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男の娘宣言-(1)

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(C) Eriko Kawaguchi 2020-04-11

 
**世紀に入った頃から、世界的な傾向として男女の出生率に明確な差が出始め、古くは男女の出生比率は51:49から52:48くらいと言われたのが、明白に男の子が生まれる比率が高くなり、**40年現在、70:30くらいになってしまった。つまり女子は男子の半分くらいしか生まれない。
 
原因は気候の変動であるとか、性攪乱物質の影響とか言われるが、よくは分からない。この性比のアンバランスに対応するため、多くの国で男性同士の結婚が認められ、国によっては男性2人と女性1人という一妻多夫(polyandry)も認められるようになった。また、男性同士のカップルが養子を取ることの推奨が行われ、貴重な女子を守るため、女性の労働者の保護、子供のいる女性への支援策が広く採用されるようになった。
 
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例えば多くの国で、妊娠中の女性・1歳未満の子供のいる女性はいかなる理由があっても解雇できないことになった。不祥事を起こしたり素行不良だったりして自宅待機を命じたとしても、給料は払い続ける必要がある。妊娠中の女性や1歳未満の子供のいる女性は公共交通機関も病院もタダである。子供の医療は5歳まで無料で、特に女子は20歳くらいまで無料である。また女の子には12歳程度になるまで補助金が出る国も多い。
 
この補助金欲しさに本当は男の子なのに女の子として出生届を出す例も随分発生したが、当然小学校に入る時にはバレる。その場合、下記のいづれかが必要とされた。
 
・性別訂正届けを出して過去に受けとった補助金の返還(分割払いOK) 
・本人が同意すれば“声変わりが起きるまでに”機能的に女性になる治療を受ける。
 
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ここで機能的な女性とは 
(1)睾丸が無いこと 
(2)男性との性交が可能な器官を備えること 
 
が必要とされた。胸の大きさなどは問わない。男性との性交が可能ならペニスが存在していても構わない。IPS細胞技術の発達した現代では卵巣や子宮などを埋め込む女性能力獲得手術が行われるのが普通である。
 

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J国では女子を守ることを主眼として「女の子保護法」が制定された。
 
・女子は小学・中学・大学の校費(給食費・教材費・制服代など)が無料。
 
J国は小学校6年間・中学校6年間でここまで義務教育(授業料は男女ともに無料)。中学を卒業すると大学(6年間)に進学可能だが、男子の場合は兵役を終えてから大学を受験しなければならない(後述)。また男子は大学の授業料を払う必要がある。
 
・30歳以下の女子は交通機関、病院代が無料。
・妊娠中の女性、および3歳以下の子供がいる女性は年齢によらず病院代・交通機関が無料。
 
(現代では交通機関といえば、バス・レンタカーがメイン。一部の区間では磁気道(中世にはリニアモーターカーと呼ばれたもの)や索道(ロープーウェイ)も運行されている。なお、自動車は中世頃までは人間が運転していたらしいが、今日では自動車は目的地を設定すればそこまで勝手に移動していくものであり、誰かが運転装置を操作する必要は全くない。人間が運転していた時代には毎年何万人もの人が自動車事故で死亡していたらしいが、現代では自動車の事故による死者は全世界でも毎年数百人程度である)
 
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・40歳未満の女性をレイプした者は原則として死刑。強制猥褻をした者は去勢。 
・女子は徴兵免除(男子は18歳になったら徴兵検査を受け最低4年間の兵役に就く)。むろん女子でも本人が希望すれば兵役に就くことは可能。
 
・女性保護のため、女子トイレ・女子更衣室・女性専用車両・女性専用休憩室・女湯・婦人科などの入口は女性であることが内蔵チップに記録された市民登録証が無いと通れない。(男の娘認定証や女装許可証など、例外的に女性でなくてもこれらのゲートを通れるカードは存在する。カードにより許可される範囲が違う)
 
・女性が勝手に進入して事故に遭わないよう、男子トイレ・男子更衣室なども男性であることが内蔵チップに記録された市民登録証が無いと入口を通過できない。(女の坊認定証や男装許可証などがあれば通れる)
 
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・中性の場合は本人の身体状態により、使用できる場所が異なる。
 
・5歳以上(幼稚園児は全員)18歳未満(中学生は卒業まで)の女子は運動や儀式・演劇の時などを除き、ショートスカートを穿かなければならない。実はスカートを穿いていることで交通機関などが無料で利用できる。また病気などの事情がない限り、10cm未満の短い髪は禁止。
 
・5歳以上(幼稚園児は全員)18歳未満(中学生は卒業まで)の男子は運動や儀式・演劇の時などを除き、ロングパンツを穿かなければならない。また病気などの事情がない限り、20cm以上の長い髪は禁止。
 
つまり10-20cmの間の髪は男女ともにOKということになる。
 
・18歳以上(中学生は卒業後)は髪の毛も服装も自由である。女子がパンツを穿き丸刈りなどにしてもいいし、男子がスカートを穿きロングヘアにしてもよい。
 
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もっとも兵役に就いている間は男女ともに強制的に丸刈りでパンツ型の戦闘服を着ることになる。
 
成人女子のパンツ派はだいたい5割と言われる。男子のスカート派はだいたい5%程度と言われる。スカートを穿く男子は、立っておしっこすることができないので、彼らのために、公衆トイレやビルのトイレの男子トイレには原則として個室を2個以上設けることになっている。逆に女子トイレにも最低1個、立っておしっこができる小便器が設けられていることが多い(無い場合もある。特に小学校・中学校の女子トイレには無い)。
 
中世以前においても女子のパンツが特に変に思われなかったように、J国では男子のスカートも特に変とは思われない。個人の好みの範囲と考えられている。もっとも女性指向のある人にはスカート派が多いし、歌手など芸能人の男の子にもスカートを穿いている子が多い。むしろ美形男子タレントはスカートを穿くものと思われている。また中には男子社員の制服にスカートを採用している企業もある。飲食店や洋服店にはスタッフの男性がスカートを穿いているお店は多い。
 
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レミはいつものようにシャツを着てロングパンツを穿いて朝食に出て来たのだが、母から
「あら、今日から性交換でしょ?」
と言われる。
 
「あ、そうか」
と言ってレミは自分の部屋に戻ると、服を脱ぐ。シャツを脱ぎ、パンツを脱ぎ、アンダーシャツを脱ぎ、男の子用トランクスを脱いだ。
 
男の子たちの中にはボクサー派が多いけど、レミはトランクス派だ。それはトランクスにはちんちんを出す穴が無いからというのが実はある。ボクサーやブリーフは身体にフィットするので、ちんちんを出す穴が付いているが、トランクスはゆとりがあるのでちんちんはトランクスの脇たら出して排尿できる。そのため、前の穴を開けないものが多い(開けてあるものもある)。
 
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全部脱いで裸になった後は、タンスの一番下の引き出しを開けると、少しドキドキしながら女の子用ショーツを取り出す。今日はイチゴ柄の可愛いショーツを選んだ。
 
ちんちんを後ろ向きにしてショーツを穿く。この感覚も悪くないよなあという気がする。女の子用アンダーシャツを着る。機能的には男の子用と変わらないけど、裙の所にレースのような装飾が付いている。これ可愛いよねと思う。この服はこの性交換月だけ着られる。レミはまだ小学4年生だから、下着はこれだけだけど来年からはこれにブラジャーもつけることになる。それはちょっと楽しみだよなという気もしている。
 
ブラウスを着るがボタンの付き方が逆なので留めにくい。女の子たちは特に気になったことはないと言っているから、きっと慣れなのだろう。そしてレミは最後にスカートを穿いた。スカートを穿いた時は歩き方から変えなければならない。パンツを穿いて歩く時とは足の使い方そのものが違う。スカートの歩き方でパンツでも歩けるけど、そういう歩き方をしていると叱られる。だからパンツの時はパンツの歩き方、スカートの時はスカートの歩き方をしている。女の子たちは外出する時はスカート、家の中ではパンツを穿いている子が多いから、自然と両方の歩き方を覚える、なんてビビちゃんは言ってたなあ、などと思いおこす。
 
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「レミちゃんは外ではパンツ穿いても、家の中ではスカート穿いてるんだよね?」
「家の中でもパンツだけど」
「家の中では自由なんだからスカート穿けばいいのに」
などとビビちゃんは言っていた。
 

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それでレミは全身女の子の服を着けて居間に出ていった。
 
「お、可愛い」
と姉のメルが言った。
 
「ちょっと恥ずかしいけどね」
 
「レミお兄ちゃん、いっそ女の子になればいいのに」
と妹のアスカが言う。
 
「アスカは男の子になるつもりはないの?」
「無い無い。まあ性交換月間は男の子の服が着れるし、軍事教練もあって楽しいけどね。私も早く射撃とかしてみたいなあ」
「2年生までは弓矢しか使わないからね」
 
「でもほんとレミ、あんたも女の子になる?あんた素質がある気がするけど」
とメルは言う。
 
「それはちょっと自信無いなあ」
「女の子になれば戦争に行かなくて済むよ」
「それはそうだけどね」
「あんた的(まと)は撃てても、人間は撃てないでしょ」
「実はそれ悩んでしまう」
「戦場では撃たなかったら撃たれるだけだけだからね」
 
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J国自身はもう50年以上戦争をしていないが、世界連盟軍に参加して紛争地域への派遣もあるので、毎年50人くらいの戦死者が出ている。実は訓練中や警戒行動中の事故死者はもっと多く毎年200人くらい死んでいる!特に体力のない男子は高確率で訓練中に死亡するという説もある。それを嫌がって18歳になる前に性別変更して女性になる人も多い。
 
もっとも女性に性別を変更するためには、性別審査委員会で女性としての適性があると認められなければならず、特に16歳以上の場合は、共通学力テストで3科目以上で満点を取るか、認定されている全国規模の音楽・美術・舞踊のコンクールで入賞、あるいは州規模の同類のコンクールで優勝あるいは準優勝していることも求められる。要するに、学問や芸術の分野で活躍する見込みのある人には、女性に転換して兵役を回避することを認めるシステムである。
 
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ただし声変わりが済んでいる中学生男子はよほどのことがない限り女性への性別変更は認められないので、性別変更を考えている人は抗男性ホルモンを処方してもらって男性化を抑制しておく場合も多い。抗男性ホルモンの処方には審査が必要という建前だが、実際にはいちいち申請する人は居ない。
 
(中学卒業後の4年間の兵役が済んでいる人は声変わりしていても男性から女性または中性への性別変更が認められる)
 

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レミは朝御飯を食べると学校の道具が入ったカバンを持ち
「行ってきます」
と言って、家を出た。夏の風がスカートで覆われていない膝下の回りに絡みつくように吹き抜けていく。スカートならではのこの感覚は半年ぶりだけど快感である。ボクってもしかしたら女の子になる適性あるのかもねという気もした。
 
「おはよう」
「おはよう」
 
と教室で挨拶を交わす。男子はみんな女の子の格好、女子はみんな男の子の格好をしている。
 
これから1ヶ月間は性交換月間である。
 

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J国では性別の適性を確認するのと、お互いに異性への理解を深めるため、小中学校の生徒は、毎年2回、1ヶ月にわたって異性の服で通学することになっている。
 
小学1年,中学1年→9月,3月
小学2年,中学2年→7月,2月 (8月は夏休みなので)
小学3年,中学3年→7月,1月
小学4年,中学4年→6月,12月
小学5年,中学5年→5月,11月
小学6年,中学6年→4月,10月
 
(但し、既に性別移行した人は免除。また中学生の場合は届けを出すことで不参加にできるので実際には性別移行を考えている子以外は性交換をしない)
 
この性交換月間の間はトイレも交換になる。
 
女子の服装をしている男子は女子トイレを使用して座っておしっこをするし、男子の服装をしている女子は男子トイレを使用して立っておしっこをする。女子用の立ち小便器具は普通に売られていて
「普段でも立っておしっこしたい」
と言う女子はわりと多いが、18歳になって中学を卒業するまでは女子の立ち小便は原則禁止である。(中学卒業後は自由)
 
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体育の時に使用する更衣室も、女子の服装をしている男子は女子更衣室、男子の服装をしている女子は男子更衣室を使用するが、どこの学校でも使用時間を管理して、他の学年の子と混じらないようにコントロールされている。要するに普段と別の部屋を使うだけで、一緒に着替えるメンツは普段と同じである。
 

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