花江→鞠古知佐→セナ→雅海
 
鞠古知佐は1日だけ姉のセーラー服を着たものの、留実子や千里に励まされて自分が男だと思っているのなら、たとえペニスを失っても自分は男だと思い直し、女子制服を着るのはやめて、それをセナに譲った。
 
セナはその女子制服を1〜2学期は時々着ていたが、3学期からは毎日着るようなった。
 
しかし3月に姉の亜蘭が中学を卒業したので、その制服をもらった。それで鞠古君からもらった制服は雅海に譲った。でも雅海はまだその制服で通学する勇気が無い。
 
司の制服
 
司が持っている女子制服は、天野貴子(きーちゃん)が余計な親切で作ってプレゼントしたものである。でも彼はまだ女子制服で通学する勇気は無い。
 
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公世の制服
 
公世の部屋に掛かっている女子制服は姉の弓枝が自分が中学時代に着ていた制服を押しつけたものである。弓枝は公世にスカート(主として通販の失敗物!)やブラジャー・パンティ(新品)を押しつけるので、最近、公世の衣裳ケースは、女物が3割ほどを占めるようになっている。(その分、男物を処分されていることに、公世はまだ気付いていない)
 
また公世は1学期まで着ていたワイシャツを「女の子になると聞いたから」といって捨てられてしまっていたので、8月の全国大会から帰ってきた後、“新しいワイシャツ”を数枚買った。この新しいワイシャツのボタンの付き方が、1学期まで着ていたワイシャツとは左右逆であることを、公世は全く意識していない。なぜ意識しないのかは、作者も分からない!
 
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彼は学生ズボンも捨てられていたし、学生服は、あまりに汚れていたのでこれも捨てられてしまい新しい学ランと学生ズボンを買っている。この学生ズボンはファスナーが浅くて男子トイレの小便器が使用できなかったが、誰か親切な人が改造してくれて、使用できるようになった。
 
公世のトイレ事情
8.20-22 大会会場では女子と思われて男子トイレ使えず。女子トイレ使用。
8.24 しばらく個室ばかり使っていたので気分で個室使用
8.25-30 ズボンから排尿器官が出せず個室使用
8.31 女の子になってしまったので個室使用
9.1-11.30 男の身体に戻りズボンも改造されていたので小便器使用(*5)
12.1-10 男性尿道が消失したので個室使用
12,13-24 男性尿道が復活したので小便器使用(*5)
8.25-1.18 早川ラボには女子トイレしか無い。(本当は九重たちが使用している男子トイレが管理人室内にあるのだが、公世はそのことを知らない)
 
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(*5) 本人は小便器を使いたいのだが、男子トイレの個室が空いている限り、他の男子たちが「工藤さん、個室空いてるよ」と言って、個室に誘導されてしまうので、結果的にこの時期、公世は9割以上個室を使用している。また男子たちはみんな、公世は小便器を使わないものと思っているので「工藤さんにペニスは無いはず」と思っている。
 

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さて、S中剣道部女子の上級者たち(千里・沙苗・如月・公世)が山の中にある早川ラボで濃厚な練習をしていた時期、聖乃や真南など、中級者の1年生女子は夏休みにも使わせてもらったA町公民館で自主練習をしていた。
 
彼女たちは公民館のホールで練習していたのだが、庭ではソフト部?の女子2名が練習しているようだった。公民館の人の指導で、両者は国道にジョギングに出る時は一緒に出ることにした。こちらはまだ4名だからいいが向こうは2名なので、女子中学生2人でのジョギングはやはり不用心である。
 
ジョギングしながら少し言葉を交わしたが、向こうは12月中にやっていたのは2年生女子と3年生女子の1名ずつだった。3年生の人は受験があるので年内一杯で離脱し、1月に入ってからは別の2年生が入り2年生女子2人で練習していた。1月から来た2年生はとても背が高くて、最初男子かと思ったが、声が女の子なので、どうも女子のようである。
 
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その背の高い人はウィンドミルで投げていた。それで聖乃たちは、そういえばソフトボールってウィンドミル投法を使うよなと思い出した。でも年内に練習していた2人は野球みたいにワインドアップ・モーションで投げていた。1月に入ってからも、その背の高い女子と組んでいる、もうひとりの年内から練習していたほうの女子は、ワインドアップで投げていた。ソフトボールでも上手投げする人あるのかな?などと聖乃たちは思っていた。
 
彼女たちとはよくトイレでも一緒になり
「寒いねー」
「そちら屋外で寒くない?」
「そちら足袋履いて板張りの床って冷たくない?」
などとと声を交わしていた。
 
(く、く、く、く、くえすちょん(古い!古すぎる!)。ここで投球練習をしていた女子3人って誰々なのでしょうか?)
 
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冬休み中のP神社では、広海は中3で受験勉強中、千里は三重に行き、沙苗は剣道の練習をしていて、蓮菜・恵香・セナが小町と一緒に巫女控室には居た。恵香が笛係、蓮菜とセナ・小町で昇殿祈祷するお客さんを先導したり、太鼓を叩いたりしていた。玲羅が来ている時は玲羅にも笛を吹かせた。お正月は小学生は大半が休んでいた。寒いからあまり出歩きたくないのだろう。それに昇殿すると、拝殿はストーブが入ってても寒いし!
 
お客さんが居ない時、蓮菜と恵香はお勉強をしているが、セナはだいたい漫画を読んでいる。
 
「セナ、冬休みの宿題は終わった?」
「まだだけど頑張る」
 
全然頑張っていない!
 
時々、セナの“おしゃべり仲間”で剣道部にも勧誘した真由奈も顔を出すので、お客さんにお茶を出したり、お守りや御札の販売などを手伝わせていた。彼女は待機時間はセナとおしゃべりしながらも一応冬休みの宿題をしていた。
 
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P大君はその様子を見ていて
「うん。これならセナは多分市外の高校に進学することはあるまい」
と思っていた。
 
「やはりセナを女の子にしてあげてよかった」
 

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セナは自分の身体がどうも完全な女の子になったみたい、とは思ったもののまあいいか、どうせぼく法的には既に女の子だしと思ってあまり気にしていなかった(←気にしなさすぎ!)。
 
千里ちゃんにしてもらった偽装女体でも、12月以降の真女体でもオナニーの快感はほとんど同じだったし(ほんとうに偽装だったのか?)。
 
セナは男の子時代はオナニーをした記憶や勃起した記憶が無いので射精の快感も知らない。やはり男子として不完全だったのだろう。でも昨年7月以降は女の子のオナニーを週に1度くらいしている。快楽にひたりながら「ぼく、お嫁さんになれるかなあ」などと考えている。
 
セナは最近男の子だった頃のことを忘れつつあり、男の子って、どうやっておしっこするんだっけ?おしっこする時、ちんちん邪魔じゃないのかなぁなどと思ったりする(←忘れすぎ)。
 
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自分は物心ついた頃からずっと女の子だったような気もして
 
「ぼくって元々女の子だったのかも」
と思ったりする。
 
なおセナの男子制服は、弟の慧瑠(さとる)に譲ったので、彼が4月から使用する予定である。
 

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2005年1月8日(木・友引・たいら)
 
千里たちが早川ラボで練習していたら、何か大きな音がする。
 
「またエゾシカでも外壁に掛かったかな」
と沙苗が言う。
 
早川ラボは二重の鉄筋コンクリート壁に守られており、外壁の外側には電線が張られており高圧電流が流されている、一応人間が間違って接触したりしないように、外壁の更に30cm外側に樹脂製のフェンスもある。この樹脂製のフェンスを壊して中に進入してきた害獣はこの高圧電流にやられて昇天する仕組みである。
 
この樹脂製のフェンスを壊せるのはヒグマとかエゾシカの類いなので、高圧電流にやられるのは、だいたいその2種類の動物に限られる。エゾタヌキなどはフェンスを壊せないしフェンスの隙間(約3cm)は通り抜けられない。
 
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「みんなは練習してて。外に出ないで」
と千里はみんなに言うと
 
「すーちゃん」
と管理人室にいる朱雀に声を掛け、2人で表に出てみた。それで外に出てみると、2〜3歳のヒグマである。瀕死の状態で苦しみ暴れているので、千里はトドメを刺して楽にしてあげた。
 
「あ、キツネ」
と朱雀が言う。見るとまだ子供のキタキツネが“落ちている”。
 
「ヒグマにやられたのかな」
と言って見ると爪を掛けられたようで結構出血している。しかし千里が近づいた時、キツネは前足を少し動かした。
 
「まだ生きてる」
と言って拾い上げる。
 
「びゃくちゃん」
と白虎を呼ぶ。
 
「この子、助かると思う?」
「大きな血管は切ってない。助けようと思えば助かるかも知れないけど、今の段階では何とも言えない」
「止血できる?」
「貸して」
と言って、白虎はそのキツネを抱くと、止血をしてあげたようだ。ついでに何か薬を塗っている。
 
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「血は止めたから看病すれば助かる可能性はある。保証はできないけど」
「ありがとう!ちなみにエキノコックスは?」
「罹ってないと思う」
「良かった」
「ほかの伝染病はすぐには分からない。千里がその子を看病するならこれから検査するけど」
「お願い」
「その検査が終わるまでは他のキツネとは接触させないこと」
「了解」
 

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千里は九重を呼び、ヒグマの血抜きをしてくれるよう頼んだ。そして子ギツネを抱いて室内に戻る。
 
「ヒグマだったよ。また明日は焼肉かな」
「結構クマ肉がやみつきになって来つつある」
と清香が言っていた。
 
「その子は?」
「ヒグマにやられたみたい。でもまだ息がある。看病してみる」
「へー」
「私あがるから、みんなは練習続けて」
 

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それで千里は、子ギツネを管理人室に寝かせ、朱雀に見ていてもらう間にシャワーを浴びて着替えた、管理人室に戻ると白虎が色々検査してくれているようだ。検査結果は30分くらいで判明する。
 
「特に変な病気・寄生虫にはやられてない」
「良かった」
「生き延びた場合でも、たぶん明日の朝くらいまでは意識は戻らないと思う」
「私ずっと付いてるよ」
「何かあったら呼んで。役に立つかどうかは分からないけど」
と言って白虎はいったん姿を消した。
 
剣道の練習のほうは16時で終了し、みんな迎えに来た保護者の車で帰っていく。沙苗が心配そうに
 
「無理しないでね」
と言って帰って行った。
 

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みんなが帰ったのでオンドル(床暖房)の火も落とし、管理人室と、すーちゃん・てんちゃんが寝る宿泊室だけの電気暖房に切り替える。千里はこの日、ずっと子ギツネの傍に付いていた。
 
なお村山家のほうは、いつものようにコリンが千里の振りをして夕飯だけ作ってくれたはずである。千里が村山家に夜中居ないのは通常になっているので、母たちも気にしない。
 
早川ラボに泊まった千里(千里R)は、だいたい1時間半単位で目を覚ます度にキツネの様子を伺っていた。紙コップに水を組んでスポイトで水を飲ませてあげると一応飲んでいるようである。夜中少し熱が出ていたので、冷却剤を額に載せてあげた。
 
明け方、子キツネは目を覚ました。
 
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千里は「源ちゃん!」と源次を呼んだ。彼は5分ほどでやってきた。
 

「可愛い女の子ですね」
と源次は言った。
 
「女の子なんだ!」
「ですよ。小っちゃいからぼくの恋愛対象ではないけど」
 
「この子と少し話してくれる?この付近の子かなあ」
 
それで源次がその子と少し話しているようだ。源次がこちらにキツネ語?を通訳してくれる。
 
「旭岳の生まれらしいです。年齢は1〜2歳だと思うけど、自分でもよくは分からないって。もう親離れしてるって」
 
旭岳?なぜ旭岳で生まれたメスのキツネがこんな所に居る?オスなら移動するのも分かるけど。しかし千里は旭岳ということから、あることを連想した。
 
「ね。君もしかして人間の言葉分からない?」
と千里はキツネに語り掛けた。
 
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するとキツネは戸惑うような顔をしている?
 
「このお姉さんは大丈夫だよ」
と源次が言った感じである。すると子ギツネはホッとしたように
 
「助けて下さってありがとうございます」
と人間語で話した。
 
それでこの子は“一族”の者であることが判明した。
 

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「私は“ちさと”。君名前ある?」
「お母ちゃんからは“いと”と呼ばれてました」
「へー。いとちゃんか。可愛い名前だね」
と千里が言うと、照れているようだ。
 
「でも君旭岳の生まれなら、なんでこんな遠い所まで来たの?」
 
「実は人間の女の子が私を拾ってペットとして飼っていたんです。私は普通のキツネの振りをしていたんですけど、その子、お母さんに叱られて、この山に捨てられました。知らない土地でどうしよう?と思ってた時にクマに襲われて、でもクマは何か罠にかかったみたいで」
 
旭岳の周辺ではA大神の主導で一昨年の春から、エキノコックスの駆除薬入りの餌を撒いたりしている。また大神の眷属が“一族”の長老たちと話し、エキノコックスの中間宿主となるネズミやリスを“生では”食べないように指導している。それで今、あの付近も留萌周辺同様、エキノコックスの罹患率が低下し始めているはずだ。特に“一族”の罹患率は低いだろう。それでこの子も無事だったのだろう。
 
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「そのクマは倒したよ」
「クマを倒せるって凄いですね」
「このお姉さんは強いよ。龍にだって勝てるから」
「すごーい!!」
 

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寄生虫や感染症には罹ってないということだったので、取り敢えず小春の家に移すことにした。千里がその子を左手で抱いて、右手で源次と手をつなぎ、千里は小春の家に瞬間移動した。
 
「わっ」
と源次が驚いている。“いと”も驚いている。
 
「小春ちゃん留守だし、納戸を使わせてもらおう」
と千里は言って千里は小春の納戸の荷物を出して、そこに30cm×30cmのカーペット(100円ショップで買ったものが小春の部屋に落ちていたので借りた)を敷いて“いと”を寝せる。千里は自分の肩掛け(100円ショップもの!)を彼女の身体に掛けてあげた。
 

↑の小春側(東側)の納戸(SR)に“いと”を寝せた。
 
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早川ラボの冷蔵庫に入っていた“北海道チーズ蒸しケーキ”を小さくしてあげたら美味しそうに食べていた。水も紙コップに注いでストローを付けてあげたら飲んでいた。“一族”の者なので、ストローの使い方は当然分かる。でも今は立ち上がったり、人間態に変身するパワーは無いようである。
 
「源ちゃん、この子の体力が回復するまでしばらく面倒見ててあげられない?」
「いいですよ。小町もこんな小さな子には嫉妬しないと思うし」
 

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女子中学生・冬の旅(5)

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