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■桜色の日々・高校進学編(7)

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お風呂の後は、部屋に戻って、夕方渡された「中学5教科スピード復習」というソフトがセットされた電子タブレットの問題をみんなでやる。私たちの部屋の4人は、隣の部屋に行き、そちらの水鈴・頼子・信枝・恵令奈と一緒に8人で問題を解いていった。問題が読み上げられるのでタッチペンで選択肢をタッチする。頼子のタブレットに読ませて、残り7人はサイレントモードにして一緒に解答していった。
 
英数国理社、各100問ある。ひとつひとつは瞬間的に解ける問題ばかりなので問題文を読む時間の方がよほど掛かる。それでも1教科20分ずつで仕上げることができて、5教科を22時までに終わらせることができた。まだ昼間のビデオの興奮が完全には冷めてないのか、令子は私に身体をくっつけて問題を解いていた。時々勝手に私の胸を揉んだりする。
 
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「だいたいみんな同じくらいの時間で反応してたね」と令子。
「やはり、この8人はレベルそんなに差が無い気がする」と水鈴。
「みんな間違ったのは各教科1〜2問だよね」と頼子。
 
「この8人で勉強会しない? 1年生の内は7時間目までで16時半に授業終わるから、その後18時くらいまで、一緒に勉強しようよ」と令子。
「いいね」と信枝。
 
「でも私、みんなより少し遅れぎみだった」とみちる・恵令奈が言うが
「このメンツと一緒にやってたら、鍛えられてレベルアップするよ」
と水鈴が言う。
 

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「でもハルちゃんって、中学ではずっと女子で通したの?」と頼子。
「なんかセーラー服着たり、学生服着たりしてたね」とみちる。
「でも、学生服を着ても女の子が男装しているようにしか見えなかったね」
と令子。
 
「私、小学校の間はけっこう曖昧な服装してたし、髪も伸ばしてたから中学に入るのに、髪も切らないといけないし、学生服着ないといけないというので、物凄く憂鬱な気分だったんだけどね」
「学生服を着て、学校に出てきて最初のホームルームで先生から『君何ふざけて学生服なんか着てるの?お兄さんから借りたの?』って言われたんだって」
とみちる。
 
「ああ」
「私も昨日の朝、ハルちゃんの学生服姿見て、この子なぜ男子制服を・・・と思ったよ。男の子かもという発想は全然湧かなかった」と恵令奈。
 
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「それで先生から『着替えて来なさい』と言われたら、ハル『着替えて来ます』
と言って出ていって、ちゃんとセーラー服着て戻って来たから、びっくりしたって、ハルと同じクラスになった子が言ってた」とみちる。
「へー」
 
「我慢できなくなって、おばさんとかからもらったお祝いのお金使って自分で買っちゃったのよね。遅れて頼んだから、できたのが入学式の前日。ギリギリだった」
「ああ」
 
「それでずっと女子制服で通学するのかと思ったら」
「先生に男だってバレたから、学生服で通学しまーすとか言って、学生服で出てきたかと思えば」
「途中で着替えてセーラー服になってたり」
 
「やはり心理的に不安定だったのね?」
「それはあるけど、先生ごとの温度差もあってね」
「なるほど」
「どっちかってっと『今日はどうしてセーラー服じゃないの?』とか言ってくれる先生もいるけど『男ならちゃんと学生服着ろ。女の服とか着て気持ち悪い』
みたいな感じの先生もいてさ」
 
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「まあ、そういうのはどうしてもあるだろうね。みんなが理解してくれるわけじゃない」
「問題は、うちのお父ちゃんがどう考えても、その理解してくれないタイプって気がするのよね」
 

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「結局、カムアウトできなかったんだよね?」
「そうなのよ。この春休みの間にカムアウトして、少し喧嘩してでも、女子高生することを認めてもらいたかったんだけど・・・なんか全然ゆっくり話す時間が取れなくて」
 
「だけど、そもそも父親とゆっくり話す時間なんて取れないのかもね。特に私たちの親の世代って会社でも中核で、いちばん忙しい世代だもん」
「確かにそうなのよね〜。私も中学生の3年間に父親とちゃんと話をした記憶がほとんど無い」
 
「まあ、そんなだから、息子が毎日スカート穿いて学校に通っていても、そのこと自体に全く気付かなかったんだろうね」
「うん。私も途中でかなり大胆になって、自分のセーラー服を衣装部屋の壁に掛けっぱなしにしてたし、ブラとかを居間に吊ったタコ足に干してたりしてたけど気付かれなかった。うち、女のきょうだい居ないのに」
 
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「お母さんにはすぐ気付かれたでしょ?」
「連休明けにバレた」
「1ヶ月もバレなかったんだ?」
「でもちょうど良かったんだよ。それで、夏服のお金はお母さんが出してくれたから」
「ああ」
 
「私、断言する」と水鈴。
「たぶん、ハルちゃんのお父さんは、ハルちゃんがこの高校卒業するまで、ハルちゃんが女の子していることに気付かない」
「実はそんな気もしてならないの!」
 

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合宿の2日目は朝から抜き打ちテストであった。朝食後、通常(?)授業の0時限目にあたる7:20からまずは国語、1時限目社会、小休憩をはさんで、2時限目数学、3時限目英語、4時限目社会、と5教科のテストが50分(+休憩10)で行われ、昼休みの休憩をはさんで、午後からは短縮時間モードで、40分(+休憩10)で各教科の答案返却と解説が行われたのである。「短縮10時限目」が終わったのは18:10であった。みんなクタクタになり、夕食では放心状態で食べている子が多かった。もうお風呂パスして寝る、などと言っている子もいた。
 
「しかし、いきなり鍛えられるね〜」
と昨日より明らかに人数の少ない浴室の中で、湯船につかりながら水鈴は言った。「みちるが頭がパンクしたと言ってもう寝てる」と令子。
「パンクするよね〜」と、こちらも疲れ切った表情の信枝。
 
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「しかし先生達も気合い入ってるね。1時間目にやったテストの採点して6時間目で解答解説やるって、かなりの重労働って気がするよ」
「高校生も教師も体力勝負だね」
 
「このテスト、たぶん補習のクラス分けに使うんだと思うな」
「ああ」
「普通科の方の補習は、実力別クラス編成になるみたいだもんね」
 
「だけど内容的には昨日の『スピード復習』をちゃんとやってれば解答できる内容がかなりあったと思わない?」
「でもあれちゃんと終わらせてた子は少ないと思うよ。昨夜、全員あれを仕上げていた部屋は、女子では私たち2部屋だけだったみたいだし、男子では赤星君たちの部屋だけだったみたい」
 
「あの部屋は理数科の男子トップ4人だよね」
「そんな感じ。赤星、荻野、瀬崎、田上」
「東大理3狙うコースって感じでしょ?」
「そうそう。なんかあの4人のオーラが凄いもん」
「天才系の瀬崎君、秀才系の赤星君、キラリと光る荻野君、努力家っぽい田上君」
「ああ、凄い分析」
 
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「佐藤・松川あたりもなんか雰囲気凄いよ」
「マジメ人間・佐藤君、磨かれてない原石・松川君」
 
「トップ争いに食い込んで来るだろうね。特に松川君、ホント磨かれてない原石だと思う。市香と同じで伸び代が凄くありそうだもん」
 
「え?え?」と突然名前が出て焦る市香。
 
「女子の入試成績トップは間違いなく市香だよね」と水鈴。
「私もそう思う」と令子。
「えー!?」
「そして更に伸び代があるよね」と頼子。
「市香は東大理3行けるよ。行くつもりで勉強するといいよ」と水鈴が言う。
 
「私、血見るのが苦手だから、お医者さんは無理」
「うーん。惜しいなあ」
「文転して文1を狙うとかは?」
「文1って何だっけ?」
「弁護士とかのコース」
 
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「弁護士か・・・・私まだ将来のこと何も考えてないなあ・・・。理数科を選んだのも数学が好きだからってだけで」と市香。
「ああ、そういう子は理数科多いと思う」
 
「水鈴はやはりどこかの医学部?」
「私はロケットに関わりたいのよ。だから東大理1から宇宙工学を目指す」
と水鈴。
「わぁ、かっこいー!」
 
「令子こそ医学部でしょ?」
「うん。阪大の医学部志望」
「きゃー」
「何か凄い子ばかりだなあ」と頼子が言うが
「あんたも充分凄い」とツッコミが入る。
 
「私、志望校に東大理科4類と書いたら、そんな類は無いと言われた」と頼子。
「どこから理科4類なんてのが?」
「いや、よく分からないから適当に書いた」
 
「でも医学部行くなら絶対国立だよね」
「ああ、それうちの親からも言われた」
 
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「私立の医学部に行くには納入金が1500万円とかだもん」
「ひぇー!_ いったいどういう人がそんなの払えるのよ?」
「国立なら他の学部と同じで80万で済むからね」
「そりゃ、親としては医学部行くつもりなら、国立って言うね」
 
「しかし将来のことか・・・私、そもそも男として生きるか女として生きるかも決めてない」
と私が言うと
「ハルは女として生きる道しか無い」
とみんなから言われた。
 
「だいたい、さんざん女子トイレ、女子更衣室、に女湯まで使っておいて、自分は男かも、なんて言ったら、痴漢行為で死刑だよね」
「その時は、クラス全員から10回ずつくらい刺されてもいいよね」
 

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合宿の3日目は、午前中バスケット大会であった。各クラス、男女10人ずつくらいで2チーム作り、合宿所のグラウンドに白線を引き、リングを設置してコートを8つ作っていた。試合時間は10分、交替その他に掛かる時間を5分として、朝8時から12時までの間に合計128試合、各チーム4試合ずつできる計算である。組合せはランダムにパソコンで決めていたようであった。
 
試合時間は短いものの4回も試合ができるというのは楽しかった。もっとも10人ずつのチーム同士で戦うと、コート上に人がうようよいる感じだったし、土の上でドリブルなどしていると、石などに当たって思わぬ方向にボールが飛んで行くこともあったが、そのハプニングがまた面白かった。
 
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かえって元々バスケの得意な人には不満の残る試合だったかも知れないが、みんな、和気藹々としていて、親睦を高めるにはなかなか良い企画だった。
 
成績は勝ち点(勝ち:3 引分け:1 負け:0)順の、得失点差順で付けられた。理数科は男子Aチーム12位、Bチーム5位、女子Aチーム4位、Bチーム10位という成績だった。男子Bチームと女子Aチームにバスケの経験者がいて、その子がひたすら点数を取ってくれたので、この2チームは良い成績をあげた。
 
私は女子Bチームで出たのだが。。。
「半分男子だし、期待したのに」
「ごめーん。私、運動神経悪いから」
 
ということで、私はバスケではあまり役立たずであった。ただ、背が163cmと女子の中では高いので、けっこうリバウンドは取ることができて、それをボール運びのうまい子にパスしていたが、やはりドリブルがイレギュラーする問題は、彼女を悩ませていたようであった。
 
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「でも運動神経悪いって言うけど、中学のチアリーダーでは宙返りとかしてたよね?」
「私、瞬発力はあるし、身体は柔らかいから、筋力とかなくても要領だけでできる後転・側転とかは行ける」
「へー」
「ではここでバク転してみよう」
「ちょっと待って」
と言って、私は足首の筋を伸ばす準備運動をした上で、身体を丸めるタイプのバク転、それから身体を伸ばしたままの後転・側転をしてみせた」
 
周囲の女子から拍手をもらう。
 
「すごーい!」
「それ出来て運動神経が悪いってのは無いと思うけどなあ」と信枝。
「えー?これは運動神経とはあまり関係無いと思うけど」と私。
 

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合宿明けの金曜日。ホームルームで各委員を決めることになる。男子はまともに無記名投票をして各委員を選出したのだが、女子の方は最初に水鈴が発言を求め「女子の各委員のリストを提案します」と言って、読み上げるとともにマグネットシートに書いてきたものを黒板に貼り付けた。そして
「これで良いですか?」と言って、女子一同の拍手があり、委員が確定した。
 
「決め方もいろいろあるもんだね」と担任が感心?していた。
 
男子の方は、入学式で新入生代表もした赤星君がクラス委員、荻野君が生活委員、三田君が図書委員などになる。
 
「最後にあとひとつ、男子の方から応援団リーダーをひとり決めて欲しいのですが」と先生が言うと、男子たちが顔を見合わせている。やはり誰もやりたがらない役だ。
 
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