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■夏の日の想い出・龍たちの伝説(8)

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2020年10月18日(日).
 
旧暦では10月2日で、新月の翌日である。
 
日曜なので、朝から麻央と佐野君、萌依と和義さん、それにうちの母まで病院に来ていて
「あら、こんなに居たら三密だわ」
などと言っていた時、政子が突然沈黙する。
 
「どうかした?」
「これ本格的に痛い」
 
「ナースコールしよう」
 
それで看護師さんが来てくれたが
「ドクター呼びます」
と言って呼び出す。
 
「子宮口が開き始めているね」
と医師は言った。
 
「じゃ、赤ちゃん出てくる?」
「まだ6-7時間掛かるかな」
「そんなに掛かるのぉ?」
「赤ちゃんも色々準備があるからね」
 

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それで政子のお母さん、そして私にも連絡が来たので、私は少し考えてから亮平君にもメールを入れてから病院に向かった。
 
私が行くと、麻央がお腹をさすってあげていた。
 
「麻央、交替しよう」
「よろしくー」
ということで私が代わって政子のお腹をさする。
 
私が到着してから1時間半ほどしてから、政子のお母さんも到着した。お腹をさする係もお母さんに交替する。1時間ほどでまた麻央に交替する。
 
交替でお昼を食べてくる。13時頃、亮平君が妃登美ちゃんと月花(るか)ちゃんも連れてやってきた。
 
「マリちゃん頑張ってね〜」
と妃登美ちゃんが声を掛けてくれる。
 
「月花(るか)、あんたの妹がもうすぐ生まれるよ」
などと妃登美は言うが
「一応遺伝子鑑定では男ということになっているんですが」
と私が言うと
「残念!姉妹でお揃いの振袖着せたかったのに」
などと、本当に残念そうに言う。
 
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「男の子でも振袖着せたらいいよ」
などと麻央が言うので
「それもいいよね」
などと妃登美は言っていた。
 

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「妃登美ちゃんは、もう大丈夫なの?」
「うん。もう大丈夫。ずっと寝てるのに飽きてきてたから、こうやって出歩くのが気晴らしになるしね」
 
「ルカちゃん、可愛いね」
「うん。凄く可愛く感じる」
「目の感じが亮平に少し似てない?」
「あ、私もそれ思った!」
 
などと会話を交わしていると政子も気が紛れるようである。
 
医師が来て様子を見ている。
 
「分娩室に行こうか」
「はい」
 
それで政子はストレッチャーか何かで運んでもらえると思ったようである。
 
「歩いていくのー?」
「あやめを産んだ時もそうだったじゃん」
「そうだっけ?もう忘れてる」
 
「なんかあれは異常なテンション状態だから結構忘れるよね」
と妃登美ちゃんも言っている。
 
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それで政子は歩いて分娩室に移動した。
 

私たちは廊下で待つ。
 
15:15、分娩室から元気な産声があがる。
 
「やった!」
と私たちは声をあげた。そして私は政子のお母さん、麻央、そして妃登美!と握手を交わした。亮平君も抑えてはいるが、嬉しそうだった。彼の遺伝子を受け継ぐ子供の誕生である。
 
事前に遺伝子検査をして男の子であることは分かっていたのだが、生まれた子供には間違い無くちんちんも付いていた。
 
「姉弟だから結婚させられないのが残念」
などと妃登美は言っていた。
 
「結婚できたら、大輝って太陽っぽいから、お月様の月花ちゃんとはお似合いだったかもね」
などと政子も言っていた。
 
「どうせ結婚できないし、やはり大輝は性転換させて姉妹に」
「勝手に性転換しないように」
 
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10月25日(日). 私たちは仙台の織姫アリーナで品川ありさのネットライブを実施した。ここはこの春から千里が整備をしている若林植物公園の中にあり、織姫・牽牛という2つの体育館が並んで建っている。今回は織姫を使うが、来月の高崎ひろかのライブは隣の牽牛を使う予定である。
 
今回はあけぼのテレビ以外に、★★チャンネル、ЮЮネットとの同時配信である。あけぼのテレビが300万回線、★★チャンネルとЮЮネットは各々100万回線なので最大500万回線まで接続できる。むろんタイムシフト視聴も可能である。
 
料金についてはかなり悩んだ末に、特別視聴料(視聴チケット)としてアクアより高い3000円を設定することにした。アクアの料金は“開局記念料金”だったと称することにする。
 
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スカパーなどの有料番組では5000円くらいのものは普通にあり、そう高くも無い。むしろ安すぎるくらいだ。実際先日∞∞プロ主催で行ったハイライトセブンスターズのネットライブは普通の生ライブと大差無い視聴チケット8800円を取って30万枚売っている。そういう価格設定で勝負するのもひとつの手法である。
 
私たちはいっそのこと無料放送にしてスポンサーを募る手も考えたのだが
 
「品川ありさで無料ライブなら回線がパンクする」
とЮЮネット側が主張した。それにスポンサー付き番組は実は再放送しにくい。
 
回線ダウンして非難されるよりは、多少(?)赤字になっても有料でやろうよということにした。
 
普段の生ライブなら、全国ツアーで10万人程度の動員実績しかない品川ありさで3000円の視聴料を取って、どのくらいの人が払ってくれるか私たちは不安だったのだが、全国のファンクラブ会員が動いてくれたようだった。各会員が随分“布教”してくれたようで、広告料を3億円使って在来テレビ局でのスポットも打った結果、120万回線の接続(タイムシフトを含む)を得られた。内訳はあけぼのテレビ90万回線、★★チャンネル20万回線、ЮЮネット10万回線だった。ただしその他にЮЮネットの“ラジオ接続”(聴取チケット1500円)がタイムシフトを含めて90万回線も接続された。ネットラジオ接続は音だけなので、ネットテレビに比べて遙かに大きな接続数を得られるしスマホでもストレス無く聴ける。実際にはどうも運転しながらとかウォーキングしながら聴いた人が多かったようである。結果的には210万人が品川ありさのライブを聴いてくれたことになる(在来局換算視聴率3%程度)。
 
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取り敢えずこのクラスでも赤字は出ない範囲でできるんだ、ということで私たちはホッとするとともに、自信も深めた。
 

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アクアの映画は10月いっぱいで撮り終える予定だったのだが、結局11月1日の夜、撮影完了となった。
 
「お疲れ様ぁ」
と言って、メインの5人+葉月の6人はハグしあった。
 
「マクラちゃん、折角知り合いになったのに、しばらく日本に来られないって寂しいなあ」
 
「ごめんねー」
 
彼女たちには「マクラが結婚する」という話はしておらず、向こうであまり休めない仕事に就くのでと言ってある。
 
例によってこの6人にお茶と松花堂が配られ、
「打ち上げは各々自分の家で」
と言って解散した。
 

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帰宅したのは夜23時頃である。
 
「さすがにハードスケジュールで疲れたねぇ」
と言って、龍虎MとFは一緒に冷凍ピザをチンして食べ、ルピシアの紅茶を飲みながら、しばらくおしゃべりしていた。
 
それでそろそろ寝ようかなどという話になっていた時、Mは唐突に股間に激痛を感じ、お股を押さえてうずくまる。
 
「どうしたの?」
「・・・」
「もしかして男の子固有の痛みって奴?」
「・・・・・」
「ああ、言葉も出ないか。可哀想に。睾丸なんて、さっさと取っちゃえば、そういう痛みからは解放されるのに。支香おばさんもアクアの去勢に同意したらしいし、さっさと手術しちゃおうよ。精液も冷凍保存してるんだし、もう要らないじゃん」
 
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「・・・・・・・」
 
3分くらい経ってからやっと言葉が出る。
「きつかったぁ」
 
「でも何にぶつけたの?」
「分からない。何かぶつかるようなものも無かったと思うんだけど」
「睾丸は潰れた?それとも無事?」
「確認する」
と言って龍虎Mはお股に触ってみる。タックしているのでよく分からない。
 
「あれ?変だな。ちょっとタック外してみよう」
と言って、下半身の服を脱ぎ、股間を露出する。
 
「見るなよ」
「別にいいじゃん。同じ自分なんだから」
 
それでFが興味深そうに見ているが、気にしないことにしてMはエナメル・リムーバーとはさみを使ってタックを解除した。
 
男性器が露わになる。
 
龍虎Mは確認するように、その付近に触る。
 
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「あれ?」
 
「どうしたの?」
 
「体内に入り込んでいるのかな?」
 
龍虎Mはタックのために睾丸を常時体内に押し込んでいる。普通はタックを解除すると自然に降りてくるのだが、たまにすぐには降りてこない時もある。
 
指で探ってみる。
 
「あれ〜〜?おかしいな」
「私にも触らせて」
 
「やめろよ」
「いいじゃん。ついでに舐めてあげてもいいけど」
「そういうのはやめろって」
 
それでFがMの股間に指を当てて、探してみるものの、睾丸らしきものが見当たらない。
 
「無いみたいだよ」
「嘘!?」
 
Mは更に探していたものの、やはり睾丸が無いようだという認識に至る。
 
「嘘!?なんで無くなったんだろ?」
 
「去勢手術受けたんだっけ?」
「嘘?これ去勢されている状態?」
「あるいはさっきの痛みは去勢された痛みだったりして」
 
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「どうしよう?」
「別に問題無いんじゃない?どっちみち去勢手術するつもりだったんでしょ?」
「断固拒否してたんだけど」
 
「まあ無くなったものは仕方ないじゃん。これで声変わりが起きる心配は無くなったね。アクアの人気急落は避けられるよ」
 
「そんなあ」
 
「ちなみに彩佳を抱く時はちゃんと立つように、毎日オナニーに励もうね。雨宮先生言ってたじゃん」
 
「それはしようかな。彩佳との問題は置いといて、立たなくなるのは嫌だもん。僕一応男の子だし」
 
まだ「僕は男だし」とは言えないんだな、とFは思った。Mは結局まだ大人の男になる覚悟ができていない。ひょっとしたらそれまではボクは存在し続けるのかも?
 
「頑張ってね。私がしてあげてもいいけど」
「それはやめろって」
「彩佳とする時にちゃんとできるようにボクでセックスの練習してもいいよ。ヴァージンはボク、彩佳に捧げちゃったから今更だし」
 
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あれってヴァージン捧げたことになるんだっけ?とMは疑問を感じた。指は入れあってたけど、ふたりとも“膜”は破れてない気がするけど。
 
「いや、自分同士のセックスはよくないと思う」
「玉がないならボクを妊娠させる心配も無いし、しても構わないと思うけどなあ」
「いや、しない」
 
セックスに興味がない訳ではないが、一度でもFとしてしまったら、きっと自分は毎日Fとしたくなり、事実上の夫婦になってしまうのではとMは恐れていた。
 
「取り敢えず1回(オナニー)してみるよ」
とMは言う。
 
「じゃ見ててあげる」
「嫌だ」
「見られていた方が興奮するよ」
 
Mもそうかも知れない気がした。
 
それでFが見ている中、やってみる。
 
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「ちゃんと立った」
「良かったね。そのまま逝ける所まで行こう」
「うん」
 
それでMはFが見ているのは気にしないことにしてやっていくと3分くらいで頂点に到達し射精する、その液をFが陶器の絵具皿で受け止める。しかしその前にMは液が出たことに驚いた。
 
「なんで出るんだろう?玉が無いのに」
「精管に溜まっていた分だと思うよ」
「あ、そうか」
「だからこれが最後の射精かもね」
「最後か・・・」
「これ《こうちゃんさん》に頼んで冷凍保存してもらおうよ」
「そうしよう」
 

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それで《こうちゃんさん》を呼ぶ。
 
「玉が無くなった!?」
「ちなみに、こうちゃんさんのせいじゃないよね?」
 
「俺は知らんぞ。むしろどうやってお前を去勢しようかと色々考えていたんだけど。千里も本人がもし同意したら去勢してもいいと言ってたから、後はお前を何とか一時的にでもその気にさせるだけだなと思ってた」
 
えーん。
 
「これ最後の射精した液なんだけど、冷凍保存できる?」
「OKOK。やっておく」
 
「こうちゃんさん、玉が無いと凄く変な感じで。作り物のダミーでもいいから入れられる?」
「一週間ほど待て。用意してから入れてやる」
「ありがとう」
 
「女性ホルモンを分泌するタイプを入れるから、半年も経てば、お前もバストが膨らむぞ」
「女性ホルモンは要らないし、おっぱいは大きくしたくないんだけど」
「女になりたくなって、去勢手術を受けたんだろ?俺に頼めばタダで去勢してやったのに」
 
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全然話聞いてない!
 

「違うよ。なんか分からないけど突然無くなったんだよ」
「そうだったのか、まあお前の周囲では不思議なことが起こりがちだし」
 
それ《こうちゃんさん》が起こしてるのでは?と龍虎Mは思ったのだが、《こうちゃんさん》は彼にショッキングなことを告げた。
 
「お前はどっちみちバストは膨らむぞ。これまではFの卵巣から出る女性ホルモンとお前の睾丸から出る男性ホルモンがバランスして、お前の胸は膨らんでいなかった。これからはFの女性ホルモンだけになるから、お前の身体の女性化は止めようもない」
 
「そんなあ」
 
「でもアクアにバストがあるのは全国民が知ってるから、今更全く問題無い」
と《こうちゃんさん》が言うと
 
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「確かに何も問題無いよね」
とFも言った。
 
そういう訳で、この日は龍虎Mは、“治療も完了している”龍虎Nの睾丸が《こうちゃんさん》の手元に保存されていることには気付かなかったのである(Fは気付いていたが言わなかった)。
 
 
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夏の日の想い出・龍たちの伝説(8)

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