編集 | 差分 | 新規作成 | 一覧 | RSS | FrontPage | 検索 | 更新履歴 | Home

停留睾丸 - retention of testicle


retention of testicle

男性睾丸が腹腔内に留まり、陰嚢の中に降りてきていない状態。潜在睾丸, 陰睾などともいう。

元々睾丸は体内で形成された初期は卵巣と同様に体内にあるのだが、それが妊娠中期に下に降りてきて、陰唇隆起を押し広げて陰裂を癒着させて陰嚢化し、その中に収まるようになっている。

この降下が不十分な場合が停留睾丸である。陰嚢まで降りてきているが陰嚢が縮んでいる時は腹腔内に戻ってしまうものは移動性睾丸という。

停留睾丸・移動性睾丸は両方ともそうなっている場合もあるが片方だけがそうなっている場合もある。出生時に陰嚢内に睾丸が認められない男児はけっこういるが大抵は産後半年程度のうちにちゃんと降りてくる。そこで半年程度経過しても降りてこない例を停留睾丸とみなし、手術して陰嚢内に引き出して固定してやる手術を適用している。

周囲が停留睾丸に気づかないままずっと成長してしまった場合は、その後睾丸を陰嚢に固定する手術をしても睾丸の機能が正常に戻らない場合もあるので、男の子を育てる場合は、時々陰嚢をチェックしてあげて、中身が無いようであったら病院で相談した方がよい。移動性睾丸の場合は、お風呂などに入って陰嚢が伸びている状態ではちゃんと陰嚢内にあっても、通常の縮んだ状態では腹腔内に戻っていることもあるので、注意が必要である。睾丸の固定手術はできれば2歳頃までには済ませた方が良いとされる。

なお稀に、出生時にはちゃんと睾丸が陰嚢内にあったのにその後の幼児期の病気で移動性睾丸になってしまう場合もある。移動性睾丸は成人男性でも発生することがあるらしい。

停留睾丸は癌化しやすいので、見つけ次第、除去してしまったほうがいいということが以前は随分言われていたのだが、最近ではそう簡単に除去すべきではないという意見が強まっている。癌化しやすいかどうか自体についても疑問を挟む人もいるのだが、たとえ癌化しやすいとしても、周囲、そして思春期以降は本人が気をつけていれば早期に発見できるものと思われる。

停留睾丸が重度の場合、外陰部の男性化自体が行われずに女児のような外陰部を持って生まれてくる子供もある。疑問がある場合は染色体検査も含めて精密検査をおこなうが、そもそも女児ではないかも、と誰も思わなかった場合は、そのまま女児として育てられてしまう。

その場合、思春期に男性型の二次性徴が発現して完全な男性になる場合もあるが、多くの場合は思春期に月経がなかなか始まらないことから来院して発見されたり、もっとひどい場合20代以降に、結婚したが子供が出来ないとして来院して発見される場合もある。実際問題としてこの停留した睾丸から女性ホルモンが分泌されて、女性型の二次性徴が現れてしまう場合もあり、そうなるとますますこの事態に気づかないのである。

本人が自分は女性と思いこんでいる人に停留睾丸が発見された場合、昔は本人にそのことを告げるのはあまりにも酷であるとして「卵巣腫瘍」で卵巣を摘出しなければならないと説明して、停留していた睾丸を摘出する手術が行われ、そのまま本人は自分が実は男性であったことを知らないまま、一生を終えるケースも多々あったらしい。最近ではこの場合、やはりちゃんと告知はすべきではないかという意見も強まっており、議論が行われている。

なお停留睾丸の症例で、出生時に外陰部の形態が男児か女児か曖昧な場合もある。こういう性別が曖昧な場合は、出生届の段階では性別留保したままにしておき、まず染色体の検査や、腹腔内にある性腺が睾丸なのか卵巣なのかの判定をしたりしてとにかく性別がどちらなのか判定し、男児と確認されたら、陰茎の創設など男性型への陰部の形成手術を経て男児として育てられることになる。睾丸が機能してくれない場合は男性ホルモンの補充も必要である。なお、停留睾丸ではなく女性型半陰陽だった場合は、女性型への陰部の形成手術を経て女児として育てられ必要なら女性ホルモンの補充がおこなわれる。

ただこういう半陰陽のケースについては、どちらの性別にするのかというのは本人がある程度大きくなって自分の意志で決められるようになってから決定すべきではないかという意見も最近強まっている。

停留睾丸に関する事項は、医療関係者からもかなり色々な意見が飛び交い、また当事者やその親たちの意見も様々であり、まだまだ議論をしていかなければならない問題を多く含んでいるようである。

半陰陽


【コメント】
あなたの名前:

.