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■春曙(13)

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(C)Eriko Kawaguchi 2020-09-05
 
5月1日までにプライベート・プールの工事を終えたムーラン建設のプール改修班は、その後熊谷市の郷愁村に移動し、郷愁プールの改修作業に入った。50mプール、25mプール、遊泳プールの順に工事を進め、夏までには全ての改修を終える予定である。50mプールと25mプールは、アクアゾーンと同様に各レーンをアクリル板で区切り、水をレーンごとの独立循環にする。この結果、50mプールを横に使用して25mプール20レーンとして使うことはできなくなる。
 
遊泳プールに関しては、アクアゾーンの遊泳プールもそういう仕様なのだが、プールをアクリル板で幾つかの扇形の領域に区切った上で、真ん中から給水し、端から吸水することで、お互いの水が混じらないようにし、また循環の速度も従来の倍にする。単純に吸水速度を上げたら危険なので吸水口の数を倍にする。(吸い口の所には当然細かい目の網が付いていて、万が一にも子供の足が吸い込まれたりはしないようにしている)
 
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また、熊谷のアクアリゾートは、水を50mプール→25mプール→遊泳プールの順に流用していたのだが、これをやめ、各々を独立の体系にすることにした。そのため取水量が上がるのだが、これは感染予防のためということで、市の緊急許可を得ることができた。ここは準用河川でもない普通河川なので、複数の自治体の利害を調整したりする必要が無く、こういう問題に対するハードルは割と低かった。但し市に払う取水代は上がる。また排水にウィルスが含まれないよう充分な消毒をするという誓約書を書いた。
 

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ところで全国的に緊急事態宣言が出され、特に石川県は特定警戒都道府県に指定されたため、県内の全ての学校は学生の登校を禁止したが、幾つかの学校はリモートでの授業を始めた。
 
明恵や真珠が通っているG大学では、元々学生が各々自分のパソコンで学内ネットにログインして様々な通知や休講その他の情報を見られるようになっていた。そこでその学内ネットに朝の一定時間に“ログイン”したことをもって、その日の授業に出席したことにする。そして授業内容は動画などで流してそれを見てもらい、レポートを提出してもらうことで、授業に代えることにしたのである。
 
これは確実に出欠を取られているようなもので、“代返”もきかないし、リアル授業より厳しいかも知れない。
 
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「毎朝ログインしないといけないというのがわりと辛い」
などと言っているのは、朝に弱い明恵である。
 
「モーニングコールしてあげるよ」
「ごめーん。頼む」
 
それで真珠は毎朝8時半にアラームを掛けてそれで自分が起きるとともに、明恵にモーニングコールをすることにしたのである。逆にモーニングコールしなきゃと思うことで、真珠自身もしっかり起きることができた。真珠は実家暮らしだが、親があまり当てにならない。父がトラックの運転手で不規則な生活なので母も生活時間がわりとデタラメになっている。兄も朝が苦手である。兄の大学は単純に休校になっている。それに男の兄としては女の子である妹の部屋には入りにくいだろう(兄は真珠が完全な女の子になる前からこちらの部屋に入るのは避けていた。多分“弟”とは思っていなかったのだろう)。
 
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しかしそれで2人とも、出席率100%を維持したが、やはり朝の弱い子には、ちゃんと“出席”できず、単位を落とす危機になった子もあったようである。
 

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世間では、コロナの影響で工場を休業する企業が相次いでいたが、上野美津穂が勤めるX電子は、休業するどころか、在宅ワークの急速な普及のおかげで、ネットワーク機器の需要が高まり、臨時のパートも入れて、増産・増産になっていた。社員の残業も増え、そのあおりで、カウンセリングルームに来る人もどんどん増えていた!
 
「さすがに1人では無理です。増員して下さい」
と美津穂は、管理部長に訴えた。しかし部長の返事はハッキリしない。
 
「今のままでは私自身、とても持ちません」
「うん。辛いのは分かるけど、そこを何とか」
と言われていたのだが、連休もひたすら工場が稼働した後、5月11日、美津穂は朝起きることができなかった。体温計を見ると39度ある。
 
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「やっばー。まさか例のにやられたりしたのでは?」
と不安になる。美津穂は毎日何人ものクライアントと接している。マスクはしているものの、その中に感染者がいたら、こちらまでやられた可能性もある。
 
取り敢えず会社に連絡を入れてその日は休むことにする。
 
「あんたPCR検査受けなくていい?」
と母が心配する。
 
「あれなかなか検査を受けさせてくれないんだよ。青葉に連絡する」
 

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それで青葉に連絡した所、青葉自身は放送局の仕事で動けないということで、友人(水泳部の先輩)の桜池布恋という人が、簡易検査キットを持ってきてくれた。
 
「陰性だよ。大丈夫」
「良かったぁ」
 
それで病院が少し空いたであろう時間帯の11時頃、母に連れられて病院に行ってみたが、身体には特に異常は無いと言われる。
 
「この発熱は?」
「どうもかなり疲労が溜まっているようですね」
「つまり過労による発熱ですか」
「断定はできませんが、その可能性があります」
 
それで医師が診断書を書いてくれたので、それを母に会社へ持っていってもらい、医師の診断に基づき、一週間お休みがもらえることになった。
 
しかしカウンセラーが結局全員倒れてしまったことにより、会社では急遽医務室で看護師さんがカウンセラーの代行をしたようだが、初日に看護師さんが1人、不調を訴えて早退したらしい!
 
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「あんた会社やめたら?復帰したらまた倒れるよ」
と母は言った。
 
「辞めてもいいかなあ」
 
「倒れるまで頑張ったんだもん。辞めても悪くは言われないと思うよ」
 
「でも私が1ヶ月ちょっとで辞めたら、後輩がここに就職する時に不利にならないかな」
 
「他人のことを心配する前に自分を心配すべき」
と母は断言した。
 
それで結局、美津穂は5月18日付けで退職願いを書き、母に提出に行ってもらった。実際問題として1週間で熱は下がったものの、まだとても会社に行ける状態ではなかった。トイレまで歩いて行くのも辛い状態だった。美津穂は自分の体調がボロボロになっていることを認識した。ここ1ヶ月は緊張して仕事を頑張っていたので、自分の体調不良にも気づいていなかったのである。
 
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管理部長さんも「いや、新人なのにいきなりハードな仕事をさせてしまって、申し訳無かった」と謝っていた。
 
それで就職して1ヶ月半で美津穂はめでたく?無職になったのである。
 
母はこの後、取り敢えず1ヶ月くらいゆっくり休んでから、今後のことは考えればいいと言った。
 

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アクアは多くの番組で収録中止があり、またスポット出演の類いがほとんど無くなったことから、3月中旬以降、急に暇になった。暇といっても毎日何かの仕事はあるので、普通の芸人さんからすると相当忙しい部類なのだが、これまでのように1日に2〜3局を掛け持ちして仕事をするようなスケジュールは無くなり、随分楽になったのである。リハーサルはこれまで通り、葉月やスピカ、ゆかなどが代行してくれるので、基本的には本番だけに出ればよい。また、直接テレビ局に行かず、大田区のサテライトか足立区の研修所でリモート出演すればよいものも多かった。
 
恐らくこういう体制は5月いっぱいくらいまで続くだろうとコスモス社長は言い、その間にアルバムを作ろうと言われた。
 
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最初はフルアルバムの予定だったようだが、山村が負荷が大きすぎると反対し、結局6曲入りのミニアルバムを作ることになった。楽曲は半月ほどで用意され、4月の頭から制作が始まった。
 
過去の音源制作では、アクアとエレメントガードが一緒に楽曲を練り上げて行ったのだが、今回はそれができない。それで今回はエレメントガードだけで楽曲を仕上げ、それにアクアがボーカルを乗せる、別録り方式で進めることになった。アクアがどうしてもここは違和感がある、などと思った所だけ、伴奏を修正してもらう(アクアのボーカルを乗せた後、更に信濃町ミューズの子たちがコーラスを入れる)。吹き込んだのはこの6曲である。
 
『ファイト・エアリーズ!』(佐藤絢香・紅型明美)
『揺れないトーラス』(秋風コスモス・針谷童夢)
『仲良くジェムナイ』(大宮万葉)
『内気なキャンサー』(醍醐春海)
『頑張るリーアウ』(加藤珈琲・琴沢幸穂)
『現実主義のヴァーゴー』(マリ&ケイ)
 
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『ファイト・エアリーズ!』はエアリーズ(Aries)つまり牡羊座さんへの応援歌である。元々元気な人が多い牡羊座さんだが、その元気さの魅力を応援するという歌詞である。この曲のPVには、牡羊座生まれの品川ありさ(1999.04.12 17:26 海老名市)がゲスト出演してくれて、走り高跳びを華麗に背面跳びする所、元気にバタフライで泳ぐところ、サッカーのボールをリフティングする所が映っている。運動大好きの彼女だが、この所の外出自粛でエネルギーを持てあましていたらしい。撮影は充分な感染対策が施されている深川アリーナで行われた。念のため走り高飛びで使用するクッションもパーも全て新品を使用して撮影をおこなった。
 
なおこの曲の作詞者としてクレジットされている佐藤絢香は、品川ありさの本名である。今回は、ありさがアクアのために1曲書き(作曲は紅型明美)、アクア(苗字無しの“龍虎”名義)は高崎ひろかのために1曲書き(作曲は針谷童夢)、高崎ひろか(柴田邦江名義)は姫路スピカのために1曲書き(作曲は上野美由貴)、姫路スピカ(中井朋絵名義)は品川ありさのために1曲書いている(作曲は日南海沙)。
 
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『揺れないトーラス』は、トーラス(Taurus)つまり牡牛座さんの、揺れない性格を歌っている。みんながはしゃいでいても黙々と勉強している牡牛座さん、みんなが不安そうな顔をしていても、平気そうな牡牛座さん、そういう何かの時に頼りになりそうな牡牛座さんの姿を描く。不安が広がる世の中だけに、一喜一憂せず落ち着いてやっていこうという歌である。この曲のPVには牡牛座生まれの春風アルト・あけぼのテレビ社長(1986.04.22 15:50 小田原市)に出演してもらい、風が吹いてみんなが飛ばされて行っても、地震でみんなが右往左往していても、ひとり揺れずに黙々とお仕事をしている様が描かれている(住宅メーカーの台風や地震を再現する検査システムを借りた)。結果的にアルトさんの人気が高まった!ようである。アルトさんの古いヒット曲のダウンロードが唐突に増えて本人もびっくりしていた。
 
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『仲良くジェムナイ』はジェムナイ(Gemini)つまり双子座さんの交際好きな性格を歌っている。PVに出演しているのは、双子座生まれの姫路スピカ(2000.06.03 07:33 姫路市)である。彼女がモニターを部屋に12個ずらりと並べて、多数のお友達とおしゃべりしている様子が映っている。このPVは公開されてから、スピカの実態では?と言われた。彼女の交友の多さと噂好きはわりと有名である。話の正確性に問題があることも有名である!
 
スピカ自身は
「え〜?部屋にはモニター3個しか置いてないよ」
 
と発言して、多くの人から「やはり多い」と書かれていた。ちなみにスピカはスマホも4台所持している!(仕事用に事務所から渡されているもの1台(au)と、個人用に mineo, uq-mobile, disney 1台ずつである)
 
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なお高崎ひろかも双子座(1999.05.26 15:16 釧路市)なのだが、彼女はスピカがスマホを4台持っているという話を聞いて
「そのくらい普通じゃない?私は5台持ってるし」
と発言して、なんか§§ミュージックの双子座さんは凄い、と書かれていた。
 

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『内気なキャンサー』はキャンサー(Cancer)つまり蟹座さんの内気な性格を歌っている。PVは蟹座生まれの桜木ワルツ(1998.07.19 5:43 川内市)に出演してもらい、みんなが外で遊んでいても、ひとり家の中でウィリアム・ブレイクの詩集を読んでいる姿が映されている。これも本当にワルツさんらしい、と随分ネットには書かれていた。しかしPVの最後には高校の(女子)制服姿の今井葉月が訪ねてくると、パッと明るい顔になり、テーブルの上に豪華な料理が並んで、サイダーで乾杯し、ふたりで楽しく談話する所が映って、蟹座さんのツンデレな性格をよく表している。
 
ところでこのPVが公開された後、巷では「ワルツと葉月の関係って怪しくない?」という噂も囁かれていた。「ワルツの葉月を見る目が尋常ではない気がする」「レスビアン?」「この2人がレズ婚しても驚かないかも」といった声まで出ていたが、コスモスはその噂が流れているのを放置していた。
 
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