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セックスチェック - sex check


目次

sex check

セックスチェックとは

1960年代に国際スポーツ大会の女子の部において「男みたいな女」が出場して上位に入賞しているという問題が提示され、上位入賞者について、本当に女性なのかを検査するようになったものです。

当初は裸にして体形をチェックしたりとか、更には外陰部を婦人科医が検査したり、などという選手の人格を無視したような方法が採られましたが、女性たちからの強い抗議もあり、口腔内の粘膜を採取して顕微鏡下で染色体を検査する方法が開発されました。

基本的には蛍光染料でサンプルを染色してY染色体?を示す青い発光がほとんど見られない場合は女性とみなし、たくさん発光する場合は男性とみなしています。(染色体は女性はXX、男性はXY)以前聞いた話では10%以下なら女性、60%あれば男性とみなすそうですが、実際には曖昧で、判定に悩む場合もあり、そういう場合は更に精密な検査をしている模様です。また最近はもっと負担の少ない、毛髪による検査も開発されています。一度国際大会に出場して検査を受けている人については新たな大会での検査は免除されます。また当初は上位入賞者だけでしたが最近は全員に課しています。

このような検査が必要になった背景には共産圏の一部の国で男性半陰陽?であることを承知の上で良い成績をあげられるからということで代表選手として出場させていたケースがあったことがあります。この問題を放置していたら更には、完全な男性なのに男子としてはメダルを狙えない選手を半強制的に性転換させて女子選手として登録するようなケースも出ていたのではないかと思われます。1960年代に導入されたセックスチェックは、そのような悲劇を事前に防ぐ効果もありました。

当初は上位入賞者にだけセックスチェックを行っていたため、金メダルを採った女子選手がセックスチェックで染色体的には男性と判明し、メダルを剥奪されたりして全世界に「彼女は男だった」と報道され本人の尊厳が著しく傷つけられたケースがあります。そこで現在は競技前に全員チェックした上で、検査結果は極秘扱いとし、実際に男性と判断された場合は「体調不良」などの名目で棄権させる方法が採られています。

初期の頃の問題

1963年の世界体操フェスティバルでは女子選手全員を全裸で行進させ、確かに股間に何も付いていないことを確認したそうです。割と昔はとんでもないことをしていますね。全裸にするのをよしんば認めたとしても、なぜそれで行進までさせたんでしょう。股にはさんで隠していても歩かせたらはずれてブラブラするだろう、ということでしょうか??

逆のセックスチェックとして本当なのかウソなのか分かりませんが、ローマ法王が就任前にセックスチェックを受けるという説があります。昔性別をごまかして法王になったジョンという女性がいたので、それ以来、穴のあいた椅子に裸で座らせ、その下からのぞいて見て、ちゃんとおちんちんが付いていることを確認することになったのだとか。

現代日本の自衛隊でも男子の受験生は全員握られるという話です。服の上からですが。。。私の中学のクラスメートで受けた人がみんな言ってました。

少し時代を遡って1954年日本で大きな話題になった人がいました。福岡の専売公社(現JT)の職員で陸上のやり投げ選手としてアジア大会を目指していたTさんという23歳の女子選手が実は染色体上男性であることが分かったのです。

大会前の健康診断の時「メンスはいつありましたか?」と聞かれ「メンスって何ですか?」と答え、大騒ぎになったということ。昔は性教育?なんてまともにやってないから、こんな無知な人もいたんですね。

結局男性として生きることになり、九州大学の泌尿器科で性転換手術(というより彼の場合は陰部の形成手術)を受けます。陸上はやめざるを得なかったようですが、さすがに公的企業。専売公社は彼がそのまま同じ職場で勤務し続けることを認めました。元々男性の多い職場で「女性だけど男なみに仕事してくれそう」ということで採用したらしいのでそういう要素もあったのかも知れません。

しかし一般企業に勤めている人はやはりこううまくは行きません。同様のケースが1957年のSさん。こちらは砲丸投げの選手でしたが、同年の全日本選手権直前の診断で染色体的に男性と分かってから、会社を解雇されてしまいました。本人は男性になっても砲丸投げは続けて男子選手として大会を目指すと言っていたようですが、その後のことは分かりません。

昔はプライバシーなんて概念がないから、これらの人は当時実名で報道されています。今なら本人にだけ告げてできるだけ穏便に引退させるところでしょう。

セックスチェックと性転換

セックスチェックはそもそも内部的には男性なのに外見上女性に見える選手が男子なみの成績をあげて本来の女子選手が排斥されるような事態を防ぐために導入されました。

しかし後に困った問題を引き起こします。それは男性から女性性転換をした選手がどこにも出られないという事態です。その選手は染色体的には依然男性なのでセックスチェックをされたら男性という判断になります。しかし、その選手に男子として出ろというのは屈辱です。しかし、主宰者側からしてみれば半年前まで男だった選手が突然女になって女子の部に出てきてメダルを独占したりされては困ります。またそういうことを許すと全体主義国家などで選手を強制的に性転換させるようなケースも出てくることが予想されます。

アメリカのレニー・リチャーズ?というテニス選手は男性から女性に性転換したあとテニス大会に出ようとして主宰者から拒否され、この問題を裁判所に訴えました。その判決(1978年頃だったと思いますが不確か)はたいへん画期的なものでした。

判決ではリチャーズは性転換(1974年)から随分年数が立っているため、男性時代に訓練した運動能力の蓄積は既に消滅している。従って女子の部に出てもよいというものでした。この判決を主宰者側も受け入れ、リチャーズは無事女子の大会に出場することができました。

この判決は性転換者のスポーツ大会への出場に関する道を開いたということができるでしょう。その後多くの国で、オリンピックのようなものをのぞいてですが、性転換したスポーツ選手がテニス、ゴルフ、陸上などで活動しています。

そしてついに2004年、IOCはオリンピックにも、性転換して数年経った選手が新しい性で出場できるという規定を作りました。

性の混乱とドーピング

このセックスチェックの問題はドーピングとも絡んでいます。

旧共産圏で組織的なドーピングが行われていたことは周知ですが、筋肉を付けるため、また逆に付けないようにするため、ホルモン剤の投与もかなり行われていたようです。そのため副作用で若死にした選手、女子選手で若いのに閉経してしまった選手、男子選手でバストが女性のように大きくなってしまいやむを得ず、バストの縮小手術を受けた選手、などなどがいたことがソ連崩壊後、報じられています。

彼らはそれが何の薬かも知れされないまま、いろんな薬を投与されていました。

つまり彼らは本来普通の男性・女性であったにもかかわらず、ドーピングによるホルモン投与で肉体的な性の混乱を意図的に起こされていたのです。本来女性の選手をホルモン的に男性にして筋肉を付けさせ、上位入賞させるというのであれば、男性半陰陽と分かっていて女子として出場させるのより、もっと悪質です。


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