【夏の日の想い出・いろはに金平糖】(6)

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1月10日夜以来、柴田数紀(水森ビーナ)は、天羽家で過ごすようになったのだが、最初に「いいなあ」と思ったのが、家族みんなで食事をすることだった。
 
東京に出て来て以来、8ヶ月間、コロナの問題もあり、また帰宅が深夜になることが多いのもあり、ひとりで朝夕のご飯を食べるのが続いていた(お昼はだいたいマネージャーさんと一緒に食べる)。それがここでは朝夕も姉の邦江(高崎ひろか)・飛鳥(松梨詩恩)および、邦江たちの母・亜矢子と一緒に、わいわい言いながらご飯を食べるので、最初は涙が出て
 
「どうしたの?」
と亜矢子さんに言われたほどだった。
 
↓関係図(再掲)

 
もっとも、女ばかりの家族で暮らしていると、悩みもある。数紀が特に閉口しているのは、姉の飛鳥(松梨詩恩)がお風呂に入った後、裸で部屋の中をうろつくことである(邦江姉はちゃんと脱衣場で最低でも下着を着けて出てくる)。
 
「飛鳥姉ちゃん、服着てよぉ」
「別にいいじゃん。女の子同士なんだし」
と言って、真っ裸、あるいはパンティだけでテレビを見ていたりするので、数紀は目のやり場に困る思いだった。
 
(飛鳥は汗かき体質なので、お風呂からあがってすぐ服を着ると30分後に再度着替える羽目になる。それで少し涼んでから服を着るのが習慣になっている)
 
ちなみに数紀は既に女性不感症になっているので、女性の裸を見ても何も感じないし、女子のクラスメイトや共演している女性タレントさん、信濃町ガールズの子などからハグされても変な反応は起きない(男性の裸を見ても何も感じない、念のため)。実際、水谷姉妹などから抱きつかれて、おっぱいを揉まれたりするのは日常茶飯事である!水谷姉妹や山本コリンなどは数紀が既に性転換済みと思っている。
 

2月1日(火・なる).
 
年明けから改造工事にかかっていた、月乃岬(東雲はるこ)の実家のピアノ室の工事が完了した。新しいピアノ室にピアノが戻され、再調律もしてもらった。
 
(工事中は庭に建てた仮設の部屋にヤマハの“防音室”を入れて、その中に退避させていた:実はこの“防音室”はアクアのマンションでピアノルームを作ったことにより不要になったものを、こうちゃんが運んできたものである)
 
「空間が凄く広くなった」
「4m掘り下げましたからね」
 
実は地面を4m掘り下げたので、4m+床の高さ0.5m+元々の天井高2.5m=7mの天井高の部屋に生まれ変わったのである。
 
隣接するリビングからは、階段を20段降りるか、サービス?で設置してくれた1人用の小型エレベータで降りるかである。このエレベータは降りる時は重力を利用するので電気を使わない!(しかも発生したエネルギーをキャパシタに蓄える)昇る時だけ電気を使うという省エネ設計である。
 
天井や壁は、青葉邸と同様に、防音板から5cm離して杉材で音響用の壁を作りこんでおり、ミニサロン的な音響になっていて、岬の母・温子は感動していた。
 
杉は青葉邸で使われているアテ(ヒバ)より少し柔らかい感じの音響になりやすい。複雑な反響を生み出すため、青葉邸と同様のレリーフを刻んでいる。自動開閉するカーテンにより、残響時間の調整ができるようにもしていた。
 
岬の姉・梓も
「凄くいい感じ。以前の部屋は少し反響がきついかなと思ってた」
と言って、受験勉強の合間によくピアノを弾いていた。
 
梓は4月からは金沢市内の大学に進学したい!ので、合格して金沢に引っ越すとなかなかこのピアノを弾けなくなってしまう。岬は
 
「クラビノーバを1個プレゼントするよ」
 
と言っていたので、それに甘えようかなと思っている。梓は茜の姉・翠ほどのピアノの腕は無いので、音楽系の大学への進学はとても考えられなかったものの、ピアノを弾くのは好きなので、ずっと弾いていきたいと思っている。
 

ところで『シンドルバッド2』の件はこのように進行した。
 
『魅惑の美少女シンデレラ・シンドルバッド』は、昨年7〜10月に放送された。元々が6月に放送されたアクア主演『シンデレラ』からのスピンオフ作品である。
 
放送局としては『シンデレラ』を演じたアクアに主演して欲しかったが、とてもスケジュールが取れないので、恋珠ルビーが主演することになり、アシスタント役として水森ビーナが起用された。主な配役は下記であった。
 
シンドルバッド(シンデレラ)恋珠ルビー
ヨンドル(シンデレラの参謀)松田理史
ハンドル(古参の船員)佐々木恒美
ティスビア(シンデレラの姉)岡原襟花
ニャンドル(シンデレラの小間使い)水森ビーナ
 
(劇中、ルビーはほとんどの時間男装しており、ビーナは女装している:メイド衣裳が可愛いのでファンが増えた。シンデレラが“出動”する時、ルビーが女装してガラスの靴を履き、ビーナは男装してシンドルの代理をする。この番組では、ルビーの女装は特撮番組の変身に相当する)
 
視聴率もそこそこ取れたことから、続編を作ろうという空気はあったものの、テレビ局では様々な企画が動いているので、なかなか具体化しなかった。
 
ところが、紅白歌合戦で、ルビーがCAT sistersのメンバーとして常滑舞音のバックで踊ったことから、ルビーにも注目が集まり、それでツタヤなどで『シンドルバッド』のDVDを借りて見た人たちがテレビ局に続編放送のリクエストをした。その反応を見て、放送局の首脳部は鳥山渚プロデューサーに続編制作の指令を出したのである。脚本は、前回同様、横沢零花さんが書いてくれることになった。鳥山渚は『昔話シリーズ』の続演の制作も指示されており、しばらくは、かなり多忙な状態になることが予想された。
 
シンドルバッド撮影に際して撮影に必要な物を揃えていく。
 
前回登場した、女装のシンデレラが“パーティー会場”に行く時に使用する、直列6気筒エンジン搭載のベンツ S450 については前回この車を貸してくれた、カーマニアの矢川泰治さんが再度貸してくれることになった。
 
困ったのが船の撮影である。
 

前回の撮影では、鳥山が『シンデレラ』撮影のために制作したガレオン船(見積もりが5000万円だったのを500万円と読み違えて発注してしまったもの)を使用して撮影したが、その船は設置していた場所を返却しなければならなかったので『十五少年漂流記』の撮影で解体してしまった。
 
今回船に乗るシーンをどうしようかと悩んだ。さすがに再度5000万円掛けて作るわけにはいかない(またやったら今度は首程度では済まず訴えられる)ので、なんとか700-800万円程度でセットが作れないか大道具係さんに相談してみた。しかし、マストに登ったりする演技があるなら、しっヵり作る必要もあり、結構な費用が掛かると言われる。また、前回は船は屋外にあったため、雨が降ったり風が強いと撮影できないこともあった。その問題をどうするか悩んだ。特に今回は撮影が梅雨にぶつかるので、ひじょうにやばい。
 
その時、鳥山は§§ミュージックが八犬伝を天候に左右されずに撮影するため春日部に天候シミュレーションできる大スタジオを建設していたということを思い出したのである。それで鳥山はコスモスに面会を求めた。
 

「大型時代劇の撮影は秋になりますから、夏までだったら使ってもいいですよ」
「助かります。それであのスタジオの中に、船のセットを作りたいと思うんですけど、できるだけ安く作るうまい手とか無いもんでしょうかね」
 
コスモスは少し考えていた。コスモスがこういうケースで即答せずに何か考えている時というのは、思いついたものの、その影響を様々な角度から検討している時である。コスモスは電話を掛けた。
 
「ハロー、若葉ちゃん、少しお金を減らせそうな案件があるんだけど乗らない?やる?じゃ、テレビ局のプロデューサーさんと打合せして欲しいんだけど、今どこに居るの?沖縄なんだ!いつ東京に戻る?ああ、来週ね。ちょっと電話代わるね」
 
と言ってスマホをいったん保留にする。
 
「ムーランの山吹社長がたぶん自分でお金を出して作ってくれます。彼女はお金が減る事が大好きだから、5000万くらい掛けて船を1つ作るなんて話には喜んで乗ると思うので、少し話合ってもらえませんか」
 
「お金が減ることが好きなんですか!?」
「お金がありすぎて困っているらしいので」
 
鳥山はコスモスのスマホを預かると若葉と話した。
 
それで結局春日部のスタジオに“隣接して”、屋根付きのガレオン船セットをムーランが建築し、テレビ局に安価で使ってもらうという話がまとまってしまったのである。鳥山が前回は5000万掛かったと言うと、若葉は
 
「船内撮影もできるような精密なのを作りましょう。多分2〜3億あればできますよね?」
 
などと言っていた。コスモスは後のことは若葉に任せることにした。最終的にはムーランはこの番組のスポンサーに名を連ねるということで、テレビ局はそのセットを無償で使えることになった。
 
ガレオン船のセットを春日部に作ると、それ以外のセットは春日部のスタジオ内に組めばいいので、全てを春日部で撮影できることになり、撮影の効率がとてもよい。しかも天気に左右されない。熊谷は時間が掛かるが、春日部なら昨年使った川崎のセットとあまりアクセス時間に差は無い気がした。
 

なお、出演者に関しては、ルビーとビーナの日程はコスモスが押さえた。入っていた予定は適当にずらしたり、セシル!やリズムなどに割り振る。松田理史についても、コスモスが向こうの事務所社長に電話を入れたら善処してくれることになった。船員役の佐々木恒美さんも鳥山さんからの連絡でやってもらえることになった。しかし、岡原襟花は事務所と話したところ、他の予定が入っており、無理ということだった。
 
「仕方ない。これは誰か適当な人を探しますよ」
と鳥山プロデューサーは言った。
 

COVID-19のデルタ株は東京オリンピックの時期にかなり広まり、まん延防止等重点措置(以下まん防)はいったん全国に拡大していたが、その後落ち着いて行き、9月30日までには、まん防も解除された。そして、飲食店の営業制限も11月1日までには解除されていた。
 
しかし12月以降、新たな変異種・オミクロン株の流行に伴い、2022年1月9日以降、都道府県単位で再度、まん延防止等重点措置が適用され、処置は全国36都道府県に広まった。
 
オミクロン株のピークは2月上旬くらいで、その後、少しずつ落ち着いて行く傾向を見せた。2月20日以降、徐々に解除されていき、3月21日に全国でまん防は解除された。
 

2月2日(水).
 
常滑真音11枚目のシングル『マネがモネのマネをした』が発売された。
 
舞音のファーストシングルは昨年1月27日(水)に発売されており、約1年の間に10枚出ていたことになる。ほぼ“月刊マネ”の状態である。しかしそれだけのハイペースでシングルを出しているにも関わらずシングルに入りきれない音源が大量に積み残されており(舞音は週に1〜2回音源制作をしている)、近い内に『招き猫3』(仮題)を出すことになるものと思われる。
 
シングルの収録曲は下記である。
『マネがモネのマネをした』未来居住作詞・福沢聖子作曲
『マネがマメをマイたとさ』水野歌絵作詞・琴沢幸穂作曲
『マネが猫にタクト振る』名寄多恵作詞・花園光紀作曲
『いろはに学生服』常滑真音作詞・作曲者不明
『パステル・ライト』足柄乙女作詞・岡原加奈作曲
 

『マネがモネのマネをした』はマネがクロード・モネ (Claude Monet 1840-1926)の名作『ラ・ジャポネーズ』(日本女という意味)のコスプレをしたものである。
 

 
当時フランスで大流行していた日本趣味の作品で、この絵のモデルはモネ夫人のCamille-Leonie Doncieux (1847-1879). 実は彼女は黒髪の持ち主で、そのまま描けばけっこう日本人っぽくなったと思うのだが、わざわざブロンドのウィッグを付けさせて絵を描いている。モネの趣味がよく分からない。この作品は1876年の作品だが、10年前の1866年に描かれた緑衣の女 (La Femme en robe verte) では、カミーユ夫人は黒髪のまま描かれている。
 
この楽曲は松芝電機さんの“和風照明シリーズ”のCMに使用される。
 
モネの絵に描かれたような和服を着て扇子を広げた舞音の背景に、団扇(うちわ)とかだけではなく、雪洞(ぼんぼり)、提灯(ちょうちん)、行灯(あんどん)などをイメージした家庭用照明のシリーズ“Akari Nipponia”の照明器具が、多数並べられている(中身は全てLEDランプ)。
 
CMではこの服を着て舞音が日本舞踊を舞っているが、舞音は日本舞踊・藤中流の名取りである!舞音はそもそも日本舞踊の名取り披露をあけぼのテレビで流したことから注目された:ネットテレビでの披露になったのは、コロナ流行下でリアルの披露公演ができなかったからであるが、結果的に舞音には大きなチャンスとなった。
 
今回のCMの映像は実は1月6日に根室に行った時に、根室市内に用意していたセットで撮影したものである。水谷姉妹も赤い和服を着て一緒に映っている。3人は、お昼過ぎまでアクアたちと一緒に“氷の家”の撮影をし、午後から3人だけで市内のセットに行き、このCMの撮影をした。そして日が落ちたら、再度氷の家に行き、灯りを点けたり消したりするところを撮影した。
 

『マネがマメをマイたとさ』は節分(今年は2月3日)に合わせて舞音が豆まきをしている絵が使われている。これは黒猫運輸さんのCMのイメージソングとして使用されており、舞音は黒猫のコスプレをして豆まきをしている。水谷姉妹がトラのパンツを穿いた雷様のコスプレで一緒に豆を蒔いている。
 
(「女を捨ててる」と言われる)
 
『マネが猫にタクト振る』は、ホンダのスクーターのCMなのだが、舞音が黒猫のコスプレ(蝶ネクタイをしている:黒い毛が燕尾服代わり)で指揮台に立ち、猫のオーケストラを前にしてタクトを振っている映像が使用されている。
 
猫のオーケストラに扮してくれたのは、越谷市にあるEE大学の女子オーケストラの人たち。演奏しているのもこの曲で、実際舞音はこのオーケストラの演奏をバックに歌唱したものがCDにも収録された。この演奏は越谷市の“小鳩ホール(後述)”で収録された。
 
女子オーケストラというので、多分全員女子のオーケストラと思ったのだが、数人男の娘が混じっているらしい!念のため彼女たちを入れていいかと訊かれたが、快諾した。実際見ていて誰が男の娘なのかは分からなかった。最近の男の娘は本当にレベルが高い。
 
このCFには、舞音のスクーター走行シーンもあるが、これも根室で1月7日の日出を狙って撮影したものである。つまり舞音は1回の根室出張でCMを3本撮影したのである!
 
この曲を“2022年2月2日”(ニャーニャーニャーニャーニャー)に発売したかったのと、節分の歌もあったので、発売日程は2月2日の選択になった。
 

『いろはに学生服』は、昨年舞音が歌ったCM曲がきっかけで“女子用男子制服”“男子用女子制服”を販売して大いに話題になった、ペンギン学生服さんのCM曲である。
 
CMで12月から流れている15秒バージョンはこのようになっている(常滑舞音作詞)。
 
いろはに金平糖、金平糖は甘い、甘いはおはぎ、おはぎは黒い、黒いはペンギン学生服。
 
金平糖のコスプレをした水谷妹
おはぎのコスプレをした水谷姉
最後に“女子用学生服”を着た舞音
 
と登場している。最近水谷姉妹は常滑真音とセット扱いが多くなっている。
 
CDには30秒バージョン(常滑舞音作詞)、そして“元歌”(作詞者不明)も収録されている。
 
いろはに金平糖、金平糖はでこぼこ、でこぼこはかぼちゃ、かぼちゃはシンデレラ、シンデレラはガラス、ガラスは割れる、割れるは氷、氷はとける、とけるはテスト、テストは勉強、勉強にはチョコレート、チョコレートは黒い、黒いはペンギン学生服
 
金平糖のコスプレをした水谷妹
かぼちゃのコスプレをした水谷姉
シンデレラの衣裳を着けたクロム
氷を割るセレン
テストを受けてるライカ
チョコを食べながら勉強しているめぐみ
最後に“女子用学生服”を着た舞音
 
この30秒版のCM動画は、あけぼのテレビのペンギン学生服さん提供の番組で流れた。
 
元歌はこうである。
 
いろはに金平糖、金平糖は甘い、甘いはお砂糖、お砂糖は白い、白いはうさぎ、うさぎははねる、はねるはカエル、カエルは青い、青いはお化け、お化けは消える、消えるは電気、電気は光る、光るはおやじのはげ頭
 
金平糖のコスプレをした水谷妹
お砂糖を紅茶にどっさり入れている水谷姉
バニーガールの格好のクロム
カエルの格好のセレン
貞子のコスプレのさくら
灯りを点けたり消したりする煌
禿おやじのコスプレをした舞音!
 

『パステル・ライト』はノノ・パパイヤのCM曲である。パステルカラーの春っぽいカーディガンをメインに据えたCM。CFの中では、舞音がグリーン系のパステルカラーのカーディガンに赤いショートスカートを穿いて道を歩いていくと、すれ違う人が、みんなパステルカラーのカーディガンとショートスカートになってしまうというストーリーが展開している。
 
すれ違ってその服装になってしまう人:−
水谷妹(イエロー系)
水谷姉(ブルー系)
スパイスミッションのタイム(ピンク系)
WindFly20の川中光梨(ヴァイオレット系)
ビンゴアキ(オレンジ系)
羽田小牧!(水色系)
 
羽田小牧は、ショートパンツならいいですよと言って出て来たのだが、うまくおだててショートスカートを穿かせてしまった(物凄く似合ってる)。後から
 
「どうしてボク、スカートを穿くことに同意してしまったんだろう?」
と悩んでいた!
 
でも撮影現場ではみんなから「可愛い!」「似合ってる」「小牧ちゃんのお嫁さんになりたい」などとおだてられて、本人も嬉しそうな顔をしていた!
 
ちなみに小牧ちゃんの事務所の、サニー春吉社長は
「若い内しか女装なんてできないから、今の内にたくさん女装しておくといい」
などと言っているようである!
 
女装に抵抗がなくなるまであと3cm!?
 

2022年2月3日(木).
 
この日は節分であった。あけぼのテレビでは、節分特集を放送した。
 
最初に小部屋に居る水谷姉妹が映り、日程の確認をする。
 
「今年は節分は2月3日でいいの?」
「そうそう去年は2月2日だったね」
「なんで毎年変わるんだっけ?」
 
「本当は1年の長さは365.2422日なのに、今のカレンダーって365日の年と366日の年があって、本当の1年の長さとは違うから、毎年ずれていくんだそうです」
「つまりカレンダーが不正確なのね」
「それで2057年までは4年に1度、節分が2月2日になるそうです」
「へー!」
 
2/2節分になる年→2021 2025 2029 2033 2037 2041 2045 2049 2053 2057 2058
 

この後、“お掃除ルンバ隊”が、スタジオを徹底的に掃除している様子が映る。
 
「お掃除ルンバ隊は1時間掛けてスタジオを徹底的に掃除・消毒しました」というプラカードを持った石条ボタンが画面を左から右へと横断した。
 
そして昨年同様、豆まきが行われた。
 
あけぼのテレビ第12スタジオを使用する。
 
豆は全て個包装である。大豆のほか、五色豆、甘納豆、ひなあられ!?、雪の宿、一口チョコ、たけのこの里、アポロチョコ、おっとっと、かっぱえびせん、じゃがりこ、なども混じっている。
 
(筆者注.三幸製菓の工場爆発事故は2/11でこの放送よりも後)
 
今年豆を播いた人:アクア、常滑真音、東雲はるこ、町田朱美、白鳥リズム、水森ビーナ、姫路スピカ、高崎ひろか、品川ありさ、西宮ネオン、秋風コスモス、川崎ゆりこ
 
豆を拾った人:信濃町ミューズ・信濃町ガールズの23名。
 
昨年同様、1人最大10パックまでのルールで、豆拾い終了後、全員3秒以内で何かひとことしゃべった。
 
でも最終的にけっこう余ったのを自由に取らせたら、宮地ライカと地多めぐみが各々8個も取っていた。一方要領の悪い夢島きららは1個も取れず、鹿野カリナが2個分けてあげていた。
 

番組の後半は“こぶとりじいさん”を生で上演した。
 
ナレーション(松島ふうか)ある所に、右の頬にコブのあるおじいさんがいました。
 
それで右頬にこぶを付けてお爺さんの格好をした夕波もえこが出てくる。
 
ナレーション:お爺さんが山で木を切っていたら、向こうから何やら多数の声が聞こえてきます。何だろうと思って見ているとたくさんの鬼がやってくるので、おじいさんは慌てて岩陰に隠れました。
 
鬼たち(白鳥リズム・恋珠ルビー・花貝パール・太田芳絵・斎藤恵梨香・水谷姉妹・知多めぐみ・宮地ライカ・三陸セレン・山鹿クロム)がやってきて座り込み、酒盛りを始める(飲んでいるのは水)。
 
その内、鬼の大将(白鳥リズム)が
「おい、誰か歌え」
と言うので、太田芳絵が立ち上がり北里ナナの『金銀ハート』を歌う。
 
(この子、上手いじゃという視聴者の声多数)
 
「おお、美しい」
と大将はご機嫌である。
 
「もっと歌え」という声に、宮地ライカが『とことこ、まねまね、招き猫』を歌うと
「何だか面白い歌だ」
とますますご機嫌である。
 
「もっと歌え」という声に、山鹿クロムが『桃太郎』を歌うと、
「その歌は不愉快だ」
と大将は不機嫌になる。
 
「誰か楽しい歌を歌え」という声に、水谷妹が『赤鬼と青鬼のタンゴ』を歌う。
 
「面白い!面白い!」と大将はご機嫌である。
 
「誰かこの歌に合わせて踊れ」
と言うと、鬼たちの歌を聴いていて楽しくなってしまった、お爺さん(夕波もえこ)が出てきて、タンゴのステップで踊り出す。
 
鬼たちは突然の登場者に驚くものの、お爺さんのダンスが上手いのでたくさん拍手が送られる。
 
「爺さん、歌も歌え」というので、お爺さんはラピスラズリの『山の呼び声』を歌う。ヨーデルの入るノリの良い歌に鬼たちは大いに喜んでいる。
 

「宴会は5時間ほど続きました」というプラカードを持った石条ボタンが画面を左から右へと横断した。
 
やがて鬼たちの宴会も終わるが、鬼の大将は爺さんに
「お前は面白い奴だ。褒美をやるぞ」
と言って、鬼はお爺さんにたくさんの小判をあげた。
 
そして
「お前、明日も来い」
と言う。
 
「え〜〜?明日もですか?」
「そうだ。何かをカタに取ろう、そしたらお前も来ざるを得ないだろう。そうだ。お前の首を預かっておこうか」
「勘弁してください。首が無かったら私は家に帰れません」
「確かに首が無いと、目が見えなくて道に迷うかもしれんな。そうだ。耳を預かろうか」
「耳が無いと、熊や狼が通る音を聞けなくて襲われるかも知れません」
「ああ。それも困るなあ。そうだ。だったら、お前が頬に付けてるコブを預かるというのはどうだ」
 
「ええ〜?これはとても大事なものなので、取られたら困ります」
「そんなに大事なものなら預かろう」
と言って、鬼の大将は、爺さんの頬のコブを取ってしまいます。
 
「明日来たら返してやるから必ず来いよ」
「分かりました」
 
ナレーター:それでお爺さんは、内心はコブを取ってもらったことを喜びながら、そんな様子は一切出さず、山を降りたのです。
 

お爺さん(夕波もえこ)が村に戻ってくると、隣のお爺さん(秋風コスモス)が声を掛ける。隣の爺さんは左頬にコブがある。
 
「あれ、あんたコブはどうしたの?」
「いや、それがかくかくしかじかでさ」
「何と!それは素晴らしい。私もコブを取ってもらいたい。明日、私が代わりに行っていい?」
「いいけど、あんた歌とか踊りは大丈夫?」
「まかせとけって。私は世界でいちばん歌が上手いんだから」
 
(視聴者は爆笑している)
 
「そして翌日」というプラカードを持った石条ボタンが画面を左から右へと横断した。
 
鬼たちが宴会している所に隣の爺さん(秋風コスモス)がやってくる。
 
「先達(せんだち)殿、参りました」
と隣の爺さんは言う。
 
「おお。待ってたぞ。取り敢えず何か歌え」
 
と大将(白鳥リズム)。
 
すると隣の爺さんはアクアの『白い恋の物語』を歌うが、物凄い音痴である。
 
コスモスの生歌がメディアに乗ったのはきっと10年ぶりくらい。
 
鬼たちがみんな顔を見合わせる。白鳥リズムが怒ったように立ち上がり
「やめろ!この音痴!」
と言った。
 
ここは「すげー!社長に向かって音痴と言えるのはリズムくらいだ」と称賛する声が多数であった。
「だけど本当に音痴だから仕方ない」
「この役はコスモスにしかできなかった」
「音痴に歌姫の役はできないけど、音感のある人にも音痴の役はできない」
 

それで鬼の大将は
「もうお前は来なくていい。昨日預かったコブも返すからとっとと帰れ」
と言って昨日の爺さんから取ったコブを右の頬にくっつけてしまった。
 
ナレーター:こうして隣の爺さんはコブが左右2つになり、泣きたい気持ちで村に帰ったのでした。
 
隣の爺さんが帰ってきて、コブが2つあるので、昨日鬼の所に行ったお爺さん(夕波もえこ)が
「お隣さん、どうしたんです?」
と驚いて尋ねる。
 
「それが実はかくかくしかじかで」
「それは気の毒なことをした。でもコブはお医者様にも取れるんですよ、昨日私が鬼からもらった金貨で手術してもらいましょう」
「え〜?でもせっかく金貨もらったのに」
「いや、私があんな話をしなければ、あなたのコブが増えることはなかった」
と言って、お爺さんは隣のお爺さんをお医者さんの所につれていった。
 

白衣を着た川崎ゆりこが居る。
 
「どうしたんだね。首でも出べそでもイボでもちんちんでも、好きな所を切ってやるよ。ちんちん切るのはお勧めだ。君たちもう子作りはしないから要らないだろ?女のほうが長生きできるし年貢も安い。どうだい、ちんちん切らないか?」
 
「ちんちんは無いと困ります。この爺さんのコブを取って欲しいんです」
と爺さん(夕波もえこ)。
 
(アイドルに言わせるセリフではない!)
 
「ああ。簡単だ。手術代は1個で小判2個もらうぞ」
「はい、お支払いします」
 
それで爺さんがお医者さんに小判を4枚渡すと
「どれどれ手術してやろう」
と言ってメスを取り出し、左右のコブを切り落としてくれた。
 
「やった!コブが無くなった」
 
ナレーター(松島ふうか)それでお爺さんと隣のお爺さんは、いつまでも仲良く助け合って暮らしたのでした。めでたし、めでたし。
 

番組を見ていた政子が言った。
 
「お爺さんとお婆さんが仲良く暮らしたんじゃなくて、お爺さんと隣のお爺さんが仲良く暮らしたんだ」
「お友達同士仲良くするのは問題無い」
「お爺さんたち、ホモだったの?」
「なぜそういう話になる?ただの友だちだと思うけど」
 
「ゆりこちゃんが切ってくれたのはおちんちんだったのよ。ゆりこちゃん、ちんちん切るの勧めてたじゃん。だからおちんちんを切ってお婆さんになったから、結婚して仲良く暮らしたのでは」
 
「妄想のしすぎ。だいたい最初に出て来たお爺さんもコブを取ってもらったじゃん」
 
「あ、そうか。でもあれもきっとおちんちんを取られたのよ。大事な物だと言ってし。大事な物ってちんちんの別名でしょ?それでお爺さんは邪魔なおちんちんが無くなって喜んでた。隣の爺さんもちんちん取って欲しかったから鬼の所に行ったけど失敗して、ちんちん2本になっちゃった。でもお医者さんに手術してもらって、めでたく女になれた」
 
「それだと両方とも女じゃん」
「あ。そうか。分かった。元々ホモだったけど、2人とも女になったからレズになったのよ」
「意味不明〜!」
 
と言いながら、男と男から女と女になったといえば、和実たちだよなあ、と思った(*22).
 

(*22) 淳と和実のカップルは、出会った時は男同士だったのが、和実が手術して女になったところで法的に結婚し、その後、淳も手術して女になり、女同士のカップルになってしまった。
 
和実が元は男だったという主張が真実なら!
 
和実の元の性別はかなり怪しい。淳は和実の男性器を1度も見たことも触ったこともないと言うし、ふたりは和実が性転換手術を受ける前から、いつも男女型のセックスをしていた(Aは使っていない)。照葉ちゃんとかの話では和実には元々生理があったみたいだし。女装登校するようになる以前は、身体測定の日に必ず休み、後日ひとりだけ測定されていたらしい。そもそも子供を産めたということ自体、実は最初から女だったのではというのを疑いたくなる。少なくとも卵巣はあったということになる。
 
淳は最初に和実とセックスした時、Aに入れちゃったかと思ったものの、自分が入れている場所の向こうにAが存在することに気づき、じゃ自分はどこに入れているんだ?と混乱した。和実の主張では、自分の男性器はタックで隠しているが、タックで左右の皮膚をアーチ状に接着しているから、その隙間に淳の男性器を導いたのだと言う。しかし皮膚を接着して作る隙間に本当にペニスを挿入できるのかはかなりの疑問がある。
 
淳は女性ホルモンは飲んでいなかったので、性転換手術を受ける前日まで男性能力と生殖能力をキープしていた。そしてその最後の日のセックスで和実は妊娠して明香里を(帝王切開で)産んだ。
 
現状、淳はディル*ーを取り付けて和実に入れる男女型のセックスをしているという。つまり2人のセックス形態は、2人が男同士だった時から、和実が女になり、やがて淳も手術を受けて女同士になった後まで全く変わっていない。性転換を機に破局するカップルは多いが、2人の関係が壊れないのは、セックス形態が一度も変化していないからかも。
 
和実は淳に
「ちんちん取っちゃったこと後悔してない?」
と聞いてみたこともあるらしい。
 
「自分にちんちんがあるの、ずっと嫌だった。何度自分で切り落とそうとしたか分からない。だから女の子になれてすごく幸せ。女の子オナニーも男の子オナニーより気持ちいいし」
と淳は言っていたらしい。
 
性転換手術を受けた時有磯海クリニックの松井医師は、淳を手術台に載せてから「最後の精液を採取したいから」自慰するように言った。彼が射精して放心状態になっている所で松井医師はメスをペニスの根元に当てて
「ほんとに手術しちゃっていい?ちんちん切っちゃったら、2度とこんな気持ちいいことできなくなるよ」
と訊いた。
 
淳はその時、正直、一瞬ためらいの気持ちが出たけど、女の子になりたい気持ちは動かなかったから
「女の子になりたいです。ちんちんは要りません。手術お願いします」
と言った。それで麻酔を打たれ手術は始まった。
 
手術後、自分の陰部を見た時は嬉しくて涙が出て、後悔の気持ちは全く無かった。最初の一週間は導尿されていたが、導尿が終わり、はじめて普通にトイレでおしっこした時は、そのおしっこの出方にまた感動した。邪魔な物が無くなって、ストレートに出るので、とても快適である。傷が治って少し落ち着いてから、クリトリスでオナニーしてみたら天にも昇る気分だったし、“女になった記念に”和実に入れてもらったら、想像を超える別次元の快感に気が狂いそうだった。
 
寝ている時になにげなくお股を触ると、そこにはもう邪魔なものが無く、すっきりしたフォルムになっている。ホースの代わりに溝(みぞ)ができているので、嬉しくなり、ついオナニーしてしまう。そしてその物凄い快感と女になれた喜びが込み上げてきて幸せな気分になる。クリトリスへの刺激はペニスへの刺激の数倍の快感があるので、あまり強く刺激しないようにしている。淳は男性時代は(睾丸を活性化させたくないのもあり)あまりオナニーしていなかったが、女になってからはよくオナニーするようになった。
 
淳の性転換後、最初は“入れっこ”したりもしたが、結局淳が男役、和実が女役という元の形に落ち着いた。
 
和実とのセックスに使用しているディル*ーは、反対側にクリトリスに当たるように作られた小突起があるので、インサートしている側もクリトリスが刺激されて気持ち良くなれるようにできているらしい。
 
淳は人工的に造ったヴァギナが萎縮しないよう留め置き型のディレーターを入れっぱなしにしている。毎日お風呂に入る時に取り出して洗浄・消毒する。
 
このディレーターにはバイブ機能!?が付いているが、スイッチは和実が持っていて、昼間仕事中にいきなりスイッチを入れたりするから淳はギャッと思う(楽しそうだが)。
 
なお淳の現在の地位はBMシステム仙台支店長である。仙台支店はクレールのすぐ近くにあり、信号を渡らずに到達できる。それでクレールからBMシステムまでバイブの電波が届くらしい。
 

 
逆にBMシステムの社員が結構、クレールでコーヒーを飲みながら作業していたりする。BMシステムの社内LANの電波をクレールで拾えるのである。
 
淳はBMシステム初の女性支店長らしいが、そもそも仙台支店はBMシステムの初めての支店である。BMシステムの社長が、仙台に移住する淳を手放したくないために強引に作った支店らしい。当初は仙台の衣料品店のシステムを構築したが、その後、当地で資金難により倒産したソフトハウスのスタッフをほぼ全員採用して、仕事も引き継いだため、結構忙しいという。和実は淳にお店を手伝ってほしかったので、退職できなくなったと聞き、かなり怒っていた!(でも近くなので、結構雑用で呼び出している)
 
支店長が性転換したレスビアンというのもあり、BMシステムにはセクマイの社員が3割ほど(正確な数は不明)いるし、男性社員のスカート勤務も認めている(届けなどを出す必要もない)。女子社員たちの“審査”に合格すると女子トイレの使用が認められる。戸籍上の改名をしないまま、社内で使用する名前として女性的な名前を使用してもよい(通称使用届けを出す)。
 
社員同士でレスビアン婚したカップルもいる。性転換手術を受ける場合半年間の休職を認めるので、それで性転換手術を受けた社員も数人いる。中には最初は男女のカップルだったのが男性側が性転換手術を受けた後女同士の結婚式をあげた社員もある(戸籍上の性別は変更せず法的に婚姻した)。
 

2022年2月4日(金).
 
北京オリンピックが始まったが、多数の国が政府関係者を派遣しない“外交的ボイコット”をしたり、ドーピング問題で揉めたり、色々不穏な空気の漂うオリンピックであった。
 

2月10日(木).
 
Honda-JetYellowを能登空港まで往復させて落合翠を熊谷に連れて来た、念のため簡易検査キットでコロナ陰性を確認してから飛行機に乗せている。熊谷からはSCCのドライバーが運転する車で五反野の女子寮に連れてくる。寮内に入れ、落合茜(町田朱美)の部屋に宿泊した。追加の布団:個人負担:を入れて2人で並んで寝ている。8畳の部屋なので充分な余裕がある。
 
14日(月)に♪♪音大の二次試験、17日には∫∫音大(事実上の本命)の二次試験があり、更に25日には東京藝大の二次試験があるので、それをまとめて受けるために出てきたのである。その間、女子寮地下の研修所にあるグランドピアノは空いている限り自由に使っていいことになっている。また隣の東雲はるこの部屋には朱美・はるこが共用しているクラビノーバもある。
 
2/14 ♪♪音大入試
2/17 ∫∫音大入試
2/19 ♪♪音大合格発表
2/25 東京藝大入試
2/26 ∫∫音大合格発表
2/28 ♪♪音大入学手続き締切
3/12 ∫∫音大入学手続き締切
3/13 東京藝大合格発表
 
♪♪音大の方が先に合格発表があるが、入学手続きの締切りは本命の∫∫音大の合格発表後なので、それを待ってから手続きすることができる。藝大は最初から諦めている!
 
2月3日に行われる、♭♭音大の特待生入試も受けるつもりだったのだが、結局受けないことにした。
 
♭♭音大ピアノ演奏コースには既に総合型選抜で合格しているのだが、上位合格できなかったので、特待生になれなかった。それであらためて特待生入試も受けて、授業料の減額を狙うつもりだった。
 
このあたり、妹の茜は総合型選抜の意味を取り違えていた。何科に行くかは後日決められるものと思っていた。
 
しかし趣旨を理解した茜が
 
「お姉ちゃんの学費は私が出すからさ、特待生はやはり経済的に余裕の無い人に譲ろうよ」
と言ったので、妹に甘えることにし、特待生入試は受けないことにした。その旨大学側にも連絡した(試験に無断欠席すると印象が悪くなるので)。
 

2月9日(水)、ワンティスの未発表アルバムとアクアが歌ったトリビュート・アルバムが4枚まとめて発売された。
 
ワンティス『ワンザナドゥ』
ワンティス(一部アクアと白鳥リズムによる補作)『イン・ヴィア』
アクア『ワンティス・トリビュートアルバム“The Way to Xanadu”』
アクア『ワンティス・トリビュートアルバム“Returned from Xanadu”』
 
当日は上島先生と雨宮先生、秋風コスモスの3人がネット記者会見を開き、この4枚のアルバムの内容と趣旨について説明した。
 
「まず『ワンザナドゥ』は2004年1月に発売予定だったワンティスのアルバムで、高岡と夕香さんの急死により発売中止になったものです。その後、音源自体が行方不明になっていたのですが、発売前に放送局などに配っていたデモンストレーション版が実は当時の事務所関係者のご親戚の家で発見されました。そこでそれを譲って頂き、最新の技術でノイズの除去などだけして発売に漕ぎ着けたものです。制作してから実に18年の時を経て日の目を見ることになりました。これは高岡と僕のデュエットで男声+男声のデュエットです」
 
「『イン・ヴィア』ですが、これは『ワンザナドゥ』を制作する過程で、レコード会社に反対されて収録しなかった曲を集めたものです。これはやはり当時の事務所関係者の別の親戚で見付かった制作途中のプロジェクトデータを収めたハードディスクの中からサルベージしました。12曲入りのアルバムとして調整していますが、3つのグループに分かれます」
と言って、上島先生はプロジェクタに表示する。
 
B:完成に近い音源・歌入り(4曲)
→完成度には目を瞑ってそのままミックスダウン。上島(男声)+雨宮(女声)
 
C.演奏はほぼ完成・歌無し(4曲)
→演奏はそのまま活かし、アクア(男声)と姫路スピカ(女声)のデュエットで歌を入れた。
 
D:未完成の演奏のみ(4曲)
→エレメントガードの演奏で、アクア(男声)と姫路スピカ(女声)がデュエットして収録。
 

「トリビュートアルバムに関しては私からご説明します」
とコスモスは言い、説明し始めた。
 
「元々『ワンザナドゥ』というアルバムはバンド名“ワンティス”と音楽の理想境である“ザナドゥ”をくっつけた単語です。元々はこちらに示すように音楽の理想境に到達するまでの旅路を歌ったものでした」
とコスモス言って、楽曲の並びを表示する。
 
Searching Cow
Long Long Ago
Voyage Romantique
人魚諸島
朝日の海岸
川と花の物語
Deep Mountain
ヴィーナスの涙
極楽鳥
ラピスラズリ
光の柱
生命の水
リズミトピア
Divina Commedia
Back to the Town
 
「もしかして先頭と最後は十牛図ですか?」
という質問がある。年配の記者さんだ。
 
「はい、ご明察です。十牛図の先頭の尋牛と最後の入店垂手(*23)ですね」
と言って、コスモスは十牛図の絵を画面に表示する。
 
(*23)入店垂手の“店”は本当は同音同意の難しい字“鄽”。
 

「なんか凄い可愛い十牛図ですね」
「夕波もえこが描いてくれました」
「おお」
「パッケージ版には、この絵も封入しています」
「夕波もえこちゃん、あけぼのテレビの何かの番組でも披露してましたが、絵が上手いですね」
 
「はい。うちの事務所では、明智ヒバリ・佐藤ゆか・夕波もえこが三巨頭だと思います」
 

「僕たちはこの順序で『ワンザナドゥ』を作るつもりだったのですが、レコード会社に反対されて、結局本来のストーリーが解体され、無関係の楽曲を追加してテーマ性の低いアルバムになってしまったんですよ」
と上島先生がコメントする。
 
「それでアクアが歌うトリビュートアルバムはこの『ワンザナドゥ』の本来のストーリーに合わせて制作することにしました。当時のワンティスの皆さんは25歳でした。ですから、今回のトリビュートアルバムでは、伴奏も歌も25歳以下の人で構成しています」
とコスモスは説明している。
 
「それでこのアルバムは23歳の作曲家・紅型明美が監修し、24歳の作曲家・大宮万葉が編曲して、現場での楽器演奏・歌唱の指導は22歳の花咲ロンドが担当しました。なお全体の方向性については、自称・精神年齢25歳の雨宮三森さんに見て頂いております」
とコスモスが言うと、記者たちが爆笑する。
 
「まあ技術的に未熟な部分はあるけど、音楽って技術が高ければいいものではない。若さはそれ自体がパワーなのよ。だって80歳のベテラン歌手が初恋の歌とか歌っても変よね。逆に16歳が人生に疲れたみたいな歌を歌っても違和感あるし。歌はその歌を歌うに適した年齢というものがあるのよ」
と雨宮先生は言っていた。
 
「それでアルバムは2枚に分かれていますが、『The way to XANADU』が元々の『ワンザナドゥ』に沿ったもの『Returned from XANADU』は、『ワンザナドゥ』の制作過程で追加された、ザナドゥとは無関係の曲を集めたものとなっております。このあたりの曲順についても雨宮先生にご指導頂きました」
とコスモスが言うと、雨宮先生は頷いていた。
 

それでアルバムの中から5曲、MVを流した。
 
『川と花の物語』"Wang Xanadu"(高岡+上島 男声デュオ)
『人魚諸島』"In Via"(上島+雨宮 男女デュオ)
『夕暮れ時のスピカ』"In Via"(アクア+スピカ 男女デュオ)
『生命の水』"The way to XANADU"(アクア:女声ソロ)
『雪の恵み』"Retured from XANADU"(アクア:女声ソロ)
 
"Wang Xanadu"
 
『Searching Cow』『Long Long Ago』『Voyage Romantique』『朝日の海岸』 『光の柱』『生命の水』『Back to the Town』『リズミトピア』『川と花の物語』 『忘れられた座席』『背中に書いたラブ・レター』『祭り太鼓』
 
"In Via"
『一杯の水』『ヴィーナスの涙』『ラピスラズリ』『人魚諸島』『夕暮れ時のスピカ』 『深山』『極楽鳥』『神曲』『髪の長い少年』『雪の恵み』『キャット・ウォーク』
『虹色の首飾り』
 
"The way to XANADU"
『サチ・カ』『Long Long Ago』『ボヤージュ・ロマンティック』『人魚諸島』 『朝日の海岸』『川と花の物語』『深き山に入りて』『ヴィーナスの涙』『極楽鳥』 『ラビスラズリ』『光の柱』『生命の水』『リズミトピア』『神曲』
 
"Retured from XANADU"
『ただいま』『忘れられた座席』『虹色の首飾り』『夕暮れ時のスピカ』『一杯の水』 『雪の恵み』『髪の長い少年』『キャット・ウォーク』『背中に書いたラブレター』 『祭り太鼓』『時間の忘却』『フィドルの妖精』
 

「高岡さんの声が懐かしいですね」
と30代くらいの記者が言った。
 
「上島さんや雨宮さんの声が若い」
「いや、これは40代のアーティストには出ない音だ」
といった声もある。
 
上島先生本人も
「ワンティスというバンドは無鉄砲さだけで2年半走りきったんですよ。だから今回は僕たちが演奏するのではなく若い人たちに委ねたんです」
と答えていた。
 
「高岡さんと、お嬢さんのアクアさんと、父娘競演になりましたね」
とベテランの記者から言われる。
 
「ええ。天国の高岡さんも娘が自分の歌を歌ってくれて喜んでいると思います」
 
コスモスまで“娘”と言っている!
 
その後、記者から多数の質問があるので、主としてコスモスが丁寧に答えていった。“事務所の関係者”については、上島先生が、若杉千代さんの息子さんであったことを述べると驚きの声があがっていた。ただ本人の所在などについては、現在は一般人なので、非公開にさせて欲しいと述べ、記者たちも了承した。ただ誰も口には出さなかったものの、きっと鍋島康平との子供なのだろうと想像したようである。
 

2月14日(月).
 
バレンタインであるが、プレゼント仕分けをしている§§ミュージックの熊谷分室では、今年は比較的暇だった。
 
プレゼントは大量に来ているのだが、昨年までより明らかに少ないのである。それで昨年までの量から考えて必要な人数の2割増しほどのバイトさんを雇ったのだが、そのスタッフが超多忙になるほどまではプレゼントの量が無い。実際、スタッフには週3〜4日出て来てくれるよう頼んでいたのだが、実際には週2日で済んでいた(ちゃんと本人があらかじめ届けていた日数分の給料は払う:この業界の慣習)。
 
プレゼントの宛先は、やはり圧倒的にアクア宛てが多いが、これが例年の半分くらいの量である。それを見てコスモスは今回バイトに入ってくれている人たちに打診した。
 
「君たち、バレンタインが終わったらホワイトデーの仕分けにも入ってくれない?」
 
「いいですよー」
と大半のバイトさん(多くが埼玉県・群馬県の学生さん:一部東京・長野・新潟から来ている人もいる)は答えた。
 
そしてコスモスはバイトさんの管理をしている内海弓枝人事課長に言った。
「ホワイトデーに向けてバイトさんをあと30人追加して」
 
「え〜〜〜!?」
 

なお、圧倒的多数のアクアの次は、舞音>リズム>ルビー>パール>夕波もえこ>篠原倉光>木下宏紀>さくら>セレン≒クロムで、その他のタレントはあまり多くない。
 
ビーナは純粋に女子と思われていると考えられる。多分男の子と思っている人はほぼ居ない!
 
スピカやラピスラズリなど、女性的なタレントはホワイトデーの方で来るものと思われる。ビーナも多分そちらだろう。なお、ネオンはやはり結婚したことから昨年より激減している。
 
なお、届いたブレゼントは(廃棄になったもの(約3割)と本人がもらった少数以外)多くは全国各地の児童福祉施設などに届けている。伊丹・小牧にはA318, 佐賀・花巻・能登・丘珠などにはCRJ200を飛ばして運んでいる。その先は昨年くらいから成立しているボランティア組織の手で各福祉施設に配送される。
 
またファンクラブの人たち、ファンクラブに入ってなくても昔からのファンの人たちは実物ではなく、お菓子券などで送って来てくれているので、これも各地区のボランティア組織に現品と交換して福祉施設に届けてくれるよう委ねている(F社やC社などは自社で直接福祉施設に届けてくれている)。
 
§§ミュージックがバレンタイン・ホワイトデーのプレゼント仕分け・配送・廃棄、またお礼状(アーティストの生写真葉書:文章は印刷)の発送などに使っている費用は2019年に5000万円、2020年6000万円、2021年8000万円と増加傾向にあるが、今年は多分舞音効果で1億円を超えそうである。
 
(多くの事務所はそんな費用を掛けられないからプレゼントは全廃棄する。そもそもX線検査機などを持っている所が少ない:適当な事務所だと何の検査もせずにタレントに渡すので、変な物が混ざっているお菓子などを食べて具合が悪くなったり、盗聴器入りぬいぐるみでプライバシーを暴露されたりする)
 

2月14日(月).
 
バレンタインなので、あけぼのテレビではバレンタイン特集の生放送番組をおこなった(CM付き無料放送)。
 
この日は最初の20分間、ミニドラマを放送した。
 
内気な女の子(甲斐絵代子)がバレンタインに告白しようと思ってチョコレートを買いに行き、好きな男の子(白鳥リズム!)に勇気を出してチョコを渡し、告白するまでの物語。クラスメイトや、ライバルなどとして多数の信濃町ガールズが出演した。主人公を応援して告白に向かわせる親友の役として薬王みなみが出ている。絵代子の演技が下手なのは仕方ないが!白鳥リズムにしても、薬王みなみにしても演技力があるので、わりといい感じの仕上がりになっていた。
 
(内気な女の子を演じられそうなのが、甲斐絵代子・東雲はるこ・夢島きらら・直江アキラくらいしか居ない:全員男の娘だ!)
 

後半は、鈴鹿あまめが司会をして歌謡ショーとなる。下記の高校生歌手が歌った。
 
石川ポルカ(高3)
白鳥リズム(高2)
七尾ロマン(高1)
ラピスラズリ(高1)
水森ビーナ(高1)
常滑舞音(高1)
 

2月19日(土). ♪♪音大の合格発表があり、落合翠は合格していた。しかし本命の∫∫音大の合格発表を待つことにする。もっともここに合格していたことから翠は既に合格し、入学手続きも済ませていた♭♭音大には、入学辞退する旨の連絡をした。この場合、入学金は返らないが、初年度の授業料・施設費等(約200万円)は4月29日(金)に返金するということであった。
 

2月20日(日).
 
北京オリンピックは閉幕したが、不穏な空気はますます大きくなってきた。ロシアはウクライナ国境近くに軍を集結させている。
 
フィギュア・スケートでドーピングが疑われるロシアのカミラ・ヴァリエヴァは、スポーツ仲裁裁判所の裁定により出場したものの、IOCはもし彼女が3位以内に入ってもメダル授与式は行わないと発表。結局本人はミスを連発して4位となり、疑惑は曖昧なままになった。
 
ロシアは友好国・中国のメンツを潰さないように、北京オリンピック開催中は軍事的な動きを控えるのではと想像されていた。つまりオリンピックが終わると即開戦される可能性が指摘されていた。
 
 
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【夏の日の想い出・いろはに金平糖】(6)