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■夏の日の想い出・点と線(9)

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(C) Eriki Kawaguchi 2020-01-19
 
カウントダウンから「Happy New Year!」の声とともに鈴も割られ、新しい年がスタートした。演奏が再開される。
 
酒向さんのハイテンポのタムの音が響き『雪を割る鈴』の後半がスタートする。桜木ワルツと山下ルンバのダンスもハイテンポの動きになる。バラライカやバヤンもそれに合わせた早いメロディーやリズムを奏でる。そして私とマリも熱唱する。Cメロ、Cメロ、2サビ、Cメロ、と演奏して最後は「ダン!」と“バンド・ヒット”で終了する。
 
「さて2020年も明けましたが、今年は皆さんにとって良い年てあるといいですね。それでは新年に向けて1月29日発売のアルバム『十二月』から1月の歌『時の鏡』」
 
私はアリーナを向き、マリはシアターを向いて背中合わせに立つ。
ヴァイオリニストの生方さんと富永さんが背中合わせに立つ。
フルートを持った七星さんと鮎川ゆまが背中合わせに立つ。
マリンバをスタッフが押して移動させ、グランドピアノを弾く詩津紅
と背中合わせの位置に月岡さんが立てるようにする。
 
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それで一段高い所にいる酒向さんのドラムスのビートに合わせて演奏がスタートする。私とマリ、生方さんと富永さん、七星さんとゆまは時々半回転して逆向きになるが、背中合わせの状態はキープしている。
 
楽曲は普通にAメロBメロAメロBメロサビ、Aメロサビ、サビ変奏、CメロAメロBメロと進む。そしてコーダになった所で私とマリが向き合い、生方さんと富永さんが向き合い、七星さんとゆまが向き合い、そしてピアノを弾く詩津紅とマリンバを弾く月岡さんが向き合った!
 
実はマリンバを乗せた部分の床が回転するようになっており、それで詩津紅の向こう側まで移動したのである。
 
この仕掛けには観客は大いに驚いたようで、物凄い歓声があがっていた実は結構な加速度で移動する月岡さんはアンイージーなのだが、場内の歓声に応えて頑張って手を振っていた。
 
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ここはマリンバ・ピアノ双方を“自転”(rotation)させる案もあった
のだが、グランドピアノが重すぎてスムーズに回転させるのが大変だということになり、マリンバをぐるっとピアノの周りに“公転”(revolution)させる方法になったのである。ここでスタインウェイD-274は480kg 一方Yamaha YM-6100は107kgである。ついでに詩津紅の体重は書いたら叱られるが実は56kg, 月岡さんの体重は72kgである。つまり536kgを自転させるより179kgを公転させるほうが楽という選択になった。この回転機構は本来のステージの上に乗せた"Double Surface"に作り込まれている。セリと周囲の回転機構は元々のステージ自体に作り付けられた機構である。
 
私は観客に向かって話す。
 
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「本来はここでいったん私たちは退場して、アンコールを頂いた場合はまた演奏する所なのですが、地元との話し合いで0:20までにメインスピーカーを落とす必要があります。それでこの後はアンコール代わりに2曲演奏してそれで完全終了とさせて頂きたいと思います。まずは『影たちの夜』」
 
大きな歓声と拍手があがり、最初の方だけ出番があって、その後早々に休んでいる和楽器奏者を除いた全演奏者が出てくる。酒向さんのドラムスに続いて始まった演奏に合わせてみんな踊り出す。客席でも踊っている人がたくさんいる。
 
アンコールとして恒例になっている曲である。私とマリも踊りながら歌う。
 
そして興奮の中で曲は終了。全ての伴奏者が退場する。酒向さんも一段高くなっている所からステップを降りて退場する。
 
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ステージに残ったのは私とマリだけである。私がグランドピアノの前に座り、その左側にマリが立つ。
 
最後の曲『あの夏の日』を演奏する。
 
ずっと立って声援を送ったり手拍子をしたり踊っていたアリーナの観客も着席する。そしてじっとこの曲を静かに聴いてくれる。2007年夏・伊豆のキャンプ場に始まるローズ+リリーの12年半の思いが一気に駈け抜けていく。まぶたが熱くあり涙も浮かぶ。そんな私の顔をマリは不思議そうな表情で見ている。
 
そして終曲。
 
最後のピアノの和音が減衰して消えて行く。そして消え終わった所で、マリは私の唇にキスをした。
 
「きゃー!」
という歓声が会場に響く。
 
私は立ち上がり、マリと一緒にまずはシアター側にお辞儀をし、振り返ってアリーナ側にお辞儀をした。
 
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それで両側の緞帳が下りていく。私たちは両手でシアターとアリーナの両方に手を振り続けた。
 

緞帳が降りてしまって所で川崎ゆりこのアナウンスが入る。
 
「本日の公演はこれをもちまして完全に終了しました。なお、観客の皆様は今しばらくそのまま座ったままお待ちください。係員が誘導致します。例によって前方10列以外は、近い宿泊地に行かれますお客様が元々近くの席にお座り頂いております。係員が行き先ごとに誘導しますので、それまでその場を離れないようにお願いします。本日はローズ+リリーのカウントダウン&ニューイヤー・フラっシュにご来場頂き、ありがとうございました。お帰りになる際、バッグ、スマホ、双眼鏡、メガネ、グッズやパンフレット、傘、お玉など、お忘れ物の無いよう、お気を付けください。ゴミは座席に放置せず、各自持って会場出口の所に置いてありますゴミ入れに種類別に入れて下さいますようご協力をお願いします」
 
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これでメインスピーカーはオフにする。なお係員はかならず言葉とプラカードで誘導する。これは似た音の地名(高浜町と美浜町/あわら温泉と有馬温泉など)の勘違いを避けるためと、耳の不自由な観客が迷わないようにするためである。耳が不自由であまり音楽自体を聞くことができなくても雰囲気を楽しむためにライブに来場するお客様は実はわりといるのである。そしてこれだけ気をつけて誘導しても違う宿泊場所に行ってしまうお客様は毎年一定数発生しているので、それは各々の現地で処理するように枠には元々余裕を持たせている(最悪は従業員用の宿泊スペースに泊めて対応したようなケースもある)。
 

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各温泉地や近隣の民宿、また敦賀や京都・大津・大阪など都市のホテルへのバスに客を乗せるまでにだいたい40分ほど掛かっている。藍小浜や小浜ラボに泊まる客は既に各々の休む場所に移動している。残っているのはこのミューズアリーナ自体に泊まる客である。
 
この客には全員いったんミューズシアター側に移動してもらう。移動式座席が折りたたまれ、各々スタッフが運転席に乗って運転し、フロアから出て行く。この作業は15分ほどで終了する。代わりに15台もの2tトラックが入ってくる。
 
ここでアリーナがトラックやスタッフ以外無人であるのを確認して、フロアを7m上げる。この移動に大きな歓声が起きていた。
 
そして女性客は“既に簡易ベッドが並べられている”1Fアリーナの各々指定された場所のベッドに誘導される。これが1:15くらい。ライブが終わってから1時間弱経っている。
 
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そして床が上昇した2Fでは簡易ベッドの設置作業が始まる。
 
ベッドは2tトラックからどんどん投下していき、“地上班”が次々と開いていく。1個あたり10秒程度で組めるので15班(運転者+投下2人・組立4人)に分けて6000個のベッドを30-40分程度で組み立て終えることができる。夏にも見たが壮観である。奄美の日食(2009)で大量の簡易ベッドを並べた近ツーの人が計画と指揮をしてくれた。2tトラック1台には約200個の簡易ベッド(畳んで100x24x15cm程度)が積めるので、ミューズタウンの倉庫に1度だけ取りに行けばよい(サイドタウンの荷運び用エレベータは4tトラックまで昇降できる)。
 
1階部分の簡易ベッドは前日の内に全部並べていた。前日に床を上げてベッドを並べ、床を(ベッドを潰さない高さまで)下げてライブを実施している。前日に1Fに並べるのが当日の作業の練習にもなっている。なお、ベッドの“投下”作業が終わったところで、まだ組み立ては終わっていなくてもお客さんにはフロアに入ってよいことにした。そして自分の番号のベッドの所に行き、まだベッドが組み立てられていなかったら自分で組み立ててもよいことにしたのである。
 
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それで多くの男性客が1:40くらいまでには寝ることができた。実は夏にアクアのイベントをした時には2Fが女性客で1Fが男性客だったのだが、結果的に女性客を長時間待たせることになってしまった。その反省から今回は男女を逆転させることにした。加えて男性客なら多くが自分でベッドを組み立てられる。女性客だとこれがあまり期待できないし、組立てをするスタッフも女性のみ使うことになるので、どうしても男性スタッフより時間が掛かった。結果的に寝られるまでの時間が長くなって、夏は女性客が全員寝られたのは2時過ぎだった。それが今回は男女逆転させることで30分近く短縮することができた。
 
実は夏の時は1Fには前日にベッドを並べておくことができることに前日の夕方になって気づいて、それから大量人数動員して並べたような有様だった。人手が足りないのでミューズタウンに居た建設作業員まで動員した。
 
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私たち演奏者はライブが終わった後、地下の本控室から車でミューズセンターに運んでもらい、まずはパーティールームに入って打ち上げをする。そのまま部屋に行って寝るという人にはお弁当とお茶(希望者にはお酒)を渡すが、お弁当を朝食べるという人には冷蔵庫に入れておき、朝は各部屋についている電子レンジでチンして食べるよう言っておく。今の時期は暖房をかけているので、暖房のきいた室内に放置しておくと危険である。万一放置してしまった場合は絶対食べないように念をおしておく(朝御飯も別途提供する)。
 
打ち上げは今回も来てくださった小浜市議さんに音頭をとってもらって乾杯した後は、自由に飲み食い・歓談してくださいということにする。私もマリも30分ほどで引き上げさせてもらったが、近藤さんや鷹野さん、ゆまなどは朝まで飲み明かしたようである。
 
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仙台。
 
クレールではTKRのアーティストさんたちによるオールナイトライブが、12月31日の夕方から1月1日の朝まで行われ、メイドを18-22時班、22-2時班、2-6時班の3組に分けて対応した。和美は不在だが、チーフのマキコがしっかりしているし、“店長代行”照葉と“社長代行”梓も交替で付いていてくれたので問題無く運用できた。更には出産明けで少し暇になってきたなどと言って初代チーフのライムが顔見せに来ていたのをこれ幸いと徴用して、マキコが休んでいる時間に代わりに入ってもらったら、さすが信頼感があるし、料理も上手いし、カフェラテのラテアートも美しく作るので、まだ1年目のメイドから歓声があがっていた(赤ちゃん連れで来ていたので、赤ちゃんは“会長”と呼ばれている伊藤春洋が面倒を見ていた。実はライムの旦那で和実や伊藤君の元同級生・小野寺晃敬も運転手兼任で来ていたのだが、彼は力仕事でさんざんこき使われた後、ライブを聞きながら座席で眠り込んでいた:ビールが欲しいと言ってここはアルコール禁止と言われていた)。
 
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1月1-2日は臨時休業にし3日の信濃町ガールズ定演から営業再開する。和実は1月1日の夕方戻って来て、和実を待っていたライムと少し話したが、主婦の特性で日中が割と暇らしく、育児費用も掛かるので平日のお昼時を中心にシフトを入れようかなどという話をした。初期メンバーのリズや小浜に行ってきたルシアともかなり話し込んでいたようである。
 
信濃町ガールズの定演はアクアのツアーに帯同しているメンバーも多いため、この日は主として小学生のメンバーや東北・北関東地区在住のメンバーで構成していた。1月4日もTKRのアーティストのライブがあった。
 

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1月4日は5組のアーティストが出演する予定だった。
 
トップバッターで音大生女子が友人にピアノ伴奏してもらってヴァイオリンでE-girls/Flowerの曲を演奏した後、40代の高校教師(彼は副職禁止規定でギャラを受け取れないので、ギャラは震災復興基金に寄付)がギター弾き語りで1970年代のフォーク(吉田拓郎・風・グレープ・かぐや姫など)を歌った。3番手は男子大学生4人組メタルバンドの演奏で自分たちのオリジナル曲を演奏したが、演奏水準が高いので、かなり好評だった。4番目に女子高校生のデュオがマイナス1音源でアクアの歌を歌った後、5組目は弦楽四重奏が入る予定だった。
 
ところが・・・
 
「来てない?」
「連絡して」
 
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それで連絡してみると日付を勘違いしていて、来週だと思い込んでいたらしい。盛岡在住なので、むろん間に合わない。
 
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夏の日の想い出・点と線(9)

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