広告:放浪息子-2-DVD-あおきえい
[携帯Top] [文字サイズ]

■夏の日の想い出・郷愁(22)

[*前p 0目次 8時間索引 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 
前頁 次頁 時間索引目次

↓ ↑ Bottom Top

それで最初、青地の振袖を着た、石川ポルカと桜木ワルツは外れて、他の11人で撮影する。コスモスとゆりこを除いた9人がグランドピアノの前に2列に並んだ(後列の子は段に乗る)。そして
 
「今年もお世話になりました。皆様ありがとうございました」という挨拶のビデオを撮影した。
 
例によって、コスモスが指揮者、ゆりこがピアニストである。
 
ピアノは2015年の年末はカワイ製グランドピアノGX-7(229cm 300万)であったが、2016年の正月用のCFではヤマハ製グランドピアノC7X(227cm 300万)を使用した。2016年の年末は同じC7Xを使い、2017年の年始はカワイの
SK-7(229cm 600万)を使っていた。今回の「お世話になりました」も同じSK-7を使った。
 
↓ ↑ Bottom Top

全体の挨拶を撮影した後、1人ずつ手を振ったりピースサインしたり、思い思いのポーズで1秒ずつ!の撮影をする。
 
「じゃみんな着換えて!」
という指示がある。
 
今ビデオに映った11人(の内西宮ネオン以外)が全員別の振袖に着換える。お正月用は全員、青地の振袖を使用する。それで最初から青地の振袖を着ていた、ポルカとワルツ、および羽織袴のネオンは待機になり(仮眠していてもよいと言われた)、3人で勝手にお茶を入れて、志穂がおやつを買ってきてくれたのを食べながら、おしゃべりして待っていた。しかしネオンはどうも女の子と会話するのにあまり慣れていない感じで、けっこう照れていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

10人着換える中で、アクアとゆりこ・リズムの3人が自分で振袖を着ることができる。他に着付け師さんが4人来ている。また山村・田所・友香も着付けができるので、全員20分以内に新年用の振袖に着換えることができた。
 
ちなみに10人は全員同じ部屋で着換えていて、自分で着られる3人も帯は他の人に締めてもらっていた。この着換えている中にアクアと葉月も入っているわけだが、そのことを誰も気にしていない!
 
彼女たちが着換えている最中にスタジオの方では男性スタッフの手でカワイSK-7が運び出され、代わりにヤマハのグランドピアノS6B(212cm 500万円)が運び込まれてきた。
 
「これ毎年違うピアノを使うということみたいだけど、その内、ネタが尽きるのでは?」
と西宮ネオンが心配する。
 
↓ ↑ Bottom Top

「その時は最初に戻ればいいんじゃない?」
と楽天的な石川ポルカは言った。
 

やがて着付けが終わる。来年デビューのポルカとワルツも入れてピアノの前に11人が並び、ゆりこがピアノの演奏席に座り、コスモスが指揮台の所に就いて
 
「今年もよろしくお願いします」
 
の撮影をした。
 
こちらもその後、各自1秒ずつの個別撮影をした。
 
ちなみにコスモスの指揮棒も、2015年は青、2016年は黒、2017年は赤で、2018年は銀色であった。
 
「来年は金色ですか?」
という質問があるが
 
「さあ。気分で決めてるから」
とコスモスは言っていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

アクアは28日の夕方以降NHKの紅白のリハーサルの予定が入っていたが、多忙を理由に28日は欠席。29日は出たものの、30日は他の局の番組が入っていたのとRC大賞もあったので葉月に代理を頼み、そちらに行っていた。
 
30日はカメラリハーサルが始まったのだが、葉月に付き添っていた山村マネージャーが出場者の中のベテラン女性歌手から声を掛けられていた。
 
「四谷さん・・・と声かけそうになった。ごめんなさい。私の知っている四谷さんなら、もうとっくに80歳くらいだと思うし」
とそのベテラン歌手は言う。
 
「ひょっとしたら、私の祖母ではないでしょうか?私の祖母は二葉あき子さんの付き人とかをしていたので」
 
「あんた、四谷さんのお孫さんか!」
「祖母がお世話になりました。実は祖母の名前を襲名して営業活動しているんですよ。苗字は結婚したので変わりましたが」
 
↓ ↑ Bottom Top

と言って山村は
《§§ミュージック株式会社マネージャー アクア担当 山村勾美》
の名刺を渡していた。
 
「売れっ子アクアちゃんのマネージャーかぁ。忙しいでしょ?」
「自分が3人欲しいです。ついでにアクアも3〜4人欲しいです」
「大変そうだね。でも売れている内が花だからね。お祖母ちゃんは元気?」
「すみません。もう亡くなったんですよ」
 
「そうか。それは残念だったね。でも凄く豪快な人だったよ。公演先でヤクザと揉めたら、ヤクザの代貸を1発殴って、ノシちゃってさ。文句ある奴は掛かってきな!なんて啖呵切ったから『姐(あね)さん、お見それしやした!』とか言って、引っ込んでくれたんだよ」
 
戦後間もない頃は、プロ野球の試合でさえ、地元のヤクザと話をつけないと実施できないほどの状態であった。芸能人のヤクザとの揉め事も日常茶飯事で特攻隊帰りの某二枚目俳優が暴行を受けて大怪我をし、2年後に彼のマネージャーや事件に関わった可能性のあるヤクザの大幹部が不審死した事件などは真相不明のままである(どちらも自殺として処理された)。
 
↓ ↑ Bottom Top

「祖母らしいですね。喧嘩で男に負けたことない、なんて言っていましたから」
 
ベテラン歌手さんは懐かしそうに色々話し、山村はそれに応じていた。
 
葉月は、そういえば山村さんがアクアさんのマネージャーに就任した時に、二葉何とかさんって歌手のマネージャーしたことあるとか言っていたけど、それお祖母さんのことだったのか、などと思っていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

紅白のリハーサルは28日夕から31日午前中までの長丁場である。当然食事やトイレなどをはさみながらになるので、予定表を見て自分の出番に掛からないところで済ませておかなければならない。
 
葉月は次の出番まで1時間あるなと思い(紅白は自分が歌う所以外にも他の歌手のバックで踊ったり、コントのようなことをしたりと、色々出番がある)、トイレに行っておくことにした。
 
それで廊下に出て(NHKホール自体は何度も来ているので)男子トイレに入ろうとしたら
 
「あんた、待ちなさい」
と年配の女性の声がする。
 
「はい?」
と言って振り向くと、ベテラン歌手の**さんだ。情報番組などで結構辛口のコメントをしている人なので、ちょっと怖い。
 
↓ ↑ Bottom Top

「そっちは男子トイレだよ。女子トイレが混んでいるからって、女の子が男子トイレに入っちゃダメでしょ」
と怒った顔で言っている。
 
「おはようございます、**さん。でも私男ですけど」
と葉月は一応主張してみる。
 
「何の冗談?君AKBか何かだっけ?」
「アクアのリハーサル歌手で今井葉月(いまい・ようげつ)と申します」
 
「ああ。アクアちゃんの?アクアちゃんまだ声変わりしてないから、女の子でないと、代理が務まらないよね。でもアクアちゃんは男の子でも、あんたは女の子なんだから、ちゃんと女子トイレ使わなきゃ。トイレまで代理しなくていいよ」
 
「はい、そうします。ごめんなさい」
と葉月は言い、仕方なく女子トイレに入った。だってこの人怖いんだもん!
 
↓ ↑ Bottom Top

女子トイレの中には他にも多数のタレントさんがいて、列が出来ていたものの葉月は誰からも咎められない。
 
それどころかそのAKB48の**ちゃんから
「葉月(はづき)ちゃんだったっけ?ね、ね、私、アクアちゃんのファンなの。サインもらえないかなぁ」
と言われ
 
「分かりました。今度聞いておきますね」
と笑顔で答えたりしていた!
 
ちなみに今井葉月の「葉月」は「ようげつ」と読むのだが、ほとんどの人から「はづき」と読まれてしまう!
 

↓ ↑ Bottom Top

2017年12月30日、今年のRC大賞が発表された。
 
今年の新人賞には、YS大賞の新人賞にも選ばれていたカノープス、愛's、の他白鳥リズム、ボニアート・アサド、カリビシャスの5組が選ばれ、最優秀新人賞はカリビシャスが獲得した。
 
「カリビシャスって何だっけ?」
とマリが小さな声で訊いたが
「私も知らない」
と私は答えた。
 
ステージでパフォーマンスをしていたが、全く知らない曲だった。昨年の新人賞・蝦口友華も全く聞いたことのない歌手で、その後も全く名前を聞かないので
 
「どのあたりで流行っているんだろうね」
と私は隣の席の松原珠妃とも話していた。
 

↓ ↑ Bottom Top

金賞に選ばれたのは下記の10組である。
 
アクア『憧れのビキニ』
AYA『ゴールドラッシュ』
品川ありさ『マイナス1%の望み』
タカシテナ『茶茶茶の茶』
津島瑤子『十和田湖に響く声』
松浦紗雪『橋の向こうで』
松原珠妃『ラヴァース・ワルツ』
三つ葉『大きな恋の物語』
山森水絵『リオの想い出』
ローズ+リリー『雪虫』
 
そして今年のRC大賞はタカシテナ『茶茶茶の茶』が受賞した。私は珠妃と顔を見合わせ
「知らない曲だね〜」
「私たち、流行に付いていってないのかしら?」
などと話していた。
 
そういう訳で今年、YS大賞とRC大賞の両方にノミネートされたのは
 
アクア・AYA・品川ありさ・ローズ+リリー
 
の4組であった。
 
↓ ↑ Bottom Top

品川ありさも、アクアを主人公とした映画(本人は出演していないが)の主題歌なので、アクアのパワー恐るべしという所である。
 
(それで今年はマリの方が私の2倍の収入があったのである!)
 

↓ ↑ Bottom Top

今年もKARIONは12月31日の国際パティオのカウントダウン・ニューイヤーライブ(12/31 12:00 - 1/1 12:00 の24時間ぶっ通しライブ)に出場した。
 
昨年は15:00-15:30の出演だったのだが、それでは厳しいので今年は13:00-13:30にしてもらった。
 
そちらが終わった後、私はすぐに染宮さんのバイクで浜松町駅まで送ってもらい、13:52のモノレールに飛び乗る。14:08に羽田空港に到着する。
 
なお、今回KARIONの他のメンバーは福岡には行かない。KARIONは1月2日に今日のカウントダウンライブと同じ会場、国際パティオでライブがあるので、年末年始はゆっくり休んでそれに備える。
 
この日は私は羽田を15:00のANA259に乗って17:00に福岡空港に到着した。車で博多ドームまで移動したが、ドームに到着したのは17時半で、既にかなりお客さんが入っており、もう前座が始まっていた。なお、マリやスターキッズ、その他の伴奏者は朝から福岡に入ったり、前日に入って福岡市内に前泊したりしている。
 
↓ ↑ Bottom Top

ちなみに今日のスケジュールはこのようになっている。
 
■前座
17:20-17:50 肥後ウィンドアンサンブル
18:00-18:30 背振山グランドオーケストラ
18:30-19:00 石川ポルカ with 信濃町ガールズ(司会:高崎ひろか)
19:00-21:00 桜木ワルツ・花咲ロンド・西宮ネオン・今井葉月(司会:姫路スピカ)
 
■本番
22:00-22:55 第1部
22:55-23:10 ゲストコーナー
23:10-23:59 第2部
23:59-_0:00 カウントダウン
_0:00-_0:20 ニューイヤー・ダッシュ
 
私たちの本番は22:00からである。23:59からカウントダウンをし、0:20くらいに演奏終了、0:30までにはスピーカーを止めることにしている。
 
今年アマチュア楽団が2つ入ったのは、元々熊本で予定して出演者を募集していたのが、途中で福岡に会場変更になったためである。話し合った結果、熊本の楽団と福岡の楽団に30分ずつ演奏してもらおうということになり、あらためて福岡の楽団で出演してくれる所を募集して、背振山グランドオーケストラが選ばれた。
 
↓ ↑ Bottom Top


石川ポルカは最初は1人だけで登場の予定だったが、5万人の大観衆を前に1人で歌うのがまだ怖いと言ったので、練習生たちの選抜チームと一緒に歌わせることにした。
 
「信濃町ガールズ」は仙台のクレールでも定演をしているが、基本的に中学生以下の練習生たちである。ガールズとは言っているものの、練習生の中には実は男子も居て、今回の選抜チームは女の子6人と男の子1人である。黒1点になったのは、まだ小学6年生の上田信貴。彼には
 
「他の子と合わせてスカート穿く?」
と訊いたものの
「ズボンがいいです!」
 
というので、彼だけショートパンツになった。
 
(仙台では、うまく乗せられてスカートを穿いて出演したこともあるものの、やはり恥ずかしかったですと言ったらしい)。
 
↓ ↑ Bottom Top

もっともショートパンツを穿いていても、色がおそろいなので、遠目には他の子と同じようにスカートを穿いているように見えるかも知れない。声もまだ声変わり前なので、他の子たちに違和感無く溶け込む声である。実際、仙台でスカートを穿いて出た時も、男の子が混じっていることに誰も気付かなかったようであった。
 
なお信濃町ガールズは大半が中学生で、小学生も上田君を含めて2名いるし、石川ポルカも中学2年生なので、彼女たちの出番は19時に終わるように設定した。2つの合奏団の演奏の間には入れ替え時間として10分設けているが、石川ポルカはグランドオーケストラの演奏が終わると、すぐに緞帳を落とした上で、その緞帳の前で歌う。
 
↓ ↑ Bottom Top

そして緞帳の裏では、楽団が楽器を持って退去してから、22時までの本番までの3時間半で、本番用セットが設営されるのである。
 
なお、石川ポルカたちも、その後に入る子たちも、この後は福岡市内に1泊して明日のアクアのニューイヤーライブにゲスト出演する。それで今年の§§ミュージックの年始の会は福岡市内のホテルで行われるということだが、全くご苦労様である。

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁 次頁 時間索引目次

[*前p 0目次 8時間索引 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 
夏の日の想い出・郷愁(22)

広告:ボクの初体験 1 (集英社文庫―コミック版)