【王女と私】(2)初めての夜・ムダ毛なんて抜いちゃおうね

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それからサリーは私を王女の部屋に案内した。まるで女性のネグリジェみたいな夜着でズボンがないので、なんだか足が頼りない。しかしガードルみたいなものと思ったらほんとにガードルだった。これもネグリジェみたいな感じだが、まさかほんとにネグリジェなのでは?ふとそんな疑問がわいてきた。
 
そう考えていくと、そのガードルの下に付けさせられたパンツもフリルがたっぷりついていたし前の開きもなかった。それも女物などということはなかろうか?
 
と、そこまで考えてあほらしくなった。王女の婿を女装させて何の意味があるだろう。きっと王女は何でも可愛らしいのが好きなのであろう。私は子供の頃からあまり男らしいと言われたことはないが、やはり王女の前では精いっぱい男らしく振る舞おう。
 
そんなことを考えている間に王女の部屋に着いた。
 
入っていくと王女が抱き着いてきた。王女は美しいナイトドレスを着ていた。
 
「今日はいろいろとお疲れ様でした。あなたと一緒になれて私はとても幸せです。いつまでも一緒にいましょうね」
 
そういうと王女は私にキスしてきた。深く長いキスであった。私は王女をベッドの上に導き優しく押し倒した。
 
キスしたまま布団を王女の上に掛け、自分もその中に潜り込む。
 
体を寄せ、王女の胸を触った。
 
その時、私は股間に軽い痛みを感じた。
 
そうであった。ガードルを付けていたのだ。別にHをしたくて結婚した訳ではないが、結婚したのにできないというのも変な気分だ。しかしまぁ確かに相手は大事な体。仕方ないのだろう。
 
その時私はサリーが部屋の隅に控えていることに気が付いた。そうそう。こういう世界では誰と誰がどんなまじわり方をしたとか、二人はうまくいってるようだとか、そういうのもきちんと記録する必要があるのだろう。大変なことだ。
 
サリーには今までも色々世話になっているし、さっきは気持ちいいことをされたので、あまり他人という気がしない。私は気にしないことにして、王女の胸をさぐり続けた。
 
乳首のあたりを触ると王女の反応が違った。感じるようだ。私はそこを集中的になぜてあげた。
 
「お願い。もっと優しく」
 
「ごめん、ごめん」
 
張り切って強くやりすぎたようだ。私は弱いさわり方に変えた。すると王女は気持ちよさそうにしている。私は今度はその手を体の下の方にずらしていき、王女のドレスのすその下から手を入れて股間に触れた。
 
「あ」
 
私はクリトリスの場所を探した。。。。。。分からない!
 
やはりサリーに練習させてもらった方がよかっただろうか?しょうがないので、私はこの辺だろうか、と思われるい一帯を指の腹で広くマッサージした。
 
「気持ちいい」
 
王女は私の首に強くキスしてきた。痛いくらいだ。長い間そうしていただろうか。
 
「お願い。もういいわ」
 
王女が言った。
 
「ごめん。痛かった?」
 
また強すぎたのだろうか? 私は心配して聞いた。
 
「ううん。行っちゃったの」
 
王女はちょっと恥ずかしそうに言った。
 
「私もしてあげる」
 
王女はそういって、私の夜着のすそをめくりあしに触れて上の方にたどっていこうとした。
 
が、はっとしたように手を引っ込めてしまった。
 
「ごめんなさい。今度にするわ。いい?」
 
「いいよ」
 
きっと、上品に育った来たお姫様だちから、さすがに今日は恥ずかしいのだろう。
 
私はそう思った。締め付けられたガードルの中で立ったままの棒が苦しい。しかしまぁ、しょうがないだろう。私は「じゃ、おやすみ」と言って王女にキスした。
 
王女もおやすみと言って目を閉じた。
 
私は興奮していたので眠れないかと思ったが、疲れのせいか、いつの間にか睡魔に包まれていった。
 
 

 
翌日目が覚めるともう王女はそばにいなかった。しかしサリーがすぐに
 
「おはようございます」
 
と声を掛けてきた。彼女はいったいいつ寝ているのだろう?
 
「おはよう、サリー。姫は?」
 
「公務のご準備のためお化粧をするための部屋に行かれました。婿様もお着替えになりますか?」
 
「うん。頼む」
 
私はサリーの案内でまた昨日着替えさせられた部屋に戻った。その間誰も通りかからない。ここは多分大奥的な場所で限られた人間だけが出入りできるのであろう。
 
サリーは私を案内するとすぐに下がり、代わって見慣れた侍女が4人入ってきて私を着替えさせてくれた。
 
その日も挨拶、挨拶の連続であった。
 
どこどこ伯爵、どこどこ公爵、どこどこ子爵、とよく分からないままいろんな人に挨拶した。
 
そのほか、今までテレビでしか見たことのない、大企業のトップや政治家などとの挨拶もあった。王女に聞くと、こういう挨拶が1月くらいは続くはずだ、ということであった。王族というのは、ほんとに大変な商売である。
 
くたくたに疲れて夜部屋に戻ると、サリーともう一人見慣れない白衣の女性がいた。
 
「お帰りなさいませ、婿様。今日は脱毛をさせていただきます」
 
「は?」
 
「昨夜王女様は婿さまの股間をさわろうとなさいましたが、途中でやめてしまわれました」
 
「おいおい、そんなとこまでチェックしてるのかい?」
 
私はさすがに呆れて言った。
 
「王族にとっては夜の営みは最も重要なことでございますので」
 
サリーは平然と言ってから続けた。
 
「訳を王女様に聞きましたところ、なかなか言ってくださらなかったのですが、お二人が仲良くしてくださらないと大変困ります。そこでやむをえず王女様に催眠術を掛けて聞き出しました」
 
私はサリーという人が一瞬恐くなった。そしてそれよりもそのバックにある王宮というものが突然魔の国のように思えてきた。
 
「その結果、王女様は婿様の足の毛に嫌悪感を感じて触るのをやめてしまったことが判明しました」
 
「毛?」
 
「はい。実は恥を忍んで申し上げますが、王女様は幼い頃にある貴族の男性に乱暴されそうになったことがあります」
 
「それはまぁ...」
 
「危うく一人の兵士が気付き止めに入りまして、事なきを得ました。しかしそれ以後、王女様は男性というものに激しい恐怖感を感じるようになってしまったのです」
 
「その貴族はどうなったの?」
 
「その兵士が止めに入った時、殺害しました。一応表面的には足を滑らせて階段から落ちて死んだということになりました」
 
そういえばそんな事故が十数年前にあったような気がする。
 
「その後、何人もの精神科医に王女様の心の傷の治療をお願いしたのですが、誰もそれを癒やすことができませんでした。今ではずいぶんマシになりましたが当時は男の方を見るだけで冷や汗が出てきて気分が悪くなる状態だったのです。それが今では触れられない限りは平気になりました」
 
「僕は触れたけど」
 
「はい。そのままでは王女様は結婚することができません。しかしいくら何でもどんな男でもダメということはないのではないか、そう王様がおっしゃいまして。そこでパーティーを開いて、王女様が御自身で、こういう人となら一緒に暮らしてもいい、と思える方をお探ししたのです」
 
「それで、僕が選ばれた訳か」
 
「はい。婿様は体も細いですし、背もそんなに高くなく、顔も優しい作りで、話し方も柔らかく、それに少し女性的な雰囲気がありますので、こういう方となら大丈夫かも知れない。そう思われたのです」
 
女性的で素敵だと言われるのも変な気分だ。まぁ、子供の頃から男女などと言われたことはいくらでもあるので、今更気にしないが。ではこちらも無理に男らしく振る舞う必要もないらしい。楽ちんかも知れない。
 
「ところが昨夜ベッドの中で王女様は、婿様の足の毛に触られて、改めて婿様が男の方だということを思い知り、行為を中断なさいました」
 
行為....まで行ってないんだが、と反論したかったがやめておいた。
 
「このままでは夜の生活にいづれ破綻が来ないとも限りません。そこで婿様の体毛を除去させていただきまして、抵抗感を取り除こうということが決定したのです」
 
「ちょっと待って。決定したって...」
 
「王様のご命令です。そこで今夜は今から足の脱毛をさせていただきます。明日の夜はお腹の毛とおひげを脱毛させて頂きます。全部今夜やってしまいたい所ですが、婿様は昨夜おひげを剃っておられまして。脱毛は少しのびてないとできないものですから。王女様との対面はそれが終わってからということにしますので、今夜は王女様とは会えません。婿様は今日の行事で疲れたので一人で休まれるということで王女様にはお伝えしました」
 
私はなんだか頭がくらくらした。
 
「何だか分からないけど、やってくれ」
 
私は開き直ることにした。
 
「では、このものはメリアットと申します。脱毛は毛根まで破壊しますので、脱毛した毛穴からは2度と毛は生えてきませんが、今休眠中の毛穴もあります。一週間後にまた行ないます。それを繰り返して1月ほど後には、きれいなすべすべした、お肌になるはずです。もちろん、ひげも剃る必要はなくなります」
 
それは便利かも知れない。そんな気もした。
 
私はベッドの上に寝せられ、処置が始まったようだが、そんなに痛みはない感じだ。サリーはずっとそばについていた。私は彼女の王宮での立場というものに興味を感じた。
 
「サリーは、今更だけど、どういう位にあるんだっけ」
 
サリーが笑って答えた。彼女の笑顔というのはなかなか見れるものではない。
 
「私は無位無冠。何の称号もない透明な女です。私に与えられている役目は、王女様の手・足・目・耳・舌、あらゆることを代行することです。従って王女様に許される全てのことが私にも許されます。私には本当は名前もありません。サリーというのは本当は王女様の名前のひとつですが、それを私に与えて下さっているのです。王女様の本当の名前はエヴリーヌ・ポーセル・ドミラスト・サルワンヌ・マリア・ミラージュ・サリー・レモシュトワ、と言います。しかし私にサリーという名前を貸し与えていますので、現在はエヴリーヌ・ポーセル・ドミラスト・サルワンヌ・マリア・ミラージュ・レモシュトワと名乗っておられるのです」
 
「生まれた時から、というか代々そういうことをしているの?」
 
「私は存在しない女ですから、生まれた時も代々もありませんわ」
 
サリーは謎の微笑みを見せながら答えた。それ以上追求するのは無理のようであった。
 
 
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