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■夏の日の想い出・ホームワーク(20)

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押し迫った12月26日、千里たちが浦和市内のマンションから、比較的近い場所の一戸建てに引っ越した。
 
私は引越祝いに何か贈ろうか?と言ったが、千里は1月にももらったからいいと言っていた。しかし落ち着いてから1度招待してもらった。見た感じはごく普通の民家である。隣の敷地にガレージがあった。車を駐めるのに、駐車場を借りようかと思ったが、台数が多いので借り賃が高額になるし、続けて空いている所がないので不便であった。また家からのアクセスも大変だったらしい。それが偶然隣の家が空き家になっていて売りに出ていたから買い取り、建っている家を崩してガレージを設置したという。
 
千里たちは今年初めに、京平君を引き取るために、世田谷区の1Kのアパートから、浦和の3DKのマンションに引っ越していて、実際にはそこで千里・京平君、青葉の婚約者の彪志君の3人が暮らしていた。一時高岡に行っていた桃香が10月に早月ちゃん・由美ちゃんを連れてこちらに戻って来て、6人の共同生活になっていた。しかし先月、千里の長年の思い人であった貴司君が奥さんと離婚し、年明けてから千里と結婚することになった。それで、貴司君も一緒に住むことになったのである。つまり新しい一戸建て(中古住宅)に住むのは、
 
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千里、京平(千里と貴司の息子)、桃香、早月(桃香の娘)、由美(法的には千里の娘だか゜遺伝子上の母は桃香)、彪志(青葉の婚約者)、貴司(千里の夫)、緩菜(千里の娘)、という8人(+1)になる。世帯は実質4つ、法的には6つ(+1)ある。
 
実質世帯
 
千里・京平
桃香・早月・由美
貴司・緩菜
彪志(+青葉)
 
法的世帯
 
村山千里
川島由美
高園桃香・早月
細川貴司・緩菜
篠田京平
鈴江彪志
(川上青葉)
 
子供4人の苗字が全部違う!
 

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この内、大人4人の本命卦は、このようになっている
 
千里 1991.03.03 乾 西四命
桃香 1990.04.17 艮 西四命
貴司 1989.06.25 坤 西四命
彪志 1993.11.15 兌 西四命
 
つまり偶然にも4人とも方位の吉凶が同じなのである。青葉は震で彼女は東四命になるが、東京に出て来た時に滞在するだけだから、大きな問題は無い。ちなみに子供たちは、京平が震、早月が艮、由美と緩菜が乾で、京平は青葉と同じ東四命、早月と由美は親たちと同じ西四命である。
 
(由美は2019.1.4生だが小寒前なので2018年扱いで緩菜と同じ本命卦になる、もっとも鮑黎明説に従い区切りを前倒ししても兌になりやはり西四命である。緩菜はもし男であれば離になり東四命だが、緩菜は女の子と考えるべきで乾の西四命で良い)
 
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千里はこの家を11月下旬に買い、1ヶ月かけて大改造し、12月26日に入居した。特に大きな改造は1階サービスルームの床を5m掘り下げ、ここをバスケット練習場にしてしまったものである。本来の天井の高さと掘り下げ分で合計7mほどの天井の部屋にした。1階からこの部屋へのアクセスは滑り台にして、子供たちの遊び場所とした。この床を5m掘ったサービスルームは、庭の地下に広がる広い地下フロア(名目上は通路)とつながっている。
 

 
LDKの地下には同じ面積のラウンジがあり、ここにグランドピアノとエレクトーンが置かれている。演奏用の楽器が収められた棚も作られている(作曲用の楽器は203に置いている)
 
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元々、この家は1階に和室とサービスルーム1つ、2階に寝室3つとサービスルーム1つがあったので、桃香はこのように計画した。
 
201(6J) 京平・貴司
202(8J) 女の子3人
203(6J) 千里と桃香の愛の部屋
2SR(4J) 千里の作業部屋
101(和) 千里と貴司の愛の部屋
 
しかし結局はこのように使われることになる。
 
201(6J) 貴司(+千里2)
202(8J) 女の子3人
203(6J) 桃香(+千里1)兼作曲用
2SR(4J) 京平
101(和) 彪志
 

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京平には2階のサービスルームを割り当てる(この部屋が吉方位になるのは実は京平のみ)。ここは最初は浴室だったのを納戸に改造したものだが、千里はこの部屋に窓を開けて京平が過ごしやすくした。この窓は浴室だった時代には存在していたが、納戸にする時塞いでいたものである。それを復元した形になった。窓枠は元々のものを再利用している。
 
京平は実際には、夜は1階の和室で彪志と寝ることが多い。この1年ずっと彪志と共同生活していて、すっかり仲良くなったからである。それに男の子は独立心が強いので、父親と一緒に寝るのをあまり好まない。
 
ただし、青葉が来ている日は父親である貴司と寝る。
 
千里は、性的な傾向の怪しい貴司より、確実に男性である彪志の方が京平の教育にいい、などと言っていた。実際最近京平君はスカートをあまり穿かなくなってきたらしい。
 
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性別が怪しい?というのは、千里が彼から男性器を取り上げていたからでは?と思ったが、彼女の“家庭内”の話だし、まあいいことにした。そもそも貴司さんが浮気性なのが問題という気もする。
 
桃香の洋服などは203に置いているが、実際には202で女の子3人と一緒に寝ることが多い。
 
尾久のマンションのサービスルームに置いていた楽器は、セシルが入居する前にいったん葛西に移動していたのだが、それをここに移動してきた。葛西に元々あった楽器も全部こちらに移動し、葛西のマンションは解約した。千里2はここの地下の和室を新たな住まいにすることにしたらしい。地下には2室あるが、千里2と千里3の居室兼作業部屋らしい。B02が千里2、B03が千里3用である。(千里1は2階の203で作業する)。
 
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実は、貴司や桃香はこの地下の部屋の存在を知らない! それはこのエリアが通常の方法では入れないからである。実際この部分に至る1階からの階段などは無いし、バスケット練習室からこのエリアに入るためのドアは一見壁のように見えるので、教えられない限り気付かない。そもそも生体認証ならぬ霊的認証で、千里2・千里3以外の人には開けられない(生体認証だと千里1でも開いてしまう)。
 
北側の空掘りは、地上はグレーチングで、その下には地下の雨避けを兼ねた“偽底”がついており、その下に非常階段が存在することに普通気付かない。またここは下からは容易に表に出られるが、地上から地下に行くには、グレーチングを留めている太いワイヤーを切断する必要がある(むろん警報が鳴る)。万一空堀りを下まで降りたとしても、家の中に入ることができない。霊的認証でしかドアは開かないし、仕切りの壁は RPG-7の攻撃にも耐えると言っていた(そんなものを使う泥棒さんがいるとは思えない)。
 
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この地下のラウンジ(防音なので1階のLDKでは地下の音が聞こえない)に招待してもらったのは、取り敢えず私とコスモスだけらしい。その内、カノンとリノンに龍虎も連れてくると言っていたが、他の人にはあまり教えたくないようだ。カノンたちは別にして、基本的には千里や龍虎の分裂を知っている人しか入れない、と千里は言っていた。つまり千里2・千里3の安住の場所なのだろう。
 

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隣接するガレージは3段の昇降式×2ユニットで、ここに6台の車を駐めることができる。恐らく千里のアテンザとオーリス、家族移動用のセレナ、貴司さんのプラド、彪志君のフリードスパイク、の5台を駐めて1台は来客用かと思っていたら2度目に行った時に、千里がぶつぶつ言いながら、簡易建築でもうひとつ地上型のガレージを建てさせている所だった。
 
「何か車を買うの?」
「雨宮先生がアクアのアクアを放置していった。飽きたみたい」
「ああ」
と私は納得する。
 
「いっそ垂直循環式の立体駐車場でも建てたら?」
「これ以上増えたら考えるかも」
 
雨宮先生は、しばしば車やバイクを衝動買いしては、飽きると千里の所に放置していく癖がある。それで彼女の常総駐車場!?にはたくさん車が並んでいる。そのほとんどが雨宮先生名義のものらしい(税金が大変だという気がする)。
 
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ちなみにここは庭が広いのて゜増設したガレージの外にも車を2−3台は駐めることができそうだ。
 
千里は駐車場のエレベータで私とコスモスを地下に連れて行った。
 
「あれ?オーリスを駐めるのかと思ったら、ヴィッツが駐まってる」
「オーリスは近くの月極駐車場に駐めてる」
「既に垂直循環駐車場が必要になっている気がする」
 
千里は庭側からバスケ練習室に入って、その“隠し扉”を開き、私たちをラウンジに案内した。
 
「広ーい」
「でもS6Xは置けなかったんだよ。この程度の広さでは」
「あれは小ホールが必要だろうね」
 

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Yamaha S6X は、スタインウェイなら Music Room Grand Piano と呼んでいるサイズでかなり大きい。政子の実家には1世代前の同等品 S6B があるが、壁や天井を防音加工しているにも関わらず結構反響がきつい。千里が買ったのはその下の S3X で、スタインウェイなら Parlor Grand Piano と呼んでいるサイズだ。龍虎(アクア)のマンションにも同型のビアノが置いてある(10階の部屋1005のLDKに“防音室”ごと置いていたが、そこで彩佳たちが暮らし始めたので千里のお友達”に頼み18階の部屋1803のLDKに移動した)。
 
それで千里はこのラウンジ(20畳)で、S3Xを使い『愛のドテ焼き』を弾き語りした。
 
「ここはショパンとかベートーヴェンを弾く所では?」
と私は言うが
 
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「私、ドテ焼き好きだし」
と千里は言っている。コスモスまで
「私もドテ焼き好きー」
と言っていた。
 
「ラピスラズリの『愛のドテ焼き』凄く売れてるみたいね」
「まあラピスラズリだしね」
「関西や中京圏でドテ焼きがよく売れているそうですよ」
「経済効果大きいね」
 

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「でもやっと私の国内の家が収束した」
などと千里は言っていた。
 
確かに彼女は一時期随分多数の住居があり、それが彼女へのメールが届かない!原因のひとつにもなっていた。どこの住居に置いているどのパソコンに登録されているどのアカウントなのか、本人が分からなくなっていたのである。
 
いちばん多い時期では、経堂、用賀、津田山、葛西、名駅、熱田区、更にスペイン、フランス、アメリカにもアパートを借りていたようだが、そちらはどうなったのだろう?
 
更に貴司君との結婚後の住居として姫路にも家を建てていたようだが、貴司君が埼玉に引っ越してきたから、あの家はどうするのだろうか?私はその件に付いてはダイレクトに訊いてみた。
 
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「ああ。あの姫路の家は売ったんだよ」
「そうだったんだ!」
「バスケット選手が買ってくれた」
「バスケット練習場付きだもんね!知り合い?」
「まあ知り合いということでもいいかな」
と千里は言っていた。
 
 
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