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■夏の日の想い出・勧誘の日々(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2013-09-27
 
これは2005年8月、私が中学2年8月の物語である。
 
私が最初に関わりの出来た芸能関係者といえば、やはり津田アキ先生である。津田先生は1994年の「大分裂」以降の新生○○プロを建て直した「中興の祖」
のひとりであり、元専務(当時は事実上の経営者)だったが、性転換手術を受けるために経営から離れ、身体が落ち着いてから民謡教室を開いていた。
 
(自分より浦中さんの方が絶対経営の才覚があると思ったのも離れた理由のひとつだと後に津田さんは言っていた。株式は引き続き保有しており、○○プロ株の20%を持つ大株主であり、丸花さん・津田さん・浦中さんが実質的に○○プロの共同オーナーの形になっている)
 
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その津田先生と私は2002年5月に出会い、先生の教室に通うようになると共に、しばしば斡旋してもらって、様々な民謡大会や発表会の伴奏やお囃子の仕事をするようになった。
 
次に会ったのが同年12月、私の「元先生」である静花(松原珠妃)が所属する事務所ζζプロ社長(後に会長)の兼岩さんである。兼岩さんは私の歌を聴いて、静花とともにスカウトしようかと思ったものの、私が津田先生の教室に通っていると聞き、てっきり民謡歌手として育成中かと思って諦めたのである。ただ、ここの事務所とは、松原珠妃関係や谷崎潤子関係で、結構ライブでの伴奏や音源製作への参加をしている。もっとも静花は私に「歌手としてデビューする時は自分とは別のプロダクションに行け」と言っていたから、私はここからデビューする可能性は無かったと思う。
 
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次に会ったのが翌2003年5月、ドリームボーイズのマネージャーで、当時既に$$アーツの取締役の肩書きを持っていた前橋さんだ。ここは後にAYAが所属することになる事務所で、前橋さんもその頃には社長に昇格している。前橋さんは当時私がまだ小学6年生であったこともあり、強くは勧誘しなかったものの、ドリームボーイズのバックダンサーとしての活動のほか、しばしば他の歌手のバックでダンスやコーラスをしたりする仕事も依頼してきた。もっとも前橋さんは
 
「洋子ちゃんがコーラスに入ると、メインのボーカルがかすみかねないから」
などと言って笑っていた。
 
そしてその次に知り合ったのが○○プロの丸花社長である。2004年7月に1度偶然遭遇し、10月に2度目の遭遇をした時「授業料の安い優待生にするから、うちのスクールでボイトレとかしない?」などと誘った。
 
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結果的には同プロの前田係長の口利きで私は「特別優待生」ということになり授業料は本来の額の1割で済むことになった。前田さんは「これだけの子なら特待生でもいいのに」と言っていたが、ずっと後から聞いたのでは丸花さんは、あまり優遇しすぎると、私が○○プロに借りを作るみたいに感じて逃げるかもと思い、貸し借り感の少ない優待生という線を提示したらしい。この業界にはそういうのがきつい事務所も多いのだが、実際には○○プロは契約を解除した歌手に違約金などの名目でレッスン費用やデビュー費用など事前投資分の「借金返済」を迫ることは無い。
 
私はこのスクールに中学1年の10月から中学2年の3月まで1年半通ったが、その間、レッスンを受ける傍ら、篠田その歌・原野妃登美など、○○プロの何人かの歌手のバックで伴奏やダンスなどをしていた。
 
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そしてその次に出会ったのが後にXANFUSが所属することになる&&エージェンシーの白浜さんである。
 

2005年(中学2年)の夏。私は陸上部の先輩・絵里花に水泳を指導してもらっていた。私は元々筋力が全然無かったので、小学校の頃にどんなにバタ足とかを練習しても、どうしても泳ぐことができるまでは至らなかった。しかし小学6年の時、毎日若葉と一緒に校舎の周りを走った経験の上に、中学1〜2年の時の陸上部の活動を重ねて、やっと人並み?の筋肉が付き、ついに私は泳げるようになったのだが、私がプールで泳げるようになると、絵里花は
「では海でも練習しよう」
 
と言い、8月1日、陸上部の女子数人と一緒に、千葉の海岸に数日間泊り込みで泳ぎに行った。
 
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「実はこれ陸上部女子の合宿だよ」と現地に着いてから言われる。
 
「男子の方でも合宿やるらしかったけど、冬子はこちらに入れるからと言っておいた」
などと絵里花さんは言っていた。
 
「冬子を男子の方に入れると着替える時にも困るし、他の男子と同じ部屋に寝せる訳にはいかないしね」
などと裕子さんなども言う。うむむ。
 
こちらの合宿では、同じ2年生の若葉・美枝・貞子と同室になったが、初日にいきなり解剖されて「確かに女子であるようだ」と確認!?されてしまった。
 
すると2日目からは彼女たちは私の前でも平気で下着姿になったり、貞子など裸になって着替えたりもしていた。
 

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4人の布団の敷き方であるが、私の隣が若葉で、私の足側が貞子、その隣が美枝である。最初の夜。日中の練習でくたくたになっていて熟睡して起きるとなんだか腕が重い。ん? と思ったら若葉が私の布団の中で、私の腕を枕に寝ている。
 
「ちょっと若葉」
と言って、他の2人に気付かれないように若葉を起こそうとしたが、若葉が起きる前に貞子が起きてしまい
 
「あんたら、何やってんの?」
と言われる。
 
ここで、私と若葉が何かしたのでは?とは発想されないのが、私が彼女たちによく理解?されている所だ。
 
「ああ、お早う」
などと言って若葉は気持ち良さそうに目を覚ます。
 
「なぜ若葉がここにいるの?」
と私。
 
「あ。私寝相が悪いから。ごめーん」
などと言うので、それだけで終わってしまうかと思ったら若葉は大胆なことを言う。
 
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「冬に夜這いかけようかと思ったんだけどね〜。熟睡してるのをいいことに、冬のヴァギナに指入れちゃおうかと思ったけど、ヴァギナ見つけきれなかった」
 
「えーっと」
 

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「冬におちんちんが無いのは昨夜解剖して確認済みではあるが」
と貞子。
「冬、おちんちんは取ったけど、ヴァギナは作らなかったの?」
と美枝。
 
「ボク、おちんちんあるけど・・・」
 
「嘘ついてはいけない」
と全員から言われる。
 

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「ところで若葉、あんたレズ?」
と貞子が訊く。
 
「そうだよー。私、男の人はダメだもん」
「まあ、いいけど。合宿中は自粛して」
「はーい」
 

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旅館には大浴場もあった。合宿での日々のメニューは午前中が水泳でお昼から15時までが休憩。15時から18時までが走る時間である。それでお昼の休憩タイムには水泳で冷えた身体を温めるのも兼ねて、大浴場に入りにいった。
 
初日は私は「疲れたから寝てます」と言って、ひとりで部屋で寝ていたのだが、2日目からは「冬、恥ずかしがらなくていいから、私たちと一緒にお風呂入ろう」
などと言って、大浴場に引っ張って行かれた。
 
「おちんちんが付いてないこと恥ずかしがることないから」
「私たちもみんな、おちんちんは付いてないからさ」
「いえ、付いてるからやばいんだけど」
 
「じゃ、男湯に入る?」
「それは入れない」
「まあ、おっぱいある人が男湯に入れる訳ない」
「昨日解剖した時の胸はAAカップくらいかなと思ったけど、こうやって服の上から触るとAカップ超えてる気がするね」
 
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などと言って気軽に触られる! まあ私も彼女たちの胸をノリで触っていたが。
 

「小学6年の時に冬と一緒に沖縄行った時、私一緒にお風呂に入ったけど、その時Aカップあるなあと思って見てたんだよね。昨日はむしろあの時より小さい気がした」
 
と若葉は当時のことをバラしちゃう。口の硬い若葉であるが、私がそれを隠す気がないと思ったことは結構しゃべってしまうのである。
 
「それはね、中学に入ってから陸上やるようになって、余分な脂肪が落ちちゃったからなんだよ」
「ああ。確かに痩せる時は胸から痩せると言うもん」
「そうそう、それなんだ」
 
「つまり、冬は小学6年の頃にはもう立派なおっぱいがあったのか」
と美枝。
 
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「まあ、こういう写真もあるしね」
と言って若葉がみんなに携帯の中の写真を見せる。
 
「おお!冬がビキニ着てる!」
「これ、胸はBカップあるぞ」
 
「もう・・・・」
と言って私が困ったような顔をすると、
 
「この写真は当時テレビとかでも流れたからね。今更だよ」
と若葉。
 
「何〜〜!?」
「冬、以前モデルさんしてたから」
「うーむ・・・・」
 

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まあ、そういう訳で私は旅館の大浴場の女湯の脱衣室まで連れて行かれてしまった。脱衣場まで行っちゃったら脱ぐしかない。という訳で私は汗を掻いた服を脱ぎ、水着の跡がくっきり付いている肌に付けたブラとパンティも脱いでしまう。
 
「冬、今更だから、そこタオルで隠さなくてもいいじゃん」
「いえ。世の中の平和のため、隠させてください」
 
彼女たちも深くは追求せず、一緒に浴室に入り、めいめい身体を洗ってから、浴槽の中で集まる。
 
「冬、そこ手で隠す必要無いのに」
「いや、気持ちの問題で」
 
「冬が小学校の修学旅行で女湯に入ったという話は聞いた」
「その後、お正月に温泉に友だち数人で行った時も女湯に入ったらしい」
「でもそれ以前に夏の沖縄でも女湯に入ったんだ?」
「それも友だち何人かで行ったの?」
 
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「私と冬と冬の従姉さんの3人だよ」
「へー」
「その時、冬はビキニになって泳いだし、その後、私とお風呂にも入ったのよね」
「ほほぉ、そのあたり詳しく」
 
「ちょっと勘弁してよー」
と言って私は笑っておく。
 

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「でも、冬もかなり力を付けてきたね。去年の春、陸上部に入ってきた頃とは別人だよ」
 
「冬、秋の大会では女子としてエントリーしたら? かなり入賞狙えるよね?」
「うん。長距離は絵里花さん・貞子・冬で3位まで独占できるかも」
 
「ごめんなさい。女子として参加する資格無いので、男子の方でエントリーさせて」
 
「だって若葉の証言によれば小学6年の夏に既に女の子の身体だったということみたいだから、性転換して2年も経過してたら、女子としてエントリー可能ですよね?」
 
「いや、性転換はしてないので。ほんとにごめん」
 
「恥ずかしがることないのに」
「親に内緒で性転換したから隠したがるのかな?」
「ああ、それは叱られるだろうけどね」
 
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「自分の息子だったはずの子供がいつの間にか性転換手術受けて娘になっていたら確かに親としてはショックだろうけど」
「でも息子より娘の方が楽しいかもよ」
 
「可愛い服を着せられるしね」
「成人式に振袖着せるのも楽しみ」
「ただお金が掛かるのは大変」
 
「いや、冬の場合、お母さんは最初から冬にいろいろ可愛い服を着せて楽しんでいた節がある」
と若葉は言う。
 
「ほぉほぉ」
「じゃ、冬子って、最初からお母さんにとってはふつうに娘だったんだ!」
「なるほどー!」
 
「それならヒゲが生えて来たり、男みたいな声になってしまったらショックだよね〜」
「じゃ、ちゃんと女の子として育って、冬って親孝行なんだよ」
 
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うーん。それは新しい見解かな、という気がした。
 
「冬、おちんちん取っちゃったこと、お母さんにはちゃんとカムアウトしなよ。きっと喜んでくれるよ」
 
「えっと・・・」
 
「でも万一実はまだおちんちんが存在していたとしたら?」
と美枝。
「ああ。まだおちんちんある癖に女湯に入って私たちのヌード見ていたとしたら、痴漢の重罪人だね」
と貞子。
 
「死刑?」
と美枝。
「やはり、おちんちん切断の刑だ」
と貞子。
 
「なるほどー」
 

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