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■夏の日の想い出・男の子女の子(11)

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龍虎は起き上がると布団をめくってパンティを探した。彩佳のヌードが目に飛び込んでくるが、気にしないことにする。パンティは布団の下の方にあったので、それを穿く。彩佳が用意してくれていた可愛いセーターも着る。
 
「寒いから、私のコート着ていきなよ。今度返してくれたらいいし」
「そうする。借りるね」
と言って、彩佳のピンクのダウンコートを借りる。
 
「じゃ玄関までお見送り」
「うん」
 
それで龍虎は玄関で彩佳と握手して別れた。彩佳は最後まで裸のままだった。龍虎が玄関の外から「ちゃんと鍵掛けてね」と言うと、鍵を掛ける音がする。
 
「じゃおやすみ」
「おやすみ。気をつけて帰ってね」
と声を掛け合ってから、龍虎は懐中電灯をつけ、自宅への道を戻った。
 
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自宅に戻ると、母はまだ帰宅していなかった。ちょっとホッとする。保護者との話し合いがきっと長時間になっているのだろう。学校の先生って大変だなと思う。
 
パジャマに着替えて寝ることにする。セーターとブラウス、スカートを脱ぎ、パジャマを着てから服を畳む。寝る前にトイレに行く。むろん龍虎は座っておしっこをするのだが、おしっこの出る感覚がここ1ヶ月ほど体験していたのとまるで違うので、かえって変な違和感を覚えた。
 
あれも悪くなかったけどなあ・・・・
 
布団を敷いて寝る。
 
ボク、その内、本当に女の子になりたいと思うようになったりしないよね?と龍虎は自分自身に不安を感じた。
 
だってみんなボクを唆すんだもん。
 
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女の子の服を着るのは好きだけどね、などと考えている内に、いつの間にか眠っていた。夢の中で龍虎はセーラー服を着て学校に出て行っていた。
 

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1月5日の福岡公演が終わった翌日、政子は福岡で食べ歩きしたいと言っていたので、風花にお世話をお願いして私はひとりで帰京するが、東京までは戻らず、新横浜で降りて市内の料亭に行き、アクアのデビューCDの件で打ち合わせた。これに出席したのは、上島先生と霧島鮎子(日野ソナタ)、醍醐春海(千里)と私、それに町添部長であった。アクアのプロデューサーであるコスモスも本来は出席すべき所なのだが、自分のライブがあるので出られず、私に「よろしく」と言われた。どうも私は結果的にアクアのサブ・プロデューサー的になっているような気がしてくる。
 
1月9日には今年の震災復興支援イベントの詳細が発表されたが、アクアがGolden Sixと一緒に前座に出ることになって、アクア人気でチケットはあっという間に売り切れてしまい、追加発売の発表も行われた。
 
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会場は最大8万人入るのだが、そんなに売れるとは思えなかったので5万人で席を設置する予定だった。しかしチケットが1時間半で売り切れてしまったことから、あらためて3万枚の追加発売をすることにしたのである。実際にはその3万枚も1時間で売り切れてしまった。
 

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1/6の打ち合わせに出てきた千里もここ数日物凄い忙しさだったようである。
 
12/30に大学に行っていて就職先を紹介され、面接に行ったら採用されてしまう。とりあえずRC大賞の授賞式に出席した後、友人の車に同乗して、12/31夜の青函フェリーで北海道に入る。1/1にローズ+リリーの札幌公演の楽屋に顔を出した後、旭川に行って就職に必要な保証人のハンコをもらう。2日は朝から旭川518-643札幌730-1113函館1119-1328新青森1352-1704東京、と乗り継いで東京に戻り、2日夜から3日朝に掛けて高岡さんたちの慰霊会に参加。そのまま私たちをローズ+リリーの公演がある名古屋まで送ってくれた。
 
その後(たぶん大阪の彼氏に会った後)東京に戻って、1/5に誓約書を提出に会社に出て行ったら、サーバーのデータが飛んだとかで、ソースリストからプログラムを入力しなおす作業にかり出され、1/6昼までその作業を続けた。そしてその後、6日の横浜のアクアのCDに関する打ち合わせに出席している。その後、インプで高岡まで走って桃香の実家に行き、10-11日には青葉の仕事に付き合って秋田まで往復してきたらしい。
 
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18日に千葉に戻ったものの、先日遭遇した茨城S学園の篠原監督に呼ばれて水戸に行ったら、そこで帰りに雨宮先生につかまり、自分のインプは水戸市内に置いたまま、雨宮先生の車(Ferrari 612 Scaglietti)を運転して都内に戻る。そして居酒屋で何やら怪しい計画の話を聞かされたあげく、★★レコードに寄ってから私のマンションにやってきた。
 

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そしてその千里が来る直前、高岡にいる青葉から電話が入る。
 
「ケイさん、絶対に今夜は運転をしないでください」
 
誰かが私に呪いを掛けたというのである。ところが私はその夜、フィールダーを運転して政子と一緒に神戸に移動する予定であった。
 
それで青葉は千里に代わって運転して欲しいと言ったものの、千里はさっき雨宮先生とお酒を飲んでいたので運転できないと言う。
 
そこで政子が「私が運転してあげるよ」と言って、夜中に千里が酔いが覚めた時点で交代することにして、私たちは3人でフィールダーに乗って出かけた。
 

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政子は免許を取った後、まだ都内を少し運転している程度で、こんな長距離の運転は初体験であった。首都高に乗ってしまったものの、うまく必要な所で分岐することができず、東名高速に乗るため東京ICに行きたかったのに、関越との接続ポイントである練馬ICに行ってしまった。
 
仕方無いので、そこから圏央道経由で中央道に行き、中央道を通って神戸を目指すことにする(圏央道で東名まで行けるようになったのはこの年の6/28)。この日の中央道は雪が降っており、結構積雪している箇所があった。
 
23:13。政子の運転するフィールダーが雪で左側にスリップ。焦った政子は右にハンドルを切り、車をスピンさせてしまう。私が気付いた時は、フィールダーは道路外の草の上で逆さまになって炎上しており、千里が政子を抱いて立っていた。
 
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千里が青葉と連絡を取ると、この事故は呪いとは無関係!だという。
 
そして事故が起きたのが、呪いの成就する直前であったので、呪いは目標を見失って術者に戻って行ったと青葉は言った。
 

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青葉との電話を切ると千里は
 
「呪いは青葉がうまく処理してくれたみたいだし、私たちは神戸に向かおうか」
と言った。
 
「どうやって?」
と私は尋ねる。朝までに神戸に行かねばならないのだが、フィールダーは炎上している。ところが千里は
 
「その車を私と冬で押せば道路まで戻せると思うんだ」
 
と言う。その時、私は信じがたいものを見た。今フィールダーは逆さまになって炎上していたと思ったのに、ふつうに屋根を上にしていて炎上もしていない。私は不可解ではあったものの、政子を運転席に座らせ、私と千里で押すのと同時に政子がアクセルを踏む。
 
それで車は何とか路肩まで戻り、その後は千里の運転で私たちは神戸に行った。
 
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青葉が朝一番の特急で神戸に出てきてくれて、呪いが解除されていることを再確認してくれた。
 
私たちがイベント終了後、帰ろうとしていたら★★レコードから緊急に会いたいという連絡が入る。そこで私と政子は車の回送を千里と青葉に頼み、新幹線で東京に戻った。
 
ところがその帰る途中、不酸卑惨のメンバーが乗る車が東北道で横転。リーダーのネズダベとボーカルのゴキガバが死亡したという情報が入る。
 
そして★★レコードの会議室で私は、ネズダベが死亡直前に書き込んだブログの内容を見て戦慄を覚えた。彼が私たち、および先月死亡した作曲家の本坂伸輔さんに呪いを掛けたことを事実上公言する内容だったのである。なおその書き込みは書き込まれてすぐに、彼らの書き込みを監視していた事務所のスタッフにより削除されていて、見た人もほとんどいなかった。
 
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そして★★レコードはあらためて同社の音楽作品に寄与している作曲家の貢献比率を計算してみた所、概算だが、上島先生、私とマリ、後藤正俊さん、田中晶星さん、葵照子&醍醐春海、スイート・ヴァニラズ、という6組で実に同社の売り上げの9割を占めていることが判明したと言われた。
 
それで、その6組の誰かに万一のことがあれば★★レコードに大きな打撃があるというので、専用ドライバーを無償で付けて交通事故の予防をしたいという話があったのである。
 
むろん私たちが自分たちで運転するのは構わないが、少しでも疲れていると思ったら、遠慮無く呼び出して欲しいと言われた。
 
それで私たちに大きく関わることになったのが、マリ&ケイ第1優先ドライバーの佐良しのぶさんと、葵照子&醍醐春海の第1優先ドライバー矢鳴美里さんであった。
 
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『ときめき病院物語』の撮影は、1月17日に第3〜4回目、24日には第5〜6回目の撮影が行われ、24日はマリとケイも撮影現場を訪れ、セーラー服姿のアクアの姿にマリが異様に喜んでいた。
 
25日(日)デビューCDの『白い情熱Nursesrun』の録音作業が何とか完了して夕方4時頃、帰宅すると、母が
 
「頼んでいたセーラー服が出来たって連絡があったから取りに行ってきたよ」
と言う。
 
夏恋が頼んでくれたものである。
 
「わあ」
と嬉しそうな声をあげて箱を開ける。
 
「着てみる?」
と笑顔で母が言うので、身につけてみた。
 
気持ちの問題で、自室に行って、下着を女の子下着に交換してくる。ブラウス(元々持ってる)まで着てから居間に出てきた。
 
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制服のスカートを穿き、上着を着ると、何だかドキドキする。
 
セーラー服は写真集・ビデオの撮影でも着たし、ドラマの撮影でもたくさん着ているが、今着ているのは「自分のセーラー服」だと思うと、何だか半ばいけないことでもしているような気分になって、妙に心臓が高鳴るのである。
 
ボクにおちんちんがまだ付いてたら、大っきくなっちゃってた所かな?と思ってから、あれ?ボクおちんちんあったっけ?と不確かになった。後でトイレに行って確認しよう、などと考える。
 

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「これリボンの結び方が分からない」
「うーん」
 
と言って母が見てくれたものの、母もアクアの学校の女子制服はよく見ていなかったということで、分からないようである。
 
「彩佳ちゃんに聞いてみる?」
「そうだなあ。ちょっと恥ずかしいけど聞いてみよう」
 
ということで、龍虎が彩佳に電話して、実は学校の制服のセーラー服を買っちゃったんだけど、リボンの結び方を教えて欲しいと言うと、何だか嬉しそう?な声を挙げて、すぐに来てくれた。自分の制服も持参している。
 
「可愛い!凄く似合ってる。どこからどう見ても立派な女子中学生だよ」
と彩佳に言われて、龍虎は真っ赤になった。
 
「これはこうやって結ぶんだよ」
と言ってまずは手本を見せてくれたので、龍虎は真似してやってみる。最初はなかなかきれいな形にならなかったものの、数回挑戦している内に結構良い形になってきた。
 
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「これ練習しないときれいにならないみたい」
「そうそう。みんなも最初はうまく結べなかったんだよ。お姉さんとか居る子は最初やってもらっていたみたい」
「なるほどー」
 

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「でもとうとうセーラー服で通学することにしたの?」
「いや、そういう訳ではないんだけどね」
 
と言って、夏恋(彩佳も知っている)が、セーラー服を買ってあげるよと言って、龍虎は嫌がったものの、買ってくれたのだと説明する。
 
「嘘はついてはいけないなあ。嫌がったりはしなかったでしょ?」
「えっと・・・」
「だって、龍、明らかに嬉しそうにセーラー服着てる」
「そうかな?」
「龍がセーラー服着て学校に出てきても、誰も変に思わないと思うよ。明日からそれで出てきなよ」
 
「え〜?どうしよう?」
と龍虎は真剣に悩んでしまった。
 
「取り敢えず今日はこの格好で一緒にお出かけしようよ」
「え〜?」
 
「まだ時間いいですよね?」
と彩佳が龍虎の母に訊く。
 
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「まあ7時頃までには帰るのであれば」
「だってよ」
「でも・・・」
 
「だってスカート穿いて外出なんて、龍、日常茶飯事じゃん」
「それはそうだけど」
「宏恵も呼んじゃおう」
「え〜〜〜!?」
 
彩佳はスマホを取り出すと友人の宏恵を呼び出していた。
 

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