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■プリンス・スノーホワイト(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2016-08-11
 
昔々(*1)、エンジェルランドのノガルド(Nogard)という国にゲオルク(Georg)という王様とエレノア(Eleanor)というお妃様がいました。ふたりにはまだお世継となる子供ができていませんでした。ある冬の日、エレノア様がお城の黒檀の枠の窓辺で針仕事をしていたら、誤って針を自分の指に刺してしまいました。
 
「痛!」
と思わず声をあげたのですが、その時、指先から数滴血が落ちて雪を赤く染めました。それを眺めてお妃様はつぶやきました。
 
「雪のように白い肌、血のように赤い唇と頬、そして黒檀のように黒い髪の子供がほしい」
 
間もなくお妃様はご懐妊になり、やがて美しい王子が生まれました。その王子は雪のように白い肌で、血のように赤い唇と頬、そして黒檀のように黒い髪を持っていたので、スノーホワイト王子(Prince Snow White)と名付けられました。
 
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しかしエレノア王妃はスノーホワイト王子が生まれて間もなく亡くなってしまいました(*2)。
 

スノーホワイト王子は美しい容貌でしたし、その黒い髪が美しいのでずっと髪を長くしていました。
 
ところで昔の西洋(19世紀頃まで)の風習では男の子は、おむつが取れた2歳頃から、8歳くらいになるまでズボン(breeches *3)ではなくドレス(dress)つまりスカートを穿いていました。これは昔のズボンというのは着脱がひじょうに大変で、幼い男の子はズボンなど穿いていたら、トイレが間に合わなかったからです。
 
それで8歳頃になって、ドレスを着るのをやめてズボンを穿くようになることをBreeching(ブリーチング)といい、ささやかなお祝いをしたりする習慣がありました。
 
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そういう訳で幼いスノーホワイト王子は美しい顔に長い髪、それにドレスを着ているので、しばしば王女様と間違えられることもありました。
 

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スノーホワイトが2歳の時、隣国アルカスのハモンド大公夫妻がお城のパーティーに2人の王子と1人の王女、ロベルト、レオポルド、ポーラを連れてきていました。3人は10歳、8歳、2歳でしたが、ポーラとスノーホワイトは年が近いこともあり、すぐ仲良くなって、一緒に歌を歌ったり、お手玉をして遊んだりしていました。その2人のそばにはレオポルド王子が付いていて、ふたりに絵本を読んであげたりしていました。
 
レオポルド王子は今年やっとブリーチングをしてドレスを卒業し、ズボンを穿くようになった、可愛い男の子でした。
 
その様子を眺めていたスノーホワイトの父・ゲオルク王はハモンド大公に言いました。
 
「とても仲良く遊んでいますね。あの2人、将来結婚させてもいいかも知れませんね」
 
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するとハモンド大公も
「ああ、それもいいですね。いいカップルになりそうですよ」
 
ここで実はゲオルク王とハモンド大公の間には誤解が生じていました。
 
ゲオルク王は、大公の娘のポーラ姫と、うちのスノーホワイト王子を結婚させたいという意味で言ったのですが、ハモンド大公はスノーホワイトをてっきり女の子と思ったので、スノーホワイト“王女”をレオポルド王子と結婚させようという意味に取ったのでした。
 
3人はそのような誤解が生じているとは全く気付かず仲良く遊んでいました。
 

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「スノーホワイト様って、顔立ちも優しいし、時々王子ではなく王女様と思われていることあるみたい」
 
などと、王子付きの侍女で王子からいちばん気に入られているアグネスは言います。
 
「実際、間違ってお人形とか、髪飾りとかプレゼントされることあるよね?」
と別の侍女ローラが言います。
 
「髪飾りはちゃんと使っている。髪が長いからあると便利だし」
「スノーホワイト様は実はお人形がけっこう好き」
などと侍女たちは言います。
 
「でもそうだから私が影武者になれる」
と黒い髪の侍女・イレーネは言いました。彼女は元々スノーホワイトと顔立ちの雰囲気が似ている上に黒髪なので、王子と同じくらいに髪を伸ばし、しばしば王子の影武者も務めています。
 
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「スノーホワイト様、いっそのこと王女様になっちゃいません?などと言うと悩んでいたから、きっとあれ、女の子になるのも悪くないと思っているわよ」
とローラ。
 
「でも王女様になれるもの?」
「自分は王女である、と宣言しちゃえばいいんじゃないの?」
「でも王女様になったら、どこかの王子と結婚しちゃう訳?」
「スノーホワイト様なら、きっと素敵なお妃様になれるわよ」
「うーん・・・。お妃様にもなれる気がしてきた。だってあんなに可愛いんだもの」
などと侍女たちは話していました。
 

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「だけどお妃になるなら、お世継ぎを産まないといけないよ」
「スノーホワイト様なら産めるかも」
「どこから産むのよ!?」
 
「だいたい夜のお勤めはどうする訳?」
「スノーホワイト様なら何とかなっちゃうかも」
「どうやって!?」
 
「でも私聞いたことあるけど、昔のローマ帝国の皇帝でアラブの医者に手術してもらって女の人になって、皇帝から女帝に変わった人がいたらしいよ。エラガバル帝とか言ったかな」
 
「アラブの医者って、男を女に変えられるんだ?」
「それって、やはり、男にあって女に無いものは取って、女にあって男に無いものを作るのかな?」
「まあ、そういう手術なんじゃないの?」
「きゃー!」
「スノーホワイト様にそういう手術受けさせちゃう?」
「そんな話したら、王子様、どうしよう?って悩みそう」
 
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「逆に女を男にすることもできるらしいよ」
「すごーい!さすがアラブ」
 
当時ヨーロッパにとってアラブというのは“先進国”地域です。
 
「ね、ね、男になってみたくない?」
「なってみたい、なってみたい」
「ちんちんがあったら、良さそうだよね〜」
「私、立っておしっこしてみたーい」
「そっちに行くのか?」
 
「だって気持ち良さそうじゃん」
「私は女を抱いてみたいな」
「それきつそー」
「うん。男って結構大変そうにしてるよ」
 

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スノーホワイト王子が4歳の時にも、ハモンド大公の一家はノガルドのお城にやってきました。この時、レオポルド王子は10歳、ポーラ王女は4歳でした。大人たちが、色々政治のことであるとか、国際情勢について話している間、子供たち3人はまた仲良く遊んでいましたが、この時、レオポルド王子がふと思いついたようにして、
 
「そうだ。スノーホワイト、これをあげるよ」
と言って、スノーホワイトにきれいなペンダントをくれました。
 
「まっしろできれい」
「ムーンストーンというんだよ。お月様みたいな白さでしょ?これを持っている人はお月様の力で強くなれるんだって」
「へー。すごい。ありがとう、レオポルド」
 
レオポルドは「この石を持つ人はとても女らしくなれるんだよ」というのも付け加えようと思ったのですが、そこまで言うのは恥ずかしい気がして、言うのをやめてしまいました。
 
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その様子を見ていた侍女のアグネスとローラは思わず顔を見合わせました。そして後になってから、こっそり言い合いました。
 
「ねえ、レオポルド王子は、ひょっとしてスノーホワイト様を王女様だ思い込んでない?」
「うーん。。。まあ、いいんじゃない?」
「そしてレオポルド王子はスノーホワイト様のこと、好きみたい」
 
ふたりは腕を組んで考えています。
 
「でもどうせ王家の者なんて、恋とか関係無く結婚させられるんだし」
「そうよね。それまで夢を見ておくのも悪くないよね」
 
しかしスノーホワイトはこのムーンストーンのペンダントがとても気に入り、亡きお母様エレノアの形見の、オパールの指輪と並ぶ宝物となったのです。
 
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スノーホワイト王子が5歳の時、西のナンキ国で王様が倒され、大臣をしていたケーンズが“フォーレ皇帝”を自称しました。フォーレというのはこの地域、エンジェルランド付近に800年ほど前にあった大国で、ケーンズはそのフォーレ王家の血筋を引くと自称したのです。それでケーンズはこの地域全てがフォーレ帝国の本来の領土であると言って、周辺の国王・領主たちに自分に臣従するよう手紙を送りますが、全員拒否します。
 
すると、まず北隣のハンナ国を攻めて国王一族を殺害。ハンナ国の併合を宣言します。そしてその勢いに乗って、ノガルドにも侵攻してきました。
 
ゲオルク国王はハモンド大公とも協力し、ノガルド・アルカスの連合軍でこの軍隊を迎え撃ち、国境近くで撃退することに成功しました。“フォーレ皇帝”はいったん軍を引きました。
 
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その戦いが終わって数ヶ月後、ノガルドの王宮の門前に倒れている女性がいました。高貴な雰囲気の女性なので、衛兵が介抱しますと
 
「私はハンナ国王の従妹でレザンナと申します。フォーレの魔の手を逃れてここまで逃げてきました。どこか遠縁の者でもいる国に亡命したいと思っていますが、もし良かったら少し休ませて頂けませんでしょうか」
と言いました。
 
衛兵は驚いて王様に報告します。王様も驚いて、取り敢えずレザンナを城の中に入れます。そして医師に診させました。医師はあちこち小さな怪我はしているものの、少し休めば治るでしょうと見立てました。それでゲオルク国王は彼女にしばらくここに滞在なさるとよいですよと言いました。
 
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そして・・・ゲオルク国王はレザンナと結婚してしまったのです。
 
この結婚にはハモンド大公は反対したものの、ゲオルクは押し切ってしまいました。そしてゲオルク国王は結婚した1年後に急な病で亡くなってしまったのです。レザンナは自分がノガルドの女王になると宣言します。そして更にフォーレと友好国になると宣言しました。
 
ここに至って、人々はレザンナはハンナ国王の親族ではなく、逆にフォーレ皇帝の関係者だったのだろう。ゲオルク先王は騙されたのだ、と噂しました。しかしこの頃までにレザンナはノガルドの軍や閣僚の主要人物をたくみに自分に協力的な者に交替させてしまっていたので、今更レザンナに対抗することはできなくなっていました。
 
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そしてハモンド大公のアルカスはノガルドとの断交を宣言しました。
 
それは結果的にはスノーホワイトの婚約も無効になることになりました。もっとも、この婚約はノガルド側ではスノーホワイト“王子”とポーラ王女の婚約と思い込んでいたのに対して、アルカス側ではレオポルド王子とスノーホワイト“王女”の婚約と思い込んでいたのですが。
 
そして無効になっても、レオポルド王子は“スノーホワイト王女”のことを決して諦めてはいませんでしたし、彼女は今でも自分の許嫁だと思っていると周囲にはおっしゃっていました。
 

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「まあ、私の正体がケーンズ本人だなんて、知る者はほとんど居ないよね」
 
と女王になったレザンナは自分に最も忠実で現在はノガルド国軍の参謀長に就任しているソリスに言いました。
 
「ケーンズ様は男、レザンナ様は女ですから、それが同一人物なんて普通は思いませんよ。両方を見ている人が顔が似ていると思ってもきっと兄妹か従兄妹なのだろうと思うでしょう」
 
とソリスは言いますが、ソリスにも分からないことがあります。
 
「でもレザンナ様は、本当は男なのですか?女なのですか?」
と尋ねたのですが、レザンナは妖しい微笑みを浮かべて
 
「知りたい?」
と訊きました。
 
「いや、やめておきましょう。まだ妖獣の餌にはなりたくないので」
とソリスは答えました。
 
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レザンナは不思議な鏡を持っていました。波斯(ペルシャ)で手に入れた物であると、ソリスには言っていましたが、ソリスはそれって一体何年前の話なのだろうと思いました。ソリスにはレザンナの性別も分からなければ年齢も分かりません。
 
そしてレザンナは毎日この鏡にこのようなことを問いかけていました。
 
「鏡よ鏡(Spieglein, Spieglein *4)、この地上で一番美しい女は誰?」
 
すると鏡は口をきいて、こう答えるのです。
 
「レザンナ様、それはあなたです。あなたがこの地上の女の中で一番美しい」
 
その答えにレザンナはいつも満足していました。
 

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