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■カット・ユア・ボール(3)

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お風呂場から出てくると、母がおにぎりを作ってくれていた。
 
「あんた、もう出ないといけないんでしょ? これ途中で食べていきなさい。部屋は私たちが片付けておくから」
「うん。ごめん」
 
「卓球のラケットも拭いてみた。これに入れて行くといい」
と言ってキルト地の小さな手提げに入れてくれている。
 
「ありがとう。じゃ、行って来ます」
 
ということで浩佳はおにぎりとラケットを更にトートバッグに入れて出かけた。
 

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バス停でバスを待っている間、浩佳は自分の姿を近くのまだ開いてない商店のウィンドウに映してみる。やだあ。キャミソールの線が見えてるじゃん。でもランニングと思ってもらえるかな?
 
バスは混んでいなかったので、その中でおにぎりを食べる。やがて会場に到着するが、少し遅くなった感もあった。集合時刻にはまだ少しあるが、本当はあと10分くらい早く着いて、部長の松恵さんと練習することにしていたのである。
 
ちょっと焦りながら会場に入っていくと、入口正面の所の受付の人に呼び止められる。
 
「君君、参加する学校の生徒?」
「あ、はい」
「じゃここに名前書いて。もう受付時刻、あと5分で終わりだよ。もっと早く来なきゃ」
「あ、えっと・・・」
「急いで」
 
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と言って、紙を渡されるので、浩佳は反射的にそれを受け取り、参甲中学・2年・青野浩佳、と書いてしまった。
 
でも、書いた後で、参甲中学には男子卓球部は無いから、受け付けられないのではと思ったのだが、自分が名前を書いた用紙には女子の名前ばかりが書かれていることに気付く。え? 僕女子と思われた??
 
「君、エントリーは個人戦だけ? 団体戦にも出るの?」
「あ、いえ出ません」
 
「じゃ、君個人戦は9:05から16番の台だから、すぐそちらに向かって」
「あ、はい」
 

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浩佳は言われたので会場内に入り、いったん16番の台まで行ったものの、さすがにちょっとまずい状況ではないかということに思い至る。松恵さんか荒井先生に相談しようと思い、自分たちの中学が集合しているだろうと思った場所に行ってみたのだが、荷物だけ置かれていて、誰もいない。あちゃー。どこか他の場所で準備運動かあるいはお話でもしているのだろうかと思い、探す。しかし見当たらない。その内9時を過ぎてしまう。
 
16番の台の所ではプレイヤーが1人しか来てないので、スタッフの人がその子の名前を確認し、まだ来てない子(浩佳)を放送で呼び出した。
 
「参甲中学の青野浩佳(ひろか)さん、急いで16番台に来てください」
 
あはは、確かに自分の名前「ひろか」と誤読されること、時々あるんだよね。でも呼び出されたら仕方無い。浩佳は急いで、台の所へ行った。
 
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「君、ちゃんと5分前までには来てなさい」と注意される。
「すみません」
 
「はい、試合始めるよ」
「よろしくお願いします」
と対戦相手の女の子が言うので、こちらも
「よろしくお願いします」
と言って、握手をした。
 

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一方、参甲中学の女子卓球部のメンバーは浩佳が来ないものの、試合開始間近になるので、2階のロビーに行って顧問の先生から、簡単な注意事項などを伝達していた。
 
「ヒロちゃん何やってるんだろうね?」
「遅刻するって珍しい」
 
などと言いながら、伝達が終わり、各自客席に行って観戦するなり、練習場の方で練習するなりという雰囲気になる。松恵は浩佳と練習するつもりでいたのが来ていないので、その内来るかもと思い、いったん客席で自分たちの荷物が置かれている所に行った。浩佳は来たらここに来るだろうし、と思ったのだがその時、
 
「参甲中学の青野浩佳(ひろか)さん、急いで16番台に来て下さい」
 
というアナウンスを聞く。「ん?」という感じで、松恵はそばにいた珠美・敦子と顔を見合わせた。
 
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会場を見ると、16番台の所に浩佳が走ってきて、何やら注意されてる。そして他の中学の女子と試合を始めてしまった。
 
「ちょっと、ちょっと。なんでヒロちゃんあそこで試合やってるわけ?」
「女の子と対戦してるね」
「うーん。参甲は女子卓球部しかないから、女子選手として受け付けられたんだったりして」
「それ困る〜。あとで責任問われちゃう」
 
「あ、1セット取っちゃった」
「だって、あの子、強いもん」
 

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一方、その客席の別の場所では、伊城中の月海がじっと浩佳の試合を見ていた。
 
「どこ見てるの?」
とそばにいた玲菜から訊かれる。
「16番」
「ふーん・・・・あ、あの子強いね」
「うん。参甲中の青野さん。なんか中体連では参加資格が無いとか言って参加してなかったんだけど、この大会は規則がゆるいから参加してきたのかな」
 
「あの強さだと、かなり上まで来るのでは?」
「うん。いづれ私と当たるかもね」
 

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一方その参甲中の松恵たちは、ハラハラしながら浩佳の試合を見ていた。
 
「ああ、あいつ勝っちゃったよ。きゃー」
 
浩佳はストレートで相手の子に勝った。
「ありがとうございました」
と挨拶して、握手を交わす。
 
記録表を持って本部に行ったら「次は9:50 23番台」と指示された。
 
うーん。どうしよう、と思いながら会場を出たところで松恵・敦子・珠美と顔を合わせた。
 
「ちょっと、ヒロちゃん何やってんのよ?」
「あ、助かった。ちょっと今朝家でトラブルがあって出かけるの遅れてしまって。それで慌てて体育館に入ってきたら、君君すぐ名前書いてって言われて、それでつい名前書いちゃったら、16番の台に行きなさいと言われて」
 
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「ああ・・・」
「どうしたらいいんでしょう?」
「うーん。体調不良につき辞退とかにする?」
「あ、そうすれば角が立たないね」
 
「でも、ヒロちゃん、その体操服は?」
「実は今朝、僕の部屋の天井から雨漏りで大量の水が落ちてきて、部屋の中のもの全滅したんです。タンスの中もびしょ濡れ。教科書とかも買い直さないといけないかも。それで姉の体操服を借りてきたんですよ。選手じゃないし別に参甲中の体操服でなくてもいいかと思って」
 
「ああ、それ参甲高校の体操服か」
「でも参甲中学の体操服と似てるから、知らない人が見たら同じに見えるかもね」
 
「ってか、ヒロちゃん、おっぱいがある」
「あ、ほんとだ。もしかして女の子の下着つけてる?」
「それで女子と思われたのでは?」
 
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「ええ。下着とかも含めて全滅したんで、姉の下着を借りてきて。だからブラにショーツにキャミソールなんです。ちょっと恥ずかしい」
 
「いや、お姉さんの下着を借りるにしても、ショーツとキャミソールまでは分かるが、なぜブラジャーまでつける必要がある?」
「え?  あ・・・・気がつかなかった」
 
「お姉さんの悪戯心か」
「そんな気がするね」
 
「でも、それに今まで気がつかなかったヒロちゃんもヒロちゃんだ」
「実は本当は女の子の下着がつけたかったのでは?」
「こないだ買ってあげたスカート穿いてみた?」
 
「あ、えっと穿いてみた。実はその穿いてみた所をお姉ちゃんに見られて、スカート穿くなら、女の子下着つけなさいと言われて、それでその時つけさせられた下着を今日着てきてるんだよね」
 
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「つまり、女の子の格好がしたかったのね?」
「そういう訳ではないけど」
「あ、分かった。むしろ女の子になりたいんでしょ?」
「へ?」
「ヒロちゃん、女の子になっちゃったら、本当に女子卓球部に入れるね」
「そんな、女の子になりたくはないですよお」
 
「恥ずかしがらなくてもいいよ。女の子になりたい男の子なんて今時珍しくないから」
「あ、うちの兄ちゃんの同級生がこの春から制服を学生服から女子制服に変えて通学しはじめたらしいよ」
「ああ、最近は学校もそういうの受け入れてくれるみたいね」
「ヒロちゃんもセーラー服で月曜から学校においでよ」
 
「えっと・・・」
 
「それにそもそもヒロちゃん、足の毛剃ってるね」
「あ・・・それが昨夜もお姉ちゃんに唆されて女の子の服着たから、その時剃ったままで」
「ああ、やはり日常的に女の子の服着てるんだ」
 
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「ヒロちゃん、その格好ならトイレは女子トイレ使いなさいよ」
「えー!?」
 
「だって男子トイレに入って行ったら、痴漢と思われるよ」
「う? そうだろうか・・・」
 

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そんなことを言い合っていた時、伊城中の月海さんが寄ってきた。
 
「青野さん、次、私との試合だね」
「え?」
「9:50から、23番台。相手は私だよ」
 
「青野は辞退するよ、ごめん」と松恵。
「辞退? なんで?」
「あ、えっと体調不良かな」
「全然体調不良に見えないけど」
 
「生理が重いらしくて」
「そのくらい試合を15分くらいする間は我慢できるでしょ。それとも私から逃げるの?」
 
「逃げない。出る」と浩佳は言った。
 
「OK。頑張ろう」と言って月海は握手を求めた。
浩佳も月美の手を握り、しっかりと握手した。
 
「じゃ、また後で」
と言って月海は手を振って向こうに行った。
 

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「部長、ごめん。多分、原口さんには勝てないだろうけど、万一勝ったら、そのあと辞退するから」
 
「そうだね。私もヒロちゃんと原口さんの試合は見てみたいよ」
と松恵も言った。
 
「でさ、ヒロちゃん、試合の前に一度トイレに行った方がいいよ」
と珠美が言う。
 
「えっと、それって・・・・」
「当然女子トイレだよね」と敦子が楽しそうに言う。
「私たちも付き合ってあげるからさ」と珠美。
 

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それで珠美と敦子に連れられて、女子トイレに入ってしまった!
 
何だか列が出来ている。
 
「凄い列だね」と浩佳は言うが
「このくらい短い方だよ」と敦子に言われた。
 
女子トイレに列が出来るという話は聞いていたが、これ以上に並ぶのか!女の子も大変だなあと思う。
 
列はゆっくりと進んで行く。とりあえず珠美・敦子とおしゃべりしているので気が紛れるが、これ、おしっこ近い子は辛いよななどと考えている内、やっと順番が来た。個室の中に入ってふっと息をつく。
 
体操服のショートパンツを下げ、ショーツを下げて便器に座る。おしっこをするが、ふと「女の子はおしっこの後、拭くんだ」という話を思い出した。トイレットペーパーを少し取って、おしっこの出てきた付近を拭く。へー、このやり方いいかも、という気がした。男子のパンツはおしっこしても拭かないから汚れやすいのではなどという気もする。
 
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またタマを内部に格納して、下に向けた棒でふたをしてショーツをきっちり上まであげる。ショートパンツを穿き、流して外に出る。そして手を洗おうとしたら・・・・手を洗う所も列だ! ほんとに女の子のトイレって大変だ。
 

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