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■夏の日の想い出・君に届け(4)

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新型肺炎の蔓延に対する不安を抱えながら、私たちはローズ+リリーのツアーを開始した。予定ではこのように実施する予定であった。
 
2.1(土) 沖縄なんくるエリア (10000)
2,08(土) 福岡マリンアリーナ(11000)
2.09(日) 神戸ポートランドホール(6000)
2.11(祝) 札幌スポーツパーク(10000) 2.15(土) 福島ムーランパーク(10000)
2.16(日) 東京 深川アリーナ(9000)
2.22(土) 愛知スポーツセンター(8000)
2.23(日) 石川県・津幡町火牛アリーナ(12000)
2.29(土) 大阪ユーホール(10000)
3.01(日) 大宮スーパーアリーナ(20000)
 
この後、3月7-8日には仙台郊外の宮城ハイパーアリーナで復興支援ライブを行う。今回は会場のキャパが小さいため、東北各地の数ヶ所の会場でライブビューイングをする予定で中継用の機材や回線などの準備をしてもらっている。
 
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私たちは1月31日朝の便で沖縄に入り、その日はゆっくりと過ごし(マリの食べ歩きは妃美貴に任せておいた)、エステなどにも行ってぐっすりと寝て身体を休めてから、2月1日のライブ初日に臨んだ。
 
2月2日にいったん東京に戻るが、この日からシングルの音源制作を開始した。今回収録する曲は次の3曲である。
 
『君に届け』マリ&ケイ
『Burning Snow』マリ&ケイ
『心の手をつないで』マリ&ケイ(松本花子)
 
『君に届け』は今回の制作にあたり、マリが新たな詩を書き下ろした。『Burning Snow』は、ほぼ原型通りだが、多少マリが歌詞の校正をしている。『心の手をつないで』は、松本花子が書いた曲だが、高校時代の私が書いたような素朴なフォークソングである。松本花子の“ケイ風”の曲を制作しているプログラムは、イリヤ工房のイリヤさんが管理しているらしいが、私の曲のアレンジを10年以上担当してきただけに、私自身以上に私の曲作りを理解しているのではという気がした。松本花子作品は編曲もオートで行われているものが多いのだが、この曲はイリヤさん自身の手で編曲が行われている。
 
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制作においては、例によってMax12(使用する楽器の数を最大12種類にする)の方針で制作している。
 
Gt.近藤嶺児
Sax.近藤七星
Bass.鷹野繁樹
Dr.酒向芳知
Mar/Vib.月丘晃靖
Tp.香月康宏
Tb.宮本越雄
Fl/Pic/篠笛.古城風花
Pf/KB.近藤詩津紅
Fl/Pic.田中世梨奈
Cla/BCla.上野美津穂
Vn.大崎志乃舞
 
一応この12名で制作を進めたが、『Burning Snow』には千里(2番か3番かは分からない)の龍笛が入っているし、『心の手をつないで』には、山下ルンバの“割れ目木鼓”が入っている。その分、他の楽器を減らして12種類以内に納めている。
 

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風花は先月、古城美野里の兄・古城羽志夢(こじょう・はじめ)と結婚して、苗字が古城になっている。つまり風花と美野里は義姉妹になった。風花は実は妊娠しており、
「出産前後は旦那に女装させて代役させますから」
などと彼女は言っていた。
 
女装までは必要無い気がするが!?
 
風花の夫は、美野里の兄だけあって、ヒアノも(美野里ほどではないが)結構うまい。ピアノ以外では、ヴァイオリンも一通り弾くし、高校・大学時代はホルン吹きだったらしい(チューバも吹いたことがあるらしい)。風花の妊娠中は、彼女はできるだけ在宅勤務とし、うちのマンションに常駐してデスク的な仕事をするのは、妃美貴に代わってもらうことにした。
 
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田中さんと上野さんは青葉の中学以来の同級生で、今回のツアーにも参加してもらっているのだが、大学の方はもう卒論も提出して、授業も放置でいい(と本人たちは言っている)ので、音源制作にも参加してもらうことにした。2人とも4月からは金沢市内の企業に勤めることが決まっており、こういうのに参加してもらうのはこれが最後になるかも知れない。
 
§§ミュージックの研修生・大崎志乃舞(本名:門脇真悠)は現在高校1年生である。§§ミュージックでは、アクアや西湖もヴァイオリンが上手いのだが、あまりにも多忙すぎて、とてもこちらの制作にまで協力は頼めない。それ以外では、大崎志乃舞ちゃんと桜野レイアがヴァイオリンが上手く、比較的時間が取れそうであった、志乃舞ちゃんにお願いすることにした。彼女は実はヴァイオリンコンクールで優勝したこともある。
 
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彼女は龍虎(アクア)と同じ赤羽のC学園に女子制服を着て通っており、住まいのマンションも、赤羽駅の近くである(ひとり暮らし)。それで(高校生なので)基本的には夜22時までには帰すようにはしているものの、万一遅くなった時も比較的帰宅しやすい(基本的には玄子さんか竜木さんに車で送らせている)。
 

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「え?真悠ちゃん、女の子になっちゃったの?」
 
「昨年の夏に戸籍上の性別の変更が終わりました。おかげで生徒手帳の性別も無事、女に変更されて名実ともに女子高生になりました。コスモス社長には経過も含めて報告しておいたのですが」
 
「ごめん。それコスモスから聞いていたと思うけど、私の記憶から漏れていた」
「ケイ先生、忙しすぎますもん」
 
「あれ?でも未成年なのに、よく性別変更できたね」
「半陰陽だと未成年でも訂正できるんですよ」
「真悠ちゃん、半陰陽だったの?」
 
「そういう訳ではないんですけどね。去年の春に唐突に性別が変わっちゃったんですよ。びっくりしたけど、これ幸いで病院で診断書を書いてもらって、裁判所に申請して性別の訂正が認められました」
 
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唐突に性別が変わった・・・・。私はそれって、千里1番のせいだな、と想像した。こんな所にも“犠牲者”がいたとは。
 
「ちなみに男の娘の需要があったら、女装にハマりつつあるうちの弟を高松から呼びますが」
 
「いや大丈夫」
と私は言ったが、マリがキラキラした目をしていた。
 

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豪華客船ダイヤモンド・プリンセス船内での感染者大量発生が話題になっている中、私たちは2月8日(土)には福岡、9日(日)には神戸で、ローズ+リリーのライブをおこなった。
 
この福岡と神戸のライブでは、入口に赤外線センサーを設置し、体温の高い人や咳などをしている人の入場をお断りさせてもらった(返金の上、お帰り頂く)。
 
また公演前に会場を徹底的に消毒したし、入場者全員に入場時に手のアルコール消毒をお願いするとともに、マスクを無料配布した。このマスクは、若葉がインドネシアに所有する工場で生産させたものを輸入したものである(販売の許可は取れないから若葉からの無償提供という形にした。若葉はサマーガールズ出版の大株主なので無償提供しても難しい問題は生じない。また、この両日のイベントでは、立ち上がったり歓声をあげることを禁止し、座って聴いて下さいということにした。歓声代わりに、全員に無料でサイリュームを配り、それを振ってもらうことにした。
 
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またホールの防音ドアを開放し、扇風機を回して徹底的な換気をおこなった。次亜塩素酸水のミストを発生する装置も導入して、ホール内の湿度を50-60%に保つようにした。このあたりは丸山アイからのアドバイスに基づくものである。
 
その他、物販は、声でのやりとりをしなくていいように、商品ごとのタグを用意し、そのタグに現金を添えて商品と交換する方式とした。売場スタッフには全員マスク着用・ビニール手袋着用をさせた。またPaypayとの契約ができたので(これも若葉のおかげ)、Paypayでの支払い(バーコード払い)を推奨したら、それで払った人が3割ほどいて、これはむしろ好評であった。
 

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福岡公演前の2月7日、私と千里・丸山アイ・コスモス、それに若葉、氷川さん、会場の管理をするイベンター会社の社長さんまで入れて、2月23日の津幡公演について、Zoomによる緊急会議をおこなった。
 
「下旬にはたぶんもっと酷くなっていると思う。かなり厳しい対策が必要なのではないかと思うんだけど」
 
「津幡は貸し会場ではなく所有している施設だから、多少の改造もできると思うんだよ。やれることがあったら、23日までの半月でやれるだけのことをしたいから提案して欲しい」
 
「明日・明後日の福岡・神戸でもやるけど、とにかくドアは閉めずに開放したまま演奏する。そして扇風機で強制換気。次亜塩素酸のミスト発生。立ち上がり禁止、声援禁止」
 
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「改造できるのなら、窓を作ってそこからも換気できるようにできません?体育館にはよく空気取り込み用の小さな窓がたくさんあるじゃないですか」
 
「今津幡の工事の主力は隣のアクアゾーンの工事に移っているけど、そちらを一時止めても改造作業させていいよ」
 
「それ頼む」
 
「あと、中国で営業再開したレストランで、客席と客席の間をビニールシートで隔離しているんだよ。あれは有効だと思う」
と丸山アイが言った。
 
彼女はその写真も見せてくれた。
 
「これいいね。客席と客席の間に全部ビニールシートを張ろうか」
「どれだけビニールシートが必要なのよ?」
「どこまで確保できるか分からないけど、できるだけ集めさせる」
「うちの工場でも頑張って増産させるよ」
と千里が言う。彼女が所有している関西の化学工場ではビニールシートも作っているのである。
 
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「トイレが感染の元凶になりやすい。便座はもちろん、ドアノブとかも」
「男子トイレはおしっこする時に飛沫が発生しやすい。小便器にダスキンの飛散防止ドームを入れよう」
 
「それどんなの?」
「プラスチックの網状になっていて、つまり金属たわしみたいなのなんだけど、おしっこをソフトに受け止めるから飛沫ができない」
「それすぐに手配しよう」
 
「女子トイレはもっと問題だよね。どこにも触らないようにできないかな」
 
「トイレの出入口は男子トイレも女子トイレも公演中は開けっぱなしにしよう」
「そうだね。閉める必要が無いね」
「個室のドアは手かざしとかで自動開閉にできない?」
「ボクは手を触らずに開け閉めできるけど」
「それはアイちゃんだけでしょ」
「千里もできるよね?」
「気合い入れたら」
「そういう人は例外だから、普通の人のこと考えて」
 
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(イベンターの社長さんはジョークだと思っている)
 
「個室のドアは内側から手かざしで閉めてロックできるようにするよ。開けるのも手かざしだけど、便座に座っている間はアンロックされないようセンサーでチェック」
 
「ああ、それは必要だね。うっかり開けちゃうと悲惨」
「便座は使い捨て便座シートか便座除菌クリーナーを」
「それどちらが使いやすいかちょっと実験してみて決める」
 
(これは実験の結果、除菌クリーナーの全導入を決める。便座シートはきちんと便座の上に乗らずに結構便座自体と肌が接触することが明らかになった)
 
「トイレットペーパーホルダーのカバーを撤去しよう」
「ああ、それはいい考えだ。あれ割と気になってた」
 
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これらの改造で、体育館を所有するサマーフェニックスは1億円を播磨工務店に支払うことになる。
 
彼らは本当にアクアゾーンの工事を一時止めて、この改造作業を大急ぎでやってくれた。若葉が伯母の会社にも依頼してビニールシートをひたすら集め、千里も所有している工場で増産させ、2月20日までには1万席を分離するのに必要なシートを集めることができた。シートを張るための木の枠も播磨工務店・ムーラン建設の人たちが大量人員投入して作ってくれた。千里が所有する2つの製材所ではバイトまで雇って細い材木をたくさん生産してくれたほか、全国あちこちのホームセンターで買いあさった。
 

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状況が刻一刻と変化していくので、対策も公演ごとに進む。2月11日(祝)の札幌公演では、会場側の許可をもらい、男子トイレ小便器に飛沫防止ドームを入れるとともに、ロビーと女子トイレにはアルコールジェル装置(押さなくても手を出すとセンサーで出てくるタイプ)をたくさん置かせてもらった。
 
またこの日から手拍子も禁止にした。拍手くらいはいいのだが、長時間の手拍子は汗が飛沫化するおそれがあるからである。また手は口や鼻に触って唾液や鼻水が付着している可能性もある。これでもうクラシックコンサートの雰囲気である。もっとも、サイリュームを無料配布しているので、みんなそれを振ってくれた。
 
札幌では物販で現金払いを原則停止した。基本的にPaypayかクレカで払ってもらうことにした。どちらも利用できないという人だけ別途対応したが、これは100人程度に留まった。
 
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(原則キャッシュレスにしたことで、かえって売上が増えた!)
 
この日札幌は雪だったので、雪の降る中で戯れる私とマリの映像を撮影し、これをシングルの『Burning Snow』のPVに取り込むことにする。
 
 
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夏の日の想い出・君に届け(4)

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