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■夏の日の想い出・影武者(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2016-09-09
 
7月16日には20日発売予定の山森水絵『スポーツ・フェスティバル』のPVがテレビスポットで流れ始めると同時にyoutubeでも公開された。
 
山森水絵は「鴨乃清見の歌を歌う歌手募集」という実質的なオーディションの優勝者である。
 
元々鴨乃清見という作曲家は2007年5月に大西典香のデビューアルバムで出てきた名前である。その後鴨乃は大西典香と津島瑤子にだけ楽曲を提供してきていたのだが、その大西が2013年12月に引退した後、2014-2015年は津島瑤子にだけ曲を書いていたが『白い足跡』は昨年のRC大賞を受賞している。今回のオーディションはいわば、引退した大西典香の枠を埋める歌手を募集したようなものである。
 
このオーディションは元々ハイレベルな歌手を募ったものだったので応募者も優秀な人が多かった。準優勝者の奈川サフィーが既にデビューしているし、他にも数名、デビューに向けて準備中の人もある。
 
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今回のアルバムは目前に迫ったリオデジャネイロ五輪を意識したもので、マラソン、水泳、バスケット、バレー、サッカー、体操、柔道、卓球という8つの競技をテーマにした曲のほか、実質的なタイトル曲である『夢の黎明』、ラストを飾る美しい曲『悲しきドラゴン』、そしてボーナストラック扱いでアクア主演で来月公開予定の映画『時のどこかで』の主題歌『∞の鼓動』が入って全11曲である。
 
その全ての曲にPVが作られており、競技を題材にしたものはJOCの協力で各々の代表チームの練習や試合の風景が多数取り入れられている。『夢の黎明』は北海道の納沙布岬で、天文薄明から日の出までを撮影した映像をバックに山森水絵が歌っている。これは実際に山森を現地に行かせて撮影したものである。
 
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『悲しきドラゴン』は龍笛をフィーチャーした曲である。元々は2月に千里が即興で吹いた曲から千里と私の2人で共同で譜面を起こしたもので、その時千里が吹いたメロディーを山森水絵が歌い、龍笛は「間奏」と称して実質Cメロに相当する部分と前奏・コーダに入れてある。音源製作時にこの龍笛を吹いたのも千里である。PVでは山森が龍に抱かれるようにして歌っている。この龍は映画撮影用のぬいぐるみなどを作っている会社に依頼して作った実物大の模型を使用している。この龍の制作費だけで500万円掛かっている。
 
『∞の鼓動』はアクア主演の映画の制作が決まってから急遽追加されたものでこの曲では千里はフルートを吹いている。作曲者の千里自身が音源製作にも参加したのは『悲しきドラゴン』・『∞の鼓動』の2曲のみである。この曲はドラムスとベースが刻むリズムが独特で、シルクロードを連想させると私は思ったのだが、あとで千里に訊いてみると実際にサマルカンド地方の民謡のリズムを借用しているらしい。PVはこの曲だけ、スタジオで8ピースバンド(Gt1, Gt2, B, Dr, KB, Vn1, Vn2, Fl)をバックに山森が歌う映像で構成されているが、これはプレスに出す直前に慌ただしく撮影したため、ロケなどができず、スタジオでの映像のみとなったのである。実際に音源で吹いている千里はここには出演しておらず、映像に出ているフルート奏者は奥原沙妃さんといって、雨宮先生の弟子のひとりで「男の娘女子大生」である。
 
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今回の音源制作・PV制作は、千里がオリンピック前の合宿に次ぐ合宿で全く時間が取れない中、毛利五郎・北原春鹿・奥原沙妃の3人が中心になって作業を進めた。
 
元々「鴨乃清見」は、雨宮先生・千里・鮎川ゆまの3人を中心とする共同ペンネームなのだが、今回楽曲は千里(と蓮菜)が『夢の黎明』『悲しきドラゴン』、『∞の鼓動』の3曲とマラソンを歌った『十・二六』、バスケットを歌った『25秒』、水泳を歌った『マーメイドになりたい』と6曲を書き、あと5曲は鮎川ゆま2曲、雨宮・北原・奥原で1曲ずつ書いている。
 
毛利さんは書いていないが「鴨乃清見」名で出す曲は女性あるいは男の娘で書くのがポリシーで、毛利さんは「性転換したら参加してもいいよ」と言われているらしい。
 
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今回のデビューに当たって∞∞プロと%%レコードは##放送でオリンピックの特集番組を流し、そのBGMとしてアルバムの曲を流すという手法をとった。大西典香が葵祭の特集番組でデビューしたのにならった鈴木社長は言っていた。もっとも大西は葵祭のレポーターもしたのだが、今回の番組ではレポーターは局アナの清水志保が担当している。これはオリンピック直前で練習につぐ練習で忙しい選手たちの負荷をできるだけ減らすため、短時間で要領よくインタビューできる専門家に委ねたためである。
 
山森自身はインタビューを見てそれについてスタジオで語る部分に登場している。このトークは古屋疾風が司会を務め、レポーターの清水志保、女子マラソン元五輪代表でタレントの松山優実、水泳の五輪金メダリストでスポーツ解説者の中村拓也、中学までサッカー部だった品川ありさ、やはり中学までバレー部だったゴールデンシックスのリノン、そして山森水絵の7人で行われている。どうもリノンは同じ事務所の先輩として山森のエスコート役も兼ねていたようだ。
 
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トークは実際にはノリのいい松山優実がうまく話のネタを出し、品川ありさとリノンが競い合うようにボケて、司会の古屋が暴走を停めるという形で進行したものの、山森も遠慮せずにどんどん発言するので視聴者にはかなり目立って見えたようである。あまりにもぶっ飛んだことを訊かれて、バラエティ系の番組にも出演経験のある中村さんが答えに窮する場面もあった。
 
「水絵ちゃんも何かスポーツしてたの?」
と清水が訊いたのに対して
「私、ポートボールのゴールマン、ソフトボールのキャッチャー、サッカーのゴールキーーパーが得意です」
と山森水絵は答える。
 
「要するに動かない役か?」
と古屋が突っ込む。
 
「でも、私も元ゴールキーパーだよ。今度ゴールキーパー対決しない?」
と品川ありさが言う。
 
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「あ、ぜひさせてください」
と山森水絵。
 
このやりとりは台本に無かったものであるが、こういう場で積極的になれるのはタレントとして筋が良い。
 
「では、それ今度番組でやりましょう」
と古屋が言い、同局のバラエティ番組内で翌週放送されることがテロップで流れた。
 

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番組ではメダルを期待する種目として、競泳、柔道、レスリング、体操、卓球、フェンシング、バドミントン、シンクロナイズドスイミング、陸上短距離、ウェイトリフティング、テニス、女子バレー、女子バスケット、カヌーの14競技を取り上げ、各々3〜6分ほどの解説・インタビューと1〜2分のトークという構成で進行した。
 
バスケットの所は山野監督、広川主将、花園亜津子にインタビューしていたがその花園さんのインタビューの背景で、さりげなく千里がスリーを決める映像になっていて、私は苦笑した(後で花園さんがやられた!と言っていたらしい)。
 
最後に、今日の有力選手の演技シーンをプレイバックしながら、山森水絵が『夢の黎明』をスタジオで生歌唱して終了した。
 
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この特別番組は7月18日(月)の夕方7:00-8:55の時間帯で放送され、翌々日の7月20日(水)に山森水絵のデビューアルバムが発売された。
 
タイムリーな特集で視聴率も良かったことから番組の中盤あたりからArtemisなどのオンラインショップに予約が入り始め、Artemisでは19日の昼13時までに予約された分を全てその日の内に出荷、発売日ジャストに送り届けた。このArtemis分だけで8万枚、もうひとつのオンラインショップDirect-CDでも3万枚、全国のCDショップで売った分が6万枚、gSongsなどのダウンロード販売サイトでも4万DLされ、初動が21万件となり、同日発売されたホワイト▽キャッツのファーストアルバム15万件を抜いてデイリーランキング1位となった。
 
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一応7月20日には発表記者会見も%%レコードで行われ、これには山森水絵本人、事務所の鈴木一郎社長、%%レコードの担当者・執行花謡子、そして鴨乃清見の代理と称して毛利五郎が出席した。
 
山森水絵の挨拶、鈴木社長によるプロフィール紹介、タイトル曲『夢の黎明』を本人の生歌唱で演奏した後、質問に入ろうとしたら先にスタッフに関する質問が入る。
 
「執行さんって、もしかして昔、ローズ+リリーの担当ではありませんでした?」
「はい。★★レコード時代に担当しておりました。2010年春に退職して福岡の方にいたのですが、最近東京に引っ越してきて、%%レコードさんからお声を掛けていただいて、A&Rに復帰しました」
 
「苗字が変わってますよね?ご結婚なさったんですか?」
「ああ。姓転換しました」
「性転換なんですか?」
「性別じゃなくて、姓(かばね)のほうの姓が変わりました」
「なるほどー」
「性別は変わってないんですか?」
「どうでしょう?」
「執行さんは女性ですか?」
「私はよく分かりませんが、夫は私を女だと思っているようです」
 
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「毛利五郎さんは三つ葉にも関わっておられますね?」
「ええ。私は使い走り専門なので。今、三つ葉の制作で大先生のお手伝い、山森水絵の制作で鴨乃清見ちゃんのお手伝い、アクアのCDの制作で東郷誠一先生のお手伝いと同時進行です」
 
アクアは形式的には東郷誠一先生がプロデュースしていることになっているが、実際には秋風コスモスが主導して、毛利さん・千里・上島先生あたりが制作の中核になっているように見える。
 
「色々やってますね!」
「それであまりにも忙しくて4月の中旬以降、全く自宅に戻れない状態が続いています。ずっとスタジオや事務所に泊まり込みです」
 
「なかなかハードですね」
 

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その後、やっと本題に入り、山森水絵の経歴や将来目標などについて尋ねられる。彼女は小学生の時地域の合唱団で活動、また6年生の時にNHKののど自慢で入賞したことからスカウトされ、1年ほど歌とダンスのレッスンを受けたものの、それはデビューには結びつかなかったということを述べた。
 
幼稚園の時からピアノを習っていたということで、その場で同じ事務所のハイライトセブンスターズのヒット曲をピアノで弾いてみせて拍手をもらっていた。
 
将来目標とする歌手については、
「マドンナのように世界的に売れる歌手になりたいです」
と言った。
 
「マドンナって初期の頃、結構大胆な歌を歌っていますが」
と記者から質問が出るが
 
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「そのあたりが課題ですね。まだ高校生なので、色気が足りません」
と本人。
 
「デビューなさいましたが、学校は続けられるんですか?」
「5科目平均80点未満を取ったら活動謹慎と言われていますので頑張ります」
「かなり厳しいですね!」
 
なお、山森は北海道の公立高校に在籍していたのだが、デビューに先立って関東地区の私立高校に転校したことが、鈴木社長から説明された。
 
「お母さんかどなたかと一緒に東京に出てこられたんですか?」
「いえ。単身赴任です。私の家、妹が3人いるので、離れられないんですよ」
「4人姉妹ですか!」
「もうひとり弟もいますけど、女ばかりの家族なんで、居心地が悪そうです」
「なるほどー」
「しばしばお姉ちゃんたちのお下がりの女の子の服、着せられているし」
「可愛いですか?」
「あんたがスカート穿いて女の子に見えるような子だったら、性転換させてあげたけどなあ、と母から言われていました」
 
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そこで笑いが起きて、その件はそこまでの話になった。なお、山森の住まいや転校先などについては、プライバシー上、報道を控えて欲しいと事務所から記者団には要請があった。
 

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